67 / 99
第五章 催事と出来事
5-14 アリス ~カインズ高校
しおりを挟む
時は少し遡るが。12月20日には、クレアラス陸上競技記録会が行われ、私とマイクは、400トラン、走り高跳びに出場、更にマイクは走り幅跳びに、私は槍投げにも挑戦した。
マイクは400トランでも世界記録を、そのほかの競技はディフィビア連合記録を更新した。
私は、400トランでディフィビア連合記録を更新したが、他の記録はディフィビア記録にもうすこしというところまで迫ったもののヤノシア地区の記録を更新するにとどまった。
◇◇◇◇
1月末には、ブレスレット、ブローチ、ペンダントそれにイヤリングの4種類のアクセサリーを作り上げ、ハーロック宝飾店に宅配便で届けさせた。
その際には、余裕があればまた二つか三つのアクセサリーを作ってみるけれど早くても2月の末になるだろうことを添付の手紙で知らせた。
すぐにもベン・ハーロック氏から礼状が届いた。
そうして、ハーロック宝飾店では、ショーウィンドウにアリスの宝石箱というコーナーを設けて、そこに4つのアクセサリーを陳列することにしたという。
当面、お見せするだけで売ることはしないつもりであり、次の品が出来た時点でオークションを考えているという。
その時期は早くて3月初めごろを考えているものの、店頭に出した途端に数件の引き合いが有ったという報告であった。
ベンさんは、私への報酬として取り敢えず5000ルーブの小切手を送ってきており、1万ルーブ以上の高値で取引される場合は売値の半分を報酬とすることを考えているらしい。
私は電話で礼を述べ、報酬についてはそのような配慮は無用ですと言ったのだが、ベン・ハーロック氏は、実際に店が高額で取引をした場合、それが税金に跳ね返ることになり、特に高額品の場合は、卸元である私に贈与税が掛かってしまうことになるから、それを避けるためにも適正な報酬を受け取ってもらう必要があるというのである。
この場合、材料も人件費も全て私が負うべきものであって、店としては単に品物の売買の斡旋料として受け取ったほうが税金対策上は無駄にならないのだそうである。
そのためにも店に一月以上の展示を行ってから売ることを考えたようである。
本来半額の手数料を取ること自体が適正会計の面からは余り望ましくないのだと教えられた。
◇◇◇◇
2月4日キティホーク号が、アルタミルから47日間の航海を終えて到着した。
カインズ校の生徒達は夕刻までにはホテルに到着しているだろう。
ホテルはクレアラス・プラザ・インの予定である。
協会からは6日から5日間の私達の指導があることを伝えられている筈であった。
ある意味で教え子たちであったからホテルへ会いに行ってやっても良いのであるが、マイクはシュルツ校或いはランスロップ校の手前もあり、2校と差を付けない方がいいと注意してくれた。
従って、彼女たちには会いに行かなかった。
2月6日、彼女たちは協会が手配した練習場であるフォックス・ハイスクールの講堂に集合していた。
私達が講堂に出向くと、皆が一斉におはようございますと言って出迎えてくれた。
私の目から見ても彼女たちの健康に異常はない。
彼女たちの弱いオーラがそう教えてくれる。
私とマイクも声を併せておはようございますと言った。
懐かしい顔が皆輝いていた。
「今日から5日間、このフォックス校の講堂をお借りして午前三時間、午後三時間の指導を行います。
このフォックス校には無理を言ってお世話になっているのですから迷惑をかけてはいけません。
少なくとも最終日には、来た時よりも綺麗になるぐらい掃除をして帰ること。
それが御世話になった人への心遣いだ。
じゃぁ、皆がどれだけ精進したかを聞かせてもらおう。
その上で必要な指導をします。
最初に規定曲から演奏してください。」
講堂に規定曲の演奏音が流れた。
大会の時そのままの練度を彼女たちは維持していた。
そうして同時に彼女たちのブレスに余裕が出て来ていた。
多分、サーキットの成果が出たのだろう。
彼女たちはアルタミルでも船でやったようなサーキットを続けていたに違いない。
自発的にか、あるいは部長など大人の指示があったのか。
いずれにしろ継続は力に変わる。
その余力は更なる向上につながるものである。
演奏が終わって、マイクは私から好評を言うようにテレパスで促してきた。
「皆さん、大変良く練習をしてきたと思います。
ヤノシア地区大会の時と同じ演奏をしてくれました。
特にブレスに余裕が出来たと感じました。
多分サーキットを継続して来たからじゃないかと考えていますが、その分、以前ならばできなかったことが、今ならばできるようにもなっています。
従って、これからの5日間に更なるものを目指して稽古をしてみましょう。
まず、個別の指導を行います。
ケレックとフェルシェは、マイクに指導を受けてください。
ベムレットとイェルシンは私が指導します。
他の方はどちらでもいいですから分かれて見学に廻ってください。
前回と異なって、今回の見学は意味が有ります。
あなた方は一緒に演奏しているのですから、周囲の楽器の音色にも気を配らねばなりません。
私やマイクが注意したことは、周囲の者が気を付けていなければ当事者にはわかりにくいものなんです。
前回はそこまであなた方に求めることはしませんでした。
でも、今やあなた方はヤノシア地区を代表する吹奏楽団なのです。
ヤノシア地区のコンテストの最後に、審査委員長であるファルド・コーンウィスキーさんが言ったことを覚えている人もいるかと思いますが、彼はハイスクールの吹奏楽団には80点以上を付けることを良しとはしないお方です。
そのお人が、規定曲で85.4点、自由曲で89.9点の得点を与えてくれました。
その意味はあなた方を一人前の吹奏楽演奏者として扱うという意味なのです。
あなた方はその評価に応えなければいけない。
今日からの私達の指導も、その意味ではあなた方をハイスクールの生徒だとは思わないで、一人前の演奏者として扱います。
無茶かもしれませんが、皆さん一人一人がそうした気概と目標を持たなければ、これ以上の頂点を極めることができません。
あなた方が挑戦するのは目前のディフィビア連合大会ではなくその先のブラビアンカです。
私達二人は、あなた方をブラビアンカに送り出すための指導をいたします。
ここで迷い、悩んだ結果は直接演奏に響きます。
多分、三日目には相当ひどい演奏になるのではないかと予想しています。
しかしながら、そこから這い上がってこそ、ブラビアンカで素晴らしい演奏ができるものと私達は信じています。
それでは分かれてください。」
それから彼女たちの個別指導がはじまった。
前回とは違って一人一人に時間をかけて1日で一巡りするように指導をしていった。
今回指導するのは規定曲だけである。
三日目の最初の演奏では全体の音が乱れていた。
普通の人では聞き逃してしまうかもしれない。
しかしながら彼女たち自身がその乱れに気づいていた。
4日目にやや持ち直し、5日目の演奏では深みが加わっていた。
5日目は個人指導を止め、午前中演奏を四回繰り返して、全員の身体にその音色を浸みこませた。
午前中の最後にマイクが言った。
「皆よくやった。
規定曲の演奏は十分なまでに水準があがった。
午後は自由曲の練習をしよう。
多分僕たちの指導は要らないはずだ。
最初の一時間を使って楽譜を読みなさい。
次の一時間は僕たち二人の演奏を聞きなさい。
そうして最後の1時間は、全員で二度の練習をする。
皆の感性が自由曲であってもどの音をどの程度に出せばよいかは知っているはずだ。
これまでの自由曲の演奏にこだわらなくてもいい。
君たちの感性で演奏をしてごらんなさい。
一度目の練習が終わったなら皆で何が必要かを話し合いなさい。
二度の練習を行うのは、一度目で周囲の音を聞き、二度目でその調整をするためだ。
君たちはそれだけの力を持っている。
では、午後、またここで会いましょう。」
一旦分かれて昼食をとり、午後から再び講堂に集まった。
午後三時からは最終練習をするのでフォックス校の生徒達も良ければ自由に見学して下さいと校長先生に御話しておいた。
午後最初の一時間は繰り返し楽譜を読ませた。
二時からは私がヤーヴェロンをマイクがセロディエスを持って、自由曲の演奏を二度繰り返した。
二時半ごろになるとフォックス校の生徒達が静かに講堂に集まりだし、床に腰を降ろして演奏を聴き始めた。
三時前には講堂の8割が生徒達と教師たちで埋まっていた。
マイクがカインズ校の生徒達に向かって言った。
「この曲のイメージは受け取る者によって少しずつ違う。
その違いこそが演奏者の感性だ。
それをどう現すか。
前回、キティホーク号で指導を行った際は、僕たちの考えを君たちに押し付けた。
それは貴方たちが未だ自分で読み取れるほどには力が無かったからだ。
しかしながら、今回は違う。
あなた方は既にその力を持っている。
今僕たちの演奏を聞いてどう思ったか、それを一度目の演奏で体現しなさい。
そうして、その演奏を自分たちの中で評価するために話し合いなさい。
それで納得出来たら二度目の演奏をしなさい。
それが貴方たちの感性であり、自己表現だ。
先ほども言ったが、貴方たちはその力を十分に持っている。」
一度目の演奏が行われた。
ヤノシア地区大会よりも見事な演奏だった。
演奏が終わって彼女たちが自分で色々と話し合った。
30分もその話し合いを続け、ようやくまとまった。
そうして二度目の演奏を行った。
とてもいい演奏だった。
彼女たちはヤノシア地区大会を超える演奏をしてのけたのだ。
私が、最後の好評を行った。
「皆さん、よくやりました。
とても見事な演奏でした。
あなた方の成長を指導者として大いに誇りに思います。
あなた方はどこに出しても恥ずかしくない吹奏楽の演奏者です。
最後に、お世話になったフォックス校の皆様にお礼を申し上げましょう。
全員起立して。」
一拍おいて全員で「ありがとうございました。」とお辞儀をした。
フォックス校からは暖かい拍手が起きた。
「さて、全員で掃除をして引き上げよう。」
マイクがそう言って全員が掃除を始めたのだが、フォックス校の生徒達の多くも手伝ってくれた。
マイクは400トランでも世界記録を、そのほかの競技はディフィビア連合記録を更新した。
私は、400トランでディフィビア連合記録を更新したが、他の記録はディフィビア記録にもうすこしというところまで迫ったもののヤノシア地区の記録を更新するにとどまった。
◇◇◇◇
1月末には、ブレスレット、ブローチ、ペンダントそれにイヤリングの4種類のアクセサリーを作り上げ、ハーロック宝飾店に宅配便で届けさせた。
その際には、余裕があればまた二つか三つのアクセサリーを作ってみるけれど早くても2月の末になるだろうことを添付の手紙で知らせた。
すぐにもベン・ハーロック氏から礼状が届いた。
そうして、ハーロック宝飾店では、ショーウィンドウにアリスの宝石箱というコーナーを設けて、そこに4つのアクセサリーを陳列することにしたという。
当面、お見せするだけで売ることはしないつもりであり、次の品が出来た時点でオークションを考えているという。
その時期は早くて3月初めごろを考えているものの、店頭に出した途端に数件の引き合いが有ったという報告であった。
ベンさんは、私への報酬として取り敢えず5000ルーブの小切手を送ってきており、1万ルーブ以上の高値で取引される場合は売値の半分を報酬とすることを考えているらしい。
私は電話で礼を述べ、報酬についてはそのような配慮は無用ですと言ったのだが、ベン・ハーロック氏は、実際に店が高額で取引をした場合、それが税金に跳ね返ることになり、特に高額品の場合は、卸元である私に贈与税が掛かってしまうことになるから、それを避けるためにも適正な報酬を受け取ってもらう必要があるというのである。
この場合、材料も人件費も全て私が負うべきものであって、店としては単に品物の売買の斡旋料として受け取ったほうが税金対策上は無駄にならないのだそうである。
そのためにも店に一月以上の展示を行ってから売ることを考えたようである。
本来半額の手数料を取ること自体が適正会計の面からは余り望ましくないのだと教えられた。
◇◇◇◇
2月4日キティホーク号が、アルタミルから47日間の航海を終えて到着した。
カインズ校の生徒達は夕刻までにはホテルに到着しているだろう。
ホテルはクレアラス・プラザ・インの予定である。
協会からは6日から5日間の私達の指導があることを伝えられている筈であった。
ある意味で教え子たちであったからホテルへ会いに行ってやっても良いのであるが、マイクはシュルツ校或いはランスロップ校の手前もあり、2校と差を付けない方がいいと注意してくれた。
従って、彼女たちには会いに行かなかった。
2月6日、彼女たちは協会が手配した練習場であるフォックス・ハイスクールの講堂に集合していた。
私達が講堂に出向くと、皆が一斉におはようございますと言って出迎えてくれた。
私の目から見ても彼女たちの健康に異常はない。
彼女たちの弱いオーラがそう教えてくれる。
私とマイクも声を併せておはようございますと言った。
懐かしい顔が皆輝いていた。
「今日から5日間、このフォックス校の講堂をお借りして午前三時間、午後三時間の指導を行います。
このフォックス校には無理を言ってお世話になっているのですから迷惑をかけてはいけません。
少なくとも最終日には、来た時よりも綺麗になるぐらい掃除をして帰ること。
それが御世話になった人への心遣いだ。
じゃぁ、皆がどれだけ精進したかを聞かせてもらおう。
その上で必要な指導をします。
最初に規定曲から演奏してください。」
講堂に規定曲の演奏音が流れた。
大会の時そのままの練度を彼女たちは維持していた。
そうして同時に彼女たちのブレスに余裕が出て来ていた。
多分、サーキットの成果が出たのだろう。
彼女たちはアルタミルでも船でやったようなサーキットを続けていたに違いない。
自発的にか、あるいは部長など大人の指示があったのか。
いずれにしろ継続は力に変わる。
その余力は更なる向上につながるものである。
演奏が終わって、マイクは私から好評を言うようにテレパスで促してきた。
「皆さん、大変良く練習をしてきたと思います。
ヤノシア地区大会の時と同じ演奏をしてくれました。
特にブレスに余裕が出来たと感じました。
多分サーキットを継続して来たからじゃないかと考えていますが、その分、以前ならばできなかったことが、今ならばできるようにもなっています。
従って、これからの5日間に更なるものを目指して稽古をしてみましょう。
まず、個別の指導を行います。
ケレックとフェルシェは、マイクに指導を受けてください。
ベムレットとイェルシンは私が指導します。
他の方はどちらでもいいですから分かれて見学に廻ってください。
前回と異なって、今回の見学は意味が有ります。
あなた方は一緒に演奏しているのですから、周囲の楽器の音色にも気を配らねばなりません。
私やマイクが注意したことは、周囲の者が気を付けていなければ当事者にはわかりにくいものなんです。
前回はそこまであなた方に求めることはしませんでした。
でも、今やあなた方はヤノシア地区を代表する吹奏楽団なのです。
ヤノシア地区のコンテストの最後に、審査委員長であるファルド・コーンウィスキーさんが言ったことを覚えている人もいるかと思いますが、彼はハイスクールの吹奏楽団には80点以上を付けることを良しとはしないお方です。
そのお人が、規定曲で85.4点、自由曲で89.9点の得点を与えてくれました。
その意味はあなた方を一人前の吹奏楽演奏者として扱うという意味なのです。
あなた方はその評価に応えなければいけない。
今日からの私達の指導も、その意味ではあなた方をハイスクールの生徒だとは思わないで、一人前の演奏者として扱います。
無茶かもしれませんが、皆さん一人一人がそうした気概と目標を持たなければ、これ以上の頂点を極めることができません。
あなた方が挑戦するのは目前のディフィビア連合大会ではなくその先のブラビアンカです。
私達二人は、あなた方をブラビアンカに送り出すための指導をいたします。
ここで迷い、悩んだ結果は直接演奏に響きます。
多分、三日目には相当ひどい演奏になるのではないかと予想しています。
しかしながら、そこから這い上がってこそ、ブラビアンカで素晴らしい演奏ができるものと私達は信じています。
それでは分かれてください。」
それから彼女たちの個別指導がはじまった。
前回とは違って一人一人に時間をかけて1日で一巡りするように指導をしていった。
今回指導するのは規定曲だけである。
三日目の最初の演奏では全体の音が乱れていた。
普通の人では聞き逃してしまうかもしれない。
しかしながら彼女たち自身がその乱れに気づいていた。
4日目にやや持ち直し、5日目の演奏では深みが加わっていた。
5日目は個人指導を止め、午前中演奏を四回繰り返して、全員の身体にその音色を浸みこませた。
午前中の最後にマイクが言った。
「皆よくやった。
規定曲の演奏は十分なまでに水準があがった。
午後は自由曲の練習をしよう。
多分僕たちの指導は要らないはずだ。
最初の一時間を使って楽譜を読みなさい。
次の一時間は僕たち二人の演奏を聞きなさい。
そうして最後の1時間は、全員で二度の練習をする。
皆の感性が自由曲であってもどの音をどの程度に出せばよいかは知っているはずだ。
これまでの自由曲の演奏にこだわらなくてもいい。
君たちの感性で演奏をしてごらんなさい。
一度目の練習が終わったなら皆で何が必要かを話し合いなさい。
二度の練習を行うのは、一度目で周囲の音を聞き、二度目でその調整をするためだ。
君たちはそれだけの力を持っている。
では、午後、またここで会いましょう。」
一旦分かれて昼食をとり、午後から再び講堂に集まった。
午後三時からは最終練習をするのでフォックス校の生徒達も良ければ自由に見学して下さいと校長先生に御話しておいた。
午後最初の一時間は繰り返し楽譜を読ませた。
二時からは私がヤーヴェロンをマイクがセロディエスを持って、自由曲の演奏を二度繰り返した。
二時半ごろになるとフォックス校の生徒達が静かに講堂に集まりだし、床に腰を降ろして演奏を聴き始めた。
三時前には講堂の8割が生徒達と教師たちで埋まっていた。
マイクがカインズ校の生徒達に向かって言った。
「この曲のイメージは受け取る者によって少しずつ違う。
その違いこそが演奏者の感性だ。
それをどう現すか。
前回、キティホーク号で指導を行った際は、僕たちの考えを君たちに押し付けた。
それは貴方たちが未だ自分で読み取れるほどには力が無かったからだ。
しかしながら、今回は違う。
あなた方は既にその力を持っている。
今僕たちの演奏を聞いてどう思ったか、それを一度目の演奏で体現しなさい。
そうして、その演奏を自分たちの中で評価するために話し合いなさい。
それで納得出来たら二度目の演奏をしなさい。
それが貴方たちの感性であり、自己表現だ。
先ほども言ったが、貴方たちはその力を十分に持っている。」
一度目の演奏が行われた。
ヤノシア地区大会よりも見事な演奏だった。
演奏が終わって彼女たちが自分で色々と話し合った。
30分もその話し合いを続け、ようやくまとまった。
そうして二度目の演奏を行った。
とてもいい演奏だった。
彼女たちはヤノシア地区大会を超える演奏をしてのけたのだ。
私が、最後の好評を行った。
「皆さん、よくやりました。
とても見事な演奏でした。
あなた方の成長を指導者として大いに誇りに思います。
あなた方はどこに出しても恥ずかしくない吹奏楽の演奏者です。
最後に、お世話になったフォックス校の皆様にお礼を申し上げましょう。
全員起立して。」
一拍おいて全員で「ありがとうございました。」とお辞儀をした。
フォックス校からは暖かい拍手が起きた。
「さて、全員で掃除をして引き上げよう。」
マイクがそう言って全員が掃除を始めたのだが、フォックス校の生徒達の多くも手伝ってくれた。
1
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる