34 / 43
第二章 青の氷の悲しみを
第31色 快晴の嵐、暗闇の朝
しおりを挟む「『緑嵐・流星』」
手加減は無い。最初から全力で潰す。
「『赤金光・炸裂』」
後数センチで届くという距離で『流星』が『爆発』した。
その『爆発』は『赤』と『金』の混じった『色』の光で、その光が届くだけで暑さを感じた。
「余に通じると思ったか?」
「あぁ。通るだろ。嵐だし。」
そんな言葉を交わし、進むは第二撃。
「『緑嵐・狂裂』」
「『赤金光・磑天』」
いつの間にか宙に浮いていたワイドの下の範囲全てに斬撃。
いや、厳密には斬撃ではない。
『風』の精密なコントロールによって凶器と言えるレベルにまで尖らせた建物や地面の破片。
それらをワイドに確実に当たらない範囲で振り回しているだけ。
シバルの『剣舞』のように範囲に入ればほぼ確実に死ぬというわけではない。
ただこちらは『痛い』。
『剣舞』が『斬る』ならこの『狂裂』は『抉る』。
それに対し〈王〉は『防御』。
しかしただの防御ではない。
『金』という何もなしで物を生み出す底なしの資源。
『赤』という『色』の中でも随一の戦闘力を誇る者が多い、その中でも特に強いカイルを師とした『炎』。
その相性は良すぎる。
本来『赤炎』を使用する場合自分に熱さが来ないとはいえ熱くしすぎると足場が溶けてかえって不利になる。そうなることを防ぐためにある程度まで温度を下げて使用している。
だが足場や武器、防具を溶かしたとしても即座に再生できたら?
その答えが
『磑天』である。
結果として〈王〉は『狂裂』を無傷で耐えることとなる。
だが防ぐのみ。現状〈王〉はワイドを舐めている。
そのことをワイド自身も気づいている。
「いくらやっても無駄だ。余と貴様では相性が悪い。諦めろ。」
「やーだね。」
口ではこう言ってはいるがワイド自身有効打が無いことも気づいている。
ただ一つ。〈王〉は気づかず、ワイドにのみ気づいている事があった。
数秒後〈王〉もそれに気づいた。
だがすでに遅かった。
「『白磑』」 「『白斬』」
「『白染』」
「『白壁』」 「『白粉』」
『赤金光』は何処まで行っても結局は『色』。
こちらには『白』トップメタがある。
「相性が悪い。そっくりそのまま返させてもらうぜ。」
『白染』。今回それを〈『色』の抑制〉として使った。
予想通りであれば、〈王〉は体から『白』が抜けるまで『色』を使えない。
「『赤金光』…!?」
〈王〉の象徴たる光が消え去る。
「「取った!」」
「『緑嵐・狂裂』」
「『血染』」
ありったけの力で〈王〉を叩く。
ここで終わらせる。
〈色具・『青』起動〉
僕の『白染』はその人そのものが使う『色』にしか制限ができない。外付けの『色』の場合それそのものに向けて『白染』を使用しなければならない。
ワイドは、〈色具〉を見ていた。
だが、ジュークは見ていなかった。
経験の差。
これが逆だったならば。
ジュークもすぐに思い立つ。
「僕の〈指輪〉…!?」
だが時すでに遅し。
「『青洞』」
レブは元々、あちら側だ。
〈王〉が指定した『青洞』の対象は、
〈この裏サーシュの中の生命体〉。
その全てが〈表〉に出る。
だが、ここで一つ。
たった一つのイレギュラー。
「お前はッ…!」
"それ"を知っていたのは、この中でワイドのみ。
だがその反応でジュークもすぐに誰かを悟る。
「僕以外の『白』…!」
ジュークはワイドとの会話を思い出す。
別の『白』。その能力、
『消滅』
「『白球』」
30秒の一方的虐殺が始まる。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる