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ダンスの予約
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残りの長期休暇は炙り出しで過ごし、最終日はアングラード伯爵邸に来ていた。
「聞いたよ。放浪していた兄君が戻ってきて廃嫡されたんだって?」
「除籍の上、追放されました」
詳しく話すと、
「こんな可愛い顔にポットを投げつけるなんて」
ポットの当たった左眉に手を伸ばし、指で優しく撫でられた。
「デビュータントのパートナー、どうしても嫌か?」
「嫌ではありません。仕事の契約内容的に、親族以外の男性に頼むことができないのです」
「何でそんな変な契約しちゃったんだ?リヴィアらしくない。在学中は恋人も婚約者も駄目だなんて」
「確かにそうですわね」
「その仕事を引き受けていなければイエスと言ってくれた?」
「はい、カルセイン様」
「では、二番目のダンスを申し込んでも?」
「三番目になりそうです」
「私の前は誰かな」
「王族と、多分エスコートしてくださる父ですわ」
「卒業したら一緒に夜会に行ってくれる?」
「双方に恋人や婚約者がいなければ」
「楽しみにしてるよ。これ お祝い。つけていって」
渡されたのは百合がモチーフの真珠が散りばめられたブレスレットだった。
「ありがとうございます。でもいただいていいのでしょうか」
「当然だよ。没落の危機を防ぎ、ひと財産以上作ってくれた功労者だ。足りないくらいだよ」
そう言って私の手を取り 甲に口付けた。
「ほとんどのお呼ばれに顔を出して、妻に浮気され逃げられた挙句 金品を持ち出された話を詳しく話してきたよ。
夫人方には涙ながらに。男どもには面白おかしく。
夫人達からは哀れに思ってもらえて、皆親切だったよ。行く度に 女心の講義を受けることになったがな。
男どもには、結果的に財産増えて良かったなって笑って肩をバシバシ叩かれて、手土産の高級酒に喜んでいたよ」
「好意的に捉えてもらえて良かったですね」
「近い領主は領地の特産品を、うちの領地に届けてくださった。ありがたかったよ」
「そこの領主様とはちゃんと交流を持ってくださいね。当主家族のことを軽く抑えてくださいね」
「つまり?」
「誕生日にすると頻度が増えてしまうので、夫妻の関係が良好であれば結婚記念日に何か贈り物をするといいかもしれません。近々祝い事があるならばそれにしても構いません。例えば子の婚姻とか、出産とか。
アングラード領で同じ様にお渡しできる特産があるなら、贈り物返しとして贈ってもいいですし。
こういうことは夫人の務めかと思いますが、再婚なさるまではカルセイン様の方で主導なさってください」
「分かったよ」
そう言ってまた、手の甲に口付けた。
まさか、女ったらしを育ててないわよね?
以前渡した小説の内容に不安が過った。
「ティエリーはガトラー子爵令嬢とは上手くいってるの?」
「あまり身近にいなかったタイプだからちょっと困惑したかな」
「困惑?」
「何ていうか、自分をお姫様のように思っているんだ」
「お姫様?」
「儚いお姫様とか、品のあるお姫様とかそういうのじゃなくて、自分の望み通りになるのが当たり前だと思っているし、私に王子様を求めているよ」
あ~
「相当大事に育てられたのね」
「一生続くかと思うと…。
城仕えを目指した方が良かったかもしれない。成績はいまいちだから一生下っ端かもしれないけどね」
「どんな政略結婚なの?」
「隣だからというのと、アングラード領の果実を購入してもらえることかな」
「けっこうな量なの?」
「採れる量によるかな。一定の収穫量を超えた部分を買い取ってもらえる感じかな」
「いつも余るの?」
「それほどでもないかな」
あまり旨味はないけど、ティエリーが婿入りして子爵になれることが大きいのね。
「ご令嬢は社交はどうなさってるの?」
「身内の茶会がメインらしい」
「学園では上手く過ごせているのかしら」
「どうだろうね。猫を被れているのかどうか」
「デビュータントで紹介してね」
「そのつもりだよ」
学園が始まっても平和だった。
サラ・セグウェルは騎士団長の子息経由でヘンリー王子殿下やカシャ公爵令息に近寄ろうとするらしいが、効果がないようだ。
その代わり、別の令息達が虜になっているという。
その内の、騎士団長の子息以外の伯爵家以上の令息に血を一滴垂らして葡萄ジュースを飲ませたら見事に解術できた。
騎士団長が涙ながらに“うちの子も解いてくれ”と懇願したらしいが、自覚のないスパイだと思ってくれと陛下に言われたようだ。
暴力だけは振るわないよう毎日忠告しているようだが、自制が効くのか…。
「リヴィア、明日のデビュータントは踊ってくれるよね」
「ルネ様は他のご令嬢と踊られるでしょう?私も既に何人か約束がありますわ」
「一生に一度のデビュータントだ。
この通り、頼む!」
「わ、分かりましたから、頭を下げないでください」
「ありがとう、リヴィア。すごく嬉しい」
「……」
私は、毎夜この瞳を見てきた。
キラキラと輝き喜びを溢れさせているような瞳。
言葉は酷いものだったし、前戯もたいして無く、終わるとさっさと立ち去った。
だけど、私の身体の反応をみて事をなしていた。
私の中にいるときは、何度も私の名を呼んで熱の籠った様な瞳で私を見つめた。
終われば優しく拭いてくれた。
食事の内容を毎日確認して、栄養やバランスがとれるように改善してくれたりもした。
だから勘違いをしてしまった。
私に気持ちがあるのだと思ってしまった。
「リヴィア?」
今の彼は瞳孔は変わらない。だけど巻き戻り前と同じ瞳で見つめられると胸が痛む。なのに身体が反応してしまう。
「みんな席に着け~!」
皆が席に着くと、先生がホームルームを始めた。
「いいか、明日はデビュータントだ。学園では友達でも社交場だ。身分をよく考えて行動しないと困窮することになるぞ。
酒も安易に手を出すな。
婚約者がいる者は気をつけろ。他の異性をパートナーにする場合は、婚約者に断られた場合のみ。ファーストダンスはパートナーと踊ること。婚約以外と複数回踊るな、会場の外にも出るな、常に婚約者がどこで誰といるか把握しろ。独りで立っていたら側に行け。
高位貴族も傲慢になるなよ。装飾品もほどほどにしろ。馬鹿みたいに盛っても失笑されるだけだからな。
特に、女子!
会場から抜ける時は婚約者か親か令嬢同士で抜けろ。1人になったり他の異性と抜けるな。
誘われても、駄目だと言われていると言えばいい。
例えクラスメイトでも知り合いでも親戚でも、男は男だ。純潔を守りたければ断れ。
もう成人だから、暴力や脅迫でもない限り、同意ととられるぞ。
具合が悪かったり、怪我などでどうしてもという場合はメイドか警備兵に声をかけろ」
何故、私の方ばかり見て言うのですか先生!
「聞いたよ。放浪していた兄君が戻ってきて廃嫡されたんだって?」
「除籍の上、追放されました」
詳しく話すと、
「こんな可愛い顔にポットを投げつけるなんて」
ポットの当たった左眉に手を伸ばし、指で優しく撫でられた。
「デビュータントのパートナー、どうしても嫌か?」
「嫌ではありません。仕事の契約内容的に、親族以外の男性に頼むことができないのです」
「何でそんな変な契約しちゃったんだ?リヴィアらしくない。在学中は恋人も婚約者も駄目だなんて」
「確かにそうですわね」
「その仕事を引き受けていなければイエスと言ってくれた?」
「はい、カルセイン様」
「では、二番目のダンスを申し込んでも?」
「三番目になりそうです」
「私の前は誰かな」
「王族と、多分エスコートしてくださる父ですわ」
「卒業したら一緒に夜会に行ってくれる?」
「双方に恋人や婚約者がいなければ」
「楽しみにしてるよ。これ お祝い。つけていって」
渡されたのは百合がモチーフの真珠が散りばめられたブレスレットだった。
「ありがとうございます。でもいただいていいのでしょうか」
「当然だよ。没落の危機を防ぎ、ひと財産以上作ってくれた功労者だ。足りないくらいだよ」
そう言って私の手を取り 甲に口付けた。
「ほとんどのお呼ばれに顔を出して、妻に浮気され逃げられた挙句 金品を持ち出された話を詳しく話してきたよ。
夫人方には涙ながらに。男どもには面白おかしく。
夫人達からは哀れに思ってもらえて、皆親切だったよ。行く度に 女心の講義を受けることになったがな。
男どもには、結果的に財産増えて良かったなって笑って肩をバシバシ叩かれて、手土産の高級酒に喜んでいたよ」
「好意的に捉えてもらえて良かったですね」
「近い領主は領地の特産品を、うちの領地に届けてくださった。ありがたかったよ」
「そこの領主様とはちゃんと交流を持ってくださいね。当主家族のことを軽く抑えてくださいね」
「つまり?」
「誕生日にすると頻度が増えてしまうので、夫妻の関係が良好であれば結婚記念日に何か贈り物をするといいかもしれません。近々祝い事があるならばそれにしても構いません。例えば子の婚姻とか、出産とか。
アングラード領で同じ様にお渡しできる特産があるなら、贈り物返しとして贈ってもいいですし。
こういうことは夫人の務めかと思いますが、再婚なさるまではカルセイン様の方で主導なさってください」
「分かったよ」
そう言ってまた、手の甲に口付けた。
まさか、女ったらしを育ててないわよね?
以前渡した小説の内容に不安が過った。
「ティエリーはガトラー子爵令嬢とは上手くいってるの?」
「あまり身近にいなかったタイプだからちょっと困惑したかな」
「困惑?」
「何ていうか、自分をお姫様のように思っているんだ」
「お姫様?」
「儚いお姫様とか、品のあるお姫様とかそういうのじゃなくて、自分の望み通りになるのが当たり前だと思っているし、私に王子様を求めているよ」
あ~
「相当大事に育てられたのね」
「一生続くかと思うと…。
城仕えを目指した方が良かったかもしれない。成績はいまいちだから一生下っ端かもしれないけどね」
「どんな政略結婚なの?」
「隣だからというのと、アングラード領の果実を購入してもらえることかな」
「けっこうな量なの?」
「採れる量によるかな。一定の収穫量を超えた部分を買い取ってもらえる感じかな」
「いつも余るの?」
「それほどでもないかな」
あまり旨味はないけど、ティエリーが婿入りして子爵になれることが大きいのね。
「ご令嬢は社交はどうなさってるの?」
「身内の茶会がメインらしい」
「学園では上手く過ごせているのかしら」
「どうだろうね。猫を被れているのかどうか」
「デビュータントで紹介してね」
「そのつもりだよ」
学園が始まっても平和だった。
サラ・セグウェルは騎士団長の子息経由でヘンリー王子殿下やカシャ公爵令息に近寄ろうとするらしいが、効果がないようだ。
その代わり、別の令息達が虜になっているという。
その内の、騎士団長の子息以外の伯爵家以上の令息に血を一滴垂らして葡萄ジュースを飲ませたら見事に解術できた。
騎士団長が涙ながらに“うちの子も解いてくれ”と懇願したらしいが、自覚のないスパイだと思ってくれと陛下に言われたようだ。
暴力だけは振るわないよう毎日忠告しているようだが、自制が効くのか…。
「リヴィア、明日のデビュータントは踊ってくれるよね」
「ルネ様は他のご令嬢と踊られるでしょう?私も既に何人か約束がありますわ」
「一生に一度のデビュータントだ。
この通り、頼む!」
「わ、分かりましたから、頭を下げないでください」
「ありがとう、リヴィア。すごく嬉しい」
「……」
私は、毎夜この瞳を見てきた。
キラキラと輝き喜びを溢れさせているような瞳。
言葉は酷いものだったし、前戯もたいして無く、終わるとさっさと立ち去った。
だけど、私の身体の反応をみて事をなしていた。
私の中にいるときは、何度も私の名を呼んで熱の籠った様な瞳で私を見つめた。
終われば優しく拭いてくれた。
食事の内容を毎日確認して、栄養やバランスがとれるように改善してくれたりもした。
だから勘違いをしてしまった。
私に気持ちがあるのだと思ってしまった。
「リヴィア?」
今の彼は瞳孔は変わらない。だけど巻き戻り前と同じ瞳で見つめられると胸が痛む。なのに身体が反応してしまう。
「みんな席に着け~!」
皆が席に着くと、先生がホームルームを始めた。
「いいか、明日はデビュータントだ。学園では友達でも社交場だ。身分をよく考えて行動しないと困窮することになるぞ。
酒も安易に手を出すな。
婚約者がいる者は気をつけろ。他の異性をパートナーにする場合は、婚約者に断られた場合のみ。ファーストダンスはパートナーと踊ること。婚約以外と複数回踊るな、会場の外にも出るな、常に婚約者がどこで誰といるか把握しろ。独りで立っていたら側に行け。
高位貴族も傲慢になるなよ。装飾品もほどほどにしろ。馬鹿みたいに盛っても失笑されるだけだからな。
特に、女子!
会場から抜ける時は婚約者か親か令嬢同士で抜けろ。1人になったり他の異性と抜けるな。
誘われても、駄目だと言われていると言えばいい。
例えクラスメイトでも知り合いでも親戚でも、男は男だ。純潔を守りたければ断れ。
もう成人だから、暴力や脅迫でもない限り、同意ととられるぞ。
具合が悪かったり、怪我などでどうしてもという場合はメイドか警備兵に声をかけろ」
何故、私の方ばかり見て言うのですか先生!
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