【完結】悪魔に祈るとき

ユユ

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[死ぬ前のリヴィア]理解不能

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いつの間にか寝ていたようで、目が覚めると日が昇っていた。

湯浴みをして、その時に後処理が施される。

そして食事だ。


夜になると彼がやってくる。
暫くは初夜のように潤滑剤と媚薬を使われた。
もう二週間になる頃だろうか。脚を縛られることはなくなった。

“いつまでもヘンリー陛下に想いを寄せるな。
お前は私の専属娼婦となったことを受け入れて誠心誠意 奉仕しろ”などと言われるが、ヘンリー陛下のことは既に慕っていないし、娼婦について詳しくないからよく分からない。

ただ、この男の抱き方に優しさを感じていることに戸惑う。
私を抱く前に湯浴みをしているようで石鹸の香りがする。
必ず愛撫をするし、涙が出れば舐めとるし、触り方が優しいし、私の反応を見て触れる。
娼婦だのなんだのと投げ付ける言葉と抱き方がチグハグなのだ。
終われば拭って毛布をかけてくれるし、体調を気にする。

ヘンリーに抱かれるくらいなら彼の方がいいとさえ思えるようになってしまった。

月のモノがある時以外、毎晩私を抱く男は、シルバーに近いプラチナブロンドにアイスブルーの瞳の持ち主で、細身だが鍛えられていて力も強い。

ルネ・カシャ公爵令息。宰相の息子。



月のモノが来ていても、
“寝ていろ。お前のような女はこれでも飲んで少しは役に立て。まだ奉仕まで行きついていないんだからな”
そう言いながら薬湯を飲むまでソワソワしている。
飲んでみると屋敷で飲んでいたものと同じ味がした。月のモノの痛みを取って吐き気などの症状を和らげる煎じ茶だった。

「ありが、」

「煩い!文句を言うな!」

お礼の言葉を遮って出て行ってしまった。


軟禁されて2ヶ月。

もう鎖に繋がれていない。
だからといって逃げようとしたこともない。

幽閉とはいうが、必要最低限の家具は入っているし、寝心地は悪くない。メイドまで付いていて毎日湯浴みをさせてくれるし食事も3食。貴族にしては質素だが部屋に閉じ込められている者には十分過ぎる。

肌を整えるクリームやブラシなどもある。服はいつも寝間着だがとても肌触りがいいし毎日取り替えられる。
夜に抱かれ遅い朝に起きる。時には長く抱かれると昼過ぎまで寝ていることも。

“ちゃんと食えと言っただろう!
痩せ過ぎだから貧弱なんだ!もっと胸を育てろ!”
と耳を赤くしながら言い捨ててポケットから菓子を取り出して置いていく。


毎晩、私を何度か絶頂に導き、一度から三度私に注ぐ。
最近はよく抱きしめられるし、口付けもされる。
抱きしめ方は強く優しい。口付けも勘違いをしそうなほど甘いものだ。特に私を抱いている時の男の眼差しは強くて熱い。

私の体は、彼が部屋に入って来ると自然と濡れるようになっていた。
それに気が付いた彼は一瞬、とても嬉しそうに微笑んだ後、“淫乱な体になったな”と言った。


ある日、酒臭かったことがあった。
服装からするとパーティで飲み過ぎたようだ。
湯浴みもしていない。

「今夜は気分が乗らない」

「えっ」

「期待していたのか」

「そんなわけでは、」

「……」

彼は無言で近寄ると私をベッドに押し倒した。

「(優しくできない)」

服を脱ぎながらそう言うと私の秘部に触れた。

「準備は整っているんだな」

一気に突き入れた。

挿れられただけで達してしまった私を押さえつけながら腰を激しく動かす。

「ああっ!ダメ!まだ、」

「何がダメだ!締め付けて下の口から涎を垂らしているくせに!」

「あっ!あっ!怖い!」

ピタッと止まった。

「何が怖い」

「刺激が…強過ぎて」

「つまり気持ちいいということか」

「っ!」

四つん這いにさせると後ろから挿入して臀部を叩かれた。

パン!

「お前は娼婦だ!」

パン!

「私の専属娼婦に拒否権はない!」

パン!

「分かったか!」

「はい」

荒々しく突き挿れてそのまま吐精した。


彼は仰向けになると上に乗れと命じた。

「奉仕しろ。自分で挿れて、腰を振れ」

初めてのことで恥ずかしかった。

「お前は娼婦だろう」

そう言いながら先程叩いた臀部を撫でている。

跨って陰茎を掴み腰を落とした。

「んんっ!」

奥までみっちりと収まり膣壁や奥を刺激する。
動かなくても気持ちが良かった。

「そのままでも気持ちいいのか」

「……」

彼は私の腰を掴むとグリグリと膣内を撹拌し始めた。

「奥っ!ダメっ!」

「お願いしますだろう!」

「はあっ!お願い…しま…す」

彼は上半身を起こすと口付けをしながら撹拌させ続けた。

彼に抱き付きながら快楽に耐える。

何度も角度を変えながら優しく口付けをする彼に陥落した。

「イかせてください」

彼に抱き付きながら腰を振り、彼の首筋に吸い付いた。

「くっ!」

彼も私を抱きしめながら下から突き上げ続けた。

「(リヴィ…あい、)」

「ああっ!!」

達してしまい、その後の言葉は聞けないまま、今度は彼が上になり、私の脚を肩にかけて押しつぶすように突き続け、私が達しても止めることはなかった。




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