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誕生日
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夕方、ファーズ邸に戻ってきた。
「誕生日おめでとう、クリスティーナ」
「ありがとうございます お父様」
「おめでとう、クリスティーナ」
「公爵様、ありがとうございます」
セイル様、ケイン様に続いてノエルくんもお祝いの言葉をくれた。
お父様からはお願いしていた特注の手袋。
公爵様は暖かそうなカーディガン。
セイル様はポシェット。
ケイン様は帽子。
ノエルくんは……
「髪飾り?」
「着けてあげる」
私の背後に周り、小ぶりでリボンの形をした真ん中に紫の宝石のついた髪飾りをつけた。
「いつも着けて」
「?……ありがとうございます」
かなり豪勢な食事を少しずつ食べた。
セ「クリスティーナは美味しそうによく食べる。
見ていて飽きないよ」
ケ「小さな口なのに入っていくんだもんな。
クリスティーナは食べ物は何が好き?」
私「あまりこだわりはありません。
美味しいものなら嬉しいです」
ノ「……」
ノエルくんは話しかけはしないが、ずっと私を見ていた。観察してるのかというくらい。
相手にすると面倒だから放っておいた。
食後になるとお茶を飲みながら、やっと解放されると喜んでいたのに……。
公「クリスティーナ。
襲撃の件だけど、狙われたのはクリスティーナだった」
私「私ですか?」
父「怨恨らしいんだ。
もしかしたらヘレナが依頼主かもしれない」
私「手加減したからですか?」
父「手加減?」
私「3人とも縛って錘をつけて沼に沈め、」
父「ク、クリスティーナ、怖がらなくていいからね。
調査が終わって犯人を捕まえて処罰するまで公爵が守ってくださるそうだ」
私「ここでも大丈夫ですよ」
公「破落戸者ではなく、傭兵をたくさん雇える資金があるようだから、公爵家の方が安全だ。
ファーズ邸の使用人達が怪我をしたら困るだろう?
うちの方が兵士が多いから より安全なんだよ」
そう言われてしまうと……。
セ「クリスティーナ。うちに武器庫あるよ」
私「お世話になります!」
公「ノエル。今度クリスティーナと一緒に登城しなさい。城の武器庫も見せてあげよう」
ノ「はい」
私「ノエルくん!いつ行く?」
ノ「い、いつでも」
私「ノエルくんは武器庫見たことあるの?」
ノ「城の武器庫はない」
私「じゃあノエルくんも楽しみだね」
ノ「……うん」
セ「ノエル。クリスティーナの手を繋いで、ちゃんとエスコートするんだぞ」
ノ「 !! 」
公「そうだな。城に来ている者が全員いい人とは限らないからな。ちゃんと手を引いてやらないと」
ケ「歩く速さはクリスティーナに合わせるんだぞ」
私「ケイン様は行かないのですか?」
ケ「雇っている教師がいるから」
私「残念です」
ノ「……」
結局 公爵邸に戻ってきてしまった。
「誕生日おめでとう、クリスティーナ」
「ありがとうございます お父様」
「おめでとう、クリスティーナ」
「公爵様、ありがとうございます」
セイル様、ケイン様に続いてノエルくんもお祝いの言葉をくれた。
お父様からはお願いしていた特注の手袋。
公爵様は暖かそうなカーディガン。
セイル様はポシェット。
ケイン様は帽子。
ノエルくんは……
「髪飾り?」
「着けてあげる」
私の背後に周り、小ぶりでリボンの形をした真ん中に紫の宝石のついた髪飾りをつけた。
「いつも着けて」
「?……ありがとうございます」
かなり豪勢な食事を少しずつ食べた。
セ「クリスティーナは美味しそうによく食べる。
見ていて飽きないよ」
ケ「小さな口なのに入っていくんだもんな。
クリスティーナは食べ物は何が好き?」
私「あまりこだわりはありません。
美味しいものなら嬉しいです」
ノ「……」
ノエルくんは話しかけはしないが、ずっと私を見ていた。観察してるのかというくらい。
相手にすると面倒だから放っておいた。
食後になるとお茶を飲みながら、やっと解放されると喜んでいたのに……。
公「クリスティーナ。
襲撃の件だけど、狙われたのはクリスティーナだった」
私「私ですか?」
父「怨恨らしいんだ。
もしかしたらヘレナが依頼主かもしれない」
私「手加減したからですか?」
父「手加減?」
私「3人とも縛って錘をつけて沼に沈め、」
父「ク、クリスティーナ、怖がらなくていいからね。
調査が終わって犯人を捕まえて処罰するまで公爵が守ってくださるそうだ」
私「ここでも大丈夫ですよ」
公「破落戸者ではなく、傭兵をたくさん雇える資金があるようだから、公爵家の方が安全だ。
ファーズ邸の使用人達が怪我をしたら困るだろう?
うちの方が兵士が多いから より安全なんだよ」
そう言われてしまうと……。
セ「クリスティーナ。うちに武器庫あるよ」
私「お世話になります!」
公「ノエル。今度クリスティーナと一緒に登城しなさい。城の武器庫も見せてあげよう」
ノ「はい」
私「ノエルくん!いつ行く?」
ノ「い、いつでも」
私「ノエルくんは武器庫見たことあるの?」
ノ「城の武器庫はない」
私「じゃあノエルくんも楽しみだね」
ノ「……うん」
セ「ノエル。クリスティーナの手を繋いで、ちゃんとエスコートするんだぞ」
ノ「 !! 」
公「そうだな。城に来ている者が全員いい人とは限らないからな。ちゃんと手を引いてやらないと」
ケ「歩く速さはクリスティーナに合わせるんだぞ」
私「ケイン様は行かないのですか?」
ケ「雇っている教師がいるから」
私「残念です」
ノ「……」
結局 公爵邸に戻ってきてしまった。
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