【完結】貴方のために涙は流しません

ユユ

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シルビア様とのお喋り

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ガーネット夫人に毒の話をしたのが3ヶ月前。

夫人は夫に相談。夫は王城へ行き犯罪調査を行う担当に相談。
夫人は入院。
そこに見舞いといって現れた夫人の姉が持ってきた特別な差し入れの菓子を、看護師扮する女性兵士が没収。その菓子を王城に持っていき、死刑囚に与えると夫人と同じ症状を発症。
夫人の姉を逮捕、家宅捜索。
姉妹の母の日記と、共犯の医師との手紙と毒草を押収。
夫人の主治医も逮捕。
夫人は毒が抜けて退院。
そしてリハビリをして体力を戻した。



「ねえ、アリスちゃん。そろそろ息子に会わない?」

「会いません」

「そんなこと言わずに~、お願いよぉ」

「甘えても駄目です。私は仮にも嫌でも仕方なくとも婚約者持ち。ご子息もご立派な婚約者がおられます」

「硬いわぁ。少しくらい」

「シルビア様が仰ったのですよ?息子には婚約者がいるからと」

「だってぇ」

「だってじゃありません。
しかも幼馴染ですよね。大事になさってください」

「ほらぁ、運命とかあるかもしれないしぃ」

「シルビア様、どこで覚えたのですか、その口調」

「ん? 旦那様に言い寄る女狐」

「あ~」

「アリスちゃんの婚約者は随分早くから遊んでるって聞くわよ?」

「仰る通りです。そしてこの先も馬鹿みたいに発情期が治らない猿として生き抜くのです。
最早何をしても彼は救われません」

「ふふっ、相当嫌われているわね」

「お金の面では感謝しておりますわ。
3年分お返しして解消したいとは思っておりますが」

「他から支援があるの?」

「ありません。ちょっと資産があって現金化するのに時間を有するのです」

「そう。手伝えるなら手伝うわよ」

「見返りは何ですか」

「息子に、」

「自力で頑張ります」

「ねえ、そのネックレス、素敵ね」

「ネックレスとイヤリングとブレスレットの3点セットです」

「指輪はないの?」

「手袋する時に邪魔ですから」

「次は泊まりで来ない?」

「来ません」

「娘がいなくてつまらないの」

「ご子息方の婚約者をかまえばいいではありませんか」

「2人はお嫁さんって感じで、アリスちゃんは娘って感じなのよ」

「ご子息が不在ならば参ります」

「もっと砕けた話し方をしてよ」

「伯爵に叱られます」

「喜んでいるわよ。アリスちゃんが来るたびに私が元気になるから。
会いたがっていたけど仕事から戻るとアリスちゃんが帰った後でガッカリしてるわ。
今日は何処に寄り道するの?」

「図書館です」

「一緒に行こうかしら」

「お喋り禁止ですが」

「うちの図書室じゃ駄目?」

「遭遇率を上げようとしても無駄ですよ」
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