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ある意味正直なルイ
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【 ルイ・オートウェイルの視点 】
アンナと出会った日を思い出した。
「お爺さん、手伝いますよ」
は?
子爵邸の廊下で書類を落としてしまった時に後ろから話しかけられた。
平民服を着た彼女は書類を拾うと笑顔で“どうぞ”と僕の手の上に乗せた。それと同時に蒼白になった。
「ご、ごめんなさい。失礼しました!」
立ち去った女性を案内していたジョナサンに後で聞いた。
「旦那様がうちで働くよう声を掛けたと聞いております。先に屋敷内の案内に連れて行かせましたので、間もなく旦那様から声がかかるかと思います」
少しして面談が始まったが、彼はもう決めていた。
彼女の方が貴族の屋敷で働く事を嫌がっているように見えた。
不思議な子だ。後ろから見て白銀の髪が白髪に見えたのだろう。
顔を見て蒼白になる初対面の女は初めてだ。
大抵は数秒止まってじっと見られる、うっとりとした目で見られる、場合によっては言い寄られるなどの反応ばかりだったが彼女は違った。
平民のアンナ。幼馴染で恋人で婚約者だった男は、アンナを陥れて皆を騙した女と婚姻してしまった。自身のための式が勝手に乗っ取られていたのだ。そして家族と一緒に町から追い出されるようにうちの侯爵領に移住してきた。
調査結果はアンナの主張通りだった。彼女は室内の掃除係に配属された。
採用後の彼女を見ると、自分の仕事だけするのではなく、誰にでも声を掛けて手助けをする。野菜の皮を剥いていることもあれば水汲みをしていることもある。土いじりをしている時もあれば馬糞の片付けをしていることもある。具合が悪そうな者には自分が代わるからと早めに上がらせたり、荷物が多いと運ぶのを手伝う。
美人とは言えない。平民の中ではまずまずの容姿なのは分かるが貴族の中では霞んでみえる…はずなのに、彼女は輝いて見えた。特にあの笑顔。この子なら信じられると思った。何より言い寄らないし見つめてもこない。きっと外見や侯爵家という装飾無しに僕を見てくれるはずだ。
ある日、私兵の1人がアンナと楽しそうに雑談をしていて、肩に手を回した。
「よーし、アンナ!お兄さんが観光に連れて行ってやろう…あ、すまん。嫁に叱られそうだから小遣いをやろう」
僕と目が合った私兵は目を泳がせパッと肩から手を離した。僕に気付かなかったら観光に行ってしまっただろう。
別の日にはジョナサンがポケットから菓子を取り出してアンナにあげて頭を撫でていた。
嬉しそうに微笑むアンナを見て、頭の中は黒いモヤに包まれた。
下男は休み明けに、アンナに何やら土産を渡していた。
昼の料理はアンナのオムレツだけソースが星形になっていた。
庭師は通りかかったアンナに花を渡した。
補佐の1人はアンナをデートに誘っていた。
駄目だ。一刻も早く手を打たなければ盗られる。だからランベール様に相談した。
とにかくアンナに教育をしなければならないということで、子爵家の会議が開かれた。
ジネット大奥様、奥様、ランベール様と僕で話し合った。
奥「え? 挨拶しかしていないのに婚姻することになっているの?」
ラ「ルイの中ではな。アンナからすれば執務室にいる他人だ」
奥「それは流石に…」
ジ「オートウェイル侯爵家は反対なさるんじゃないかしら」
ラ「そんなのを気にする奴じゃない。これまで侯爵や夫人や親戚が持ってきた縁談を、令嬢に直接圧をかけたり冷たくしたり欠点を指摘し続けたりして断らせてきた男だからな」
奥「うわっ」
ジ「ルイが良くてもアンナが潰れてしまうわよ?
貴族令嬢じゃないんだから 嫌だと思えば羽が生えたように消えてしまうわ、平民の世界に隠れてしまったら見つけるのは大変よ。
名前も簡単に変えられるし、美人とか醜女とかじゃないから溶け込み易いのよ
そしてあっという間に婚姻してしまうわ。平民は貴族と違って長い婚約期間なんて要らないから、反対さえ無ければ即婚姻するわよ」
僕「他の男と?そんな事をしたら相手の男を川底に沈めてやります」
奥「アンナは手遅れのようね」
ラ「その本人は何も知らないけどな」
ジ「私の付添人にしましょう。教育をする理由になるし、その間にルイはアンナと交流を持ちなさい。侯爵家の力を使って無理矢理婚姻するつもりじゃなければ、アンナに好きになってもらわないと」
僕「っ!!」
奥「初心ね」
ジ「心配だわ」
ラ「まさか童貞か?」
僕「当然です!」
ラ「だがな。アンナは平民だから貞操観念は高くはないだろう。幼馴染が恋人だったわけだし婚約もしていたから、多分アンナは経験済みだと思うぞ。
それは覚悟しておけよ」
僕「ちょっとアンナが昔暮らしていた町に行ってきます」
ラ「駄目だ。その隙にアンナに出会いがあるかもしれないぞ」
僕「…伝手を使って刺客を送るしかありませんね」
ラ「いいから止めろ」
結局 大奥様の付添人に決まった。
アンナにとって大変なのは分かっている。だけど僕はもうアンナに決めてしまった。
仕事の合間にアンナの様子を何度も見に行っていたらランベール様に怒られた。
それでも気になって様子を見に行く途中、下男が走って来た。
「ルイ様 大変です!」
貴族出身のメイド2人がアンナの頭に汚れた雑巾を置いたらしい。
アンナの部屋の方へ向かうと、髪を洗い流したのか髪が濡れていて、ポタポタと雫が頬を伝い胸元に落ちてブラウスを濡らし肌に張り付いて透けていた。
上着を脱いでアンナに被せて抱き上げた。
部屋に連れて行きメイドに託した。
その後、ランベール様に報告し、僕の手で始末してくると言って部屋を出ようとすると羽交締めにされた。
翌朝、片方の髪を切り落とすことしか出来なかった。
「聞いていますか!ルイ様」
「え、聞いているよ」
「婚約なんてしていません」
「アンナ。諦めてくれ。僕はアンナを妻にすると決めたんだ」
「はぁ!?」
「ルイ、唐突過ぎるだろう」
「ランベール様も賛成ですよね」
「仕方なくな。その前に何か忘れていないか」
「そうですよ。子供みたいな事を言っていないで、先ずはすべきことがあるでしょう」
「新居ですか?子爵邸に住みます」
「もっと前だ」
「ウエディングドレスですか?」
「前!」
「……先に?それは婚姻後にします」
「初夜じゃない!もっともっと前だ!」
「ルイ。フラれるわよ」
後ろの方でジョナサンが跪きメイドが恥ずかしいフリをしながらジョナサンの手を取った。
「あ、プロポーズ」
アンナに目線を戻すと、彼女は足音を立てないようにして出口に向かって歩いていた。
慌てて後ろから抱きしめて囁いた。
「いい匂いだ」
「へ、変態っ」
「じゃなかった。婚姻するぞ 僕の妻アンナ」
「ムリムリムリムリっ、ムリですよ」
「ムリじゃない。僕のどこが嫌なんだ?」
「私は平民ですっ!ルイ様は侯爵家の方じゃないですか!それに容姿が芋と黄金のリンゴでは釣り合いが取れません!」
「おかしいな。一番最初に僕をお爺さんと呼んだじゃないか」
部屋の全員が唖然としてアンナを見た。
「あ、あれは」
僕は跪いてアンナの手を取った。
「アンナ。世界の果てに逃げても必ず捕まえる。他の男と恋に堕ちようものなら相手を始末する。アンナを虐める者はこの屋敷の裏庭に全員埋めてやる。
もう手遅れなんだ。拒絶するよりも受け入れて欲しい」
「お、脅しじゃないですかっ」
「それに浮気しない。君が嘘を吐いても信じるし味方になる。男絡みと僕から逃げること以外なら」
「……」
「ランベール様、アンナが受け入れました」
「意思の疎通が一方的だな。
屋敷に住むのは構わないが、敷地内に人を埋めるのは止めろ。あと、アンナの両親に許可を取れ。今みたいに脅しじゃなくて好きだから妻にしたいと言うんだぞ」
「僕はアンナにそう言いました」
「執着するほど好きだと遠回しにな。でもそこは遠回しじゃ駄目なんだ」
アンナに向き直って彼女の頬を両手で挟んだ。
「アンナ、愛してる」
「っ!!」
そのまま口付けをした。
「極端な奴だな…」
ランベール様の溜息が聞こえた。
ランベール・カルモンド子爵。彼は僕が唯一心を許した人だ。新たに心を許したアンナとカルモンド子爵邸で暮らせたら最高だと思う。
アンナと出会った日を思い出した。
「お爺さん、手伝いますよ」
は?
子爵邸の廊下で書類を落としてしまった時に後ろから話しかけられた。
平民服を着た彼女は書類を拾うと笑顔で“どうぞ”と僕の手の上に乗せた。それと同時に蒼白になった。
「ご、ごめんなさい。失礼しました!」
立ち去った女性を案内していたジョナサンに後で聞いた。
「旦那様がうちで働くよう声を掛けたと聞いております。先に屋敷内の案内に連れて行かせましたので、間もなく旦那様から声がかかるかと思います」
少しして面談が始まったが、彼はもう決めていた。
彼女の方が貴族の屋敷で働く事を嫌がっているように見えた。
不思議な子だ。後ろから見て白銀の髪が白髪に見えたのだろう。
顔を見て蒼白になる初対面の女は初めてだ。
大抵は数秒止まってじっと見られる、うっとりとした目で見られる、場合によっては言い寄られるなどの反応ばかりだったが彼女は違った。
平民のアンナ。幼馴染で恋人で婚約者だった男は、アンナを陥れて皆を騙した女と婚姻してしまった。自身のための式が勝手に乗っ取られていたのだ。そして家族と一緒に町から追い出されるようにうちの侯爵領に移住してきた。
調査結果はアンナの主張通りだった。彼女は室内の掃除係に配属された。
採用後の彼女を見ると、自分の仕事だけするのではなく、誰にでも声を掛けて手助けをする。野菜の皮を剥いていることもあれば水汲みをしていることもある。土いじりをしている時もあれば馬糞の片付けをしていることもある。具合が悪そうな者には自分が代わるからと早めに上がらせたり、荷物が多いと運ぶのを手伝う。
美人とは言えない。平民の中ではまずまずの容姿なのは分かるが貴族の中では霞んでみえる…はずなのに、彼女は輝いて見えた。特にあの笑顔。この子なら信じられると思った。何より言い寄らないし見つめてもこない。きっと外見や侯爵家という装飾無しに僕を見てくれるはずだ。
ある日、私兵の1人がアンナと楽しそうに雑談をしていて、肩に手を回した。
「よーし、アンナ!お兄さんが観光に連れて行ってやろう…あ、すまん。嫁に叱られそうだから小遣いをやろう」
僕と目が合った私兵は目を泳がせパッと肩から手を離した。僕に気付かなかったら観光に行ってしまっただろう。
別の日にはジョナサンがポケットから菓子を取り出してアンナにあげて頭を撫でていた。
嬉しそうに微笑むアンナを見て、頭の中は黒いモヤに包まれた。
下男は休み明けに、アンナに何やら土産を渡していた。
昼の料理はアンナのオムレツだけソースが星形になっていた。
庭師は通りかかったアンナに花を渡した。
補佐の1人はアンナをデートに誘っていた。
駄目だ。一刻も早く手を打たなければ盗られる。だからランベール様に相談した。
とにかくアンナに教育をしなければならないということで、子爵家の会議が開かれた。
ジネット大奥様、奥様、ランベール様と僕で話し合った。
奥「え? 挨拶しかしていないのに婚姻することになっているの?」
ラ「ルイの中ではな。アンナからすれば執務室にいる他人だ」
奥「それは流石に…」
ジ「オートウェイル侯爵家は反対なさるんじゃないかしら」
ラ「そんなのを気にする奴じゃない。これまで侯爵や夫人や親戚が持ってきた縁談を、令嬢に直接圧をかけたり冷たくしたり欠点を指摘し続けたりして断らせてきた男だからな」
奥「うわっ」
ジ「ルイが良くてもアンナが潰れてしまうわよ?
貴族令嬢じゃないんだから 嫌だと思えば羽が生えたように消えてしまうわ、平民の世界に隠れてしまったら見つけるのは大変よ。
名前も簡単に変えられるし、美人とか醜女とかじゃないから溶け込み易いのよ
そしてあっという間に婚姻してしまうわ。平民は貴族と違って長い婚約期間なんて要らないから、反対さえ無ければ即婚姻するわよ」
僕「他の男と?そんな事をしたら相手の男を川底に沈めてやります」
奥「アンナは手遅れのようね」
ラ「その本人は何も知らないけどな」
ジ「私の付添人にしましょう。教育をする理由になるし、その間にルイはアンナと交流を持ちなさい。侯爵家の力を使って無理矢理婚姻するつもりじゃなければ、アンナに好きになってもらわないと」
僕「っ!!」
奥「初心ね」
ジ「心配だわ」
ラ「まさか童貞か?」
僕「当然です!」
ラ「だがな。アンナは平民だから貞操観念は高くはないだろう。幼馴染が恋人だったわけだし婚約もしていたから、多分アンナは経験済みだと思うぞ。
それは覚悟しておけよ」
僕「ちょっとアンナが昔暮らしていた町に行ってきます」
ラ「駄目だ。その隙にアンナに出会いがあるかもしれないぞ」
僕「…伝手を使って刺客を送るしかありませんね」
ラ「いいから止めろ」
結局 大奥様の付添人に決まった。
アンナにとって大変なのは分かっている。だけど僕はもうアンナに決めてしまった。
仕事の合間にアンナの様子を何度も見に行っていたらランベール様に怒られた。
それでも気になって様子を見に行く途中、下男が走って来た。
「ルイ様 大変です!」
貴族出身のメイド2人がアンナの頭に汚れた雑巾を置いたらしい。
アンナの部屋の方へ向かうと、髪を洗い流したのか髪が濡れていて、ポタポタと雫が頬を伝い胸元に落ちてブラウスを濡らし肌に張り付いて透けていた。
上着を脱いでアンナに被せて抱き上げた。
部屋に連れて行きメイドに託した。
その後、ランベール様に報告し、僕の手で始末してくると言って部屋を出ようとすると羽交締めにされた。
翌朝、片方の髪を切り落とすことしか出来なかった。
「聞いていますか!ルイ様」
「え、聞いているよ」
「婚約なんてしていません」
「アンナ。諦めてくれ。僕はアンナを妻にすると決めたんだ」
「はぁ!?」
「ルイ、唐突過ぎるだろう」
「ランベール様も賛成ですよね」
「仕方なくな。その前に何か忘れていないか」
「そうですよ。子供みたいな事を言っていないで、先ずはすべきことがあるでしょう」
「新居ですか?子爵邸に住みます」
「もっと前だ」
「ウエディングドレスですか?」
「前!」
「……先に?それは婚姻後にします」
「初夜じゃない!もっともっと前だ!」
「ルイ。フラれるわよ」
後ろの方でジョナサンが跪きメイドが恥ずかしいフリをしながらジョナサンの手を取った。
「あ、プロポーズ」
アンナに目線を戻すと、彼女は足音を立てないようにして出口に向かって歩いていた。
慌てて後ろから抱きしめて囁いた。
「いい匂いだ」
「へ、変態っ」
「じゃなかった。婚姻するぞ 僕の妻アンナ」
「ムリムリムリムリっ、ムリですよ」
「ムリじゃない。僕のどこが嫌なんだ?」
「私は平民ですっ!ルイ様は侯爵家の方じゃないですか!それに容姿が芋と黄金のリンゴでは釣り合いが取れません!」
「おかしいな。一番最初に僕をお爺さんと呼んだじゃないか」
部屋の全員が唖然としてアンナを見た。
「あ、あれは」
僕は跪いてアンナの手を取った。
「アンナ。世界の果てに逃げても必ず捕まえる。他の男と恋に堕ちようものなら相手を始末する。アンナを虐める者はこの屋敷の裏庭に全員埋めてやる。
もう手遅れなんだ。拒絶するよりも受け入れて欲しい」
「お、脅しじゃないですかっ」
「それに浮気しない。君が嘘を吐いても信じるし味方になる。男絡みと僕から逃げること以外なら」
「……」
「ランベール様、アンナが受け入れました」
「意思の疎通が一方的だな。
屋敷に住むのは構わないが、敷地内に人を埋めるのは止めろ。あと、アンナの両親に許可を取れ。今みたいに脅しじゃなくて好きだから妻にしたいと言うんだぞ」
「僕はアンナにそう言いました」
「執着するほど好きだと遠回しにな。でもそこは遠回しじゃ駄目なんだ」
アンナに向き直って彼女の頬を両手で挟んだ。
「アンナ、愛してる」
「っ!!」
そのまま口付けをした。
「極端な奴だな…」
ランベール様の溜息が聞こえた。
ランベール・カルモンド子爵。彼は僕が唯一心を許した人だ。新たに心を許したアンナとカルモンド子爵邸で暮らせたら最高だと思う。
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