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第一章 その体に白を宿して
第7色 黄の閃光
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「やったな!三人揃って合格だ!」
バルトに受かった。入学式は時間厳守なので、寝坊した時はどうなることかと思ったが、無事に間に合い合格もしていた。だが、これで一歩目ということは忘れないでおこう。
「合格者はこちらに来るように!」
案内に促されるまま歩くと、教室に着いた。途中でカイル、ルミアとは離されており、今は一人だ。
「この教室ですか?」
「おう。そうだ。この教室で授業も受けてもらうからな~」
「ここまでありがとうございました、ドイ先生」
「いいっていいって、俺もこの学校の先生だしな~」
ここまで案内してくれたドイ先生は明るく、ここに来るまでにこの学校について色々聞くことができた。この学校では生徒一人ひとりにポイントが与えられる。入学時点でのポイントは、筆記試験の点数(500点満点)に実技試験の勝利数×100を足した点数が最初の点数になるようだ。つまり僕やカイルだと500点は少なくともあるということだ。(筆記試験の点数は後で明かされるらしい)そしてこの点数で順位付けされている。そしてポイントが上がれば上がるほどランクが上がる。それ以上のことは後で説明されるらしい。そしてクラスは4クラスあり、入学試験時の点数が平等になるように分けられているそうだ。そして1年後、僕たちが進級するときに、その時のポイントでクラスが再分配されるらしい。
と、聞いたこともまとめ終わったし、そろそろ入るか。
「お、君がジューク君かな?」
「はい。そうですが…」
「席はそこの空いてるところだよ」
「はい。わかりました」
言われた通りの席に座る。
「じゃあ、全員揃ったようだし、軽く自己紹介をしてからはじめようか。私はライラ・シューツ。『色』は『黃』だよ。よろしくね!」
『黃』か。僕の住んでいた辺りにはいなかったな。どんな戦い方をするんだろうか。
「今日はポイントとランクシステムの説明をしてからは自由だからなぁ…ま、そこは話しながら決めるか!」
ここまでの話を聞いて僕がライラ先生に抱いた印象は「大雑把」だった。実際間違ってないと思う。
「最初のポイントについての説明はもうみんなここに来るまでに聞いたと思うから飛ばすね~」
飛ばしていいのか。聞いていない人もいるんじゃないのか?
「じゃ、ポイントの獲得方法だけど、その前に授業の日程について説明しとこうか。授業は週3日。日月火水木金土とあるうちの月水金だよ。で、まずひとつ目のポイントの獲得方法だけど、この学校では、休日に生徒同士で一日一回決闘することが認められてる。あ、同学年だけね。そして、この決闘に順位が関わってくる。」
「自分より順位が上の人に決闘を挑む場合は低いほうが100ポイント、高いほうが100ポイントと、順位の差分ポイントを賭けなければならない。そして、勝った方がそのポイント全てを総取りできる。」
「また、順位が下の人に勝負を挑む場合、順位の差が五十位までの場合しか勝負を挑めないし、その場合賭けるポイントは両者100ポイントだ。」
つまり自分より順位が上の人に勝負を挑んで勝てばもっと速く上に上がれるということか。
「次に2つ目の獲得方法だけど、一年に4回あるテストだね。このテストの点数分ポイントが貰える。」
まぁ、ここはなんとなく察していた。
「最後に3つ目だけど、学校から君たちに張り出される依頼だね。この依頼にはランクがあって、生徒がそのランクに達していないと受けることはできないよ。ランクは上からA,B,C,D,Eの5つ。今持っているポイントでランクが決まる。だから、Dランクでも決闘に負けまくればEに下がることもあるよって感じだね。」
下がることもあるのか!これは決闘にも力を入れなければいけないんじゃないか?
「ちなみに依頼をするにおいて学校外で宿泊するような時はその間の授業は受けなくてもいいことになってる。その分が受けたければ私に相談しに来なさい。」
「ランクは0~2000がE、そこから1000ポイントごとにランクが上がっていくぞ~」
「ということで、皆さんの初期ポイントとランクが記された学生証を渡しまーす」
「本人以外は使えないようになってるけど、なくしたら再発行代100ポイントだぞ。」
「ちなみにポイントの増減は勝手に記載されるから安心しろよ。」
僕の点数は826点。当分はDに上がることを目標にするか。
「じゃあ説明も終わったし、お前らの実力も知りたいから訓練場いくぞ!お前らの受験やったところな!俺はウォーミングアップしたいから先行くぞ!じゃあな!」
行ってしまった。嵐のような人だな。みんなも行っているし、僕も行こうか…
そう思って立ち上がった時、
「ジューク!」
声をかけられる。その方向を見ると、
「『緑』の!」
一回戦で戦った、『緑』の槍使いが居た。
「まさか同じ教室だったとはな」
「本当にね。というか、君も無事に合格できたんだね。」
「まぁ、実技はお前以外には勝ったし、筆記も自信はあったからな。ちなみに最初のポイントは832だぞ」
負けた…!まぁ大した差ではないんだけど。
「そういえば、まだ名乗ってなかったな。僕はワイド・ラフレだ。改めてよろしくな。」
「うん、よろしく。ところで、なんで僕の名前を知ってたんだ?」
一試合目が始まるときにワイドは僕の名前を言ってきたその時からどこで名前を知ったのか疑問に思っていた。
「あ、あぁ…それは、4,5歳の頃かな、まだ『色』が発現してないときに、親の手伝いで薬草を取りに行っていたら壁の中に来た魔物に襲われてね。その時助けてくれた冒険者の『色』が『白』だったんだよ。『色』の中でも『白』と『黒』は珍しいから、お礼がしたくて色々聞いてたんだよ。その時、西区に同い年で『白』を発現した人がいるって聞いてね。そこで知ったんだよ。で、会場に『白』は君しかいなさそうだったし、西区出身だったからそうかなーと思ってね。」
「そうだったのか…」
僕も壁の中に来た魔物に襲われたときに助けられた事があったな…あの時僕はなぜそこに行っていたんだっけ。なぜかそこに行くまでの記憶が抜け落ちている。まぁ今考えてもしょうがないか。
「っと。そろそろ着くね。」
「よし!全員揃ったな!お前らの実力を見たいと言ったが、方法は単純、私が五分間『色』も使って全力で逃げるから、お前らは協力して私を捕まえてみろ!それだけだ!ちなみに武器の使用は自由だ!」
大雑把だなぁ…だけど、やるからには全力でやる。僕の『色』については検証が足りない部分も多いからな。
「じゃあ、早速始めるぞ!よーい、スタート!」
その瞬間、ライラ先生の体が、光に変わる。
「!?」
目で追えないくらいのスピードで移動している。だが通ったところに光の軌跡は見えている。ので、試しに通りそうなところに『白斬・飛』を飛ばす。が、当然のように当たらない。
「そんな攻撃じゃあ私には当たらないぞお!」
さて、どう攻略するか…!
バルトに受かった。入学式は時間厳守なので、寝坊した時はどうなることかと思ったが、無事に間に合い合格もしていた。だが、これで一歩目ということは忘れないでおこう。
「合格者はこちらに来るように!」
案内に促されるまま歩くと、教室に着いた。途中でカイル、ルミアとは離されており、今は一人だ。
「この教室ですか?」
「おう。そうだ。この教室で授業も受けてもらうからな~」
「ここまでありがとうございました、ドイ先生」
「いいっていいって、俺もこの学校の先生だしな~」
ここまで案内してくれたドイ先生は明るく、ここに来るまでにこの学校について色々聞くことができた。この学校では生徒一人ひとりにポイントが与えられる。入学時点でのポイントは、筆記試験の点数(500点満点)に実技試験の勝利数×100を足した点数が最初の点数になるようだ。つまり僕やカイルだと500点は少なくともあるということだ。(筆記試験の点数は後で明かされるらしい)そしてこの点数で順位付けされている。そしてポイントが上がれば上がるほどランクが上がる。それ以上のことは後で説明されるらしい。そしてクラスは4クラスあり、入学試験時の点数が平等になるように分けられているそうだ。そして1年後、僕たちが進級するときに、その時のポイントでクラスが再分配されるらしい。
と、聞いたこともまとめ終わったし、そろそろ入るか。
「お、君がジューク君かな?」
「はい。そうですが…」
「席はそこの空いてるところだよ」
「はい。わかりました」
言われた通りの席に座る。
「じゃあ、全員揃ったようだし、軽く自己紹介をしてからはじめようか。私はライラ・シューツ。『色』は『黃』だよ。よろしくね!」
『黃』か。僕の住んでいた辺りにはいなかったな。どんな戦い方をするんだろうか。
「今日はポイントとランクシステムの説明をしてからは自由だからなぁ…ま、そこは話しながら決めるか!」
ここまでの話を聞いて僕がライラ先生に抱いた印象は「大雑把」だった。実際間違ってないと思う。
「最初のポイントについての説明はもうみんなここに来るまでに聞いたと思うから飛ばすね~」
飛ばしていいのか。聞いていない人もいるんじゃないのか?
「じゃ、ポイントの獲得方法だけど、その前に授業の日程について説明しとこうか。授業は週3日。日月火水木金土とあるうちの月水金だよ。で、まずひとつ目のポイントの獲得方法だけど、この学校では、休日に生徒同士で一日一回決闘することが認められてる。あ、同学年だけね。そして、この決闘に順位が関わってくる。」
「自分より順位が上の人に決闘を挑む場合は低いほうが100ポイント、高いほうが100ポイントと、順位の差分ポイントを賭けなければならない。そして、勝った方がそのポイント全てを総取りできる。」
「また、順位が下の人に勝負を挑む場合、順位の差が五十位までの場合しか勝負を挑めないし、その場合賭けるポイントは両者100ポイントだ。」
つまり自分より順位が上の人に勝負を挑んで勝てばもっと速く上に上がれるということか。
「次に2つ目の獲得方法だけど、一年に4回あるテストだね。このテストの点数分ポイントが貰える。」
まぁ、ここはなんとなく察していた。
「最後に3つ目だけど、学校から君たちに張り出される依頼だね。この依頼にはランクがあって、生徒がそのランクに達していないと受けることはできないよ。ランクは上からA,B,C,D,Eの5つ。今持っているポイントでランクが決まる。だから、Dランクでも決闘に負けまくればEに下がることもあるよって感じだね。」
下がることもあるのか!これは決闘にも力を入れなければいけないんじゃないか?
「ちなみに依頼をするにおいて学校外で宿泊するような時はその間の授業は受けなくてもいいことになってる。その分が受けたければ私に相談しに来なさい。」
「ランクは0~2000がE、そこから1000ポイントごとにランクが上がっていくぞ~」
「ということで、皆さんの初期ポイントとランクが記された学生証を渡しまーす」
「本人以外は使えないようになってるけど、なくしたら再発行代100ポイントだぞ。」
「ちなみにポイントの増減は勝手に記載されるから安心しろよ。」
僕の点数は826点。当分はDに上がることを目標にするか。
「じゃあ説明も終わったし、お前らの実力も知りたいから訓練場いくぞ!お前らの受験やったところな!俺はウォーミングアップしたいから先行くぞ!じゃあな!」
行ってしまった。嵐のような人だな。みんなも行っているし、僕も行こうか…
そう思って立ち上がった時、
「ジューク!」
声をかけられる。その方向を見ると、
「『緑』の!」
一回戦で戦った、『緑』の槍使いが居た。
「まさか同じ教室だったとはな」
「本当にね。というか、君も無事に合格できたんだね。」
「まぁ、実技はお前以外には勝ったし、筆記も自信はあったからな。ちなみに最初のポイントは832だぞ」
負けた…!まぁ大した差ではないんだけど。
「そういえば、まだ名乗ってなかったな。僕はワイド・ラフレだ。改めてよろしくな。」
「うん、よろしく。ところで、なんで僕の名前を知ってたんだ?」
一試合目が始まるときにワイドは僕の名前を言ってきたその時からどこで名前を知ったのか疑問に思っていた。
「あ、あぁ…それは、4,5歳の頃かな、まだ『色』が発現してないときに、親の手伝いで薬草を取りに行っていたら壁の中に来た魔物に襲われてね。その時助けてくれた冒険者の『色』が『白』だったんだよ。『色』の中でも『白』と『黒』は珍しいから、お礼がしたくて色々聞いてたんだよ。その時、西区に同い年で『白』を発現した人がいるって聞いてね。そこで知ったんだよ。で、会場に『白』は君しかいなさそうだったし、西区出身だったからそうかなーと思ってね。」
「そうだったのか…」
僕も壁の中に来た魔物に襲われたときに助けられた事があったな…あの時僕はなぜそこに行っていたんだっけ。なぜかそこに行くまでの記憶が抜け落ちている。まぁ今考えてもしょうがないか。
「っと。そろそろ着くね。」
「よし!全員揃ったな!お前らの実力を見たいと言ったが、方法は単純、私が五分間『色』も使って全力で逃げるから、お前らは協力して私を捕まえてみろ!それだけだ!ちなみに武器の使用は自由だ!」
大雑把だなぁ…だけど、やるからには全力でやる。僕の『色』については検証が足りない部分も多いからな。
「じゃあ、早速始めるぞ!よーい、スタート!」
その瞬間、ライラ先生の体が、光に変わる。
「!?」
目で追えないくらいのスピードで移動している。だが通ったところに光の軌跡は見えている。ので、試しに通りそうなところに『白斬・飛』を飛ばす。が、当然のように当たらない。
「そんな攻撃じゃあ私には当たらないぞお!」
さて、どう攻略するか…!
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