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帝国 (側妃ユゲット)
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【 レオンの第一側妃ユゲットの視点 】
長い視察から戻られた夫は帝王に呼ばれた。
『母上、今日は僕の誕生日ですから父上は祝ってくれますよね!』
『長旅でお疲れなの。分からないわ』
『あ、父上だ!』
長男ボドワンが駆け寄ると、
『ユゲット、ボドワンを退がらせろ』
今まで王太子殿下から感じたことのない威圧に、サッとボドワンの手を引き、頭を下げた。
王太子殿下が通り過ぎるとボドワンが泣き出した。
『父上はどうしちゃったの?』
『何か問題が起こったのよ。帝王様の所から戻られたから些細な事ではないはずよ。
貴方も10歳になるのだからこんな事で一々泣いてはいけません。
今まで祝ってくださったことに感謝をしましょう』
その後、王太子殿下は晩餐には現れなかった。贈り物だけは届いていた。
深夜に現れたと思ったら、ボドワンと次男のベンジャミンの顔を見てから私の元へ来た。
『直ぐにまた出ることになる。次は交渉だ。
決裂すれば戦争になる。
もしもの場合は子を連れて国に帰れ』
『王太子殿下』
『他言しないように。ダイアナにはそこまでは告げない。愚かなところがあるからな』
『かしこまりました』
そのまま王太子宮に戻ってしまった。
去っていく夫の後ろ姿を見つめていたが、何年経ってもまだ心が揺れる。
王女として生まれ育ったからには政略結婚は当たり前。だけど側妃だとは思わなかった。
従属国の王女の価値は高くはないと思い知った。
割り切ろうと思っていたのに、嫁ぐために帝国へ来た時にレオン王太子殿下を見て鼓動が早くなった。
大した式もなく、召し上げられ初夜を迎えた。
他の殿方を知らない私でも分かる。愛のない、必要最小限の短い営みだった。事を終えたら労りの声を掛けてメイドを入れ、夫は自身の宮に帰っていった。
メイド達が退がった後、涙が溢れた。
胸が高まった分、期待をしてしまったのだ。
これでも愛らしい、美しいと言われて育ったし、自負していた。
だが夫にはその様なことはどうでもよかった。
その後も閨は医師の薦めた日のみだった。
尽くそうと、閨教育を思い出し、奉仕しようとすると止められた。
『その様な必要はない』
恥ずかしくて、初めて夫の前で泣いてしまった。
『言い方が悪かったか。すまない。今日はもう休め』
そう言って何もせずに戻ってしまった。
それ以来、夫の前で泣くことは無かった。
今でも。
次に帰ってきた時は、帝王と長く話されたようだ。
『お帰りなさいませ』
『変わりないか』
『はい』
『王太子妃宮に人を入れる。
父上が望んだ双子で、兄妹だ。
王太子妃宮には出入り禁止、子供達にも伝えてくれ』
『王太子殿下の正妃様になるお方でしょうか』
『………』
『王太子殿下?』
『父上が娶りたがっている。どうなるかは分からない』
『かしこまりました』
夫の反応で分かった。夫の好きな女を帝王が目を付けてしまったのね。
だからボドワンの誕生日にあんなに苛立っていたのね。
その日は慣れないお酒を飲んでそのまま寝てしまった。
翌日、
『母上、父上の隣の宮が慌ただしいです』
『お客様をお迎えする準備をしているの。ボドワン、ベンジャミン。あの宮には近寄っては駄目よ。きついお叱りを受けることになるわ』
『『分かりました』』
数日後、
『母上、客人が着いたみたいです』
『挨拶に来るわ』
二時間後、帝王の侍従がやってきた。
『本日より王太子妃宮に住まわれるライアン様とミーシェ様は陛下より礼の免除を承りました。よってお二人に挨拶、礼をお求めにならないようお願い申し上げます』
『家名は?』
『サルト男爵家と聞いております。ミーシェ様は侯爵家へ養女に出されていてサックス侯爵家でございます』
『分かったわ。ありがとう』
男爵家出身の娘が元王女の私に挨拶をしない!?
それはもう一人の側妃の逆鱗に触れた。
『側妃様、第二側妃様とご子息方がお見えです。お約束はありませんが』
『通してちょうだい』
雪崩れ込むように押しかけてきたのは王太子殿下の第二側妃。彼女も従属国の王女だ。
娘ジョアンナ、息子マリオットを産んでいるが、未だ身なりが少女の様にヒラヒラとしたドレスを好む。
『ユゲット様!聞きましたか!男爵令嬢が王太子妃宮だなんて!』
『ダイアナ様、落ち着きましょう。子供達の前ですよ』
『私達は王女なのですよ!?』
『陛下がお気に召した方ですから仕方ありませんわ』
『だったら陛下の宮に入れたいいではありませんか!』
『私達は差し出し物の側妃。立場をわきまえましょう』
『母上、父上が歩いてます』
『遠くてよく分からないわ』
ボドワンとジョアンナがサロンの外を指差した。
私とダイアナも窓から覗き見た。
遠目だったが夫にエスコートされて王太子宮から王太子妃宮への渡り廊下を歩いていた。きっと王太子宮の中を案内した後なのだろう。
『私達でさえ王太子宮に入ったことがないのに!』
ダイアナが怒りの形相で令嬢を見つめていた。
そう。私も彼女も子供達でさえも、王太子宮に入ったことはない。
ダイアナが押しかけても、子供達が押しかけても決して入れてはもらえなかったと聞く。
そして閨での夫が変わった。
以前までは、早く事を済ますために解す間に陰茎を扱いて、膣内で単調に動かして注ぐだけ。
私とダイアナを合わせても月4回の閨。
聞いたところ、愛人やお手付きも無いらしい。だから淡白な人なのだと思っていた。
『昨夜は激しくて、』
態々、夫との閨の様子を報告という名の自慢をしに来たダイアナが哀れだ。
子供達を別室へとメイドに合図を送る。
『初めて体位を変えて二度も注がれましたの』
馬鹿ね。
『明晩が楽しみですわ。商人を呼んでこれからナイトドレスを新調しますわ。ユゲット様もいかがですか』
きっと自分だけだと思っているのね。
『ユゲット様は既に男児二人をお産みになっていらっしゃるから不要かしら』
『ダイアナ様、王太子殿下との閨の話を第三者にするのははしたないし、王太子殿下の不興を買いますわよ?
気が付いていらっしゃらないから教えて差し上げますわ。
貴女も私も、客人の身代わりなのです。
閨で王太子殿下が変わられたのは貴女に対してだけではないのですよ?
抱かれていて分かりませんの?
王太子殿下は私達の身体を使って令嬢と繋がっておられるのです。
相変わらず口付けもありませんし、体位は後ろか横、仰向けなら髪の毛か布で顔を隠されませんでしたか?
二度注いだ後、直ぐに抜き去り、“手荒くしてすまなかった”と言っていつもの様にメイドを呼んで王太子宮に戻られたでしょう?
愛された閨ならば、王太子殿下は口付けをなさると思いますし、事が済んだからとさっさと帰りませんわ。
きっと彼女なら抱きしめて眠るのでしょう』
『っ!!』
同じことを私にもしていると理解したようで真っ赤になって自分の部屋に戻って行った。
後半は私の妄想だ。
それには訳がある。
夫が令嬢を愛馬に乗せて彼女の兄と護衛達と乗馬に出る時に出会してしまったのだ。
咄嗟にベンジャミンの口を塞ぎ植え込みの影に隠れつつ頭を下げた。
夫に馬に乗せてもらったことなど無い。
おでかけさえ無い。
子供達も愛馬に触れることを許されていない。
その夫が令嬢の腹に腕を回しピッタリと寄せていた。大事に抱きしめる様に。
そしてあの柔らかな表情、初めて見た。
彼女の頭頂部を見つめる眼差し。
私にも子供にも向けた事がない。
だからきっと、夫は彼女を抱いたら唇が荒れるほど口付けをし、時間をかけて身体を堪能し、喜ばせ、何度も注ぎ、腕枕をしながら抱きしめて眠るだろう。
彼女の匂いを嗅ぎながら目を覚まし、自ら世話をして、昼まで寝ていろと優しく口付けて王太子宮の夫の寝室から出さないだろう。
もしかしたら、昼に食事をせず、彼女を抱いてまたベッドの住人にして執務に戻るのかもしれない。
私が断られた奉仕も、彼女がすれば大喜びなのだろう。ご褒美まで用意しそうだ。
そう思わせるくらい甘い眼差しだった。
揺れに乗じて頭に唇を付けたようにも見えた。
衝撃を消化しきれていない私は、男児を二人産んだから用無しだとダイアナに言われてカッとなってしまった。
これが事件を招くとは思ってもいなかった。
長い視察から戻られた夫は帝王に呼ばれた。
『母上、今日は僕の誕生日ですから父上は祝ってくれますよね!』
『長旅でお疲れなの。分からないわ』
『あ、父上だ!』
長男ボドワンが駆け寄ると、
『ユゲット、ボドワンを退がらせろ』
今まで王太子殿下から感じたことのない威圧に、サッとボドワンの手を引き、頭を下げた。
王太子殿下が通り過ぎるとボドワンが泣き出した。
『父上はどうしちゃったの?』
『何か問題が起こったのよ。帝王様の所から戻られたから些細な事ではないはずよ。
貴方も10歳になるのだからこんな事で一々泣いてはいけません。
今まで祝ってくださったことに感謝をしましょう』
その後、王太子殿下は晩餐には現れなかった。贈り物だけは届いていた。
深夜に現れたと思ったら、ボドワンと次男のベンジャミンの顔を見てから私の元へ来た。
『直ぐにまた出ることになる。次は交渉だ。
決裂すれば戦争になる。
もしもの場合は子を連れて国に帰れ』
『王太子殿下』
『他言しないように。ダイアナにはそこまでは告げない。愚かなところがあるからな』
『かしこまりました』
そのまま王太子宮に戻ってしまった。
去っていく夫の後ろ姿を見つめていたが、何年経ってもまだ心が揺れる。
王女として生まれ育ったからには政略結婚は当たり前。だけど側妃だとは思わなかった。
従属国の王女の価値は高くはないと思い知った。
割り切ろうと思っていたのに、嫁ぐために帝国へ来た時にレオン王太子殿下を見て鼓動が早くなった。
大した式もなく、召し上げられ初夜を迎えた。
他の殿方を知らない私でも分かる。愛のない、必要最小限の短い営みだった。事を終えたら労りの声を掛けてメイドを入れ、夫は自身の宮に帰っていった。
メイド達が退がった後、涙が溢れた。
胸が高まった分、期待をしてしまったのだ。
これでも愛らしい、美しいと言われて育ったし、自負していた。
だが夫にはその様なことはどうでもよかった。
その後も閨は医師の薦めた日のみだった。
尽くそうと、閨教育を思い出し、奉仕しようとすると止められた。
『その様な必要はない』
恥ずかしくて、初めて夫の前で泣いてしまった。
『言い方が悪かったか。すまない。今日はもう休め』
そう言って何もせずに戻ってしまった。
それ以来、夫の前で泣くことは無かった。
今でも。
次に帰ってきた時は、帝王と長く話されたようだ。
『お帰りなさいませ』
『変わりないか』
『はい』
『王太子妃宮に人を入れる。
父上が望んだ双子で、兄妹だ。
王太子妃宮には出入り禁止、子供達にも伝えてくれ』
『王太子殿下の正妃様になるお方でしょうか』
『………』
『王太子殿下?』
『父上が娶りたがっている。どうなるかは分からない』
『かしこまりました』
夫の反応で分かった。夫の好きな女を帝王が目を付けてしまったのね。
だからボドワンの誕生日にあんなに苛立っていたのね。
その日は慣れないお酒を飲んでそのまま寝てしまった。
翌日、
『母上、父上の隣の宮が慌ただしいです』
『お客様をお迎えする準備をしているの。ボドワン、ベンジャミン。あの宮には近寄っては駄目よ。きついお叱りを受けることになるわ』
『『分かりました』』
数日後、
『母上、客人が着いたみたいです』
『挨拶に来るわ』
二時間後、帝王の侍従がやってきた。
『本日より王太子妃宮に住まわれるライアン様とミーシェ様は陛下より礼の免除を承りました。よってお二人に挨拶、礼をお求めにならないようお願い申し上げます』
『家名は?』
『サルト男爵家と聞いております。ミーシェ様は侯爵家へ養女に出されていてサックス侯爵家でございます』
『分かったわ。ありがとう』
男爵家出身の娘が元王女の私に挨拶をしない!?
それはもう一人の側妃の逆鱗に触れた。
『側妃様、第二側妃様とご子息方がお見えです。お約束はありませんが』
『通してちょうだい』
雪崩れ込むように押しかけてきたのは王太子殿下の第二側妃。彼女も従属国の王女だ。
娘ジョアンナ、息子マリオットを産んでいるが、未だ身なりが少女の様にヒラヒラとしたドレスを好む。
『ユゲット様!聞きましたか!男爵令嬢が王太子妃宮だなんて!』
『ダイアナ様、落ち着きましょう。子供達の前ですよ』
『私達は王女なのですよ!?』
『陛下がお気に召した方ですから仕方ありませんわ』
『だったら陛下の宮に入れたいいではありませんか!』
『私達は差し出し物の側妃。立場をわきまえましょう』
『母上、父上が歩いてます』
『遠くてよく分からないわ』
ボドワンとジョアンナがサロンの外を指差した。
私とダイアナも窓から覗き見た。
遠目だったが夫にエスコートされて王太子宮から王太子妃宮への渡り廊下を歩いていた。きっと王太子宮の中を案内した後なのだろう。
『私達でさえ王太子宮に入ったことがないのに!』
ダイアナが怒りの形相で令嬢を見つめていた。
そう。私も彼女も子供達でさえも、王太子宮に入ったことはない。
ダイアナが押しかけても、子供達が押しかけても決して入れてはもらえなかったと聞く。
そして閨での夫が変わった。
以前までは、早く事を済ますために解す間に陰茎を扱いて、膣内で単調に動かして注ぐだけ。
私とダイアナを合わせても月4回の閨。
聞いたところ、愛人やお手付きも無いらしい。だから淡白な人なのだと思っていた。
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態々、夫との閨の様子を報告という名の自慢をしに来たダイアナが哀れだ。
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『初めて体位を変えて二度も注がれましたの』
馬鹿ね。
『明晩が楽しみですわ。商人を呼んでこれからナイトドレスを新調しますわ。ユゲット様もいかがですか』
きっと自分だけだと思っているのね。
『ユゲット様は既に男児二人をお産みになっていらっしゃるから不要かしら』
『ダイアナ様、王太子殿下との閨の話を第三者にするのははしたないし、王太子殿下の不興を買いますわよ?
気が付いていらっしゃらないから教えて差し上げますわ。
貴女も私も、客人の身代わりなのです。
閨で王太子殿下が変わられたのは貴女に対してだけではないのですよ?
抱かれていて分かりませんの?
王太子殿下は私達の身体を使って令嬢と繋がっておられるのです。
相変わらず口付けもありませんし、体位は後ろか横、仰向けなら髪の毛か布で顔を隠されませんでしたか?
二度注いだ後、直ぐに抜き去り、“手荒くしてすまなかった”と言っていつもの様にメイドを呼んで王太子宮に戻られたでしょう?
愛された閨ならば、王太子殿下は口付けをなさると思いますし、事が済んだからとさっさと帰りませんわ。
きっと彼女なら抱きしめて眠るのでしょう』
『っ!!』
同じことを私にもしていると理解したようで真っ赤になって自分の部屋に戻って行った。
後半は私の妄想だ。
それには訳がある。
夫が令嬢を愛馬に乗せて彼女の兄と護衛達と乗馬に出る時に出会してしまったのだ。
咄嗟にベンジャミンの口を塞ぎ植え込みの影に隠れつつ頭を下げた。
夫に馬に乗せてもらったことなど無い。
おでかけさえ無い。
子供達も愛馬に触れることを許されていない。
その夫が令嬢の腹に腕を回しピッタリと寄せていた。大事に抱きしめる様に。
そしてあの柔らかな表情、初めて見た。
彼女の頭頂部を見つめる眼差し。
私にも子供にも向けた事がない。
だからきっと、夫は彼女を抱いたら唇が荒れるほど口付けをし、時間をかけて身体を堪能し、喜ばせ、何度も注ぎ、腕枕をしながら抱きしめて眠るだろう。
彼女の匂いを嗅ぎながら目を覚まし、自ら世話をして、昼まで寝ていろと優しく口付けて王太子宮の夫の寝室から出さないだろう。
もしかしたら、昼に食事をせず、彼女を抱いてまたベッドの住人にして執務に戻るのかもしれない。
私が断られた奉仕も、彼女がすれば大喜びなのだろう。ご褒美まで用意しそうだ。
そう思わせるくらい甘い眼差しだった。
揺れに乗じて頭に唇を付けたようにも見えた。
衝撃を消化しきれていない私は、男児を二人産んだから用無しだとダイアナに言われてカッとなってしまった。
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