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妥協
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図案を決めて、そのまま採寸されてドレスを作らされることになった。
店に行って図案だけくださいなんて…思えば図々し過ぎたわ。
しかも請求はバトラーズ家へ。
お店の人まで“レディが高貴な殿方に恥をかかせてはなりませんわ”とか言われて笑顔の圧をかけるものだから押し切られちゃったじゃない。
まさか計画的ってことないよね?
そして送ってくれたのはいいのだけど、父と話があるからと言い出した。
「はい、先程、結婚を前提に恋人になって欲しいと懇願しました。
アネット嬢はゲラン伯爵が承諾すれば構わないと」
「そうなのか?」
なんかニュアンスが微妙に違うんだけど、レヴィン様の圧に弱いのよね。
「はい」
「分かりました。バトラーズ公爵に数日で返事を出します」
「よろしくお願いします。
アネット、浮気しないでね。
相手の男を他の果てまでも追い詰めるからね」
「まだ婚約していません!」
「酷い! 結婚契約書に署名するまでは浮気してもいいと?」
「ち、違います!」
「いい子だ」
頭グリグリしないで!
レヴィン様が帰り、ドレスの報告をした。
「アネット。どうなの?」
「いい人です。気にかけてくださいますし。
ただ上官としてしか見てなかったのでまだ良く分かりません」
「政略結婚としてならどうだ?」
「公爵様も叔母様も涙脆くて良い方です。ウォルト様も感じが良く賢そうでした」
「ん~、なら受けるか。
歳が近くて他にいい相手はいないし」
「大丈夫かしら」
「公爵も誠実に全部話してくださった。信用して良いだろう」
*** 2日後のバトラーズ家 ***
「父上!ゲラン伯爵から手紙が届いたと聞きました!」
「挨拶は」
「ただいま戻りました」
「おかえり。座りなさい」
「はい」
「すぐに日取りを確認して婚約を結ぶ。条件のいい婚前契約書を提示しなくてはならない。夕食後に詰めるからな」
「ありがとうございます!」
「婚約の品も急いで注文しないと」
「手配済みです」
「は?」
「気持ちが分かってから直ぐ注文しに行きました。特急で作らせているので間に合うかもしれません。確認します」
「断られたらどうするつもりだったんだ」
「承諾するまで諦めるつもりはありませんでしたので」
「分かった。
いいか、絶対に浮気をするなよ。
王女殿下に始末されるからな」
「当然です。王女殿下とは取り引きをして味方になってもらいました」
「どんな取り引きだ」
「王女殿下は我々が思っている以上にアネットに心を寄せています。アネットを共有するのです。
王家とバトラーズ家がアネットの全身の盾になり愛を注ぐということです。
婚姻までは騎士団にいさせて婚姻後は毎回ではありませんが一緒に登城して私が仕事の間は王女殿下に預けます。
数日宿泊の公務に付き添えばその分王女殿下はアネットと泊まりで過ごせます。
それは公爵家を蔑ろにしない程度にですが。
きっとアネットの産む子も王女は可愛がりますよ。娘なら王子妃になるでしょう。
王女で次期王妃の寵愛を受けられる令嬢はアネットだけです」
「その代わり暗殺に気を付けなければならないな」
「はい。既に第四が任務に就いています。
婚約したら正式に第四と引き合わせると言っています」
「大丈夫か?」
「数人受け入れている者がいるようです。
交代でアネットを守っていた時がきっかけみたいです」
「第四は気難しいと聞いているがな」
「鎧を磨くとき、ひとりなのでおかしな歌を歌ったり独り言を言うようで聞いていて和むそうです。
暗号版モールス信号を使うことがあるのですがアネットは聞こえるみたいでコンコンと返すそうです」
「モールス信号を使えるのか」
「いえ、適当に聞こえたリズムに合わせてコンコンしてるんですけど、それを影が訳して楽しんでいます。
奇跡的に言葉になった時は思わず吹き出してバレそうになったみたいです」
「どんな言葉になったんだろうな」
「“デブ最高”だったと思います。もう一つは口に出せない言葉のようで教えてもらえませんでした」
「それは他の任務より楽しいだろう」
「アネットは隣の部屋と壁が薄いから音がすると思っているみたいですね」
「公爵家でも歌うかな」
「歌うでしょうね」
*** 週末のゲラン邸 ***
私の家族とバトラーズ公爵、亡き夫人の妹、レヴィン様が弁護士立ち合いで話し合いをしていた。
レ「婚姻は出来るだけ早くを希望します」
ア「早いです」
レ「いつならいいの」
ア「子を産むのは23歳辺りでいいと思うので」
レ「えっ、そんなに後!?」
ア「私まだ17歳ですし。跡継ぎを急ぐのであれば他のご令嬢をあってください」
レ「結婚がどうこうより子を産むタイミングを気にしてる?」
ア「はい。仕事も楽しいですし」
レ「じゃあ子は待てば早めに結婚してくれるの?」
ア母「でも公爵家ですからね。婚姻から何年も子ができなければアネットが世間から中傷されますわね。
レヴィン様にも隙あらばと縁談話や色仕掛けがあるかもしれませんわ」
ア父「そうだな。せめて婚姻は20歳ですね」
レ叔母「婚約が長過ぎても色々言われますわ」
ア父「正直アネットはまだ子供の部分がありますから」
レ「結婚はすぐ、子は22、23歳で!」
ア「どうしてそんなに急ぐんですか。
婚約破棄したばかりじゃないですか」
レ父「確かに」
ア母「19歳で婚姻、子は22歳以上で同意が必要というのはいかがでしょう」
レ「アネット…婚約期間1年」
ア「私、もう少ししたら18歳になるので母の案にします」
レ「婚約パーティは」
ア「無しで」
レ「それじゃあ周知されないよ」
ア「レヴィン様の婚約の噂は台風のように直ぐ強力に駆け巡ります」
レ「っ……分かった」
弁「では数字を書き入れます」
レ「守るべき事項はこの通りです」
一つ、週に一度交流日を設ける
一つ、家族以外の者をパートナーとして社交に出ない
一つ、家族以外の異性と外出しない
一つ、外出には必ず護衛をつける
一つ、誕生日や婚約記念日は一緒に祝う
一つ、浮気しない
ア「職場で会うので月1でいいです。
これだとレヴィン様はどうする気ですか。家族の範囲が知りたいです。
これは難しいのでは?友人という場合もありますし、仕事がらみの買い出しの場合も考えられます。
レヴィン様も護衛をつけるのですね?
仕事をしてるのですから無理でしょう。
婚約記念日なんて聞いたことありません。
最後は同意です」
全「………」
ア「家族とはどこまでですか」
レ「うちで言うなら叔母まで」
ア「近い血族が大丈夫なら従兄も大丈夫ですね」
レ「駄目だ!」
ア「何でですか?婚姻不可ですよ?」
レ「っ!!」
レ父「血の濃さで婚姻が違法の異性は家族の定義に含ませよう」
ア「あとはどうしますか」
レ「片想いなのは分かってるけど、もう少し優しくして欲しい。ビジネスの契約じゃないのに」
ア「すみません」
レ叔母「さすがに月1回は……週1回帰りにどちらかの家で食事をしてはいかがかしら。
無理な週や病気した週は除きましょう」
ア「騎士団の食堂で昼食をご一緒するのではダメですか」
レ「駄目だ。あれは仕事の延長だよ」
ア「じゃあ、夕食ということで」
レ父「護衛がつくなら外出制限は無理があるな。まぁ異性の時は事前もしくは事後報告とすればいいのでは?」
レ「心配です。私の可愛いアネットが…」
ア「無闇矢鱈に異性と外出しませんから」
レ「分かった」
レ叔母「婚約記念日は記載はやめておきなさい」
レ「はい」
弁「では詳細事項を追加して作り直します。明日中にこちらへ参ります」
何とか話し合いを終えて帰路につく馬車の中では。
「これは気が抜けないな。アネット嬢は政略結婚と同等に考えているな」
「そうね。レヴィンとの温度差が激しいわね」
「婚約できると言うのに何故か振られた気分になって何度も胸を刺された痛みがあるのはどうしてでしょうね」
「あまり束縛しすぎると羽ばたいて逃げられるぞ」
「他の殿方が良く見えてしまうかも」
「叔母上、酷いですよ」
店に行って図案だけくださいなんて…思えば図々し過ぎたわ。
しかも請求はバトラーズ家へ。
お店の人まで“レディが高貴な殿方に恥をかかせてはなりませんわ”とか言われて笑顔の圧をかけるものだから押し切られちゃったじゃない。
まさか計画的ってことないよね?
そして送ってくれたのはいいのだけど、父と話があるからと言い出した。
「はい、先程、結婚を前提に恋人になって欲しいと懇願しました。
アネット嬢はゲラン伯爵が承諾すれば構わないと」
「そうなのか?」
なんかニュアンスが微妙に違うんだけど、レヴィン様の圧に弱いのよね。
「はい」
「分かりました。バトラーズ公爵に数日で返事を出します」
「よろしくお願いします。
アネット、浮気しないでね。
相手の男を他の果てまでも追い詰めるからね」
「まだ婚約していません!」
「酷い! 結婚契約書に署名するまでは浮気してもいいと?」
「ち、違います!」
「いい子だ」
頭グリグリしないで!
レヴィン様が帰り、ドレスの報告をした。
「アネット。どうなの?」
「いい人です。気にかけてくださいますし。
ただ上官としてしか見てなかったのでまだ良く分かりません」
「政略結婚としてならどうだ?」
「公爵様も叔母様も涙脆くて良い方です。ウォルト様も感じが良く賢そうでした」
「ん~、なら受けるか。
歳が近くて他にいい相手はいないし」
「大丈夫かしら」
「公爵も誠実に全部話してくださった。信用して良いだろう」
*** 2日後のバトラーズ家 ***
「父上!ゲラン伯爵から手紙が届いたと聞きました!」
「挨拶は」
「ただいま戻りました」
「おかえり。座りなさい」
「はい」
「すぐに日取りを確認して婚約を結ぶ。条件のいい婚前契約書を提示しなくてはならない。夕食後に詰めるからな」
「ありがとうございます!」
「婚約の品も急いで注文しないと」
「手配済みです」
「は?」
「気持ちが分かってから直ぐ注文しに行きました。特急で作らせているので間に合うかもしれません。確認します」
「断られたらどうするつもりだったんだ」
「承諾するまで諦めるつもりはありませんでしたので」
「分かった。
いいか、絶対に浮気をするなよ。
王女殿下に始末されるからな」
「当然です。王女殿下とは取り引きをして味方になってもらいました」
「どんな取り引きだ」
「王女殿下は我々が思っている以上にアネットに心を寄せています。アネットを共有するのです。
王家とバトラーズ家がアネットの全身の盾になり愛を注ぐということです。
婚姻までは騎士団にいさせて婚姻後は毎回ではありませんが一緒に登城して私が仕事の間は王女殿下に預けます。
数日宿泊の公務に付き添えばその分王女殿下はアネットと泊まりで過ごせます。
それは公爵家を蔑ろにしない程度にですが。
きっとアネットの産む子も王女は可愛がりますよ。娘なら王子妃になるでしょう。
王女で次期王妃の寵愛を受けられる令嬢はアネットだけです」
「その代わり暗殺に気を付けなければならないな」
「はい。既に第四が任務に就いています。
婚約したら正式に第四と引き合わせると言っています」
「大丈夫か?」
「数人受け入れている者がいるようです。
交代でアネットを守っていた時がきっかけみたいです」
「第四は気難しいと聞いているがな」
「鎧を磨くとき、ひとりなのでおかしな歌を歌ったり独り言を言うようで聞いていて和むそうです。
暗号版モールス信号を使うことがあるのですがアネットは聞こえるみたいでコンコンと返すそうです」
「モールス信号を使えるのか」
「いえ、適当に聞こえたリズムに合わせてコンコンしてるんですけど、それを影が訳して楽しんでいます。
奇跡的に言葉になった時は思わず吹き出してバレそうになったみたいです」
「どんな言葉になったんだろうな」
「“デブ最高”だったと思います。もう一つは口に出せない言葉のようで教えてもらえませんでした」
「それは他の任務より楽しいだろう」
「アネットは隣の部屋と壁が薄いから音がすると思っているみたいですね」
「公爵家でも歌うかな」
「歌うでしょうね」
*** 週末のゲラン邸 ***
私の家族とバトラーズ公爵、亡き夫人の妹、レヴィン様が弁護士立ち合いで話し合いをしていた。
レ「婚姻は出来るだけ早くを希望します」
ア「早いです」
レ「いつならいいの」
ア「子を産むのは23歳辺りでいいと思うので」
レ「えっ、そんなに後!?」
ア「私まだ17歳ですし。跡継ぎを急ぐのであれば他のご令嬢をあってください」
レ「結婚がどうこうより子を産むタイミングを気にしてる?」
ア「はい。仕事も楽しいですし」
レ「じゃあ子は待てば早めに結婚してくれるの?」
ア母「でも公爵家ですからね。婚姻から何年も子ができなければアネットが世間から中傷されますわね。
レヴィン様にも隙あらばと縁談話や色仕掛けがあるかもしれませんわ」
ア父「そうだな。せめて婚姻は20歳ですね」
レ叔母「婚約が長過ぎても色々言われますわ」
ア父「正直アネットはまだ子供の部分がありますから」
レ「結婚はすぐ、子は22、23歳で!」
ア「どうしてそんなに急ぐんですか。
婚約破棄したばかりじゃないですか」
レ父「確かに」
ア母「19歳で婚姻、子は22歳以上で同意が必要というのはいかがでしょう」
レ「アネット…婚約期間1年」
ア「私、もう少ししたら18歳になるので母の案にします」
レ「婚約パーティは」
ア「無しで」
レ「それじゃあ周知されないよ」
ア「レヴィン様の婚約の噂は台風のように直ぐ強力に駆け巡ります」
レ「っ……分かった」
弁「では数字を書き入れます」
レ「守るべき事項はこの通りです」
一つ、週に一度交流日を設ける
一つ、家族以外の者をパートナーとして社交に出ない
一つ、家族以外の異性と外出しない
一つ、外出には必ず護衛をつける
一つ、誕生日や婚約記念日は一緒に祝う
一つ、浮気しない
ア「職場で会うので月1でいいです。
これだとレヴィン様はどうする気ですか。家族の範囲が知りたいです。
これは難しいのでは?友人という場合もありますし、仕事がらみの買い出しの場合も考えられます。
レヴィン様も護衛をつけるのですね?
仕事をしてるのですから無理でしょう。
婚約記念日なんて聞いたことありません。
最後は同意です」
全「………」
ア「家族とはどこまでですか」
レ「うちで言うなら叔母まで」
ア「近い血族が大丈夫なら従兄も大丈夫ですね」
レ「駄目だ!」
ア「何でですか?婚姻不可ですよ?」
レ「っ!!」
レ父「血の濃さで婚姻が違法の異性は家族の定義に含ませよう」
ア「あとはどうしますか」
レ「片想いなのは分かってるけど、もう少し優しくして欲しい。ビジネスの契約じゃないのに」
ア「すみません」
レ叔母「さすがに月1回は……週1回帰りにどちらかの家で食事をしてはいかがかしら。
無理な週や病気した週は除きましょう」
ア「騎士団の食堂で昼食をご一緒するのではダメですか」
レ「駄目だ。あれは仕事の延長だよ」
ア「じゃあ、夕食ということで」
レ父「護衛がつくなら外出制限は無理があるな。まぁ異性の時は事前もしくは事後報告とすればいいのでは?」
レ「心配です。私の可愛いアネットが…」
ア「無闇矢鱈に異性と外出しませんから」
レ「分かった」
レ叔母「婚約記念日は記載はやめておきなさい」
レ「はい」
弁「では詳細事項を追加して作り直します。明日中にこちらへ参ります」
何とか話し合いを終えて帰路につく馬車の中では。
「これは気が抜けないな。アネット嬢は政略結婚と同等に考えているな」
「そうね。レヴィンとの温度差が激しいわね」
「婚約できると言うのに何故か振られた気分になって何度も胸を刺された痛みがあるのはどうしてでしょうね」
「あまり束縛しすぎると羽ばたいて逃げられるぞ」
「他の殿方が良く見えてしまうかも」
「叔母上、酷いですよ」
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