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6章
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しおりを挟むとある屋敷邸に箱入り娘ならぬ宝のように扱う宝箱入り娘が存在した。
その屋敷の主は生まれた可愛い赤ん坊の娘を大人サイズにすっぽりとハマる宝箱に入れて育てるのである。
なぜ宝箱に入れるか不明だが先祖代々生まれた女の子を宝箱に入れて育てるのが習わしである。
そんな宝箱娘だが成人するまでに絶対に宝箱の中身を開けてはならないという言付けがあった。
そんな時に娘が15の時に事件が起こった。
とある日、屋敷の女中が食事を運ぼうとした時に宝箱からガタと物音がしたので女中は何事かと宝箱に近づき中身を見てしまう。
その時女中は何かに捕まれて宝箱の中に引きずり込まれてしまう。
宝箱娘の中から聴こえる咀嚼音。
ゆっくりと噛み砕く音がする。
そしてしばらくすると咀嚼音がなくなって娘は一言を言う。
「大変美味しゅうございました」
宝箱の中から女中が履いていた靴が吐き出された。
この後、たびたびに女中が誤って姿を消すことがあったので屋敷の主は口を酸っぱくして厳重に女中達に絶対、宝箱の中身を開けないように言い聞かせた。
そして宝箱娘が成人なるとようやく宝箱から出る。
その時彼女に縁談が持ち上がり娘はその相手と結婚して家庭に入る。
そして娘が生まれた時には宝箱に入れる風習が続くのである。
宝箱娘 完
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