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セーレン 第三王子ジュリアス(毒)
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【 ジュリアスの視点 】
「ジュリアス殿下、ナイジェル殿下より伝言です。明日、客人を連れてこちらにいらっしゃるそうです」
「分かった」
どういうつもりだろう。こんな姿を見せてどうするのか。たが私には拒否権はない。
拒否する気力もない。
一つ歳下のサンドラに不況を買っていた。だけど兄として王族として兄達のように見過ごすということが出来ず注意をしていたら、徐々に体調が悪くなり、目眩や虚脱感、手の震えや爪の異常が出てきて日常生活でさえ困難になってしまった。
ここの住人になって何年だろう。城内の外れにある宮に押し込まれていた。
ただ体調不良に襲われながら早く時間が過ぎることを願う日々。
食べる、寝る、排泄する、清める、本を読む、苦しむ。
10年以上、私の人生はこれだけ。
即死の人が羨ましい。安らかに死ねる人が羨ましい。自死を選べる人が羨ましい。
何度も自死を考えたが、地獄に落ちてしまう。いや、もう既に地獄にいるな。
ナイジェル兄上が、朝訪ねて来て事情を説明してくれた。
父上もそこまでサンドラを甘やかすとは。
最早セーレンの恥だ。
『で、役立たずの私に会わせてどうなさるのです? 面白くもない見世物ですよ』
『ジュリアス、私の弟をそんな風に言われたくない。例え本人だとしてもだ。
今の私は、ジュリアスの存在だけで城にいるようなものだ』
『兄上?』
『酷く迷惑をかけて脅すように招致した方々だ。失礼のないように頼む。
それと人払いをして欲しいそうだ』
『分かりました』
10時に訪ねて来た者達を見て驚いた。
本当にこの容姿と雰囲気で王族が一人だけなのか?
予め兄上に容姿の特徴と身分を聞いていなければ分からなかった。三人とも程良く鍛えられていて優れた容姿だ。
側近はワイルドな美男子、間違うと傲慢に見えそうな表情をする。
双子だという似ていない令息は高潔な感じのする凛々しい美男子。
エヴァン殿下は王族っぽく優しそうな美男子だ。この男が徹底的にサンドラを追い返したとは。
まあ、この令嬢を婚約者に望むとあらばそうなるかもしれない。双子の兄とはあまり似ていない。美し過ぎて同じ人間だとは思えない外見で黙っていれば冷たささえ感じそうな氷の女王といったイメージだが……
「ナイジェル様、こんなに沢山ナプキンは要りませんわ」
「そうか?今日は焼き菓子じゃないからこぼすと大変だぞ?」
「昨日は緊張してこぼしたんです!」
「分かった分かった、首元からも掛けておけ」
「それ、分かったって言いません!」
「ミーシェ、美味しそうだからいただこう」
「あ、はい」
なんとも気さくで、既に兄上と打ち解けていた。
「昨日はすまなかった。マクセル兄上が余計なことをしてしまった」
「いえ、過分でしたので戸惑いましたが」
詳細を聞くと、マクセル兄上がミーシェ嬢に宝石の貢物をしようとしてミーシェ嬢が断ったようだ。
マクセル兄上が引かず困っていたところに、報告を受けたナイジェル兄上が駆けつけて追い払ったということらしい。
「まさかとは思いますが王太子殿下まで私のミーシェを奪おうとしているわけではありませんよね?
王女を私に当てがって、ご自身はミーシェを手に入れようなどと思ったりしていませんよね?」
「え!? まさか、そんなことは……」
兄上、動揺しては駄目でしょう。
エヴァン殿下がミーシェ嬢の手を握って離さないじゃないですか。
「ちょっと、エヴァン」
「危険だから手を繋ぐ」
「ソフィアに座ってるのに?」
「そうだ」
「暑苦しい」
「えっ!? 酷いよミーシェ」
「どうやらサンドラと国王陛下だけでなくマクセルもご迷惑をお掛けしているようですね。申し訳ございません」
「その通りですが、ジュリアス殿下に接見を願い出たのは、原因不明の体調不良について解決したいと思ったからです」
「は?」
今、何て?
名医も匙を投げた病を解決!?
「アリオン殿、お戯はお止めいただきたい」
「ジュリアス!」
「疲れかな?と思っているうちに体に力が入りにくくなり目眩が起き、口が渇き、爪の異常、手の震え、足の裏の痛み、関節痛、吐き気、」
そんな馬鹿な……
「何処で私の診療記録を手に入れた!」
「これは毒を接種した人の症状です。
その内、抜け毛が目立つようになり、爪が簡単に割れ、皮が剥けやすくなります」
抜け毛は先月からで誰にも言っていない。
「この毒は甘味と、ラベンダーに似た後味がします」
「 !! 」
「心当たりがありそうですね。
これでも戯れと仰いますか?」
「も、申し訳ございません」
「……虐めに来たのではありませんので、ご安心ください。
この瓶には三ヶ月分の解毒剤が入っています。この小さなスプーンで計量します。
解毒剤も急激に接種すると副作用が激しいので飲むのは毎日、カップ5杯のぬるま湯で飲んでください。まずは擦り切り半量。一週間後に擦り切り一杯といった感じで週に一度半量ずつ増やしてください。
解毒剤がものすごく少量で不安かもしれませんが、毒物が遅効性で年月をかけてじわじわ蓄積し蝕んでしまっています。それをゆっくり排出します。
量を間違えばその弱った体では副作用に負けて死ぬかもしれません。焦らず自制してください。
飲んだら暦にチェックを入れ、薬はご自身で管理なさるといいでしょう。
毒物を盛られる環境なのですから」
「………」
「あと、ネズミを小さな檻に入れて飼い、甘いものは与えてみるといいでしょう。何故かネズミが嫌がるのです。
熱いものは大丈夫ですので問題にありません。ですが焼き菓子も焼いているからと油断してはなりません。冷めてから振り掛ける場合もありますので」
「ネズミですか」
「小遣い稼ぎに小さなネズミを捕まえて綺麗にして一匹ずつカゴに入れて飼っておいてくれと言えばいいのです。在庫は常時3~5匹でいいでしょう。
ネズミが拒否する食べ物か飲み物が見つかったらすぐに封鎖して、まずは給仕に関わった者と料理人から食べろと命じれば態度で分かります」
「分かりました」
「最初の数日はぬるま湯を多めに飲んでください。飲み過ぎもいけません。
ネズミが手に入るまでは、味をリクエストして用意させるといいでしょう。
野菜スープ、焼きたてパン、焼いた肉、どれも熱々の状態で持ってこいと言えばいいのです。
運動できないから甘味を避けて冷えを改善するようにアドバイスされたと言ってください」
「ありがとうございます」
「改善しない場合、もう少し投薬が必要な場合はご連絡ください」
そう言ってローテーブルの上に置いたのは帝国の王族だけが許される彫金の施されたペンダントだった。
「「 !!、第四王子殿下!」」
「ジュリアス殿下、ナイジェル殿下より伝言です。明日、客人を連れてこちらにいらっしゃるそうです」
「分かった」
どういうつもりだろう。こんな姿を見せてどうするのか。たが私には拒否権はない。
拒否する気力もない。
一つ歳下のサンドラに不況を買っていた。だけど兄として王族として兄達のように見過ごすということが出来ず注意をしていたら、徐々に体調が悪くなり、目眩や虚脱感、手の震えや爪の異常が出てきて日常生活でさえ困難になってしまった。
ここの住人になって何年だろう。城内の外れにある宮に押し込まれていた。
ただ体調不良に襲われながら早く時間が過ぎることを願う日々。
食べる、寝る、排泄する、清める、本を読む、苦しむ。
10年以上、私の人生はこれだけ。
即死の人が羨ましい。安らかに死ねる人が羨ましい。自死を選べる人が羨ましい。
何度も自死を考えたが、地獄に落ちてしまう。いや、もう既に地獄にいるな。
ナイジェル兄上が、朝訪ねて来て事情を説明してくれた。
父上もそこまでサンドラを甘やかすとは。
最早セーレンの恥だ。
『で、役立たずの私に会わせてどうなさるのです? 面白くもない見世物ですよ』
『ジュリアス、私の弟をそんな風に言われたくない。例え本人だとしてもだ。
今の私は、ジュリアスの存在だけで城にいるようなものだ』
『兄上?』
『酷く迷惑をかけて脅すように招致した方々だ。失礼のないように頼む。
それと人払いをして欲しいそうだ』
『分かりました』
10時に訪ねて来た者達を見て驚いた。
本当にこの容姿と雰囲気で王族が一人だけなのか?
予め兄上に容姿の特徴と身分を聞いていなければ分からなかった。三人とも程良く鍛えられていて優れた容姿だ。
側近はワイルドな美男子、間違うと傲慢に見えそうな表情をする。
双子だという似ていない令息は高潔な感じのする凛々しい美男子。
エヴァン殿下は王族っぽく優しそうな美男子だ。この男が徹底的にサンドラを追い返したとは。
まあ、この令嬢を婚約者に望むとあらばそうなるかもしれない。双子の兄とはあまり似ていない。美し過ぎて同じ人間だとは思えない外見で黙っていれば冷たささえ感じそうな氷の女王といったイメージだが……
「ナイジェル様、こんなに沢山ナプキンは要りませんわ」
「そうか?今日は焼き菓子じゃないからこぼすと大変だぞ?」
「昨日は緊張してこぼしたんです!」
「分かった分かった、首元からも掛けておけ」
「それ、分かったって言いません!」
「ミーシェ、美味しそうだからいただこう」
「あ、はい」
なんとも気さくで、既に兄上と打ち解けていた。
「昨日はすまなかった。マクセル兄上が余計なことをしてしまった」
「いえ、過分でしたので戸惑いましたが」
詳細を聞くと、マクセル兄上がミーシェ嬢に宝石の貢物をしようとしてミーシェ嬢が断ったようだ。
マクセル兄上が引かず困っていたところに、報告を受けたナイジェル兄上が駆けつけて追い払ったということらしい。
「まさかとは思いますが王太子殿下まで私のミーシェを奪おうとしているわけではありませんよね?
王女を私に当てがって、ご自身はミーシェを手に入れようなどと思ったりしていませんよね?」
「え!? まさか、そんなことは……」
兄上、動揺しては駄目でしょう。
エヴァン殿下がミーシェ嬢の手を握って離さないじゃないですか。
「ちょっと、エヴァン」
「危険だから手を繋ぐ」
「ソフィアに座ってるのに?」
「そうだ」
「暑苦しい」
「えっ!? 酷いよミーシェ」
「どうやらサンドラと国王陛下だけでなくマクセルもご迷惑をお掛けしているようですね。申し訳ございません」
「その通りですが、ジュリアス殿下に接見を願い出たのは、原因不明の体調不良について解決したいと思ったからです」
「は?」
今、何て?
名医も匙を投げた病を解決!?
「アリオン殿、お戯はお止めいただきたい」
「ジュリアス!」
「疲れかな?と思っているうちに体に力が入りにくくなり目眩が起き、口が渇き、爪の異常、手の震え、足の裏の痛み、関節痛、吐き気、」
そんな馬鹿な……
「何処で私の診療記録を手に入れた!」
「これは毒を接種した人の症状です。
その内、抜け毛が目立つようになり、爪が簡単に割れ、皮が剥けやすくなります」
抜け毛は先月からで誰にも言っていない。
「この毒は甘味と、ラベンダーに似た後味がします」
「 !! 」
「心当たりがありそうですね。
これでも戯れと仰いますか?」
「も、申し訳ございません」
「……虐めに来たのではありませんので、ご安心ください。
この瓶には三ヶ月分の解毒剤が入っています。この小さなスプーンで計量します。
解毒剤も急激に接種すると副作用が激しいので飲むのは毎日、カップ5杯のぬるま湯で飲んでください。まずは擦り切り半量。一週間後に擦り切り一杯といった感じで週に一度半量ずつ増やしてください。
解毒剤がものすごく少量で不安かもしれませんが、毒物が遅効性で年月をかけてじわじわ蓄積し蝕んでしまっています。それをゆっくり排出します。
量を間違えばその弱った体では副作用に負けて死ぬかもしれません。焦らず自制してください。
飲んだら暦にチェックを入れ、薬はご自身で管理なさるといいでしょう。
毒物を盛られる環境なのですから」
「………」
「あと、ネズミを小さな檻に入れて飼い、甘いものは与えてみるといいでしょう。何故かネズミが嫌がるのです。
熱いものは大丈夫ですので問題にありません。ですが焼き菓子も焼いているからと油断してはなりません。冷めてから振り掛ける場合もありますので」
「ネズミですか」
「小遣い稼ぎに小さなネズミを捕まえて綺麗にして一匹ずつカゴに入れて飼っておいてくれと言えばいいのです。在庫は常時3~5匹でいいでしょう。
ネズミが拒否する食べ物か飲み物が見つかったらすぐに封鎖して、まずは給仕に関わった者と料理人から食べろと命じれば態度で分かります」
「分かりました」
「最初の数日はぬるま湯を多めに飲んでください。飲み過ぎもいけません。
ネズミが手に入るまでは、味をリクエストして用意させるといいでしょう。
野菜スープ、焼きたてパン、焼いた肉、どれも熱々の状態で持ってこいと言えばいいのです。
運動できないから甘味を避けて冷えを改善するようにアドバイスされたと言ってください」
「ありがとうございます」
「改善しない場合、もう少し投薬が必要な場合はご連絡ください」
そう言ってローテーブルの上に置いたのは帝国の王族だけが許される彫金の施されたペンダントだった。
「「 !!、第四王子殿下!」」
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