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桃恋は消えた
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卒業試験の3日後、掲示板に張り出されたのはまさかの[桃恋]終了だった。
“次の者を試験中の不正により退学処分とする
シャルロット・ベルビュー”
はい!?
掲示板と空を往復させたが、天からの反応は無い。
えっと…カンニングってことよね?
ヒロインがカンニングで退学って…
まさか、逆ハーが築けず勉強を教えてもらえなかったから?
どうしよう。[桃恋]というタイトル負け…いや、無関係に近いタイトルを付けた小説になっちゃったわ。スーザンは別に恋してるわけじゃ無いし、私は一人だし……エリアーナ様は結婚済みだし。
「お姉様、彼女 去りましたね」
「そうね。代わりにすごく恋してる人はいないかしら」
「恋している人ですか?マチアス公子とか?」
あ…
「お姉様。跡継ぎ同士だからマチアス公子を受け入れないのですか?」
「何で知ってるの」
「公子の表情です。みんな知っていますよ」
「マチアス様にそういう気持ちになってないのよね。ほら、クズとの婚約があったでしょう?できれば次は恋愛結婚したいって思っていたの」
「シルベストル殿下だったら受け入れましたか?」
「結婚したいとまで思っていなかったけど、きっと受けたわね」
「私、お姉様に幸せになって欲しいんです」
「私もスーザンに幸せになって欲しいわ」
「マチアス公子ならお姉様を守れそうだと思います」
屋敷に帰ると手紙が届いていた。
グラシアン殿下からで、“遊びに来い”と書いてあった。使者の人も大変ね。こんな手紙を届けに遠くまで馬に乗って走り続けるのだもの。
“忙しいから嫌です”
翌日、使者が返信の手紙を受け取り帰っていった。
グラシアン殿下の他にシルヴェストル殿下からの手紙もあった。
“会いに行く”
婚約前の一時帰国だろうと思うけど、胸騒ぎがする。
卒業パーティが始まった。
陛下が上位10名を呼び記念品を渡した。
私は4位で卒業になった。
ちなみに1位はマチアス様。
2位はリヴウェル様、3位は殿下だった。
ダンスまで時間があるらしい。
私はパートナー無しの参加にしたので自由に動いていた。先ずは王宮デザートを味見して、参考にしよう。
皿にデザートを取り、隠れるように食べ始めた。
早速手を付けているのは私だけだ。
マチアス様達は上位なのでいろいろな人に捕まっている。さっと抜けて良かった。
「アリス」
横に立ち懐かしい声で私の名前を呼ぶのは…
「シルヴェストル様!」
「しっ。こっちに来て」
シルヴェストル様に連れられて会場を出てシルヴェストル様の部屋のテラスに連れてこられた。
「会いたかった」
「私もです」
力強く抱きしめるその腕に身を任せ、私も抱き付いた。
「お元気でしたか」
「政略にはまって大人しくしていたよ」
「え?」
「トリシア王女との婚約はバンフィールド家の策略だった」
「策略?」
「アリスから私を遠ざけたかったのだろう。コルシックへの支援を条件に、公子との婚約を解消し、私を婿に望むよう仕向けた」
「そんなこと…」
「王女達が話しているのを聞いてしまった。
“国に残れる恋愛結婚になって良かったですね”という侍女に、“これは恋愛じゃなくて政略結婚よ。支援と引き換えに恋愛結婚のフリをするの。マチアス様は別に好きな人ができたようね”と言ったんだ」
「まさか」
「王妃も王妃の産んだ王子も失脚、王妃の実家は国が関与しなくては治らないほど荒れた。
グラシアン王子の実母を正妃に立てることができて国王陛下もお喜びだった。支援も受けられたしな。
トリシア王女にも騙された訳だが、違和感はあったんだ」
「シルヴェストル様」
「私はアリスを愛していたんだ。テムスカリンと婚約解消できたら求婚するつもりだった」
「トリシア王女との解消は」
「国同士の婚姻契約だ。恋愛じゃなかったとしても、それが何だと言われてしまう。国同士の繋がりのための婚姻だと言われるだけだ」
「こんなの酷い…」
「伝えないと後悔すると思った。だからといってこの状況が変わるわけじゃないが、言いたかった。
アリス、愛してる」
私のせいだわ。私のせいで…
「私もお慕いしております」
シルヴェストル様のキスに応えた。優しいキス…
「シルヴェストル様」
「アリス」
「私の純潔をもらってくださいませんか」
「アリス?」
「私の心と身体をシルヴェストル様に受け取って欲しいのです」
「後悔しない?」
「嫌ですか」
「嬉しいに決まってる。だが、純潔は」
「貴族令嬢が純潔な方ばかりではありません。私は婚約者もいませんし、王族に嫁ぐ予定もありません」
「本当にいいのか」
「ジオニトロ邸に来ますか」
「だが、」
「スーザンは明後日まで帰りません。リオネル殿下と公務がありますので」
「分かった」
護衛がついてきてしまったが、ジオニトロ邸に移った。ローリーは頬を染め涙を浮かべていた。
使用人や護衛達を部屋から遠ざけてくれた。
そして私とシルヴェストル様は結ばれた。
夜も夜中も朝も昼も愛し合い、初めての痛みは消えて快楽を拾えるまでになった。
幸せな時間だった。
スーザンが戻るという先触れが届くまで身体を繋げ愛を囁き合った。
愛とまで言えるか分からないが、彼が好きだ。
犠牲になった殿下に出来ることはこれしかなかった。
時が遡り、コルシック王国を宝石で支援が出来ても、私にはバンフィールド家のように王妃の実家を潰すことはできないから、コルシックの国王はバンフィールドと手を結ぶことを選んだはずだ。
“またいつか”
そう言ってシルヴェストル様を見送った。
マチアス様から何度か連絡があったみたいだけど“お嬢様は熱がある”と断ってくれていた。
シルヴェストル様が帰ってから数日後、マチアス様の顔からは笑顔が消えていた。
「シルヴェストル殿下と会った?」
「もちろん会いました」
「何を話したの」
「向こうでの暮らしと私の近況です」
「シルヴェストル殿下はいつ帰ったの」
「さあ、熱があって曖昧ですが、心配なさって滞在はしてくれていたようです。スーザンが帰ると聞いて交代するように帰ったと聞きました」
「それだけ?」
「他に何かないといけないのですか?」
「いや…」
「マチアス様。私達は友人でいましょう」
「アリス?」
「私は貴方のものではないのに今からこんなに束縛されては先が思いやられます。縁談はお断りします」
「アリス!」
「マチアス様は他のご令嬢と婚約なさってください」
「悪かった。改めるから、」
「もう無理です。私の心は変わりません」
「アリス!」
“次の者を試験中の不正により退学処分とする
シャルロット・ベルビュー”
はい!?
掲示板と空を往復させたが、天からの反応は無い。
えっと…カンニングってことよね?
ヒロインがカンニングで退学って…
まさか、逆ハーが築けず勉強を教えてもらえなかったから?
どうしよう。[桃恋]というタイトル負け…いや、無関係に近いタイトルを付けた小説になっちゃったわ。スーザンは別に恋してるわけじゃ無いし、私は一人だし……エリアーナ様は結婚済みだし。
「お姉様、彼女 去りましたね」
「そうね。代わりにすごく恋してる人はいないかしら」
「恋している人ですか?マチアス公子とか?」
あ…
「お姉様。跡継ぎ同士だからマチアス公子を受け入れないのですか?」
「何で知ってるの」
「公子の表情です。みんな知っていますよ」
「マチアス様にそういう気持ちになってないのよね。ほら、クズとの婚約があったでしょう?できれば次は恋愛結婚したいって思っていたの」
「シルベストル殿下だったら受け入れましたか?」
「結婚したいとまで思っていなかったけど、きっと受けたわね」
「私、お姉様に幸せになって欲しいんです」
「私もスーザンに幸せになって欲しいわ」
「マチアス公子ならお姉様を守れそうだと思います」
屋敷に帰ると手紙が届いていた。
グラシアン殿下からで、“遊びに来い”と書いてあった。使者の人も大変ね。こんな手紙を届けに遠くまで馬に乗って走り続けるのだもの。
“忙しいから嫌です”
翌日、使者が返信の手紙を受け取り帰っていった。
グラシアン殿下の他にシルヴェストル殿下からの手紙もあった。
“会いに行く”
婚約前の一時帰国だろうと思うけど、胸騒ぎがする。
卒業パーティが始まった。
陛下が上位10名を呼び記念品を渡した。
私は4位で卒業になった。
ちなみに1位はマチアス様。
2位はリヴウェル様、3位は殿下だった。
ダンスまで時間があるらしい。
私はパートナー無しの参加にしたので自由に動いていた。先ずは王宮デザートを味見して、参考にしよう。
皿にデザートを取り、隠れるように食べ始めた。
早速手を付けているのは私だけだ。
マチアス様達は上位なのでいろいろな人に捕まっている。さっと抜けて良かった。
「アリス」
横に立ち懐かしい声で私の名前を呼ぶのは…
「シルヴェストル様!」
「しっ。こっちに来て」
シルヴェストル様に連れられて会場を出てシルヴェストル様の部屋のテラスに連れてこられた。
「会いたかった」
「私もです」
力強く抱きしめるその腕に身を任せ、私も抱き付いた。
「お元気でしたか」
「政略にはまって大人しくしていたよ」
「え?」
「トリシア王女との婚約はバンフィールド家の策略だった」
「策略?」
「アリスから私を遠ざけたかったのだろう。コルシックへの支援を条件に、公子との婚約を解消し、私を婿に望むよう仕向けた」
「そんなこと…」
「王女達が話しているのを聞いてしまった。
“国に残れる恋愛結婚になって良かったですね”という侍女に、“これは恋愛じゃなくて政略結婚よ。支援と引き換えに恋愛結婚のフリをするの。マチアス様は別に好きな人ができたようね”と言ったんだ」
「まさか」
「王妃も王妃の産んだ王子も失脚、王妃の実家は国が関与しなくては治らないほど荒れた。
グラシアン王子の実母を正妃に立てることができて国王陛下もお喜びだった。支援も受けられたしな。
トリシア王女にも騙された訳だが、違和感はあったんだ」
「シルヴェストル様」
「私はアリスを愛していたんだ。テムスカリンと婚約解消できたら求婚するつもりだった」
「トリシア王女との解消は」
「国同士の婚姻契約だ。恋愛じゃなかったとしても、それが何だと言われてしまう。国同士の繋がりのための婚姻だと言われるだけだ」
「こんなの酷い…」
「伝えないと後悔すると思った。だからといってこの状況が変わるわけじゃないが、言いたかった。
アリス、愛してる」
私のせいだわ。私のせいで…
「私もお慕いしております」
シルヴェストル様のキスに応えた。優しいキス…
「シルヴェストル様」
「アリス」
「私の純潔をもらってくださいませんか」
「アリス?」
「私の心と身体をシルヴェストル様に受け取って欲しいのです」
「後悔しない?」
「嫌ですか」
「嬉しいに決まってる。だが、純潔は」
「貴族令嬢が純潔な方ばかりではありません。私は婚約者もいませんし、王族に嫁ぐ予定もありません」
「本当にいいのか」
「ジオニトロ邸に来ますか」
「だが、」
「スーザンは明後日まで帰りません。リオネル殿下と公務がありますので」
「分かった」
護衛がついてきてしまったが、ジオニトロ邸に移った。ローリーは頬を染め涙を浮かべていた。
使用人や護衛達を部屋から遠ざけてくれた。
そして私とシルヴェストル様は結ばれた。
夜も夜中も朝も昼も愛し合い、初めての痛みは消えて快楽を拾えるまでになった。
幸せな時間だった。
スーザンが戻るという先触れが届くまで身体を繋げ愛を囁き合った。
愛とまで言えるか分からないが、彼が好きだ。
犠牲になった殿下に出来ることはこれしかなかった。
時が遡り、コルシック王国を宝石で支援が出来ても、私にはバンフィールド家のように王妃の実家を潰すことはできないから、コルシックの国王はバンフィールドと手を結ぶことを選んだはずだ。
“またいつか”
そう言ってシルヴェストル様を見送った。
マチアス様から何度か連絡があったみたいだけど“お嬢様は熱がある”と断ってくれていた。
シルヴェストル様が帰ってから数日後、マチアス様の顔からは笑顔が消えていた。
「シルヴェストル殿下と会った?」
「もちろん会いました」
「何を話したの」
「向こうでの暮らしと私の近況です」
「シルヴェストル殿下はいつ帰ったの」
「さあ、熱があって曖昧ですが、心配なさって滞在はしてくれていたようです。スーザンが帰ると聞いて交代するように帰ったと聞きました」
「それだけ?」
「他に何かないといけないのですか?」
「いや…」
「マチアス様。私達は友人でいましょう」
「アリス?」
「私は貴方のものではないのに今からこんなに束縛されては先が思いやられます。縁談はお断りします」
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