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手紙

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「ほら、尻を突き出して」

「……」

アラン様の部屋で過ごすこと3日目の夜。
もう鞍で擦れたアレは良くなっている気がするのに、未だだと言うアラン様に毎夜塗られ続けていた。町医者のところにいた時からずっと。

横を向かされて塗られたり、仰向けになり膝を抱えさせられて塗られたり、今夜は四つん這いにさせられている。これは虐めの一種では?

今夜もお尻を突き出すようにすると下着を下ろされた。
軟膏を指に付け 僕のタマの裏側に優しく入念に塗り込む。

「っ!」

すっかり反応するようになってしまった。

仰向けにさせられるとアラン様は潤滑油を手の平に垂らし、僕の亀頭を包むとクチュクチュと撫で回す。

「あっ!ダメっ!」

「でも勃っているのだから仕方ないだろう」

「自分でします」

「じゃあ、見せてくれ」

「そうじゃなくて、一人の時にしますっ」

「やっぱり してやらないと駄目じゃないか」

「あっ!」

アラン様は左手で上下に刺激しながら、潤滑油の付いた右の指の腹で蕾を摩り始めた。

「いやっ!汚いっ」

「大丈夫だ、いつものように枕を抱きしめていればいい」

「あっ!あっ!!」

今夜もアラン様の手によって、次から次へと白濁が飛び散った。

「レミ、俺のも触れてくれ」

潤滑油の瓶を傾けたので両手で受けた。
そしてアラン様がガウンの紐を解くと 割れた硬い腹筋の下には 僕とは比べものにならないほど立派なモノが勃っていた。

両手で握ると硬くて熱い。
先っぽやカリや裏筋を重点に確かめるかのようになぞると、アラン様の瞳が強く輝く。

「俺がやったように上下に動かしてくれ」

言われた通りに刺激をして アラン様が達すると サッと拭いた。


背を向けて横になると 後ろから包むようにくっ付いてくる。
アラン様の腕は重い。なのに寝苦しいとは感じることはなく、寧ろ落ち着く。

「こんなの、どうかしています」

「嫌じゃないんだろう?」

「そういう相手が欲しいのならオネスティアの貴族令嬢を娶ればいいじゃないですか。将軍の愛人になりたいという女性も少なくないのでは?」

「レミがいい」

「僕は中途半端にベルゼアの王子です。しかも男ですよ?」

「女の体は好きじゃない。だからといって男が好きなわけじゃない。女のアソコを見るのも触れるのも嫌だし、男のナニも触りたくない」

「わがままですね」

「レミは男だが女のような抱き心地だし、触れても嫌な気にならない。それどころか可愛くて触れたくなる。今じゃ すっかり下着を脱がすとレミは半勃ちしているし、薬を塗ってやると悦んで勃つじゃないか。抜いて萎えていく様がまた可愛い」

「小さくて悪かったな」

「お? 勇ましい口をきくようになったじゃないか」

「バカにして」

「バカになどしていない、本当に可愛いんだ」

「そんなに言うなら咥えてみろよ」

「……」

「冗談ですよ、将軍…えっ!?」

「反抗期の子犬を躾けないとな」

「えっ!待って!嘘嘘!ごめんなさいっ!あっ!」

アラン様が僕の下着をひん剥いて、腰を抑えると性器を咥えた。

口の中で揉みくちゃにされ、萎えていたアレが勃ってくると口を上下に動かされた。

「待って!アラン様っ」

頭を押してもびくともしない。

「あっ!すぐ出ちゃうっ」

アラン様の口内は熱くて滑っとしていて気持ちがいい。舌で裏筋を擦り唇で引っ掛けられ 堪らない。

「ダメっ!出る!出る出る!!」

アラン様の髪を鷲掴みにした。

「アランっ!! ああっ!! ……すごいっ」

全部吸い出すと アラン様は嚥下した。

「ゴクン……まずい」

アラン様は立ち上がり、テーブルの上のワインで味を消していた。僕も立とうとしたけど腰が抜けて崩れ落ちるように床にペタンと座り込んだ。

「危ないだろう」

僕を抱き上げてベッドに降ろすと唇が合わさった。

「気持ち良かったか?」

「…魂が抜けるほど気持ちよかったです」

「口淫は初めてか」

「キスも、手で抜くのも口も何もかもアラン様が初めてです」

「可愛いな」

「バカにしています?」

「また分からせようか?」

「だって」

「余計なことは考えずに気持ちよくなっていればいい。いつもあれこれ考え過ぎだ」

「僕は役立たずだから…」

「充分役に立っているじゃないか。あのヨランとかいう隊長の違和感を感じ取って、争いを扇動したことに気付いたじゃないか。絵は抜群に上手くて助かったし、怪我人の手当てもできる。
それにレミといると心が満たされる。役立ってばっかりだ。レミが居なくなるなんてことは想像もしたくない。このままレミに残って欲しい」

「役立たずじゃない?」

「すごく役に立っているぞ」

「アラン様っ」

抱き付くと 抱きしめ返してくれた。



【 王太子ラファエルの視点 】

バルロック城では辺境伯と副騎士団長エルバド卿と私で意見が分かれていた。

「ヨラン隊長が殺されてレミが連れ去られたんだぞ!」

「オネスティアのせいかどうかは分からないではありませんか」

「殿下、お気持ちは分かりますがベルゼアの全国民の命がかかった決断です」

「ベルトランが惨殺され、ディミトリーの利き腕が斬り落とされ、レミが拐われても?
ならば私の首が刎ねられたら、出陣に満足か?」

「どうか、今しばらくお待ち下さい。国王陛下のご決断を待ちましょう」

「待つまでもない。絶対に父上はレミを取り戻すまで戻るなと仰る。
私はレミに守ってやると約束した。たがえるつもりはない」

「ヨラン隊長と一緒にいた6名の兵士も姿を消しております。一緒に遭難しているだけかもしれません」

「霧で霞んでいたがレミの姿があったんだ。あの声はレミだった」

目の前で私のレミを掻っ攫われたんだ!
オネスティアを滅ぼしたいくらいなのに…


数日後、父上からの手紙を受け取った。

“先ずは引き渡し要求をせよ。
応じなければ滅ぼせ。
レミが死んでいるのなら亡骸を丁重に連れ帰れ”

やはり、父上にとってレミは特別だったのだな。

辺境伯もエルバド卿も手紙を見て私に従うことに同意した。
特にエルバド卿は驚いていた。
国王陛下がベルトランよりも あんな扱いを受けていたレミを大事にしていることが証明されたからだ。


国境の塔からオネスティアにレミの引き渡しを要求した。

答えは手紙だった。

“ラファエル兄上
また迷惑をかけてごめんなさい。
僕は拐われたのではなく、助けてもらったのです。
だから戦争をしようだなんて考えないでください。
事情をお話しします。

僕の15歳の誕生日のことを覚えていますか?
兄上が僕専用の馬を買ってくださいました。
自力で乗れなかった僕を笑ったりせず、“練習すればレミもできるようになる”と言ってくださいました。
いつも兄上はダメだと決めつけずに挑戦させてくださいました。
心より感謝しております。

レミ”

レミの字だ。内容もオネスティアは知らないことだ。間違いない。
レミは連れ去られたんだのではなく保護されているというのか…。

「密議に応じると返事を出してくれ」

「かしこまりました」

レミ、もうすぐ会える。




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