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第二章 それぞれの出会い
2-10 アリス ~超能力 その一(合奏)
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乗船から一週間、私とマイクはかなり親密な間柄であり、カスリンにまで冷やかされるようになった。
至って健康的なお付き合いなのだから誰かに後ろ指を指されることもないのだが、それぞれの部屋を訪ねるようにもなっていた。
私の部屋にはカスリンがいるように、彼の部屋にはヘレンという専属のメイドがいる。
但し、メイドだけではなく執事のジョージもいるのが一等と特一等の違いだろう。
寝室の広さはさほど変わらないが、居室は倍ほどの広さがあるのである。
私はヘレンやジョージとも顔なじみになっていた。
その日の正装による晩餐会の夕食後、私は彼と連立って彼の部屋にいた。
「で、ケルヴィスの調査結果はどうなの?」
マイクが私の正面に座って聞いてきた。
テーブルの上にはフレビー茶が二脚載っている。
「うん、この船の搭載データによれば、ケルヴィスには変性の具合によってA、B、Cの変性体があるのだけれど、メィビスに多いのはA変性体、B変性体は希少なのだけれど、更に希少なのがC変性体のようね。
産出するケルヴィスのうち86%はA変性体で、残り14%程度がB変性体、B変性体の中に千分の一ほどC変性体が含まれている。
最もA変性体やB変性体がそれぞれ単独ではなくって、混合体が多いのよね。
だからC変性体も微量だけれどその中に含まれている。
そうして稀にC変性体の有機結晶が凝集して発見される場合がある。
でも、左程大きいものじゃない。
指の先ほどの大きさの結晶なの。
透き通った紅色の結晶は、宝石としての価値もあって、1ミーロが1万ルーブもするようよ。
但し、これも純粋なC結晶体じゃなくって、2割ほど夾雑物が混じっている。
多分、ザクセン製薬が使っているのは、このC結晶体じゃないかと思うの。
10気圧ほどの圧力をかけて結晶体に液体を透過させるとC結晶体の微細な網目構造が触媒の働きとフィルターの働きをして液体の化学変化が促進されるようね。
C結晶体は品薄で、流通している量は、精々100ミーロ程じゃないかと推測されるわ。」
「ザクセン製薬がC結晶体を使っていると今の段階で推測できるの?」
「いいえ、それはまだね。
実際にジルさんに会って話を聞かなければ判らないわ。
あるいは有機結晶と何かの混合物かも知れないし、薬草というのも何かは特定できていない。」
「ハマセドリンについては?」
「残念ながら文献が無いし、データも皆無よ。
それもジルさんに聞かなければならない。」
「仮に特効薬を生み出すのがC結晶体として、触媒として使うのに一番いい手法は?」
「仮に触媒機能が結晶構造自体に有るとしたなら、そのまま使うのがいいのだけれど、機関長から聞いた話から推測するに、薬草のしぼり汁が結晶構造に比べて大きな分子構造を持っている可能性が高いわ。
だから少々の圧力をかけても透過量は極々少ない。
余り圧力をかけすぎると熱で有機分子構造が壊れる危険性もある。
もし、単に接触だけが触媒の機能を持っているならば、C結晶体を微粉末にして、適当な浸透膜に塗布することでより大きな化学変化も期待できるかもしれない。」
「なるほど、接触面積を増やすことで化学変化量を増やすわけだ。」
「ええ、そうなの、それに結晶体そのものを使うのでなければ、A結晶体とB結晶体の通常の混合物を微粉末にして、適当な液体との混合液を遠心分離器にかけることで、C結晶体の粉末を取り出すことができるかもしれない。
数万分の一の比率だから、1ムーロの結晶から取り出せる量は数十分の1ミーロ程度だけれど、A結晶体とB結晶体の混合物は年間で10トムーロほども産出できるそうだから、その半分からでも500ミーロほど抽出できる可能性がある。
その方法でよければ工業化は可能だと思うわ。」
「なるほど、可能性はあるか・・・。
やはりこれはザクセン製薬に顔出ししてみる必要があるようだね。」
「ええ、今では私もそう思っているわ。
ねぇ、マイク、付き合ってくれるかしら。」
「勿論、そのつもりだよ。」
マイクと私は微笑みあった。
翌日はいつもの通りジムナシアで2時間ほど汗を流してから、着替えて音楽室に行った。
マイクも一緒である。
一人での演奏は味気ないが、私がヤーヴェロンを演奏できると言うと、マイクが重奏もできるねと言ってくれたので、音楽室で試すことになったのである。
私はヤーヴェロンを借り出し、マイクはセロディエスを借り出した。
ヤーヴェロンは弦楽器だが、セロディエスは金管楽器の一種である。
フェルシェより少し大きめの金管楽器は柔らかい音を出すことができる横笛である。
二人で演奏をするのは勿論初めての事である。
ヤーヴェロンとセロディエスの二重奏曲はない。
ヤーヴェロンは弦楽四重奏に良く使われるし、独奏もあるのだが、オーケストラ以外での金管楽器との演奏は少なくとも聞いたことが無い。
マイクはヤーヴェロンの演奏に合わせて適当に演奏すると言っていたが、実際にやってみて驚いた。
ヤーヴェロンの独奏曲である「サルマリス」を演奏したら、本当にマイクがその曲に合わせて演奏し始めたのである。
無論セロディエス用の楽譜など無い筈なのだけれど、演奏を始める前にほんの少しヤーヴェロンの譜面を読んだだけでしっかりと曲想に合わせて来たのである。
見事な編曲であった。
元々の曲想を全く変えないばかりか、それを幾重にも膨らませてくれた。
マイクのお蔭で物凄くいい演奏ができた。
その後も三曲ほど演奏したけれど、ことごとくヤーヴェロンの演奏に合わせるマイクの演奏技術は控えめに言ってもプロの腕前であると言わざるを得ない。
私がそれを伝えるとマイクが言った。
「共演者が上手だとね、上手く聞こえるんだよ。
必ずしも僕が上手というわけじゃない。」
「あら、それって、お世辞?」
「いや、本当の事さ。
アリスは上手だよ。
音楽家の道を志しても一流に成れたかもしれない。」
「ふーん、その口ぶりじゃ、今からでは遅いと言っているみたい。」
「君にその気があれば今からでもなれるよ。
でも、アリスの場合は、趣味の一つであって、音楽家になりたいわけじゃない。
でしょう?」
「うん、まぁ、そうね。
音楽は聞くのも自分で演奏するのも好きだけれど、これを一生の仕事にするつもりはないわ。」
「でもたまには演奏するのもいい。
そういうことだね。」
私は、二人の演奏をじっと聞いている人がいることに気づいていなかった。
その人は音楽室の二階席の片隅にひっそりと座っていたのだった。
その日から一日おきに音楽室を借りてマイクと二人で演奏をするようになった。
但し、マイクはその都度楽器を変えていた。
私はヤーヴェロンしか演奏できないが、マイクは色々な楽器を演奏できる。
彼は、勿論ヤーヴェロンも演奏できる。
マイク曰く、もう一つの貸し出し品は余り出来のよくないヤーヴェロンらしいのだが、それでもマイクが奏でるととてもいい音色に聞こえるし、二人で奏でる二重奏は素晴らしかった。
10日目の夕食後、マイクに誘われてジムナシアにいた。
運動をするつもりではないらしいけれど楽な服装をと言われたので、私は上下スポーツウェアに着替えていた。
マイクが私を連れて行ったのは、格闘技の稽古場である。
床に柔らかいマットが敷き詰められた部屋である。
その部屋の中央に二人向き合って座り、何事かしようというらしい。
夕食後の時間でジムナシアに人は少ないものの結構な人数の人が運動をしていた。
二人がいる部屋は周囲が透明なイクリス板で囲まれているから、他の人たちにも見られているところではある。
無論、船内警備のための監視カメラも至る所に設置されているから、こんなところでいかがわしい真似もできるはずもない。
「さてと、後二週間でワームホールに入ることになるから、そろそろ、君も訓練をしておいた方が良いと思ってね。」
「え、何なの?
ワームホールに入るのに特別な訓練が必要だとは聞いていないけれど・・・。」
「うん、まぁ、普通の人には無縁の事だ。
何しろ一瞬で目的地のワームホールから出てしまうからね。
普通の人は、席に座って万が一に備えてシートハーネスを降ろしておけばいい。」
「別に、私も普通の人で構わないけれど・・・。
何かあるの?」
「うん、まぁ、こればかりは実際に経験しないとわからないけれど、多分、君にとってはかなり長い時間拘束されることになる。」
「長い時間て・・・。
どのぐらいなの?」
「比較するものが無いからね。
判らない。
かなり長い時間だと思う。」
「あの、・・・。
ほんの一瞬で時空を飛び越えて行くんでしょう。
アルタミルとメィビスは17.8光年。
まさか、光と同じように17.8年もかかるわけじゃないでしょう。」
「それはない。
但し、主観的時間は1時間以上も続くかもしれない。
そうしてその間君は瞬き一つできないし、手足も全く動かない。
全ては一瞬の間の出来事なんだけれど、君の意識はその短い時間を物凄く長く感じるようになる。」
「そんな馬鹿な。
そんなことが起きるならば誰かがそのことを書き残しているか報告している筈よ。」
「うん、まぁ、そうなんだけれど。
ご本人が異常なこととして受け止めず、夢でも見たと思い込んでしまえば記録には残らない。
それと程度問題で、そう感じられるほど敏感な人がいなかったのかもしれない。
でも君は違う。
だから事前に予防措置を講じておくことにした。」
至って健康的なお付き合いなのだから誰かに後ろ指を指されることもないのだが、それぞれの部屋を訪ねるようにもなっていた。
私の部屋にはカスリンがいるように、彼の部屋にはヘレンという専属のメイドがいる。
但し、メイドだけではなく執事のジョージもいるのが一等と特一等の違いだろう。
寝室の広さはさほど変わらないが、居室は倍ほどの広さがあるのである。
私はヘレンやジョージとも顔なじみになっていた。
その日の正装による晩餐会の夕食後、私は彼と連立って彼の部屋にいた。
「で、ケルヴィスの調査結果はどうなの?」
マイクが私の正面に座って聞いてきた。
テーブルの上にはフレビー茶が二脚載っている。
「うん、この船の搭載データによれば、ケルヴィスには変性の具合によってA、B、Cの変性体があるのだけれど、メィビスに多いのはA変性体、B変性体は希少なのだけれど、更に希少なのがC変性体のようね。
産出するケルヴィスのうち86%はA変性体で、残り14%程度がB変性体、B変性体の中に千分の一ほどC変性体が含まれている。
最もA変性体やB変性体がそれぞれ単独ではなくって、混合体が多いのよね。
だからC変性体も微量だけれどその中に含まれている。
そうして稀にC変性体の有機結晶が凝集して発見される場合がある。
でも、左程大きいものじゃない。
指の先ほどの大きさの結晶なの。
透き通った紅色の結晶は、宝石としての価値もあって、1ミーロが1万ルーブもするようよ。
但し、これも純粋なC結晶体じゃなくって、2割ほど夾雑物が混じっている。
多分、ザクセン製薬が使っているのは、このC結晶体じゃないかと思うの。
10気圧ほどの圧力をかけて結晶体に液体を透過させるとC結晶体の微細な網目構造が触媒の働きとフィルターの働きをして液体の化学変化が促進されるようね。
C結晶体は品薄で、流通している量は、精々100ミーロ程じゃないかと推測されるわ。」
「ザクセン製薬がC結晶体を使っていると今の段階で推測できるの?」
「いいえ、それはまだね。
実際にジルさんに会って話を聞かなければ判らないわ。
あるいは有機結晶と何かの混合物かも知れないし、薬草というのも何かは特定できていない。」
「ハマセドリンについては?」
「残念ながら文献が無いし、データも皆無よ。
それもジルさんに聞かなければならない。」
「仮に特効薬を生み出すのがC結晶体として、触媒として使うのに一番いい手法は?」
「仮に触媒機能が結晶構造自体に有るとしたなら、そのまま使うのがいいのだけれど、機関長から聞いた話から推測するに、薬草のしぼり汁が結晶構造に比べて大きな分子構造を持っている可能性が高いわ。
だから少々の圧力をかけても透過量は極々少ない。
余り圧力をかけすぎると熱で有機分子構造が壊れる危険性もある。
もし、単に接触だけが触媒の機能を持っているならば、C結晶体を微粉末にして、適当な浸透膜に塗布することでより大きな化学変化も期待できるかもしれない。」
「なるほど、接触面積を増やすことで化学変化量を増やすわけだ。」
「ええ、そうなの、それに結晶体そのものを使うのでなければ、A結晶体とB結晶体の通常の混合物を微粉末にして、適当な液体との混合液を遠心分離器にかけることで、C結晶体の粉末を取り出すことができるかもしれない。
数万分の一の比率だから、1ムーロの結晶から取り出せる量は数十分の1ミーロ程度だけれど、A結晶体とB結晶体の混合物は年間で10トムーロほども産出できるそうだから、その半分からでも500ミーロほど抽出できる可能性がある。
その方法でよければ工業化は可能だと思うわ。」
「なるほど、可能性はあるか・・・。
やはりこれはザクセン製薬に顔出ししてみる必要があるようだね。」
「ええ、今では私もそう思っているわ。
ねぇ、マイク、付き合ってくれるかしら。」
「勿論、そのつもりだよ。」
マイクと私は微笑みあった。
翌日はいつもの通りジムナシアで2時間ほど汗を流してから、着替えて音楽室に行った。
マイクも一緒である。
一人での演奏は味気ないが、私がヤーヴェロンを演奏できると言うと、マイクが重奏もできるねと言ってくれたので、音楽室で試すことになったのである。
私はヤーヴェロンを借り出し、マイクはセロディエスを借り出した。
ヤーヴェロンは弦楽器だが、セロディエスは金管楽器の一種である。
フェルシェより少し大きめの金管楽器は柔らかい音を出すことができる横笛である。
二人で演奏をするのは勿論初めての事である。
ヤーヴェロンとセロディエスの二重奏曲はない。
ヤーヴェロンは弦楽四重奏に良く使われるし、独奏もあるのだが、オーケストラ以外での金管楽器との演奏は少なくとも聞いたことが無い。
マイクはヤーヴェロンの演奏に合わせて適当に演奏すると言っていたが、実際にやってみて驚いた。
ヤーヴェロンの独奏曲である「サルマリス」を演奏したら、本当にマイクがその曲に合わせて演奏し始めたのである。
無論セロディエス用の楽譜など無い筈なのだけれど、演奏を始める前にほんの少しヤーヴェロンの譜面を読んだだけでしっかりと曲想に合わせて来たのである。
見事な編曲であった。
元々の曲想を全く変えないばかりか、それを幾重にも膨らませてくれた。
マイクのお蔭で物凄くいい演奏ができた。
その後も三曲ほど演奏したけれど、ことごとくヤーヴェロンの演奏に合わせるマイクの演奏技術は控えめに言ってもプロの腕前であると言わざるを得ない。
私がそれを伝えるとマイクが言った。
「共演者が上手だとね、上手く聞こえるんだよ。
必ずしも僕が上手というわけじゃない。」
「あら、それって、お世辞?」
「いや、本当の事さ。
アリスは上手だよ。
音楽家の道を志しても一流に成れたかもしれない。」
「ふーん、その口ぶりじゃ、今からでは遅いと言っているみたい。」
「君にその気があれば今からでもなれるよ。
でも、アリスの場合は、趣味の一つであって、音楽家になりたいわけじゃない。
でしょう?」
「うん、まぁ、そうね。
音楽は聞くのも自分で演奏するのも好きだけれど、これを一生の仕事にするつもりはないわ。」
「でもたまには演奏するのもいい。
そういうことだね。」
私は、二人の演奏をじっと聞いている人がいることに気づいていなかった。
その人は音楽室の二階席の片隅にひっそりと座っていたのだった。
その日から一日おきに音楽室を借りてマイクと二人で演奏をするようになった。
但し、マイクはその都度楽器を変えていた。
私はヤーヴェロンしか演奏できないが、マイクは色々な楽器を演奏できる。
彼は、勿論ヤーヴェロンも演奏できる。
マイク曰く、もう一つの貸し出し品は余り出来のよくないヤーヴェロンらしいのだが、それでもマイクが奏でるととてもいい音色に聞こえるし、二人で奏でる二重奏は素晴らしかった。
10日目の夕食後、マイクに誘われてジムナシアにいた。
運動をするつもりではないらしいけれど楽な服装をと言われたので、私は上下スポーツウェアに着替えていた。
マイクが私を連れて行ったのは、格闘技の稽古場である。
床に柔らかいマットが敷き詰められた部屋である。
その部屋の中央に二人向き合って座り、何事かしようというらしい。
夕食後の時間でジムナシアに人は少ないものの結構な人数の人が運動をしていた。
二人がいる部屋は周囲が透明なイクリス板で囲まれているから、他の人たちにも見られているところではある。
無論、船内警備のための監視カメラも至る所に設置されているから、こんなところでいかがわしい真似もできるはずもない。
「さてと、後二週間でワームホールに入ることになるから、そろそろ、君も訓練をしておいた方が良いと思ってね。」
「え、何なの?
ワームホールに入るのに特別な訓練が必要だとは聞いていないけれど・・・。」
「うん、まぁ、普通の人には無縁の事だ。
何しろ一瞬で目的地のワームホールから出てしまうからね。
普通の人は、席に座って万が一に備えてシートハーネスを降ろしておけばいい。」
「別に、私も普通の人で構わないけれど・・・。
何かあるの?」
「うん、まぁ、こればかりは実際に経験しないとわからないけれど、多分、君にとってはかなり長い時間拘束されることになる。」
「長い時間て・・・。
どのぐらいなの?」
「比較するものが無いからね。
判らない。
かなり長い時間だと思う。」
「あの、・・・。
ほんの一瞬で時空を飛び越えて行くんでしょう。
アルタミルとメィビスは17.8光年。
まさか、光と同じように17.8年もかかるわけじゃないでしょう。」
「それはない。
但し、主観的時間は1時間以上も続くかもしれない。
そうしてその間君は瞬き一つできないし、手足も全く動かない。
全ては一瞬の間の出来事なんだけれど、君の意識はその短い時間を物凄く長く感じるようになる。」
「そんな馬鹿な。
そんなことが起きるならば誰かがそのことを書き残しているか報告している筈よ。」
「うん、まぁ、そうなんだけれど。
ご本人が異常なこととして受け止めず、夢でも見たと思い込んでしまえば記録には残らない。
それと程度問題で、そう感じられるほど敏感な人がいなかったのかもしれない。
でも君は違う。
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