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第一章 その体に白を宿して
ex. レブとジュークの買い物記録
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レブとの戦いから数日。バレることは無いか少し気にしていたが、そもそも部屋に人は入らないし窓はずっとカーテン閉めてるしでバレる要素が無かったので普通に過ごしていた。
そしてその間たまたまワイドが持っていた手袋をつけて左腕を誤魔化していたが、そろそろ自分のがほしい。そしてレブの服とかも買いに行きたい。ということで街に出ることにした。
外に出る時、レブは門から出られないと思ったが『青』で壁抜けすればいいと言われてそのまま決行した。
まず行ったのは服屋。ちょっと大通りから外れたところにあったのからか人がほとんどおらず、店に入ると店員さんが獲物を見つけた獣みたいにすごい速度で近づいてきた。
「えっ?あっちょっ」
どうやら久しぶりの客だったらしく、尋常じゃないくらい気合いが入っていた。その人に頼んでいくつか服を買い、他にも作ってくれるそうだ。今度取りにこよう。
「最初は驚いたけどいい人だったね!」
「そうだね。今度また来ようか。」
「うん!!」
次に別の服屋に入る。さっきの店で売っていなかった手袋を買うために。
僕が買ったのは黒の革の手袋。かっこよさだけで買ってしまった。後悔はしてない。
本来ならそこで帰るつもりだったのだが、レブに連れられて武器屋に来た。確かに今使っている剣は片方が折れ、レブの体に刺さっていた剣は以前の吸い込まれるような黒ではなく浮いて見えるほどの純白になっている。
学校の訓練場で試し切りをしてみたが、恐ろしいほど切れ味がいい。訓練場の的が紙のように切れる。
そしてこの剣、『白』や『赤』がものすごく発動しやすくなる。『色』の流れを掴むのがすごくスムーズになる感じ。
ただそんな切れ味の剣を依頼はともかく試合で使うわけにはいかない。
ということもあって、今僕は新しい剣を探している。レブは目を輝かせながら見ている。
決まらない。折角なら二本とも変えてしまおうかと考えていたのだが、二本組の剣が無い。そもそも双剣使いというものが少ないというのもあってか同じ剣二本を置いていない。どうしたものか…
「ねぇ、これとかどう?」
「ん?どれ…何だ…これ…?」
レブが指をさしたのは刀身があの剣のように真っ黒な剣。だがあの引き込まれるような黒ではなく、妖しい気配のする黒。少し紫とかが混ざっているような色だろうか。
「それに興味があるのか?」
「あっ、そうですね。」
剣を見ていると店主が話しかけて来た。
「その剣は一年前くらいに売りに出されたやつでな。しかも、二本同じやつが。この黒い刀身、最初は何か上から付けたのかと思ったが、これが鉱石本来の色らしい。ま、今のところ誰も買ってないけどな。」
これが本来の色…すこし不気味だが、嫌いでは無い。
「これ、試し切りしていいですか?」
「おう、裏に場所あるから、そこ使いな。」
軽い。そして、あの『白剣』ほどでは無いが色が流しやすい?切れ味は抜群。『白剣』には劣るがそれでも十分すぎる切れ味だ。
「これ、二本買います。」
「二本?分かった。ちょっと待ってろ。」
店主が奥へ行くと、もう一本の剣と、もう一つ、“あの”黒剣を持ってきた。
「これもそいつが売りにきてな。ついでだからやるよ。」
「あ、ありがとうございます。」
受け取る。その剣には確かな『黒』を感じる。さっきの黒い剣とは違う。流れを阻害してくる感じ。帰ったら調べるか…?いや、何か起こる前に早く『白染』をした方がいいか。
代金を払うと、僕たちは行きと同じ方法で部屋に帰る。そして、『黒剣』に『白染』をする。今度は何か記憶が流れてくることもなく、二本目の『白剣』ができた。二本とも寸分違わぬ見た目だ。だが、何か嫌な予感がする。基本今日買った黒剣を使い、本当にやばそうな依頼の時のみこの『白剣』を使おうと決め、今日の買い出しは終了した。
そしてその間たまたまワイドが持っていた手袋をつけて左腕を誤魔化していたが、そろそろ自分のがほしい。そしてレブの服とかも買いに行きたい。ということで街に出ることにした。
外に出る時、レブは門から出られないと思ったが『青』で壁抜けすればいいと言われてそのまま決行した。
まず行ったのは服屋。ちょっと大通りから外れたところにあったのからか人がほとんどおらず、店に入ると店員さんが獲物を見つけた獣みたいにすごい速度で近づいてきた。
「えっ?あっちょっ」
どうやら久しぶりの客だったらしく、尋常じゃないくらい気合いが入っていた。その人に頼んでいくつか服を買い、他にも作ってくれるそうだ。今度取りにこよう。
「最初は驚いたけどいい人だったね!」
「そうだね。今度また来ようか。」
「うん!!」
次に別の服屋に入る。さっきの店で売っていなかった手袋を買うために。
僕が買ったのは黒の革の手袋。かっこよさだけで買ってしまった。後悔はしてない。
本来ならそこで帰るつもりだったのだが、レブに連れられて武器屋に来た。確かに今使っている剣は片方が折れ、レブの体に刺さっていた剣は以前の吸い込まれるような黒ではなく浮いて見えるほどの純白になっている。
学校の訓練場で試し切りをしてみたが、恐ろしいほど切れ味がいい。訓練場の的が紙のように切れる。
そしてこの剣、『白』や『赤』がものすごく発動しやすくなる。『色』の流れを掴むのがすごくスムーズになる感じ。
ただそんな切れ味の剣を依頼はともかく試合で使うわけにはいかない。
ということもあって、今僕は新しい剣を探している。レブは目を輝かせながら見ている。
決まらない。折角なら二本とも変えてしまおうかと考えていたのだが、二本組の剣が無い。そもそも双剣使いというものが少ないというのもあってか同じ剣二本を置いていない。どうしたものか…
「ねぇ、これとかどう?」
「ん?どれ…何だ…これ…?」
レブが指をさしたのは刀身があの剣のように真っ黒な剣。だがあの引き込まれるような黒ではなく、妖しい気配のする黒。少し紫とかが混ざっているような色だろうか。
「それに興味があるのか?」
「あっ、そうですね。」
剣を見ていると店主が話しかけて来た。
「その剣は一年前くらいに売りに出されたやつでな。しかも、二本同じやつが。この黒い刀身、最初は何か上から付けたのかと思ったが、これが鉱石本来の色らしい。ま、今のところ誰も買ってないけどな。」
これが本来の色…すこし不気味だが、嫌いでは無い。
「これ、試し切りしていいですか?」
「おう、裏に場所あるから、そこ使いな。」
軽い。そして、あの『白剣』ほどでは無いが色が流しやすい?切れ味は抜群。『白剣』には劣るがそれでも十分すぎる切れ味だ。
「これ、二本買います。」
「二本?分かった。ちょっと待ってろ。」
店主が奥へ行くと、もう一本の剣と、もう一つ、“あの”黒剣を持ってきた。
「これもそいつが売りにきてな。ついでだからやるよ。」
「あ、ありがとうございます。」
受け取る。その剣には確かな『黒』を感じる。さっきの黒い剣とは違う。流れを阻害してくる感じ。帰ったら調べるか…?いや、何か起こる前に早く『白染』をした方がいいか。
代金を払うと、僕たちは行きと同じ方法で部屋に帰る。そして、『黒剣』に『白染』をする。今度は何か記憶が流れてくることもなく、二本目の『白剣』ができた。二本とも寸分違わぬ見た目だ。だが、何か嫌な予感がする。基本今日買った黒剣を使い、本当にやばそうな依頼の時のみこの『白剣』を使おうと決め、今日の買い出しは終了した。
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