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多数の歪み
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日曜日の昼、オードリック様とコーネリア様がネルハデス邸で私と食事をしていた。
フレンデェ邸にお呼ばれしたのだけど、疲れが溜まっていたので断った。そうしたら昼食だけという条件で訪ねてきてくれた。
「やっぱりハンナ様?」
「嫌われているみたいで」
「ハンナ?」
「私の友人のハンナ・ブルーノ侯爵令嬢です」
「ああ…それが?」
8人目の学食のメンバーはハンナ様でコーネリア様の取り巻きみたいなものだ。彼女は私に棘を向ける。私がコーネリア様のライバルだと思っているからなのかもしれない。
「ハンナの態度が少し良くなくて…注意するというほどではなくて。“場の雰囲気が悪くなりかねない行動は慎んで”とは言っておきましたが」
「きっとコーネリア様のことを大事に思っていらっしゃるのでしょう、大丈夫ですわ」
「次の長期休暇こそ、フレンデェ領に来てくれるよね?」
前年最後の長期休暇にフレンデェ領に招待されていたけど断っていた。
「仕事で難しいです」
「城の?」
「はい。ちょっとペースが遅いのと、新たな試みが加わりまして」
「どうせ話せないとか言うんだろう」
「はい」
「はぁ…私も一緒に行って側にいたいが陛下に却下されたからな」
そう。オードリック様は、父が交流に賛成すると陛下に私の側にいて守りたいと願い出た。
だけど、ヘンリー王子の婚約者候補に扮しているのに他の令息がべったりしているのはおかしいし、逆にカルフォン卿の仕事の邪魔になると却下されていた。
オードリック様はいつも心配だと落ち着かない。
「まるでお父様みたいです」
「は?」
「確かに、今のお兄様は 目の中に入れても痛くない愛娘が歩くことを覚えてあちこち歩き回るので、心配で仕方なくて付いて回りたい父親のようです」
コーネリア様が笑うと、
「せめて過保護な兄様と言いなさい」
と拗ねていた。
帰り際に、“ブルーノ嬢が何かしてきたら必ず知らせるように”と言って帰った。
学園の廊下を歩いていると
ドン
「いっ」
通りすがりに男子生徒が私にぶつかった。ぶつかる前にチラッと私を見たし わざとだ。
「どうした?」
「何かに当たったみたいだ」
男子生徒達の瞳孔は歪んでいた。
「早く行こうぜ」
別の時は、
ガシャーン!
「うわっ、どうしてくれるんだよ!」
食堂でまた違う男子生徒がぶつかってきた。
彼の持っていたトレイが落ちて食事が床にこぼれてしまった。
「何言っているんだよ。リヴィアは止まっていたじゃないか。君達がぶつかって来たんじゃないか」
すると、男子生徒は3人で平伏し、大袈裟に大声で謝罪し始めた。
「ネルハデス伯爵家に逆らうつもりはありません!」
「弱小貴族を虐めないでください!」
「分かりました、全て俺達が悪いんです!謝りますから怒らないでください!」
これでは私が悪者だ。
殿下とルネ様達はまだ来ていなかった。狙われたのだ。だってこの3人の瞳孔は歪んでいるから。
「お前ら、全部見ていたぞ」
そこにアンドレ先生(カルフォン卿)が平伏している男子生徒の前に立った。
「お、俺達は、」
「態とぶつかったよな」
「態とではありません」
「態とじゃなかったら、こんな謝罪の仕方はしないし、止まっていた相手にぶつかって文句も言わない。2度と彼女に近寄るな」
「っ!」
3人は立ち去ろうとしたが、
「待て。汚れたままだろう」
「使用人が掃除しますよね」
「お前らが、お前らの手とハンカチを使って掃除しろ。綺麗にな」
「こういう時のために使用人がいるのでしょう!」
「違うな。態とやったことの後始末のために雇ったわけじゃない。さっさとやれ」
「っ!」
「ほら、1人は空のバケツと水の入ったバケツを持ってこい。2人はトレイに料理を掬って入れろ。空のバケツを持って来たらそこに入れろ。ある程度綺麗にしたら、ハンカチを水で濯いで床を水拭きしろ。汚れがなくなるまで何度もだ。バケツの水も交換しないと汚れた水で濯いでも床は汚れるからな。最後はかたく絞ったハンカチで床の水気を取るんだ。滑ってあぶないだろう?
さっさとやれ。やらないと午後の授業には出席できないし、家にも帰さないからな」
先生に言われて1人がバケツを取りに行った。
「ティエリー達は食事を受け取って席に着いて食べろ」
「はい」
顔を上げると食堂中の視線が集まった。
「リヴィア、顔色が悪いな」
後ろからヘンリー殿下の声が聞こえた。だけど私は彼等から目が離せなかった。見える範囲の男子生徒の多くの瞳孔が歪んでいたからだ。
怖い…気持ち悪い…
「リヴィア、真っ青だぞ!」
「私…帰ります」
走ってそのまま学園の馬車に乗って屋敷に帰った。
メイドのミリアには、誰も取り継がないように言って部屋に閉じこもった。
翌朝、昨日の報告を聞いた。
ティエリーが鞄などを届けに来てくれて、ルネ様とカルフォン卿も訪ねてきてくれたようだ。
殿下からは見舞いのカードが届いていた。
全員にお礼のカードを送った。
「今日は休むわ」
登校拒否は週末まで続いた。そして土日も登城しないと連絡を入れていた。
週の半ばにはオードリック様も訪ねて来てくれたが会わなかった。
土曜の夜、モロー隊長の訪問に追い帰すわけにはいかなかった。
「隊長おひとりですか?」
「話し難いことがある気がしたからな」
側に座り、私の背中を摩って“ゆっくりでいいから何があったのか言葉にできるか?”と尋ねた。
彼に抱き付いて大泣きしてしまった。
その間、しっかりと抱きしめて、頭や肩や背中を摩って宥めてくれた。
落ち着くと学園であったことを全て話した。
「金持ちや有力貴族に絞るのを止めて手当たり次第に魅了をかけて攻撃してきたのだな」
「はい。歪んだ瞳孔がそこら中にいて、怖かったんです」
「月曜の朝に、多めに血をとらせてくれないか。学生食堂の昼食に入れて魅了を解こう」
「…はい」
「独りで抱え込まずに言ってこい。フリーパスで城に入って来れるカードが泣いてるぞ」
「そうでした」
「月曜は採血だけでいい。火曜からは元に戻っているから、行けそうなら登校しなさい」
「ありがとうございます」
月曜日に医師が来て 多めに採血して学園に持って行ってくれた。私は体を休めた。血が多くて気持ち悪くなってしまった。
フレンデェ邸にお呼ばれしたのだけど、疲れが溜まっていたので断った。そうしたら昼食だけという条件で訪ねてきてくれた。
「やっぱりハンナ様?」
「嫌われているみたいで」
「ハンナ?」
「私の友人のハンナ・ブルーノ侯爵令嬢です」
「ああ…それが?」
8人目の学食のメンバーはハンナ様でコーネリア様の取り巻きみたいなものだ。彼女は私に棘を向ける。私がコーネリア様のライバルだと思っているからなのかもしれない。
「ハンナの態度が少し良くなくて…注意するというほどではなくて。“場の雰囲気が悪くなりかねない行動は慎んで”とは言っておきましたが」
「きっとコーネリア様のことを大事に思っていらっしゃるのでしょう、大丈夫ですわ」
「次の長期休暇こそ、フレンデェ領に来てくれるよね?」
前年最後の長期休暇にフレンデェ領に招待されていたけど断っていた。
「仕事で難しいです」
「城の?」
「はい。ちょっとペースが遅いのと、新たな試みが加わりまして」
「どうせ話せないとか言うんだろう」
「はい」
「はぁ…私も一緒に行って側にいたいが陛下に却下されたからな」
そう。オードリック様は、父が交流に賛成すると陛下に私の側にいて守りたいと願い出た。
だけど、ヘンリー王子の婚約者候補に扮しているのに他の令息がべったりしているのはおかしいし、逆にカルフォン卿の仕事の邪魔になると却下されていた。
オードリック様はいつも心配だと落ち着かない。
「まるでお父様みたいです」
「は?」
「確かに、今のお兄様は 目の中に入れても痛くない愛娘が歩くことを覚えてあちこち歩き回るので、心配で仕方なくて付いて回りたい父親のようです」
コーネリア様が笑うと、
「せめて過保護な兄様と言いなさい」
と拗ねていた。
帰り際に、“ブルーノ嬢が何かしてきたら必ず知らせるように”と言って帰った。
学園の廊下を歩いていると
ドン
「いっ」
通りすがりに男子生徒が私にぶつかった。ぶつかる前にチラッと私を見たし わざとだ。
「どうした?」
「何かに当たったみたいだ」
男子生徒達の瞳孔は歪んでいた。
「早く行こうぜ」
別の時は、
ガシャーン!
「うわっ、どうしてくれるんだよ!」
食堂でまた違う男子生徒がぶつかってきた。
彼の持っていたトレイが落ちて食事が床にこぼれてしまった。
「何言っているんだよ。リヴィアは止まっていたじゃないか。君達がぶつかって来たんじゃないか」
すると、男子生徒は3人で平伏し、大袈裟に大声で謝罪し始めた。
「ネルハデス伯爵家に逆らうつもりはありません!」
「弱小貴族を虐めないでください!」
「分かりました、全て俺達が悪いんです!謝りますから怒らないでください!」
これでは私が悪者だ。
殿下とルネ様達はまだ来ていなかった。狙われたのだ。だってこの3人の瞳孔は歪んでいるから。
「お前ら、全部見ていたぞ」
そこにアンドレ先生(カルフォン卿)が平伏している男子生徒の前に立った。
「お、俺達は、」
「態とぶつかったよな」
「態とではありません」
「態とじゃなかったら、こんな謝罪の仕方はしないし、止まっていた相手にぶつかって文句も言わない。2度と彼女に近寄るな」
「っ!」
3人は立ち去ろうとしたが、
「待て。汚れたままだろう」
「使用人が掃除しますよね」
「お前らが、お前らの手とハンカチを使って掃除しろ。綺麗にな」
「こういう時のために使用人がいるのでしょう!」
「違うな。態とやったことの後始末のために雇ったわけじゃない。さっさとやれ」
「っ!」
「ほら、1人は空のバケツと水の入ったバケツを持ってこい。2人はトレイに料理を掬って入れろ。空のバケツを持って来たらそこに入れろ。ある程度綺麗にしたら、ハンカチを水で濯いで床を水拭きしろ。汚れがなくなるまで何度もだ。バケツの水も交換しないと汚れた水で濯いでも床は汚れるからな。最後はかたく絞ったハンカチで床の水気を取るんだ。滑ってあぶないだろう?
さっさとやれ。やらないと午後の授業には出席できないし、家にも帰さないからな」
先生に言われて1人がバケツを取りに行った。
「ティエリー達は食事を受け取って席に着いて食べろ」
「はい」
顔を上げると食堂中の視線が集まった。
「リヴィア、顔色が悪いな」
後ろからヘンリー殿下の声が聞こえた。だけど私は彼等から目が離せなかった。見える範囲の男子生徒の多くの瞳孔が歪んでいたからだ。
怖い…気持ち悪い…
「リヴィア、真っ青だぞ!」
「私…帰ります」
走ってそのまま学園の馬車に乗って屋敷に帰った。
メイドのミリアには、誰も取り継がないように言って部屋に閉じこもった。
翌朝、昨日の報告を聞いた。
ティエリーが鞄などを届けに来てくれて、ルネ様とカルフォン卿も訪ねてきてくれたようだ。
殿下からは見舞いのカードが届いていた。
全員にお礼のカードを送った。
「今日は休むわ」
登校拒否は週末まで続いた。そして土日も登城しないと連絡を入れていた。
週の半ばにはオードリック様も訪ねて来てくれたが会わなかった。
土曜の夜、モロー隊長の訪問に追い帰すわけにはいかなかった。
「隊長おひとりですか?」
「話し難いことがある気がしたからな」
側に座り、私の背中を摩って“ゆっくりでいいから何があったのか言葉にできるか?”と尋ねた。
彼に抱き付いて大泣きしてしまった。
その間、しっかりと抱きしめて、頭や肩や背中を摩って宥めてくれた。
落ち着くと学園であったことを全て話した。
「金持ちや有力貴族に絞るのを止めて手当たり次第に魅了をかけて攻撃してきたのだな」
「はい。歪んだ瞳孔がそこら中にいて、怖かったんです」
「月曜の朝に、多めに血をとらせてくれないか。学生食堂の昼食に入れて魅了を解こう」
「…はい」
「独りで抱え込まずに言ってこい。フリーパスで城に入って来れるカードが泣いてるぞ」
「そうでした」
「月曜は採血だけでいい。火曜からは元に戻っているから、行けそうなら登校しなさい」
「ありがとうございます」
月曜日に医師が来て 多めに採血して学園に持って行ってくれた。私は体を休めた。血が多くて気持ち悪くなってしまった。
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