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第二章 青の氷の悲しみを
第17色 学校、逃亡、困惑
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その日、いつものように教室へ行こうとしていた。変わったところといえば左腕くらい。当然、左腕が血などということはバレてはいけない。
そして寮から外へ出て、道を歩いていた時の事。
「『金光剣』」
その声とともに、僕の上から何かが降ってきた。咄嗟に後ろへ飛び、その攻撃を躱す。
それと同時に、悲鳴が起こる。
だが、それを気にせずに敵を見る。
そして、右腕は膝から先が剣、左腕は膝から先が筒のようなものになっている。そして服は金と赤の混ざったもの。そこにドス黒い黒が混ざっている。
一番目を引くのは背中に生えた金の翼。金というのも相まって神々しさが際立つ。
レブに似ている?
いや、気のせいか。そう思いたかったが、顔がレブと同じように塗りつぶされている。
ただ、レブと同じとなると本気でいかないと不味い。そう考え、依頼を受けるつもりだったので背中に吊っていた双剣を抜く。
「『金弾』『赤爆』」
左腕の筒から何か飛んでくる。未だかつて見たことのないくらいの速さだ。
「『白鎧』ッ!!」
咄嗟に『白鎧』を使う。なんとか間に合った『白鎧』は『金弾』に当たり…
『金弾』が、溶けて無くなった。周りの人たちは離れながら見ており、その溶けたことに何の疑問も抱いていない。それどころか恐らく、この現象に違和感を抱くのは僕とワイドくらいだろう。
以前ワイドと検証した『色』の性質を思い出す。
『色』は、実際に存在する物質を操るエネルギーである。
これが、僕とワイドの共通意見。僕の『白』がグラドの『茶』で操った土を消せなかったのはそこにあると考えていた。
だが、消えた。それについてじっくり考えたいが、今は奴が反動で怯んでいるうちに詰める。
その時、耳鳴りが頭に響く。奴に近づくほど音が大きくなる。それを感じ、咄嗟に下がる。
異変が起きたのはそのあとだった。まず周りで見ていた生徒たちの悲鳴が一切聞こえなくなる。
次に、奴が人混みに紛れて消える。
そして、周りの人たちが僕を指差して、
「何で何もないのに剣を抜いているんだ?」
その言葉を皮切りに、一斉に非難の声が響く。おかしいのは、その中に先程の襲撃を覚えている人がいない事だ。そのことに戸惑っていると、
「君、ちょっと何があったか聞いてもいいかな。」
先生らしき人に話しかけられる。だが、今大事なのはどうしてみんなが忘れてしまったのかだ。話を軽く聞き流しながら考え続ける。
あの耳鳴り?奴から何かが出ていた?
もう少しで何かにたどり着きそうなところで、
「聞いてるのか!?いいから来てもらうぞ!」
無理矢理連れていくためか腕を強引に掴まれる。
その時、得体の知れない何かが体の中に入ってくる感覚。
反射的に『白』を使っていた。
「『白洗』」
それに反応して、バチっと腕から手が離れる。そのせいか、その人の顔つきが変わる。
「君、今何をした?」
不味い。このままだと無理矢理にでも連れていかれる。そして、今までのを見るに明らかにこの学校、何かある。それが分かっているのにことまま捕まるのは嫌だ。
そう考えたが、周りを生徒に囲まれているし逃げようが
「『青洞』」
目の前にレブの『青』が出現する。咄嗟にその『青』に入る。
「ジューク、逃げるぞ。これは異常だ。」
そこにはワイドと『青』の指輪を二つともつけたレブがいた。
「逃げるのはわかる。だけどどこに逃げる?」
僕が住んでいた西区にもこの学校の噂が一瞬で流れてきていた。この学校の影響力は凄まじいものがある。そんなところから逃げるのだから指名手配くらいは覚悟したほうがいいと思っている。
「南区だ。なぜそこにしたかは逃げながら説明する。とりあえず学校から出るぞ。レブ、行けるか?」
「うん、ここから2.3回で外に出られると思うよ。」
こうして、僕とワイドとレブは南区に向かって走り出した。
そして寮から外へ出て、道を歩いていた時の事。
「『金光剣』」
その声とともに、僕の上から何かが降ってきた。咄嗟に後ろへ飛び、その攻撃を躱す。
それと同時に、悲鳴が起こる。
だが、それを気にせずに敵を見る。
そして、右腕は膝から先が剣、左腕は膝から先が筒のようなものになっている。そして服は金と赤の混ざったもの。そこにドス黒い黒が混ざっている。
一番目を引くのは背中に生えた金の翼。金というのも相まって神々しさが際立つ。
レブに似ている?
いや、気のせいか。そう思いたかったが、顔がレブと同じように塗りつぶされている。
ただ、レブと同じとなると本気でいかないと不味い。そう考え、依頼を受けるつもりだったので背中に吊っていた双剣を抜く。
「『金弾』『赤爆』」
左腕の筒から何か飛んでくる。未だかつて見たことのないくらいの速さだ。
「『白鎧』ッ!!」
咄嗟に『白鎧』を使う。なんとか間に合った『白鎧』は『金弾』に当たり…
『金弾』が、溶けて無くなった。周りの人たちは離れながら見ており、その溶けたことに何の疑問も抱いていない。それどころか恐らく、この現象に違和感を抱くのは僕とワイドくらいだろう。
以前ワイドと検証した『色』の性質を思い出す。
『色』は、実際に存在する物質を操るエネルギーである。
これが、僕とワイドの共通意見。僕の『白』がグラドの『茶』で操った土を消せなかったのはそこにあると考えていた。
だが、消えた。それについてじっくり考えたいが、今は奴が反動で怯んでいるうちに詰める。
その時、耳鳴りが頭に響く。奴に近づくほど音が大きくなる。それを感じ、咄嗟に下がる。
異変が起きたのはそのあとだった。まず周りで見ていた生徒たちの悲鳴が一切聞こえなくなる。
次に、奴が人混みに紛れて消える。
そして、周りの人たちが僕を指差して、
「何で何もないのに剣を抜いているんだ?」
その言葉を皮切りに、一斉に非難の声が響く。おかしいのは、その中に先程の襲撃を覚えている人がいない事だ。そのことに戸惑っていると、
「君、ちょっと何があったか聞いてもいいかな。」
先生らしき人に話しかけられる。だが、今大事なのはどうしてみんなが忘れてしまったのかだ。話を軽く聞き流しながら考え続ける。
あの耳鳴り?奴から何かが出ていた?
もう少しで何かにたどり着きそうなところで、
「聞いてるのか!?いいから来てもらうぞ!」
無理矢理連れていくためか腕を強引に掴まれる。
その時、得体の知れない何かが体の中に入ってくる感覚。
反射的に『白』を使っていた。
「『白洗』」
それに反応して、バチっと腕から手が離れる。そのせいか、その人の顔つきが変わる。
「君、今何をした?」
不味い。このままだと無理矢理にでも連れていかれる。そして、今までのを見るに明らかにこの学校、何かある。それが分かっているのにことまま捕まるのは嫌だ。
そう考えたが、周りを生徒に囲まれているし逃げようが
「『青洞』」
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「ジューク、逃げるぞ。これは異常だ。」
そこにはワイドと『青』の指輪を二つともつけたレブがいた。
「逃げるのはわかる。だけどどこに逃げる?」
僕が住んでいた西区にもこの学校の噂が一瞬で流れてきていた。この学校の影響力は凄まじいものがある。そんなところから逃げるのだから指名手配くらいは覚悟したほうがいいと思っている。
「南区だ。なぜそこにしたかは逃げながら説明する。とりあえず学校から出るぞ。レブ、行けるか?」
「うん、ここから2.3回で外に出られると思うよ。」
こうして、僕とワイドとレブは南区に向かって走り出した。
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