笑顔で冷遇する婚約者に疲れてしまいました

ユユ

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狼狽える親友

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学生食堂のいつもの席では2人が不満そうにブツブツと言い始めた。

「せっかくの夜会なのにジオ公子が番獣になっていて令息達が近寄って来ないじゃない」

「そうよ。夜会くらい遠慮させてよ」

「え!?」

寧ろヒューゴ様を誘えって感じじゃなかった!?

「もっと悩ましいドレスを着て来ないと」

「髪も清純そうにしていては駄目よ」

「……殿下とモルゾン公子に告げ口しようかしら」

「「!!」」

「エルザとジネットが悪い子になりたがってるって」

「いやだわ。冗談よ」

「私達3人はいつも健全よ」

「そうそう、健全健全」

パーティ1件夜会2件を消化した後の会話だった。

「ふ~ん?」

「そ、そうだわ。今週末のガーデンティーパーティだけど、王妃様が泊まっていきなさいって仰っていたわ」

「え?私も!?」

「そうよ。ティナもジネットもよ。だからジオ公子とモルゾン公子にもそう伝えてくれる?」

「分かったわ」

「う、うん」

「ティナ?大丈夫よ。彼ならティナから離れないからティナが帰らなければ彼も帰らないわ」

「たぶんジオ公子とティナは一番の注目カップルね」

「熱々の」

「もう!」

いつも揶揄われてばかりなので、私も仕返しすることにした。



ガーデンティーパーティ当日。

王太子夫妻や多くの方々とご挨拶をした後、ヒューゴ様が第二王子殿下をエルザから離して連れて来てくれた。

「エルザは夜会で良い子にしているかな?」

「はい。殿下以外のご令息に見向きもしません」

「そうか」

「あの…お伝えし辛いのですけど」

「なんだい?」

「エルザがもっと殿下と仲良くしたいと思っているようで、私とヒューゴ様のことを揶揄うのです」

「…それは」

「殿下、ウィロウ嬢とそろそろスキンシップをとってもよろしいのでは?」

「本当にエルザが望んでいるのか?」

「エルザは私達の事を熱々で羨ましいとよく言葉にしております」

「そうか…分かった」

そして…ジネットがお花摘みに行った隙を狙って…

「ゼイン。少しはかまってやれよ」

「え?」

「ゼオロエン嬢がしきりに俺とティナを羨ましがっているらしいぞ」

「クリスティーナ嬢、それ本当?」

「はい。熱々で羨ましいと言いながら遠くを見ていました」

「……」

「イチャイチャという言葉に敏感です」

「っ!…分かった、ありがとう」


任務を終えた私はヒューゴ様と庭園の死角に行くと、彼の頬にお礼のキスをした。

「明日の朝が楽しみだな」

「ふふっ」

「……いや、1人は朝まで待つ必要はないぞ」

ヒューゴ様の目線の先を追いかけると、男女がキスをしていた。

「あれって…」

「殿下とウィロウ嬢だな」

「!!」

「ティナ。視線で邪魔しないようにしよう。俺達も負けずにイチャつこう」

「ヒュー……」

私とエルザは口紅が落ちたままガーデンティーパーティの会場に戻り、ヒューゴ様はいつも通りだけど殿下は満面の笑みだしエルザはずっと下を向いて耳を赤くしたままだった。


夜は王族とヒューゴ様とエルザ ジネットと私で食事をした。
食事が終わると男女に分かれてお酒を飲み、話しに花を咲かせた。

就寝のために解散するとき、第二王子殿下が“お礼だよ”と仰った。

何が?と思ったまま案内のメイドについて行くと理由が分かった。

「ジオ公爵令息様とセルヴィー伯爵令嬢様のお部屋となります」

「はい!?」

「ありがとう、さあ、入ろう」

ヒューゴ様にぐいぐいと押されて客室へ入った。

「湯浴みの準備は整っておりますが」

「クリスティーナを先に入れてくれ」

「かしこまりました」

一緒に寝るのは慣れているけど王宮ここだとちょっと…。

先に湯浴みをして、次はヒューゴ様が湯浴みをしているとノックが聞こえた。

「あの、ゼオロエン侯爵令嬢様がお会いしたいと仰っておりますが」

「入れてあげて」

「かしこまりました」

ドアを開けるとジネットが抱き付いた。

「ティナぁ~」

「どうしたの?」

「部屋が…部屋がゼイン様と同室なの!!」

「…良かったわね」

「良くないわよ!」

「私もヒューゴ様と同室よ?」

「……」

「ほら、こっちに来ている時間がもったいないわ。早くお支度しないと」

「な、何のよ」

「それは…イチャイチャのお支度よ」

「っ!!!!!」

「頑張ってね~」

「ちょっと、ティナ!」

バタン

ジネットを廊下に押し戻してドアを閉めた。

ふふっ…明朝が楽しみ!







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