【完結】貴方のために涙は流しません

ユユ

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異変(オルデン)

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【 オルデンの視点 】

テムスカリン子爵家は富豪と言える。
8代前は平民だった。当時の当主がやはり困窮した男爵家に婿入りし、爵位を買ったのだ。
男爵家の一人娘に目を付けて借金の肩代わりと夫人の治療費の支援をする代わりに息子を婿にさせた。

そして3代前の当主は同じやり方で息子を子爵家の婿にさせた。こうやって“貴族”を手に入れてきた。

優秀な子に商会を継がせて駄目な方をより爵位の高い家に婿養子にやり、婚姻が決まり、代替わりすると、身内を籍に入れてしまうのだ。



今回、優秀な長男が子爵と商会を継ぎ、男爵は叔父の子へ。私は顔が良いからと婿の役割を言い渡された。

その顔合わせが12歳の時にあった。

暗いブスと顔立ちの整った金髪の2人が立っていた。暗いブスの方が婚約者だった。
嫌で嫌で仕方なくて、帰ってから妹の方が良いと言ったが、妹は王子妃候補になっていて駄目だと言われた。

大事にしろと言われたが、数ヶ月に一度 親に連れられて女と会うと相変わらずの暗さとダサさでとても関わりたくなかった。



歳の離れた兄上が卒業し、両親と一緒に領地へ戻ってしまった。後継者教育のためだった。

色々な茶会に出掛けたり、街で買い物をしたりして過ごすうちに多くの出会いがあった。

先ずは、転職してきたメイドだ。
平民にしては見た目がいい18歳の女だった。
試用期間を終えると私の専属になった。

当時私は13歳になりたてで、ある悩みを抱えていた。

恥ずかしくて下着と寝間着を抱えていた。

「オルデン様、少しお話しをしましょう」

綺麗なメイドに話すのはとても恥ずかしかったが、ビエラは慣れていた。

「オルデン様。健康な殿方は子孫を残そうと、精子という子種が次々と生産されるのです。これからもっと……」

閨教育がまだだった私はビエラの教えてくれることが全てだった。

「夢精を防ぐには刺激をして排出してしまうのです」

「でも……」

「このままではお友達や親戚、知り合いのお屋敷で汚してしまいますわ」

「教えて欲しい」

夜、消灯後にビエラは湯とタオルと瓶を持ってやってきた。

「汚すといけませんから、服を脱いでください」

言われた通り、服を脱ぎ、ベッドに腰を掛けた。

ビエラは私の前に座り瓶の中身を手に出すと、少し手で温めた後、陰茎に塗り付けた。

「くっ!」

「お声は控えてくださいね。オルデン様のためにしていますがメイドの仕事ではありませんのでバレたらクビになりますから」

そう言って、両手で陰茎を扱き始めた。

クチュ クチュ クチュクチュクチュ……

「ビエラ、何かおかしい」

「痛みますか?」

「違う」

すごく気持ちいい。

「あっ!」

勢いよく陰茎から白い液体が断続的に飛び出してビエラを飛び越えながら髪や顔にベッタリとかかった。

「っ!すまない」

「気持ち良かったですか?」

「すごく」

「まだおさまりそうにありませんので続けますね」

そう言って毎日、二、三回抜いてくれた。



ある日、王都の外れで見てしまった。路地の奥で、男が陰茎を出して女が跪き頭を動かしていた。

それをビエラに聞いてみた。

「私のように手でお慰めする場合の他に、女性の体の他の部分を使う場合があります。
胸が大きな女性は胸で挟み、腿の付け根で挟んだり、口を使ったりします。
オルデン様が見かけたのは、お口でのご奉仕でしょう」

「……」

「もしかして、お望みですか?」

「……」

「命じていただければ、ご奉仕いたします」

「……頼む」

裸になり座った。

「オルデン様、もう出るタイミングは分かりましたね?」

「うん」

「お口での奉仕の時は、出すときは必ず告げてから出してください」

「分かった」

パクっ

「くっ! ちょっと待って、もう少し優しく」

そう言うとゆっくり優しく舐めてくれた。
温かくて気持ちよくて、すぐだった。

「出る」

ビエラは口から離して手で扱いた。


翌日は少し昨日よりも舐め方が違った。先だけじゃなくて半分咥えられると もの凄く気持ち良くて、またすぐ出てしまった。


それを繰り返すと段々と慣れてきた。

「もう少し根元まで咥えて」

根元までとはいかなかったが、いつもより咥えてくれた。ビエラは苦しそうだった。だけど気持ちがいい。

「根元まで入れたい」

「できる方は少数です」

「どうして?」

「喉を突かれて吐き気を催してしまうのです。大抵は嘔吐するでしょう」

「ビエラも?」

「はい」

「でも気持ちいいんだ」

「今のが精一杯です」




ビエラが奉仕し始めて半年が過ぎていた。

その頃にはセックスというものを知ることになる。

友人の屋敷に泊まりに行った時に、なかなか眠りにつけず、屋敷内を散歩しようと下に降りた。その時、調理室の隣の部屋から声が漏れた。

覗くと、メイドは乳房を揺らしながら不思議な声をあげていた。当主は陰茎をメイドの尻に突き立てていた。

「誰だ!」

「す、すみません。眠れなくて」

当主は溜息を吐くと手招きをした。

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