78 / 215
狼狽える親友
しおりを挟む
学生食堂のいつもの席では2人が不満そうにブツブツと言い始めた。
「せっかくの夜会なのにジオ公子が番獣になっていて令息達が近寄って来ないじゃない」
「そうよ。夜会くらい遠慮させてよ」
「え!?」
寧ろヒューゴ様を誘えって感じじゃなかった!?
「もっと悩ましいドレスを着て来ないと」
「髪も清純そうにしていては駄目よ」
「……殿下とモルゾン公子に告げ口しようかしら」
「「!!」」
「エルザとジネットが悪い子になりたがってるって」
「いやだわ。冗談よ」
「私達3人はいつも健全よ」
「そうそう、健全健全」
パーティ1件夜会2件を消化した後の会話だった。
「ふ~ん?」
「そ、そうだわ。今週末のガーデンティーパーティだけど、王妃様が泊まっていきなさいって仰っていたわ」
「え?私も!?」
「そうよ。ティナもジネットもよ。だからジオ公子とモルゾン公子にもそう伝えてくれる?」
「分かったわ」
「う、うん」
「ティナ?大丈夫よ。彼ならティナから離れないからティナが帰らなければ彼も帰らないわ」
「たぶんジオ公子とティナは一番の注目カップルね」
「熱々の」
「もう!」
いつも揶揄われてばかりなので、私も仕返しすることにした。
ガーデンティーパーティ当日。
王太子夫妻や多くの方々とご挨拶をした後、ヒューゴ様が第二王子殿下をエルザから離して連れて来てくれた。
「エルザは夜会で良い子にしているかな?」
「はい。殿下以外のご令息に見向きもしません」
「そうか」
「あの…お伝えし辛いのですけど」
「なんだい?」
「エルザがもっと殿下と仲良くしたいと思っているようで、私とヒューゴ様のことを揶揄うのです」
「…それは」
「殿下、ウィロウ嬢とそろそろスキンシップをとってもよろしいのでは?」
「本当にエルザが望んでいるのか?」
「エルザは私達の事を熱々で羨ましいとよく言葉にしております」
「そうか…分かった」
そして…ジネットがお花摘みに行った隙を狙って…
「ゼイン。少しはかまってやれよ」
「え?」
「ゼオロエン嬢がしきりに俺とティナを羨ましがっているらしいぞ」
「クリスティーナ嬢、それ本当?」
「はい。熱々で羨ましいと言いながら遠くを見ていました」
「……」
「イチャイチャという言葉に敏感です」
「っ!…分かった、ありがとう」
任務を終えた私はヒューゴ様と庭園の死角に行くと、彼の頬にお礼のキスをした。
「明日の朝が楽しみだな」
「ふふっ」
「……いや、1人は朝まで待つ必要はないぞ」
ヒューゴ様の目線の先を追いかけると、男女がキスをしていた。
「あれって…」
「殿下とウィロウ嬢だな」
「!!」
「ティナ。視線で邪魔しないようにしよう。俺達も負けずにイチャつこう」
「ヒュー……」
私とエルザは口紅が落ちたままガーデンティーパーティの会場に戻り、ヒューゴ様はいつも通りだけど殿下は満面の笑みだしエルザはずっと下を向いて耳を赤くしたままだった。
夜は王族とヒューゴ様とエルザ ジネットと私で食事をした。
食事が終わると男女に分かれてお酒を飲み、話しに花を咲かせた。
就寝のために解散するとき、第二王子殿下が“お礼だよ”と仰った。
何が?と思ったまま案内のメイドについて行くと理由が分かった。
「ジオ公爵令息様とセルヴィー伯爵令嬢様のお部屋となります」
「はい!?」
「ありがとう、さあ、入ろう」
ヒューゴ様にぐいぐいと押されて客室へ入った。
「湯浴みの準備は整っておりますが」
「クリスティーナを先に入れてくれ」
「かしこまりました」
一緒に寝るのは慣れているけど王宮だとちょっと…。
先に湯浴みをして、次はヒューゴ様が湯浴みをしているとノックが聞こえた。
「あの、ゼオロエン侯爵令嬢様がお会いしたいと仰っておりますが」
「入れてあげて」
「かしこまりました」
ドアを開けるとジネットが抱き付いた。
「ティナぁ~」
「どうしたの?」
「部屋が…部屋がゼイン様と同室なの!!」
「…良かったわね」
「良くないわよ!」
「私もヒューゴ様と同室よ?」
「……」
「ほら、こっちに来ている時間がもったいないわ。早くお支度しないと」
「な、何のよ」
「それは…イチャイチャのお支度よ」
「っ!!!!!」
「頑張ってね~」
「ちょっと、ティナ!」
バタン
ジネットを廊下に押し戻してドアを閉めた。
ふふっ…明朝が楽しみ!
「せっかくの夜会なのにジオ公子が番獣になっていて令息達が近寄って来ないじゃない」
「そうよ。夜会くらい遠慮させてよ」
「え!?」
寧ろヒューゴ様を誘えって感じじゃなかった!?
「もっと悩ましいドレスを着て来ないと」
「髪も清純そうにしていては駄目よ」
「……殿下とモルゾン公子に告げ口しようかしら」
「「!!」」
「エルザとジネットが悪い子になりたがってるって」
「いやだわ。冗談よ」
「私達3人はいつも健全よ」
「そうそう、健全健全」
パーティ1件夜会2件を消化した後の会話だった。
「ふ~ん?」
「そ、そうだわ。今週末のガーデンティーパーティだけど、王妃様が泊まっていきなさいって仰っていたわ」
「え?私も!?」
「そうよ。ティナもジネットもよ。だからジオ公子とモルゾン公子にもそう伝えてくれる?」
「分かったわ」
「う、うん」
「ティナ?大丈夫よ。彼ならティナから離れないからティナが帰らなければ彼も帰らないわ」
「たぶんジオ公子とティナは一番の注目カップルね」
「熱々の」
「もう!」
いつも揶揄われてばかりなので、私も仕返しすることにした。
ガーデンティーパーティ当日。
王太子夫妻や多くの方々とご挨拶をした後、ヒューゴ様が第二王子殿下をエルザから離して連れて来てくれた。
「エルザは夜会で良い子にしているかな?」
「はい。殿下以外のご令息に見向きもしません」
「そうか」
「あの…お伝えし辛いのですけど」
「なんだい?」
「エルザがもっと殿下と仲良くしたいと思っているようで、私とヒューゴ様のことを揶揄うのです」
「…それは」
「殿下、ウィロウ嬢とそろそろスキンシップをとってもよろしいのでは?」
「本当にエルザが望んでいるのか?」
「エルザは私達の事を熱々で羨ましいとよく言葉にしております」
「そうか…分かった」
そして…ジネットがお花摘みに行った隙を狙って…
「ゼイン。少しはかまってやれよ」
「え?」
「ゼオロエン嬢がしきりに俺とティナを羨ましがっているらしいぞ」
「クリスティーナ嬢、それ本当?」
「はい。熱々で羨ましいと言いながら遠くを見ていました」
「……」
「イチャイチャという言葉に敏感です」
「っ!…分かった、ありがとう」
任務を終えた私はヒューゴ様と庭園の死角に行くと、彼の頬にお礼のキスをした。
「明日の朝が楽しみだな」
「ふふっ」
「……いや、1人は朝まで待つ必要はないぞ」
ヒューゴ様の目線の先を追いかけると、男女がキスをしていた。
「あれって…」
「殿下とウィロウ嬢だな」
「!!」
「ティナ。視線で邪魔しないようにしよう。俺達も負けずにイチャつこう」
「ヒュー……」
私とエルザは口紅が落ちたままガーデンティーパーティの会場に戻り、ヒューゴ様はいつも通りだけど殿下は満面の笑みだしエルザはずっと下を向いて耳を赤くしたままだった。
夜は王族とヒューゴ様とエルザ ジネットと私で食事をした。
食事が終わると男女に分かれてお酒を飲み、話しに花を咲かせた。
就寝のために解散するとき、第二王子殿下が“お礼だよ”と仰った。
何が?と思ったまま案内のメイドについて行くと理由が分かった。
「ジオ公爵令息様とセルヴィー伯爵令嬢様のお部屋となります」
「はい!?」
「ありがとう、さあ、入ろう」
ヒューゴ様にぐいぐいと押されて客室へ入った。
「湯浴みの準備は整っておりますが」
「クリスティーナを先に入れてくれ」
「かしこまりました」
一緒に寝るのは慣れているけど王宮だとちょっと…。
先に湯浴みをして、次はヒューゴ様が湯浴みをしているとノックが聞こえた。
「あの、ゼオロエン侯爵令嬢様がお会いしたいと仰っておりますが」
「入れてあげて」
「かしこまりました」
ドアを開けるとジネットが抱き付いた。
「ティナぁ~」
「どうしたの?」
「部屋が…部屋がゼイン様と同室なの!!」
「…良かったわね」
「良くないわよ!」
「私もヒューゴ様と同室よ?」
「……」
「ほら、こっちに来ている時間がもったいないわ。早くお支度しないと」
「な、何のよ」
「それは…イチャイチャのお支度よ」
「っ!!!!!」
「頑張ってね~」
「ちょっと、ティナ!」
バタン
ジネットを廊下に押し戻してドアを閉めた。
ふふっ…明朝が楽しみ!
3,193
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、どうぞお好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
七年目の裏切り 〜赴任先の夫から届く愛の手紙は、愛人の代筆でした〜
恋せよ恋
恋愛
「君は僕の最愛だ。もう二度と、君を危険に晒したくない」
命懸けの出産後、涙を流して私を抱きしめた夫ジュリアン。
その言葉通り、彼は「私を大切にするため」に夜の営みを断った。
私は、女としての寂しさを「愛されている誇り」に変え、
隣国へ赴任した夫を信じて二人の子供と家を守り続けていた。
毎週届く、情熱的な愛の手紙。タイプライターで綴られた
その愛の言葉を、私は宝物のように抱きしめていた。
……しかし、その手紙は「裏切り」だった。
夫が異国の地で、愛人と肌を重ねながら綴らせていた「偽りの愛」。
身分を隠して夫の赴任先の隣国へと向かった私が見たのは……。
果たして、貞淑な妻・メラニアが選んだ結論は……。
子供たちのため結婚生活の継続か、それとも……。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
冤罪から逃れるために全てを捨てた。
四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)
愛される日は来ないので
豆狸
恋愛
だけど体調を崩して寝込んだ途端、女主人の部屋から物置部屋へ移され、満足に食事ももらえずに死んでいったとき、私は悟ったのです。
──なにをどんなに頑張ろうと、私がラミレス様に愛される日は来ないのだと。
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
三年目の離婚から始まる二度目の人生
あい
恋愛
三年子ができなければ、無条件で離婚できる――王国の制度。
三年目の夜、オーレリアは自らその条文を使い、公爵ルートヴィッヒに離婚を告げた。
理由はただ一つ。
“飾り”として生きるのをやめ、自分の手で商いをしたいから。
女性が公の場で立てる服を作るため、彼女は屋敷を去り、仕立て屋〈オーレリア・テイラーズ〉を開く。
店は順調に軌道に乗り、ついに王女の式典衣装を任されることに。
だが、その夜――激しい雨の中、彼女は馬車事故に遭い命を落とす。
(あと少し早く始めていたら、もっと夢を叶えられたのに……)
そう思った瞬間、目を覚ますと――三年前、ルートヴィッヒと結婚する前の世界に戻っていた。
これは、“三年目の離婚”から始まる、二度目の人生。
今度こそ、自分の人生を選び取るために。
ーーー
不定期更新になります。
全45話前後で完結予定です、よろしくお願いします🙇
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる