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第五章 サザンポール亜大陸にて
5ー16 足止め
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ベランドル温泉郷で少なくともまだ七日や八日は滞在する予定でしたけれど、アーガパハ山の噴火により変更せざるを得ませんでした。
集落等への火砕流や有毒ガス噴出の危険性は取り敢えず避けられたものと思いますけれど、山体崩壊などの大規模噴火の脅威がなくなったわけではありませんから、アーガパハ山からはできるだけ距離を取るのが賢明な方法です。
少なくとも義父様と義母様を危険な目に合わせることはできませんから、ベランドル温泉郷にはもう戻りません。
予定は、予定として変更し、シナジル往還に戻って、東への道筋をたどることにしました。
因みに義父様と義母様には、事の次第を説明してあります。
山の立体俯瞰図を即席で作り上げ、カルデラ湖で噴出してきた有毒ガスを人気のない方向に導くためにカルデラ地形の一部を破壊したことも伝えておきました。
最近では、義父様も義母様も、あまりマルコの魔法に驚かなくなっていますね。
耐性がついて良かったと見るべきなのかどうか・・・。
余りこういうことに慣れてもらうのも宜しくはないような気もしますが、やむを得ないところもありますね。
◇◇◇◇
ところで次の目的地は、クロキオン宗主国という宗教国家です。
サザンポール亜大陸では、主神ポーレンを称えるポーレン教のバラクル派とヤニェス派という二つの宗派が東西に分かれて勢力を争っているようです。
バラクル派はサザンポール亜大陸の西半分、ヤニェス派は東半分が概ね勢力域なのですが、その中間線付近には同じポーレン教でありながら、少数派の派閥がいくつか存在するのです。
クロキオン宗主国もまたそうした主流ではない派閥勢力が建国した国家なのです。
このためクロキオン宗主国の長は、総主教が務めています。
総主教はクロキオン宗主国内に存在する教区の大司教である七人の枢機卿の中から選出され、その任期は死ぬまでとされています。
従って、往々にして総主教は年寄りが多く、歴代で最も若い総主教は65歳でした。
元々、あまり寿命が長くないこの世界では、七十代半ばまで生きるのが難しいので、平均的な任期は5年前後と短いようです。
現在の総主教は二年前にササデル教区の大司教から総主教になったフレデリック三世、72歳です。
旅人のマルコ達が総主教に謁見することなどあるはずもありませんが、旅人の常識として宗主国に入る前には知っておくべき事柄の一つなのです。
そうしてマルコ達一行は、ベランドル温泉郷を出てから十二日目にして、クロキオン宗主国の西はずれ、カマルサンディの領域に入りました。
峠の関所でも特段の問題もなく通過しましたが、カマルハンディの街に入るところでトラブルがありました。
街中で殺人事件が起きたので、クロキオン聖騎士が街の出入り口を封鎖しために、人の出入りができなくなったのです。
街に入ろうとしていた者、街から出ようとしていた者が、大きな鉄格子の門扉の前に集まっていますが、門は一向に開く気配がありません。
街を迂回して隣町に至る道路もありますけれど、山を一つ迂回しなければならないので、日数的には二日ほど要することから、迂回することを諦めた人たちが門前に時ならぬテント村を出現させました。
マルコ達も途中からついてきた中規模の隊商がテントを張り始めたので、それに倣って、邪魔にならないところでテントを張って野営の準備です。
隊商もこの足止めが余り長引くと、収支に触りがありますけれど、クロキオン宗主国で聖騎士のやることに文句はつけられません。
聖騎士の場合、他の王国では教会の衛士にしかすぎませんが、この宗主国では神の軍隊であり、且つ、唯一の警察力なのです。
たかが商人風情が抗える存在ではないのです。
おとなしく門が開くのを待つか、それとも迂回路を取って先に進むしかありません。
時ならぬテント村の出現で、所々に屋台もできました。
幸いにしてテント村の近くに小川があるので水源には困りませんが、食料が問題です。
手持ちの食料はさほど多くはないはずです。
隊商の場合、川止めや荒天などのために蓄えた食料もあるはずですが、それでも持って十日分ほどでしょうか?
行商人などの類や旅行者ではさほどの食料を持っていないはずなのです。
それで屋台が出現したわけです。
マルコ達が食糧不足になることはあり得ません。
マルコのインベントリや保管庫には大量の食料がありますので、二年や三年補給なしでも大丈夫なんです。
それでもこのミニキャンプにおけるほかの人たちの食料調達には限りがあるでしょうから、取り敢えずのテントを設置して一泊した翌日には、護衛のアンドロイド型ゴーレムのウィツとワルをテント周辺の警護に残し、マルコはエィワとテカウを引き連れて周辺の山に入って食料の調達を試みました。
周辺の原野や山地には結構な数の獣や魔物が生息していました。
もちろんゴブリンなどの食料にならない存在もありますが、ホーンラビットやボアなどはそのまま食料になりそうです。
半日でボア一頭とホーンラビット数匹を持ち帰ると、すぐにも買い手が現れましたがとりあえず炊き出しをするので、買取は夕刻まで待ってもらうことにしました。
獲物をうちの従者たちでさばいて大鍋で調理し、木製の椀に盛って一人一食を銅貨二枚で提供しました。
タダで提供するというのは良くないと思い、最低限度の料金を取ったのです。
従者たちがそうしている間にも、マルコ達は午後の狩に向かい、再度ボア一頭とホーンラビット数頭、それに食用になる野草等を収穫してきて、日が傾いてきた頃には、臨時即売会を開きました。
カマルハンディの街が封鎖されている間は、マルコの狩が午前、午後の二回続きました。
二日目からは、大八車のような運送道具を作り、午前・午後ともボアを二頭ほど狩るようにしました。
徐々にテント村の人口が増えだしてきたために、一日二頭のボアと十匹前後のホーンラビットだけでは不足するようになったからです。
特に、昼食時のマルコ達の炊き出しについては有料ですけれど随分と感謝されました。
実はこの炊き出しの所為で、屋台の値段もさほど高騰せずに済んだようですね。
旅人の連れていた幼い子供たちからは、マルコは「肉のお兄ちゃん」と呼ばれるようになってしまいました。
カマルハンディの封鎖が解けたのは、門前に到着してから七日目のことでした。
それにしても、街の封鎖を行うとは随分と強硬手段をとるものだと思います。
街の人々も外からの交易が途絶えるのですから色々と不便だったに違いないのです。
尤も、殺害された人物が、カマルハンディの司教様で、カマルハンディを含むロバンナ教区の大司教に次ぐ人物だったのだそうで、聖騎士団がメンツにかけて犯人を追った結果だったようですね。
封鎖は解除されましたが、余波は続きます。
市内の宿は東西の一口から一斉に押し寄せた旅人で瞬時に一杯になったのです。
マルコ達はそうなることを見越して、そのまま東門の外で一泊しました。
カマルハンディの街は通過だけで泊まらずに、翌朝には街を出てきた中規模隊商の一行の後についたのです。
シナジル往還を東進し、今後の宿泊予定地は、ブラキャビク、オランディーノ、クラマリスそうしてヨルドムルの予定です。
ブラキャビクは、ロバンナ教区の中心地でこの周辺では比較的大きな街になりますが、それよりも隣の教区になるヨルドムルの方が古くてより大きな町なのです。
このヨルドムルがそもそもは、クロキオン宗主国の古都があった場所で、数多くの史跡が残っている街なのです。
従って、ケサンドラスで旅の大まかな予定を立てるためにカラガンダ翁やステラ媼と話し合った際には、このヨルドムルを訪問することが今回の旅の目玉の一つでもあったのです。
義父様も義母様もさほど信心深いというわけではありませんが、人の信ずるものをけなしたりはしませんし、神の存在もそれなりに感じてはいるようですけれど、一方で司教が往々にして勧めるような妄信はしていないのです。
ニオルカンでも相応の寄進はしていましたけれど、左程多額のものではありません。
それでも先人の成し遂げた遺物としての建築物などには大いに興味がある様子で、これまでにも夫妻揃って古い建物の見物などには出向いているのです。
今回の旅で言えば、自然の景観を楽しむことと、史跡を訪れてあれこれと先人の偉業を見て回ることがお二人の目的になっているのです。
マルコもそのために色々と手を貸しているところですね。
集落等への火砕流や有毒ガス噴出の危険性は取り敢えず避けられたものと思いますけれど、山体崩壊などの大規模噴火の脅威がなくなったわけではありませんから、アーガパハ山からはできるだけ距離を取るのが賢明な方法です。
少なくとも義父様と義母様を危険な目に合わせることはできませんから、ベランドル温泉郷にはもう戻りません。
予定は、予定として変更し、シナジル往還に戻って、東への道筋をたどることにしました。
因みに義父様と義母様には、事の次第を説明してあります。
山の立体俯瞰図を即席で作り上げ、カルデラ湖で噴出してきた有毒ガスを人気のない方向に導くためにカルデラ地形の一部を破壊したことも伝えておきました。
最近では、義父様も義母様も、あまりマルコの魔法に驚かなくなっていますね。
耐性がついて良かったと見るべきなのかどうか・・・。
余りこういうことに慣れてもらうのも宜しくはないような気もしますが、やむを得ないところもありますね。
◇◇◇◇
ところで次の目的地は、クロキオン宗主国という宗教国家です。
サザンポール亜大陸では、主神ポーレンを称えるポーレン教のバラクル派とヤニェス派という二つの宗派が東西に分かれて勢力を争っているようです。
バラクル派はサザンポール亜大陸の西半分、ヤニェス派は東半分が概ね勢力域なのですが、その中間線付近には同じポーレン教でありながら、少数派の派閥がいくつか存在するのです。
クロキオン宗主国もまたそうした主流ではない派閥勢力が建国した国家なのです。
このためクロキオン宗主国の長は、総主教が務めています。
総主教はクロキオン宗主国内に存在する教区の大司教である七人の枢機卿の中から選出され、その任期は死ぬまでとされています。
従って、往々にして総主教は年寄りが多く、歴代で最も若い総主教は65歳でした。
元々、あまり寿命が長くないこの世界では、七十代半ばまで生きるのが難しいので、平均的な任期は5年前後と短いようです。
現在の総主教は二年前にササデル教区の大司教から総主教になったフレデリック三世、72歳です。
旅人のマルコ達が総主教に謁見することなどあるはずもありませんが、旅人の常識として宗主国に入る前には知っておくべき事柄の一つなのです。
そうしてマルコ達一行は、ベランドル温泉郷を出てから十二日目にして、クロキオン宗主国の西はずれ、カマルサンディの領域に入りました。
峠の関所でも特段の問題もなく通過しましたが、カマルハンディの街に入るところでトラブルがありました。
街中で殺人事件が起きたので、クロキオン聖騎士が街の出入り口を封鎖しために、人の出入りができなくなったのです。
街に入ろうとしていた者、街から出ようとしていた者が、大きな鉄格子の門扉の前に集まっていますが、門は一向に開く気配がありません。
街を迂回して隣町に至る道路もありますけれど、山を一つ迂回しなければならないので、日数的には二日ほど要することから、迂回することを諦めた人たちが門前に時ならぬテント村を出現させました。
マルコ達も途中からついてきた中規模の隊商がテントを張り始めたので、それに倣って、邪魔にならないところでテントを張って野営の準備です。
隊商もこの足止めが余り長引くと、収支に触りがありますけれど、クロキオン宗主国で聖騎士のやることに文句はつけられません。
聖騎士の場合、他の王国では教会の衛士にしかすぎませんが、この宗主国では神の軍隊であり、且つ、唯一の警察力なのです。
たかが商人風情が抗える存在ではないのです。
おとなしく門が開くのを待つか、それとも迂回路を取って先に進むしかありません。
時ならぬテント村の出現で、所々に屋台もできました。
幸いにしてテント村の近くに小川があるので水源には困りませんが、食料が問題です。
手持ちの食料はさほど多くはないはずです。
隊商の場合、川止めや荒天などのために蓄えた食料もあるはずですが、それでも持って十日分ほどでしょうか?
行商人などの類や旅行者ではさほどの食料を持っていないはずなのです。
それで屋台が出現したわけです。
マルコ達が食糧不足になることはあり得ません。
マルコのインベントリや保管庫には大量の食料がありますので、二年や三年補給なしでも大丈夫なんです。
それでもこのミニキャンプにおけるほかの人たちの食料調達には限りがあるでしょうから、取り敢えずのテントを設置して一泊した翌日には、護衛のアンドロイド型ゴーレムのウィツとワルをテント周辺の警護に残し、マルコはエィワとテカウを引き連れて周辺の山に入って食料の調達を試みました。
周辺の原野や山地には結構な数の獣や魔物が生息していました。
もちろんゴブリンなどの食料にならない存在もありますが、ホーンラビットやボアなどはそのまま食料になりそうです。
半日でボア一頭とホーンラビット数匹を持ち帰ると、すぐにも買い手が現れましたがとりあえず炊き出しをするので、買取は夕刻まで待ってもらうことにしました。
獲物をうちの従者たちでさばいて大鍋で調理し、木製の椀に盛って一人一食を銅貨二枚で提供しました。
タダで提供するというのは良くないと思い、最低限度の料金を取ったのです。
従者たちがそうしている間にも、マルコ達は午後の狩に向かい、再度ボア一頭とホーンラビット数頭、それに食用になる野草等を収穫してきて、日が傾いてきた頃には、臨時即売会を開きました。
カマルハンディの街が封鎖されている間は、マルコの狩が午前、午後の二回続きました。
二日目からは、大八車のような運送道具を作り、午前・午後ともボアを二頭ほど狩るようにしました。
徐々にテント村の人口が増えだしてきたために、一日二頭のボアと十匹前後のホーンラビットだけでは不足するようになったからです。
特に、昼食時のマルコ達の炊き出しについては有料ですけれど随分と感謝されました。
実はこの炊き出しの所為で、屋台の値段もさほど高騰せずに済んだようですね。
旅人の連れていた幼い子供たちからは、マルコは「肉のお兄ちゃん」と呼ばれるようになってしまいました。
カマルハンディの封鎖が解けたのは、門前に到着してから七日目のことでした。
それにしても、街の封鎖を行うとは随分と強硬手段をとるものだと思います。
街の人々も外からの交易が途絶えるのですから色々と不便だったに違いないのです。
尤も、殺害された人物が、カマルハンディの司教様で、カマルハンディを含むロバンナ教区の大司教に次ぐ人物だったのだそうで、聖騎士団がメンツにかけて犯人を追った結果だったようですね。
封鎖は解除されましたが、余波は続きます。
市内の宿は東西の一口から一斉に押し寄せた旅人で瞬時に一杯になったのです。
マルコ達はそうなることを見越して、そのまま東門の外で一泊しました。
カマルハンディの街は通過だけで泊まらずに、翌朝には街を出てきた中規模隊商の一行の後についたのです。
シナジル往還を東進し、今後の宿泊予定地は、ブラキャビク、オランディーノ、クラマリスそうしてヨルドムルの予定です。
ブラキャビクは、ロバンナ教区の中心地でこの周辺では比較的大きな街になりますが、それよりも隣の教区になるヨルドムルの方が古くてより大きな町なのです。
このヨルドムルがそもそもは、クロキオン宗主国の古都があった場所で、数多くの史跡が残っている街なのです。
従って、ケサンドラスで旅の大まかな予定を立てるためにカラガンダ翁やステラ媼と話し合った際には、このヨルドムルを訪問することが今回の旅の目玉の一つでもあったのです。
義父様も義母様もさほど信心深いというわけではありませんが、人の信ずるものをけなしたりはしませんし、神の存在もそれなりに感じてはいるようですけれど、一方で司教が往々にして勧めるような妄信はしていないのです。
ニオルカンでも相応の寄進はしていましたけれど、左程多額のものではありません。
それでも先人の成し遂げた遺物としての建築物などには大いに興味がある様子で、これまでにも夫妻揃って古い建物の見物などには出向いているのです。
今回の旅で言えば、自然の景観を楽しむことと、史跡を訪れてあれこれと先人の偉業を見て回ることがお二人の目的になっているのです。
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