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第二妃に

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ノーブル王国のオスカー王太子殿下とイリス王太子妃殿下と昼食を食べることになってしまった。

イ「あらあら。ちゃんと噛まなくちゃダメよ」

コクン (頷く)

イ「こっちのお料理も食べる?」

コクン (頷く)

イ「食べる姿が可愛いだなんて 困るわぁ」

ニコッ(愛想笑い)

イ「こんなことなら国からお菓子を持ってきたのに」

キラン(異国のお菓子!)

イ「食べたいのね? 

連れてきた侍女エディット、作り方を知ってる?」

エ「一つだけ、焼き菓子ですが。
厨房に相談して参ります」

イ「お願いね」

ゴクン

私「そんなお手間を取らせるわけには」

エ「どうかお任せくださいませ。
材料さえあれば作れますので」

私「ありがとうございます」


イ「クリスティーナ様は、政略結婚になるのかしら」

私「私の知る限りでは違います」

イ「幼馴染だから?」

私「最近まで友人だと思っていたのですが、それだけじゃなかったと周囲からも言われまして。
全く気が付かずに過ごして参りました」

イ「公子はどうなの?」

私「昔からすごくよく面倒を見てくれます。
どんな私を見ても引くことはありません」

イ「婿入りなのよね?」

私「はい。そのはずです」

イ「もし、侯爵家を継がなくてもいいと言われたら公子とはどうするのかしら」

私「解消になるでしょう。
彼は生まれも育ちも公爵家ですから平民にはなれません」

イ「そうなのね」

私「でも彼以上の人は現れない気もします」

イ「そうなの?」

私「彼なら私がどんな粗相をしても世話をしてくれると思います」

イ「余程の世話焼きなのね」

私「私もそう思います」


ティータイムにノーブル王国の伝統的な焼き菓子を振る舞ってくださった。


夕方には屋敷に戻ってゴロゴロして過ごした。

建国記念のお休み中ノエルくんが遊びに来たり、クラスメイトのお屋敷に遊びに行った。

だけど最終日前日からまた王城への招待召喚を受けることになる。




その間、王城では、ノーブル王国の王太子夫妻とファーズ侯爵が話し合っていた。

「クリスティーナを?」

「ええ。オスカー様の第二妃にお迎えしたいと思いますの。クリスティーナ様が可愛くて。一緒に過ごせたらと胸が高まりますわ」

「娘は跡継ぎですし、国外に出すつもりはございません」

「クリスティーナがノーブルに…俺の元に嫁いでくれたら大切にすると誓おう。フォセットとノーブルの友好関係は強固になるから国益にもなるし、ファーズ侯爵家にもしっかりと支援しよう」

「クリスティーナは婚約しております」

「ファーズ侯爵家は迎える側だ。
他に跡継ぎを必要としている家門を紹介すればいい。公爵家との縁を繋げるのならと 今の婚約を解消してでも婿に迎えたいと申し出がいくつも出るだろう」

「ノエル殿は幼い頃からずっとクリスティーナの側で護り支えてくれた一途な男です」

「だとしても、こちらの縁談の方が有益だ」

「クリスティーナの気持ちが一番です」

「ではクリスティーナ様が承諾すれば異議はございませんね?」

「そ、それは」

「クリスティーナ様は?」

「屋敷に戻り婚約者と交流をしておりますし、クラスメイトの屋敷に遊びに行く約束をしているようです」

「登城させてくださるかしら。駄目なら私達がファーズ邸に滞在するのもよろしいですわ」

「…かしこまりました」

というやり取りをしていた。



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