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孤児院の新入生

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「リリアーヌ嬢、週末から次男のハミエルを参加させたい。生徒としてだが頼めるか」

「公爵家のご子息をですか!?」

「息子は12歳で、家庭教師は付けている。息子の実力を知りたい」

「私でお役にたてるのであれば」

「ありがとう。
明日から来週末までのスケジュールをもらえないか」

「はい。今ご用意しますのでお待ちください」






そして翌日。

「ハミエル・デクスターです。少しの間、みなさんと勉強をさせていただきます。
よろしくお願いします」

全員「初めまして、デクスター様。歓迎いたします」

「…」

「リリアーヌと申します。デクスター様の席はあちらです」

「私は生徒ですからハミエルとお呼びください」

「わかりましたわ。ハミエル様」


「みなさん、今日は隣国の言葉で会話をしましょう。私が指名して質問をするから、隣国の言葉で返してね。年齢によって難易度を変えるわ」

スッ

「はい、カリーさん」

「先生、質問です。隣国の言葉はペルル語ですか、ルフレール語ですか」

「どっちかよ。ではカリーさんからいきましょうか

《貴女が食べられない物は何ですか》」

《辛い食べ物です》

「ありがとう。

ミナさん、《朝食の野菜は全部食べましたか》」

《野菜は出ませんでした。ジャムパンとジュースです》

「ありがとう。

ジオルドさん、《ペルルの国王夫妻の名前を教えてください》」

《ジェームズ国王陛下とカメリア王妃様です》

「ありがとう。

トニーさん、『私はある国の言葉で話をしていますが、何処の国ですか?その国が崇めている神の性別を教えてください』」

『ルフレール王国です。光の女神様を信仰なさっています』

「ありがとう。

ダニエルさん、『来年、この国で祝い事がありますがそれは何ですか』」

『国王夫妻の婚姻25周年記念です』


「ありがとう。

次は隣国とこの国に関係する質問をするわね」

全員「はーい!」

「我が国では一般的な薬草茶でも、ペルルに持ち込めない薬草茶は何ですか」

「はい!」

「ソレーヌさん」

「紅月草茶です。ペルルの主食の穀物のひとつとの食べ合わせが悪く、お腹を下してしまうからです」

「正解です。

では、ルフレールに輸出しているものの中で1番の売り上げになっているものは何ですか」

「はい!」

「ハミエル様」

「シルクです」

「惜しいです。4年前はそうでした」


「はい!」

「アンナさん」

「銅です」

「惜しい。それは別の国ね。」


「はい!」

「ダニエルさん」

「麻酔薬」

「正解!
新たに開発された麻酔薬はまだとても高価なものですが、ルフレールの地形は複雑で事故や災害も起きやすいですからね。

昨年は怪我人が多くて沢山消費したそうです」

「…」



「みなさん、今日の新聞です。回し読みしてくださいね」

「先生!王宮新聞がありません」

「休刊なんですって。

では、また明日。明日は正八面体展開図をやります。考えてきてくださいね!
あと、マナー講座でケーキを食べますよ」

「やったー!」

「…」

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