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妻がいいです
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「妻がいいです」
「……」
「オルポンス様?」
「誰の妻だ?」
「オルポンス様の妻です」
「どのオルポンスだ?」
「ヴォルカン将軍の妻です」
「俺?」
「入籍させたと書いてあったんですよね?
私はルーナ・ヴォルカンですよね?」
「そ…うだが」
「じゃあ、このまま此処に住んでいいですよね」
「無理をしなくていい。白紙にしたって住まわせてやれる」
「もしかして、私ではお気に召さないということですか?勃ってるのに?」
「ばっ!コっ、コレはっ!」
「“妻がいいです” と言って最初に反応したのはココですよ」
お尻のワレメで勃ち上がったモノを挟んだ。
布越しだがしっかりと主張してビクンと動いていた。
「煽るなっ!其方は怪我人なのだぞ!」
「じゃあ、妻として置いてくださいね」
「分かったから、挟んで動かすのは止めろ!」
「ふふっ」
そして30分後。
オ「全く……」
医「全身を打って昏睡して目覚めたばかりなのに何をやっているのですか」
私「だって、オルポンス様のアレが……」
医「将軍…」
オ「ち、違う!」
私「じゃあアレは木の棒か何かですか」
オ「お、俺のだ」
医「治るまで手を出さないでくださいよ、将軍」
オ「……」
あの後、髪や体を洗い終わった時には のぼせてしまっていた。
再び医師を呼んだのだ。
この体、弱い。
パン粥を出されたが、好きじゃない。
梅粥か卵粥がいい。
「次は野菜スープでお願いします。
パン粥が苦手みたいです」
「かしこまりました」
食後にお世話をしてくれるメイドとメイド長と家令など、床に伏していても関わりそうな人を紹介されて、その後は購入品を選んだ。
オルポンス様は王命書を受け取って、慌てて王都に向かっている最中に事故現場に出会したらしい。
私の護送の任に就いた兵士達の何人かは熊に襲われて死んでいて、他は逃げた様だと言っていた。
私は横転し壊れた馬車の中で意識を失っていた。
側頭部を切ったことから顔が血塗れで、恐らく生き残った兵士達は死んだと思ってそのまま放置して帰ったのだろうと。
ヴォルカン領の手前の領地で起きた事故で、手当を受けた後にヴォルカン城に運んだと説明を受けた。
荷物も散乱していたらしい。
少しは拾ってくれたようだけど、オルポンス様達は馬車ではなかったからほとんど捨て置いてしまったと謝られた。
婚約者候補として教育を受けるために泊まるための荷物だったから大事な物など入っていない。
そう伝えた。
だから下着から何から買い揃える必要がある。
ルーナではない瑠奈はドレスなど欲しくない。
「遠慮するな」
「遠慮じゃなくて、欲しくないんです。
宝石も要りませんから」
「金はある」
「そうでしょうけど、着たくないんです。
この話は治ってからにしましょう」
「……」
10日後、ヴォルカン城にお兄様が到着した。
「ルーナ!」
「お兄様、ごきげんよう」
「…あれ?…泣いてない」
「何で泣く必要が?」
「だって、罰せられて此処に嫁がされたのだろう」
「違います」
私はあり得ない冤罪と処罰と助けてもらった事を説明した。
「と、いうことで、私はオルポンス様の妻として生きていくことにしました」
「だが将軍は、」
「オルポンス様はお優しい方です。
私はもう、あの搾りカスのような王太子殿下に会いたくありません」
「搾りカス……」
「お父様がお戻りになりましたら、冤罪は晴らして欲しいですが、婚姻を白紙に戻さないようにお伝えください」
「本当にいいのか? 仮面の中を見たのか?」
「まだ見ていませんが、大丈夫です」
「酷い火傷の痕だぞ?」
「だから何ですか。彼は幼い頃に火傷を負った罪なき人ですし、国民を命懸けで守ってくださっているのです。これからだってどんな怪我を負うか分かりません。
火傷や傷痕などでピーピー騒ぐ愚か者に成り下がりたくありません」
「変わったな。
こんなに自分の意思をはっきり言うなんて」
「冤罪をかけられたのは私が大人しくしていたからでしょう。嫌でも変わりますわ」
「分かった。父上が北から帰ったら伝えよう」
お兄様は2泊して王都に戻った。
「……」
「オルポンス様?」
「誰の妻だ?」
「オルポンス様の妻です」
「どのオルポンスだ?」
「ヴォルカン将軍の妻です」
「俺?」
「入籍させたと書いてあったんですよね?
私はルーナ・ヴォルカンですよね?」
「そ…うだが」
「じゃあ、このまま此処に住んでいいですよね」
「無理をしなくていい。白紙にしたって住まわせてやれる」
「もしかして、私ではお気に召さないということですか?勃ってるのに?」
「ばっ!コっ、コレはっ!」
「“妻がいいです” と言って最初に反応したのはココですよ」
お尻のワレメで勃ち上がったモノを挟んだ。
布越しだがしっかりと主張してビクンと動いていた。
「煽るなっ!其方は怪我人なのだぞ!」
「じゃあ、妻として置いてくださいね」
「分かったから、挟んで動かすのは止めろ!」
「ふふっ」
そして30分後。
オ「全く……」
医「全身を打って昏睡して目覚めたばかりなのに何をやっているのですか」
私「だって、オルポンス様のアレが……」
医「将軍…」
オ「ち、違う!」
私「じゃあアレは木の棒か何かですか」
オ「お、俺のだ」
医「治るまで手を出さないでくださいよ、将軍」
オ「……」
あの後、髪や体を洗い終わった時には のぼせてしまっていた。
再び医師を呼んだのだ。
この体、弱い。
パン粥を出されたが、好きじゃない。
梅粥か卵粥がいい。
「次は野菜スープでお願いします。
パン粥が苦手みたいです」
「かしこまりました」
食後にお世話をしてくれるメイドとメイド長と家令など、床に伏していても関わりそうな人を紹介されて、その後は購入品を選んだ。
オルポンス様は王命書を受け取って、慌てて王都に向かっている最中に事故現場に出会したらしい。
私の護送の任に就いた兵士達の何人かは熊に襲われて死んでいて、他は逃げた様だと言っていた。
私は横転し壊れた馬車の中で意識を失っていた。
側頭部を切ったことから顔が血塗れで、恐らく生き残った兵士達は死んだと思ってそのまま放置して帰ったのだろうと。
ヴォルカン領の手前の領地で起きた事故で、手当を受けた後にヴォルカン城に運んだと説明を受けた。
荷物も散乱していたらしい。
少しは拾ってくれたようだけど、オルポンス様達は馬車ではなかったからほとんど捨て置いてしまったと謝られた。
婚約者候補として教育を受けるために泊まるための荷物だったから大事な物など入っていない。
そう伝えた。
だから下着から何から買い揃える必要がある。
ルーナではない瑠奈はドレスなど欲しくない。
「遠慮するな」
「遠慮じゃなくて、欲しくないんです。
宝石も要りませんから」
「金はある」
「そうでしょうけど、着たくないんです。
この話は治ってからにしましょう」
「……」
10日後、ヴォルカン城にお兄様が到着した。
「ルーナ!」
「お兄様、ごきげんよう」
「…あれ?…泣いてない」
「何で泣く必要が?」
「だって、罰せられて此処に嫁がされたのだろう」
「違います」
私はあり得ない冤罪と処罰と助けてもらった事を説明した。
「と、いうことで、私はオルポンス様の妻として生きていくことにしました」
「だが将軍は、」
「オルポンス様はお優しい方です。
私はもう、あの搾りカスのような王太子殿下に会いたくありません」
「搾りカス……」
「お父様がお戻りになりましたら、冤罪は晴らして欲しいですが、婚姻を白紙に戻さないようにお伝えください」
「本当にいいのか? 仮面の中を見たのか?」
「まだ見ていませんが、大丈夫です」
「酷い火傷の痕だぞ?」
「だから何ですか。彼は幼い頃に火傷を負った罪なき人ですし、国民を命懸けで守ってくださっているのです。これからだってどんな怪我を負うか分かりません。
火傷や傷痕などでピーピー騒ぐ愚か者に成り下がりたくありません」
「変わったな。
こんなに自分の意思をはっきり言うなんて」
「冤罪をかけられたのは私が大人しくしていたからでしょう。嫌でも変わりますわ」
「分かった。父上が北から帰ったら伝えよう」
お兄様は2泊して王都に戻った。
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