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第四章 魔晶石採掘師シルヴィ
4-19 山野分 その三
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飛空艇が格納庫へ避難して間もなく飛行場にも強風が吹き荒れ始めました。
この飛行場からの距離ではおよそ10ガーシュほどでしょうかねぇ。
飛行場の西側に設置してある疑似百葉箱の風速計は毎時200ガーシュ(秒速でいうと83mぐらいでしょうか?)を若干下回る程度のかなりの強烈な風が吹いています。
おまけに気温がどんどん下がっています。
発生してから四半時も経っていないというのに、摂氏10度前後だった気温がすでに氷点下です。
氷点下5度まで下がってからの下降速度は若干緩やかになりましたが、それでも氷点下10度までは間違いなく行きそうです。
飛空艇の中にいる私たちの吐く息も白いですからね。
かなり寒いことがわかります。
でも、こんな時は下手に動かないほうがいいらしいので、私は遮音結界を保持しつつ、気づかれない程度に気温を温めています。
多分5度前後でしょうかねぇ。
それでもじっとしているとじわじわと寒さが身に沁みます。
一応それなりの防寒着は着ているんですけれどね。
今回の山野分の発生場所は、飛行場から北東方向140ガーシュほどなんですけれど、当然魔物の第二波が動き始めていますよね。
ただし、5日前に発生した山野分の発生点がそれよりも北北東寄りだったために、今回の決壊場所方向に山野分の中心方面からやって来る魔物は少ないはずです。
5日前の山野分で南西方向あるいは西方向へ避難できる魔物はすでに動いていたはずです。
一方でヘイネマン共和国の北側にあるオブテラス獣王国の長城にはより大きな勢力が押し寄せてくる可能性があります。
一旦は中心点から北又は北東方向に逃れた勢力が、再度の山野分で西へ移動を始めた可能性があるからです。
長城で何とかその侵攻を阻むことのできた魔物たちも、やや沈静化したとは言え、未だに恐慌状態なのに再度の山野分の発生で、また興奮状態になり、更なる勢力が加われば長城を破壊するかもしれません。
5日前の山野分で決壊したのはヘイネマン共和国とオブテラス獣王国との国境付近でしたが、それより北側の獣王国側の長城が危険個所になるかもしれません。
しかしながら、この烈風吹きすさぶ山野分の最中には誰も動くことができません。
私は必要があれば結界を張って疑似百葉箱の地点へ転移できますけれど、流石に能力がばれそうなのでしません。
特に、第二班長のクレバインさんの前ではとても見せられませんね。
止むを得ず結界を張った状態で待機です。
半時をかなり超えてようやく山野分の勢力は衰え始めましたが、一旦吹き始めた強風はなお残ります。
発生から一時(1.5時間ほど)経ってようやく風速は毎時50ガーシュ程度(毎秒20m前後)まで落ち、気温もやや上昇を始めました。
ようやく班長二人は情報確認のために動き出していました。
半時ほどして戻った二人は、派遣班全員に向かって告げました。
「二度目の山野分で、今回決壊した箇所よりも北側100ガーシュ付近の長城が決壊したようだ。
管轄はオブテラス獣王国側の長城になるが、再度の支援要請を正式に受理したことを確認した。
オブテラス獣王国のみならず、ヘイネマン共和国からも要請が来ている。
因みにヘイネマン共和国からも支援部隊を獣王国に差し向けるそうだ。
彼らの出発は、準備で二時ほど後になるが、我らはこの飛空艇が飛び立てるようになり次第、獣王国の飛行場に向かう。
引き続きの作戦になるが物資等で必要なものがあれば言ってくれ。
可能な範囲で手配するが、出発に間に合わない場合は、そのまま置いて行き、別便で運んでもらう予定だ。」
支援班から若干の医療関係の補給物資の依頼があったほかは特段になかった。
食料は現地でおそらく準備されるはずだけれど、一応、携帯用の食料は二週間分ほど持っている。
でも、とても派遣班の三十人分は無いよ。
今後は食料も大量に備蓄しておこうかなぁ?
でも、そういう保管能力があることも知られるのはまずいしね。
ウーン、やっぱり自分の分だけにしよっか。
本当に必要な緊急の場合には、転移で戻って食料を運ぶことも可能だしね。
それから半時後風速は毎時25ガーシュ以下にまで落ちましたので、飛空艇は再び滑走路に出て、間もなく飛び立ちました。
行く先は150ガーシュ程北になるオブテラス獣王国の飛行場です。
◇◇◇◇
半時後にはオブテラス獣王国の飛行場の会議室に在って、獣王国側関係者から現状説明を聞いていました。
飛行場から東へ30ガーシュの地点に決壊箇所があるとのことで、実はこの飛行場も危険地域に入っているそうです。
前線は飛行場からわずかに15ガーシュ東にまで後退しているとのことで、すぐさま私たちは現場へと向かいました。
数日前の惨劇がまた目の前で繰り広げられており、半壊した仮設障壁の周囲で正しく激戦の最中でした。
私は、ダンカンさんの指示を待たずに動きました。
ライトアローの連射、連射です。
少なくとも前回のよりも魔物数が増えていたように思います。
私の索敵マップには二百を超える魔物が見えており、これ以外にもまだまだ居そうなんです。
近場を掃討し終えると、馬を手配してもらうのも面倒なので、私は勝手に走り出していました。
近隣に集落があるのが分かったからです。
ある程度、班から離れたら一気に転移で跳び、魔物の近くあるいは集落の近くで連射、連射の掃討です。
この時に住民や自警団の人たちに私の姿を見られていたようですが、そんなことには構っていられません。
駆け足で移動しながら、魔物に向かい連射、連射でとにかく手当たり次第にマップ上から魔物を消して回ります。
方法としては、獣王国内側から外側に向けての掃討戦に徹しました。
人気のないことを確認しつつ、魔物が集中し群れているような場所では爆裂波動という物体内部から爆散する陰陽術なんかも用いて、まとめて五体の魔物を葬ったりもしました。
うん、爆裂波動、結構強力ですね。
爆散中心点から半径50m前後が一斉に吹き飛びましたが、火炎魔法ではないので周辺の木々に延焼したりする心配はありません。
周囲の樹木にはもちろん影響がありますけれど、火炎系列の魔法と異なり、これは森の中でも使えそうです。
あと何せ魔物の拡散範囲が広いので、式神で十二神将も召喚してお手伝いしてもらいましたよ。
彼らも相当に強いのでハルバードやら大きなクレイモアを軽々と振り回し、特大魔物でも歯牙にもかけず、吹きとばし、斬首し、瞬殺していました。
そんなこんなで一時ばかり好き勝手していたら、私の携帯通信機で呼び出され、ダンカンさんに叱られました。
「こらぁ、どこにいる?
お前ひとりでも大丈夫なのはわかっているが、一人で勝手に動くな。
全体の把握ができないとこちらも困るんだ。」
「あーっ、現在はレフレンコと言う町の近くです。
北側の魔物の掃討はほぼ終わりました。
これから班長の元に戻りますが、少し距離があるので時間がかかりそうです。」
「レフレンコだとぉ?
ここから50ガーシュも離れた場所じゃないか、一体どうやってそこまで行ったんだ?」
「えーと、あの・・・。
内緒です。
魔物を追いかけてきたらここまで来てました。
ここより北には魔物はいません。」
「馬鹿野郎。
さっさと戻れ。」
通信機越しですが、ダンカンさんに怒鳴られてしまいました。
そんなこんなで大急ぎで帰路を急ぎ、一時後には何とか私も原隊に復帰しました。
南側の領域にも多少の魔物は入り込んでいましたが、その数は20に満たない数です。
それぐらいは、一級採掘師の方にお任せしてもいいでしょう。
でも実際には一級採掘師19名で退治できたのは9体だけでした。
アレ、皆さんさぼっていたわけじゃないですよね?
私、北側の領域で、十二神将さんの手伝いもあったけれど、197体も討伐してきましたよ。
一応、ダンカンさんに討伐数を報告したらすっかり呆れられてしまいました。
夕刻まであとわずか、お馬さんを借りて魔物が残る領域へピンポイントで接近、即座に倒します。
見敵必殺、これ常識ですよね。
相手に逃げる余裕を与えてはなりません。
日没までにばらけていた残り9体を何とか殲滅しました。
ここでも決壊した長城の復旧工事が一段落するまで三日ほど様子見のために待機、それから飛空艇で公国へ飛び立ち、ギルドを出発してから11日目にしてようやくギルドへ戻ってまいりました。
この飛行場からの距離ではおよそ10ガーシュほどでしょうかねぇ。
飛行場の西側に設置してある疑似百葉箱の風速計は毎時200ガーシュ(秒速でいうと83mぐらいでしょうか?)を若干下回る程度のかなりの強烈な風が吹いています。
おまけに気温がどんどん下がっています。
発生してから四半時も経っていないというのに、摂氏10度前後だった気温がすでに氷点下です。
氷点下5度まで下がってからの下降速度は若干緩やかになりましたが、それでも氷点下10度までは間違いなく行きそうです。
飛空艇の中にいる私たちの吐く息も白いですからね。
かなり寒いことがわかります。
でも、こんな時は下手に動かないほうがいいらしいので、私は遮音結界を保持しつつ、気づかれない程度に気温を温めています。
多分5度前後でしょうかねぇ。
それでもじっとしているとじわじわと寒さが身に沁みます。
一応それなりの防寒着は着ているんですけれどね。
今回の山野分の発生場所は、飛行場から北東方向140ガーシュほどなんですけれど、当然魔物の第二波が動き始めていますよね。
ただし、5日前に発生した山野分の発生点がそれよりも北北東寄りだったために、今回の決壊場所方向に山野分の中心方面からやって来る魔物は少ないはずです。
5日前の山野分で南西方向あるいは西方向へ避難できる魔物はすでに動いていたはずです。
一方でヘイネマン共和国の北側にあるオブテラス獣王国の長城にはより大きな勢力が押し寄せてくる可能性があります。
一旦は中心点から北又は北東方向に逃れた勢力が、再度の山野分で西へ移動を始めた可能性があるからです。
長城で何とかその侵攻を阻むことのできた魔物たちも、やや沈静化したとは言え、未だに恐慌状態なのに再度の山野分の発生で、また興奮状態になり、更なる勢力が加われば長城を破壊するかもしれません。
5日前の山野分で決壊したのはヘイネマン共和国とオブテラス獣王国との国境付近でしたが、それより北側の獣王国側の長城が危険個所になるかもしれません。
しかしながら、この烈風吹きすさぶ山野分の最中には誰も動くことができません。
私は必要があれば結界を張って疑似百葉箱の地点へ転移できますけれど、流石に能力がばれそうなのでしません。
特に、第二班長のクレバインさんの前ではとても見せられませんね。
止むを得ず結界を張った状態で待機です。
半時をかなり超えてようやく山野分の勢力は衰え始めましたが、一旦吹き始めた強風はなお残ります。
発生から一時(1.5時間ほど)経ってようやく風速は毎時50ガーシュ程度(毎秒20m前後)まで落ち、気温もやや上昇を始めました。
ようやく班長二人は情報確認のために動き出していました。
半時ほどして戻った二人は、派遣班全員に向かって告げました。
「二度目の山野分で、今回決壊した箇所よりも北側100ガーシュ付近の長城が決壊したようだ。
管轄はオブテラス獣王国側の長城になるが、再度の支援要請を正式に受理したことを確認した。
オブテラス獣王国のみならず、ヘイネマン共和国からも要請が来ている。
因みにヘイネマン共和国からも支援部隊を獣王国に差し向けるそうだ。
彼らの出発は、準備で二時ほど後になるが、我らはこの飛空艇が飛び立てるようになり次第、獣王国の飛行場に向かう。
引き続きの作戦になるが物資等で必要なものがあれば言ってくれ。
可能な範囲で手配するが、出発に間に合わない場合は、そのまま置いて行き、別便で運んでもらう予定だ。」
支援班から若干の医療関係の補給物資の依頼があったほかは特段になかった。
食料は現地でおそらく準備されるはずだけれど、一応、携帯用の食料は二週間分ほど持っている。
でも、とても派遣班の三十人分は無いよ。
今後は食料も大量に備蓄しておこうかなぁ?
でも、そういう保管能力があることも知られるのはまずいしね。
ウーン、やっぱり自分の分だけにしよっか。
本当に必要な緊急の場合には、転移で戻って食料を運ぶことも可能だしね。
それから半時後風速は毎時25ガーシュ以下にまで落ちましたので、飛空艇は再び滑走路に出て、間もなく飛び立ちました。
行く先は150ガーシュ程北になるオブテラス獣王国の飛行場です。
◇◇◇◇
半時後にはオブテラス獣王国の飛行場の会議室に在って、獣王国側関係者から現状説明を聞いていました。
飛行場から東へ30ガーシュの地点に決壊箇所があるとのことで、実はこの飛行場も危険地域に入っているそうです。
前線は飛行場からわずかに15ガーシュ東にまで後退しているとのことで、すぐさま私たちは現場へと向かいました。
数日前の惨劇がまた目の前で繰り広げられており、半壊した仮設障壁の周囲で正しく激戦の最中でした。
私は、ダンカンさんの指示を待たずに動きました。
ライトアローの連射、連射です。
少なくとも前回のよりも魔物数が増えていたように思います。
私の索敵マップには二百を超える魔物が見えており、これ以外にもまだまだ居そうなんです。
近場を掃討し終えると、馬を手配してもらうのも面倒なので、私は勝手に走り出していました。
近隣に集落があるのが分かったからです。
ある程度、班から離れたら一気に転移で跳び、魔物の近くあるいは集落の近くで連射、連射の掃討です。
この時に住民や自警団の人たちに私の姿を見られていたようですが、そんなことには構っていられません。
駆け足で移動しながら、魔物に向かい連射、連射でとにかく手当たり次第にマップ上から魔物を消して回ります。
方法としては、獣王国内側から外側に向けての掃討戦に徹しました。
人気のないことを確認しつつ、魔物が集中し群れているような場所では爆裂波動という物体内部から爆散する陰陽術なんかも用いて、まとめて五体の魔物を葬ったりもしました。
うん、爆裂波動、結構強力ですね。
爆散中心点から半径50m前後が一斉に吹き飛びましたが、火炎魔法ではないので周辺の木々に延焼したりする心配はありません。
周囲の樹木にはもちろん影響がありますけれど、火炎系列の魔法と異なり、これは森の中でも使えそうです。
あと何せ魔物の拡散範囲が広いので、式神で十二神将も召喚してお手伝いしてもらいましたよ。
彼らも相当に強いのでハルバードやら大きなクレイモアを軽々と振り回し、特大魔物でも歯牙にもかけず、吹きとばし、斬首し、瞬殺していました。
そんなこんなで一時ばかり好き勝手していたら、私の携帯通信機で呼び出され、ダンカンさんに叱られました。
「こらぁ、どこにいる?
お前ひとりでも大丈夫なのはわかっているが、一人で勝手に動くな。
全体の把握ができないとこちらも困るんだ。」
「あーっ、現在はレフレンコと言う町の近くです。
北側の魔物の掃討はほぼ終わりました。
これから班長の元に戻りますが、少し距離があるので時間がかかりそうです。」
「レフレンコだとぉ?
ここから50ガーシュも離れた場所じゃないか、一体どうやってそこまで行ったんだ?」
「えーと、あの・・・。
内緒です。
魔物を追いかけてきたらここまで来てました。
ここより北には魔物はいません。」
「馬鹿野郎。
さっさと戻れ。」
通信機越しですが、ダンカンさんに怒鳴られてしまいました。
そんなこんなで大急ぎで帰路を急ぎ、一時後には何とか私も原隊に復帰しました。
南側の領域にも多少の魔物は入り込んでいましたが、その数は20に満たない数です。
それぐらいは、一級採掘師の方にお任せしてもいいでしょう。
でも実際には一級採掘師19名で退治できたのは9体だけでした。
アレ、皆さんさぼっていたわけじゃないですよね?
私、北側の領域で、十二神将さんの手伝いもあったけれど、197体も討伐してきましたよ。
一応、ダンカンさんに討伐数を報告したらすっかり呆れられてしまいました。
夕刻まであとわずか、お馬さんを借りて魔物が残る領域へピンポイントで接近、即座に倒します。
見敵必殺、これ常識ですよね。
相手に逃げる余裕を与えてはなりません。
日没までにばらけていた残り9体を何とか殲滅しました。
ここでも決壊した長城の復旧工事が一段落するまで三日ほど様子見のために待機、それから飛空艇で公国へ飛び立ち、ギルドを出発してから11日目にしてようやくギルドへ戻ってまいりました。
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