16 / 121
第三章 魔晶石ギルドの研修
3-7 図書館へ、そして先輩への指導がありました
しおりを挟む
赤曜日の午後は、魔法の座学と実技訓練です。
食堂でお昼を食べてから、私は本館にある図書室へ行きました。
ギルドの図書室はとっても大きな施設で、10万冊の書籍が集まっているそうです。
貸し出しはしていませんが、ギルド会員ならば図書室の中で閲覧をすることだけが許されています。
で、知らなかったのですが、スキルの「鑑定」が、凄く便利なんです。
手に持った書籍に鑑定を掛けると、あら不思議、書籍の内容がそのまま私の頭の中へ流れ込んで来るんです。
初めての体験で、余りのことに私の脳がパニックを起こしました。
多分、5分か10分、そのまま硬直していたのじゃないかと思います。
その間、私の頭が勝手に脳内整理を始めていて、膨大な知識が落ち着くべき所へ落ち着いたみたいです。
軽い頭痛がしますけれど、まぁまぁ、大丈夫ですよ。
一冊目が、魔獣図鑑第一巻でしたけれど、第二巻を取って、同じく恐る恐る鑑定を掛けるとやっぱり膨大な知識が頭に流れ込んでくるんです。
やっぱり暫しの間、呆然としていましたけれど、さっきよりは少し短い時間で脳内整理が終わったような気がします。
で、これ以上続けると何か知恵熱でも出て来そうな気がするので、その日は二冊で打ち止めにしました。
その後、昼休みの間、寮の前の芝生にあるベンチに座ってぼんやりしていました。
午後からは魔法の座学と実技訓練です。
さて、今日は何をするのでしょうかねぇ。
今日の魔法の座学と実技訓練は、支援班のミナ・アリステア指導員でした。
ミナ・アリステア指導員は、元々採掘師候補だったのですけれど、体力的な問題で採掘師になることができずに、魔法の能力が高かったことと、支援業務の適性が高かったので支援班に回されたのだそうです。
因みに、ミナ・アリステア指導員は、火、水、風、土魔法の四属性を持っているそうです。
今日習うのは、魔力の循環という魔力を増やすための方法です。
拝むように両掌を身体の前で合わせ、右から左へと体内魔力を回すのが、第一段階。
次いで、魔力を体側に沿って左足先まで通し、それから内股側に戻してから、更に右足先まで通すことを同じように行うのが第二段階。
第三段階は、背面経由で頭のてっぺんを通って、腹面に返すように身体の四肢以外の部分に魔力を流し循環させるのです。
これを第一段階から第三段階まで繰り返して行うことで体内魔力をたくさん保有できるようになるのだそうです。
ただし、ミナ・アリステア教官の魔力は400までも行っていません。
もしかしてその辺が普通の方の頭打ちなのでしょうか?
私は、何だかんだで、魔力3000を超えており、更に毎日10から20ぐらいずつ数値が上がっているのですけれど・・・。
何だか秘密が一杯ですよね。
まぁ、ギルドの派閥争いなんかに巻き込まれそうな場合には、遠慮会釈なく、思うが儘に動くつもりですが、それまでは対外的に余り私の能力をひけらかさないように注意したいと思っています。
おかしな派閥には組み込まれないよう我が道を行かねばなりません。
独自路線の派閥って無いのかしら?
そう言えばジェシカさんは、そう言った派閥に取り込まれないようにと、たまたま訪れて来た加工師の目から私を庇ってくれたんだっけ。
或いはジェシカさんの様に中立を保っている人たちもいるんじゃないのかなぁ。
出来れば派閥に染まらない人たちと一緒になって自由にできればいいよね。
で、肝心の訓練ですが、意外と皆さんは梃子摺っているみたいです。
私はすんなりできちゃったのですることも無いから、そのまま、ぐるぐると魔力は廻し続けていますけれどね。
第一段階はできても、第二段階へ中々移行できない人、第三段階で途中で詰まってしまう人、なんか様々なんですが、どうしてなんでしょう。
魔力操作って、魔法を発動する際に絶対にやってますよね。
例えば火を産み出す時だって、何の気なしに私はできちゃったけれど、魔力を指先に集めて魔素に変換し、それから火に変えている。
火の熱量及び規模は送り込まれた魔力とその魔素変換効率に依るはずなのです。
少なくとも私が湖の無人島で深夜訓練を続けた時に感じたのはそう言うことだったと思うのです。
但し、陰陽術を使う場合は少し違うかな。
式や形代を使うときは、魔力は形代などに込めて魔法陣を発動する感じかな。
陰陽術は、九字にしても一種の魔法陣なんだよね。
西洋風の円形じゃないところが違うんだけれど。
どちらかというと空間に三次元的に配置された魔法陣で形は様々なんだ。
普通の人には見えない筈だけれど、私にはその空間の変容がわかる。
だから、陰陽術擬きの魔法が使えるんだね。
午後の魔力廻しの結果、私の魔力が普段よりも多く40程も増えていました。
これって結構ヤバい?
このペースで上昇すると半年もしないうちに魔力が1万の大台を超えてしまいそうだもの。
授業が終わる11時ころには、何とか全員が魔力廻しの第三段階までできるようになっていました。
ミナ・アリステア指導員から、今後は自主練習を続けなさいと言われて午後の授業は終わりです。
夕食を食べてからは自由時間なのですが、12時半から14時半までの間に私は自主訓練をすることにしました。
というのも、魔法の訓練場と武術の訓練場は夕食後から就寝前まで自由に使っても良いのです。
で、私は今武術の訓練場に来ている訳なんですが、先客が居ました。
同級生では無いので多分先輩です。
一人は今朝ほど講師役で来ていた、三級採掘師のレオンさんですが、もう一人の方も現役の方かと思っていたら違っていました。
多分、昨年ギルドに入った方ですが卒業試験に落ちて留年した人のようです。
一年は留年できるんですけれど、それ以上は駄目。
研修期間は二年までと定められているんです。
「クラウディア、そんなことじゃ、試験は受からんぞ。」
レオンさんが剣術の相手をしながらそうハッパをかけていました。
クラウディアと言う名前からわかる通りもう一人は女性です。
うーん、私の見るところ、体力が足りないんですかねぇ。
剣に振り回されていますから、あれで魔獣や魔物と戦うのはちょっと無理じゃないでしょうか。
身体強化を使えばもっと動けるんじゃないかと思うのですけれど・・・。
もしかして身体強化って特殊な属性魔法が居るのかしら?
でも、クレアは動きが早かったけれど獣人族だから?
彼女と対戦した時、身体の表面に魔力が張り付いていたからクレアは身体強化を使っていたように思うんだけど。
今目の前に居るクラウディアさんはそれを使ってはいないように見える。
で、相手をしているレオンさんはと言えば、魔力が張り付いているから使っている筈。
クラウディアさん、もしかして魔力が少なくて身体強化が使えない?
戦闘中に魔力が切れると大変だよね、身体強化も使えなければすぐにやられちゃう。
私は邪魔にならないよう彼らと離れて訓練場備え付けの訓練用剣で剣術の稽古(素振り)をしていたのだけれど、レオンさんに声を掛けられた。
「シルヴィだったけ、こっちへ来いよ。
できたら、クラウディアと稽古をしてみてくれんか?」
えーっ、・・・。
何となく気が向かないけれど、ここで逆らっちゃうのも嫌だよねぇ。
しょうがいないから、レオンさんの言いつけに従い、おずおずと二人に近寄る。
「あぁ、紹介しておこう。
クラウディア、こっちは今年入って来たシルヴィ・デルトン、確かファンダレル共和国出身の採掘師候補だ。
加工師候補でもあったかな。
そして、シルヴィ。
こっちは俺と同期のだ。
昨年度の最終試験に落ちたんで今は浪人中だ。
魔法はできるんだが、体力が続かないんで剣術を含めて格闘術が最悪なんだ。
何とか持久力をつけようとしているんだが、元々虚弱体質なのか、全然体力が付かん。
シンディ、俺を負かしたお前なら、どうすればいいのかわかるんじゃないかと思ってな。
一度対戦してみてくれんか?」
クラウディアさんが、怪訝そうな表情で言った。
「えーっ、嘘っ、この子が、レオンを負かしたの?」
まぁ、体格差から言えば勝てそうにないよね。
「ああ、未だに俺も信じられんが、本当だ。
それも格闘術でだぞ。」
クラウディアさんが、私を頭のてっぺんからつま先までじろじろと見ている。
「あのう、失礼ですけれど、対戦するよりも身体強化をした方が早い様な気がします。
クラウディアさん、魔法が使えるなら身体強化を使えますよね?」
レオンとクラウディアがハモリながら言った。
「「身体強化って何(だ)?」」
あれ、知らないの?
ひょっとしてステータス見えないのかな?
そう言えばギルド支部でも適性を確認しただけでステータスのことは見えなかったぽいよね。
ひょっとしてこれも加護か何かの特典なの?
私は若干焦りながらも説明した。
「えーっとですね。
身体強化というのは、身体全体の筋肉強化を含めて身体の防御力と攻撃力を増やすために魔法で強化するんです。
因みに、レオンさんはかけていますよね?」
「ン?
どういうことだ?
あれ?
もしかして戦闘態勢モードの事か?」
「あ、でしたら、レオンさんは無意識のうちに魔法をかけてそのような状態にしているのかもしれませんね。
その状態なら、多少の攻撃を受けてもダメージは少なくて済みますし、何よりも瞬発力と速さが上がります。
だから、剣術や格闘術では必要な状態ですよね。
さっき見ていたら、レオンさんはちゃんとできていましたけれど、クラウディアさんは身体強化ができていません。
だから、クラウディアさん普通の女の子の力のまんまなんです。」
「お、おう・・・。
まぁ、そうだな。
俺の場合、実戦・訓練を問わず、戦闘態勢モードに入るのは基本だ。」
「レオン、それどうやるの?」
「ん?
どうやるって・・・・。
説明は上手く出来んが、・・・。
さぁ、やるぞと思ったら気合で戦闘態勢モードになるな。
クラウディア、お前は、戦うときはどうしてるんだ。」
「どうって、言ったって。
普通に剣を構えて戦う準備をするだけ。」
私がそこへ割って入る。
「クラウディアさん、それじゃだめです。
身体強化は魔法の一種です。
クラウディアさん、魔力の体内循環を知ってますよね?」
「えぇ、魔力増強の基本でしょう。
当たり前じゃない。
魔法使いなら当然しなければいけないわ。」
「じゃぁ、その要領で、身体全体を覆うように魔力を行き渡らせてみてください。
それが身体強化の第一歩です。」
「ん?
身体全体を覆うようにするの?」
それからいくばくかの間、クラウディアさんが魔力の循環をしながら身体全体に魔力を覆わせるようにしていた。
そうして、ある瞬間にそれができるようになっていた。
クラウディアさんの身体表面をきれいに魔力が覆っているのが見える。
「はい、出来たようですね。
で、その状態を維持したまま、注意しながらゆっくりと身体を動かしてみてください。
急に動いちゃ、危ないですからだめですよ。」
クラウディアが一歩を踏み出してバランスを崩し、その場でこけた。
私もそうだったけれど、それまでの感覚と身体強化の際の感覚にかなりのずれがあるのだ。
そのために、私はいきなり飛び出して湖に落ちそうになったことがある。
「なに?これ?
身体がふわふわしておかしいよ。」
「身体強化が発動すると疑似的に筋肉の増強がなされますから、今までの動きとは感覚が違うんです。
その感覚に慣れさえすれば、戦闘力が一挙に何倍かに増大しますから、早く慣れてください。
そうすれば、その剣に振り回されることも無くなると思います。」
「あ、確かに・・・。
この剣が軽く感じられるわ。」
「注意点を一つ。
魔法でかけていますので、戦闘終了時には必ず解いてください。
さもなければ魔力がいずれ枯渇します。」
「ええ、分かったわ。
ついでに相手して貰える?」
「あ、私、まだ訓練中で加減が良くわからないんです。
出来たら、今しばらくは加減のわかるレオンさんと訓練をされた方がいいと思います。
私も一月もすれば慣れると思いますので・・・・」
「そうか、そうだよね。
貴方達今日で二日目だっけか。
一月後かぁ。
それまでには身体強化か戦闘態勢モードか知らないけれど、モノにしておきたいね。
これが上手く行けば、三級貰える見込みがつくし・・・。
とにかくありがとう、シルヴィ、今後ともよろしくね。」
その後はレオンとクラウディアさんが訓練に励んでいた。
私は少し離れた場所で、剣の型を練習中。
陰陽術の解説書の中に剣術の型があったんだ。
それを一つ一つ試しているところかな。
全部で72も型があるんで、結構大変。
一つずつ試しても全部終えるには1時間近くかかるんだ。
身体強化を使っていても一通りこなすと汗びっしょりになる。
一通り終えると軽くジョギング(こっちでは単に駆け足)をして、クールダウン。
寮に戻ってお風呂に入るのが、至福の一時なのです。
バンデルでは、家にお風呂なんてありませんでしたからね。
身体を清潔にするために混浴であれ、庭の行水であれ、覗き見されても身ぎれいにするのは江戸の昔からの日本の風習でもありました。
それを奇異な性風俗と捉えるか日本人の綺麗好きと取るかは人にもよるでしょうね。
でも、下水掃除を含めて街中を綺麗にする風習は江戸から始まったんです。
そうでなければ百万都市は維持できません。
知っていますか?
江戸には八王子方面から上水道を引いていました。
江戸の場合は、湿地帯でしたから埋立地が多く、そのままでは井戸を掘っても水が飲めないんです。
だから遠くから上水道を引いて、下町の井戸まで水が送り届けられていました。
一年に一度は井戸を綺麗にする掃除を長屋みんなでしていたそうですし、ドブさらいもみんなでしていました。
汚わい船で糞便を運んでいたのも江戸ならではの事でしょうか・・・。
因みに半蔵門は別名不浄門と呼ばれ、死体を搬出する際に使いましたし、江戸城から汚わいを運ぶ船の出入りにも使われたそうです。(♡ミニ・トリビアですね。)
何れにしろ、元日本人大滝留美としての私は、綺麗好きな本能でお風呂を求めているんです。
石鹸も探してみると売店にありましたが、手洗いに使うか洗濯に使う程度のモノで品質は良くありません。
で、バンデルに居る間に試行錯誤しながら開発してみた液状せっけん(SOAP)とリンス入りシャンプーを寮でこそっと作って重宝しています。
そのうち日本にあった容器も作ってみようと思っていますが、今のところはガラス瓶で代用しています。
あと大事なのは生理用品ですよね。
日本にあった生理用品そのままとは行きませんけれど、それに似たものを何とか錬金術で創り出しています。
実は9歳の頃から生理は始まっていました。
でも良くて布の切れ端とかで、使えるモノがありませんからね。
今考えるととてもひどい状態でした。
女が不浄と呼ばれた理由が何となくわかります。
でも私はそうなりたくありません。
ですから日々改良を加えるつもりですが、今のところ、ギルドに来てからは余り暇が無いですね。
バンデルに居た頃に大量に作った改4型生理用ナプキンとショーツを愛用しています。
あ、男性の方は見ないふり、聞かないふりをお願いしますね。
そろそろお肌の手入れ用品も考えた方がいいかもと思っている私です。
だって後二年もすれば地球換算では、18を超えてしまう年齢なんですよ。
25歳(アスレオール世界換算では18歳頃)にはお肌の曲がり角でしょう?
その前にケアを考えなければなりません。
あれ?ツアイス症候群との関連ではどうなるのかな?
その辺は別としても、特に採掘師は野外でのお仕事がメインになりそうですから、放置すると大変なことになりそうです。
ジェシカさん、シミ、そばかすがうっすらと見えていましたよ。
欧米人は肌が弱いですからね、注意しなければいけないのです。
あれ、そう言えば、この世界、黒人の人っているのかしら?。
日焼けで褐色肌の人は見かけるけれど、所謂、黒人の人の話は聞いたことがない。
エルフ族でダークエルフが居るらしいけれど、ダークエルフも褐色の肌って学校では教えて貰った。
アジャム皇国から来たハルナ・サクマは黄色人種の顔立ちだけれど、黄色という訳じゃないですね。
顔もどちらかというと中国人や日本人より立体的だし、黒髪、黒目が何となく東洋人を思わせるだけですね。
食堂でお昼を食べてから、私は本館にある図書室へ行きました。
ギルドの図書室はとっても大きな施設で、10万冊の書籍が集まっているそうです。
貸し出しはしていませんが、ギルド会員ならば図書室の中で閲覧をすることだけが許されています。
で、知らなかったのですが、スキルの「鑑定」が、凄く便利なんです。
手に持った書籍に鑑定を掛けると、あら不思議、書籍の内容がそのまま私の頭の中へ流れ込んで来るんです。
初めての体験で、余りのことに私の脳がパニックを起こしました。
多分、5分か10分、そのまま硬直していたのじゃないかと思います。
その間、私の頭が勝手に脳内整理を始めていて、膨大な知識が落ち着くべき所へ落ち着いたみたいです。
軽い頭痛がしますけれど、まぁまぁ、大丈夫ですよ。
一冊目が、魔獣図鑑第一巻でしたけれど、第二巻を取って、同じく恐る恐る鑑定を掛けるとやっぱり膨大な知識が頭に流れ込んでくるんです。
やっぱり暫しの間、呆然としていましたけれど、さっきよりは少し短い時間で脳内整理が終わったような気がします。
で、これ以上続けると何か知恵熱でも出て来そうな気がするので、その日は二冊で打ち止めにしました。
その後、昼休みの間、寮の前の芝生にあるベンチに座ってぼんやりしていました。
午後からは魔法の座学と実技訓練です。
さて、今日は何をするのでしょうかねぇ。
今日の魔法の座学と実技訓練は、支援班のミナ・アリステア指導員でした。
ミナ・アリステア指導員は、元々採掘師候補だったのですけれど、体力的な問題で採掘師になることができずに、魔法の能力が高かったことと、支援業務の適性が高かったので支援班に回されたのだそうです。
因みに、ミナ・アリステア指導員は、火、水、風、土魔法の四属性を持っているそうです。
今日習うのは、魔力の循環という魔力を増やすための方法です。
拝むように両掌を身体の前で合わせ、右から左へと体内魔力を回すのが、第一段階。
次いで、魔力を体側に沿って左足先まで通し、それから内股側に戻してから、更に右足先まで通すことを同じように行うのが第二段階。
第三段階は、背面経由で頭のてっぺんを通って、腹面に返すように身体の四肢以外の部分に魔力を流し循環させるのです。
これを第一段階から第三段階まで繰り返して行うことで体内魔力をたくさん保有できるようになるのだそうです。
ただし、ミナ・アリステア教官の魔力は400までも行っていません。
もしかしてその辺が普通の方の頭打ちなのでしょうか?
私は、何だかんだで、魔力3000を超えており、更に毎日10から20ぐらいずつ数値が上がっているのですけれど・・・。
何だか秘密が一杯ですよね。
まぁ、ギルドの派閥争いなんかに巻き込まれそうな場合には、遠慮会釈なく、思うが儘に動くつもりですが、それまでは対外的に余り私の能力をひけらかさないように注意したいと思っています。
おかしな派閥には組み込まれないよう我が道を行かねばなりません。
独自路線の派閥って無いのかしら?
そう言えばジェシカさんは、そう言った派閥に取り込まれないようにと、たまたま訪れて来た加工師の目から私を庇ってくれたんだっけ。
或いはジェシカさんの様に中立を保っている人たちもいるんじゃないのかなぁ。
出来れば派閥に染まらない人たちと一緒になって自由にできればいいよね。
で、肝心の訓練ですが、意外と皆さんは梃子摺っているみたいです。
私はすんなりできちゃったのですることも無いから、そのまま、ぐるぐると魔力は廻し続けていますけれどね。
第一段階はできても、第二段階へ中々移行できない人、第三段階で途中で詰まってしまう人、なんか様々なんですが、どうしてなんでしょう。
魔力操作って、魔法を発動する際に絶対にやってますよね。
例えば火を産み出す時だって、何の気なしに私はできちゃったけれど、魔力を指先に集めて魔素に変換し、それから火に変えている。
火の熱量及び規模は送り込まれた魔力とその魔素変換効率に依るはずなのです。
少なくとも私が湖の無人島で深夜訓練を続けた時に感じたのはそう言うことだったと思うのです。
但し、陰陽術を使う場合は少し違うかな。
式や形代を使うときは、魔力は形代などに込めて魔法陣を発動する感じかな。
陰陽術は、九字にしても一種の魔法陣なんだよね。
西洋風の円形じゃないところが違うんだけれど。
どちらかというと空間に三次元的に配置された魔法陣で形は様々なんだ。
普通の人には見えない筈だけれど、私にはその空間の変容がわかる。
だから、陰陽術擬きの魔法が使えるんだね。
午後の魔力廻しの結果、私の魔力が普段よりも多く40程も増えていました。
これって結構ヤバい?
このペースで上昇すると半年もしないうちに魔力が1万の大台を超えてしまいそうだもの。
授業が終わる11時ころには、何とか全員が魔力廻しの第三段階までできるようになっていました。
ミナ・アリステア指導員から、今後は自主練習を続けなさいと言われて午後の授業は終わりです。
夕食を食べてからは自由時間なのですが、12時半から14時半までの間に私は自主訓練をすることにしました。
というのも、魔法の訓練場と武術の訓練場は夕食後から就寝前まで自由に使っても良いのです。
で、私は今武術の訓練場に来ている訳なんですが、先客が居ました。
同級生では無いので多分先輩です。
一人は今朝ほど講師役で来ていた、三級採掘師のレオンさんですが、もう一人の方も現役の方かと思っていたら違っていました。
多分、昨年ギルドに入った方ですが卒業試験に落ちて留年した人のようです。
一年は留年できるんですけれど、それ以上は駄目。
研修期間は二年までと定められているんです。
「クラウディア、そんなことじゃ、試験は受からんぞ。」
レオンさんが剣術の相手をしながらそうハッパをかけていました。
クラウディアと言う名前からわかる通りもう一人は女性です。
うーん、私の見るところ、体力が足りないんですかねぇ。
剣に振り回されていますから、あれで魔獣や魔物と戦うのはちょっと無理じゃないでしょうか。
身体強化を使えばもっと動けるんじゃないかと思うのですけれど・・・。
もしかして身体強化って特殊な属性魔法が居るのかしら?
でも、クレアは動きが早かったけれど獣人族だから?
彼女と対戦した時、身体の表面に魔力が張り付いていたからクレアは身体強化を使っていたように思うんだけど。
今目の前に居るクラウディアさんはそれを使ってはいないように見える。
で、相手をしているレオンさんはと言えば、魔力が張り付いているから使っている筈。
クラウディアさん、もしかして魔力が少なくて身体強化が使えない?
戦闘中に魔力が切れると大変だよね、身体強化も使えなければすぐにやられちゃう。
私は邪魔にならないよう彼らと離れて訓練場備え付けの訓練用剣で剣術の稽古(素振り)をしていたのだけれど、レオンさんに声を掛けられた。
「シルヴィだったけ、こっちへ来いよ。
できたら、クラウディアと稽古をしてみてくれんか?」
えーっ、・・・。
何となく気が向かないけれど、ここで逆らっちゃうのも嫌だよねぇ。
しょうがいないから、レオンさんの言いつけに従い、おずおずと二人に近寄る。
「あぁ、紹介しておこう。
クラウディア、こっちは今年入って来たシルヴィ・デルトン、確かファンダレル共和国出身の採掘師候補だ。
加工師候補でもあったかな。
そして、シルヴィ。
こっちは俺と同期のだ。
昨年度の最終試験に落ちたんで今は浪人中だ。
魔法はできるんだが、体力が続かないんで剣術を含めて格闘術が最悪なんだ。
何とか持久力をつけようとしているんだが、元々虚弱体質なのか、全然体力が付かん。
シンディ、俺を負かしたお前なら、どうすればいいのかわかるんじゃないかと思ってな。
一度対戦してみてくれんか?」
クラウディアさんが、怪訝そうな表情で言った。
「えーっ、嘘っ、この子が、レオンを負かしたの?」
まぁ、体格差から言えば勝てそうにないよね。
「ああ、未だに俺も信じられんが、本当だ。
それも格闘術でだぞ。」
クラウディアさんが、私を頭のてっぺんからつま先までじろじろと見ている。
「あのう、失礼ですけれど、対戦するよりも身体強化をした方が早い様な気がします。
クラウディアさん、魔法が使えるなら身体強化を使えますよね?」
レオンとクラウディアがハモリながら言った。
「「身体強化って何(だ)?」」
あれ、知らないの?
ひょっとしてステータス見えないのかな?
そう言えばギルド支部でも適性を確認しただけでステータスのことは見えなかったぽいよね。
ひょっとしてこれも加護か何かの特典なの?
私は若干焦りながらも説明した。
「えーっとですね。
身体強化というのは、身体全体の筋肉強化を含めて身体の防御力と攻撃力を増やすために魔法で強化するんです。
因みに、レオンさんはかけていますよね?」
「ン?
どういうことだ?
あれ?
もしかして戦闘態勢モードの事か?」
「あ、でしたら、レオンさんは無意識のうちに魔法をかけてそのような状態にしているのかもしれませんね。
その状態なら、多少の攻撃を受けてもダメージは少なくて済みますし、何よりも瞬発力と速さが上がります。
だから、剣術や格闘術では必要な状態ですよね。
さっき見ていたら、レオンさんはちゃんとできていましたけれど、クラウディアさんは身体強化ができていません。
だから、クラウディアさん普通の女の子の力のまんまなんです。」
「お、おう・・・。
まぁ、そうだな。
俺の場合、実戦・訓練を問わず、戦闘態勢モードに入るのは基本だ。」
「レオン、それどうやるの?」
「ん?
どうやるって・・・・。
説明は上手く出来んが、・・・。
さぁ、やるぞと思ったら気合で戦闘態勢モードになるな。
クラウディア、お前は、戦うときはどうしてるんだ。」
「どうって、言ったって。
普通に剣を構えて戦う準備をするだけ。」
私がそこへ割って入る。
「クラウディアさん、それじゃだめです。
身体強化は魔法の一種です。
クラウディアさん、魔力の体内循環を知ってますよね?」
「えぇ、魔力増強の基本でしょう。
当たり前じゃない。
魔法使いなら当然しなければいけないわ。」
「じゃぁ、その要領で、身体全体を覆うように魔力を行き渡らせてみてください。
それが身体強化の第一歩です。」
「ん?
身体全体を覆うようにするの?」
それからいくばくかの間、クラウディアさんが魔力の循環をしながら身体全体に魔力を覆わせるようにしていた。
そうして、ある瞬間にそれができるようになっていた。
クラウディアさんの身体表面をきれいに魔力が覆っているのが見える。
「はい、出来たようですね。
で、その状態を維持したまま、注意しながらゆっくりと身体を動かしてみてください。
急に動いちゃ、危ないですからだめですよ。」
クラウディアが一歩を踏み出してバランスを崩し、その場でこけた。
私もそうだったけれど、それまでの感覚と身体強化の際の感覚にかなりのずれがあるのだ。
そのために、私はいきなり飛び出して湖に落ちそうになったことがある。
「なに?これ?
身体がふわふわしておかしいよ。」
「身体強化が発動すると疑似的に筋肉の増強がなされますから、今までの動きとは感覚が違うんです。
その感覚に慣れさえすれば、戦闘力が一挙に何倍かに増大しますから、早く慣れてください。
そうすれば、その剣に振り回されることも無くなると思います。」
「あ、確かに・・・。
この剣が軽く感じられるわ。」
「注意点を一つ。
魔法でかけていますので、戦闘終了時には必ず解いてください。
さもなければ魔力がいずれ枯渇します。」
「ええ、分かったわ。
ついでに相手して貰える?」
「あ、私、まだ訓練中で加減が良くわからないんです。
出来たら、今しばらくは加減のわかるレオンさんと訓練をされた方がいいと思います。
私も一月もすれば慣れると思いますので・・・・」
「そうか、そうだよね。
貴方達今日で二日目だっけか。
一月後かぁ。
それまでには身体強化か戦闘態勢モードか知らないけれど、モノにしておきたいね。
これが上手く行けば、三級貰える見込みがつくし・・・。
とにかくありがとう、シルヴィ、今後ともよろしくね。」
その後はレオンとクラウディアさんが訓練に励んでいた。
私は少し離れた場所で、剣の型を練習中。
陰陽術の解説書の中に剣術の型があったんだ。
それを一つ一つ試しているところかな。
全部で72も型があるんで、結構大変。
一つずつ試しても全部終えるには1時間近くかかるんだ。
身体強化を使っていても一通りこなすと汗びっしょりになる。
一通り終えると軽くジョギング(こっちでは単に駆け足)をして、クールダウン。
寮に戻ってお風呂に入るのが、至福の一時なのです。
バンデルでは、家にお風呂なんてありませんでしたからね。
身体を清潔にするために混浴であれ、庭の行水であれ、覗き見されても身ぎれいにするのは江戸の昔からの日本の風習でもありました。
それを奇異な性風俗と捉えるか日本人の綺麗好きと取るかは人にもよるでしょうね。
でも、下水掃除を含めて街中を綺麗にする風習は江戸から始まったんです。
そうでなければ百万都市は維持できません。
知っていますか?
江戸には八王子方面から上水道を引いていました。
江戸の場合は、湿地帯でしたから埋立地が多く、そのままでは井戸を掘っても水が飲めないんです。
だから遠くから上水道を引いて、下町の井戸まで水が送り届けられていました。
一年に一度は井戸を綺麗にする掃除を長屋みんなでしていたそうですし、ドブさらいもみんなでしていました。
汚わい船で糞便を運んでいたのも江戸ならではの事でしょうか・・・。
因みに半蔵門は別名不浄門と呼ばれ、死体を搬出する際に使いましたし、江戸城から汚わいを運ぶ船の出入りにも使われたそうです。(♡ミニ・トリビアですね。)
何れにしろ、元日本人大滝留美としての私は、綺麗好きな本能でお風呂を求めているんです。
石鹸も探してみると売店にありましたが、手洗いに使うか洗濯に使う程度のモノで品質は良くありません。
で、バンデルに居る間に試行錯誤しながら開発してみた液状せっけん(SOAP)とリンス入りシャンプーを寮でこそっと作って重宝しています。
そのうち日本にあった容器も作ってみようと思っていますが、今のところはガラス瓶で代用しています。
あと大事なのは生理用品ですよね。
日本にあった生理用品そのままとは行きませんけれど、それに似たものを何とか錬金術で創り出しています。
実は9歳の頃から生理は始まっていました。
でも良くて布の切れ端とかで、使えるモノがありませんからね。
今考えるととてもひどい状態でした。
女が不浄と呼ばれた理由が何となくわかります。
でも私はそうなりたくありません。
ですから日々改良を加えるつもりですが、今のところ、ギルドに来てからは余り暇が無いですね。
バンデルに居た頃に大量に作った改4型生理用ナプキンとショーツを愛用しています。
あ、男性の方は見ないふり、聞かないふりをお願いしますね。
そろそろお肌の手入れ用品も考えた方がいいかもと思っている私です。
だって後二年もすれば地球換算では、18を超えてしまう年齢なんですよ。
25歳(アスレオール世界換算では18歳頃)にはお肌の曲がり角でしょう?
その前にケアを考えなければなりません。
あれ?ツアイス症候群との関連ではどうなるのかな?
その辺は別としても、特に採掘師は野外でのお仕事がメインになりそうですから、放置すると大変なことになりそうです。
ジェシカさん、シミ、そばかすがうっすらと見えていましたよ。
欧米人は肌が弱いですからね、注意しなければいけないのです。
あれ、そう言えば、この世界、黒人の人っているのかしら?。
日焼けで褐色肌の人は見かけるけれど、所謂、黒人の人の話は聞いたことがない。
エルフ族でダークエルフが居るらしいけれど、ダークエルフも褐色の肌って学校では教えて貰った。
アジャム皇国から来たハルナ・サクマは黄色人種の顔立ちだけれど、黄色という訳じゃないですね。
顔もどちらかというと中国人や日本人より立体的だし、黒髪、黒目が何となく東洋人を思わせるだけですね。
12
お気に入りに追加
169
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
2回目の人生は異世界で
黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~
ma-no
ファンタジー
神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。
その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。
世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。
そして何故かハンターになって、王様に即位!?
この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。
注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。
R指定は念の為です。
登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。
「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。
一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる