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産まれたのは
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私はある人物を正座させている。
何故なら、産まれた子がそっくりで言い逃れができなかったから。
「似てなかったら知らぬ存ぜぬで やり過ごすつもりだだたのね」
「違うよ」
「何で名乗り出なかったの!」
「ロクサーヌが倒れた理由は、妊娠を知って家出しようとしていたからだ。だから言えなかった」
「どうして家出?」
「その場の勢いで出来た子だから」
は?
「ちゃんと説明して」
「私とロクサーヌは血が繋がっていない。
ロクサーヌは孤児だった。
子供の頃、領地で捨てられていたので引き取った。
それがバレてロクサーヌはかなり興奮して家出をしようとした。
私が愛してるから出て行かないでくれと言うと、
“何の血が流れているのか分からない私など抱けないくせに” とか、“本気じゃない” とか騒いだ。
だから抱いた。
愛してるから抱いた。
それでも、信じてもらえなくて、避妊薬を飲ませなかった。
私から逃げられないように。
ロクサーヌは4人も男が周りにいても身体を許すことはなかった。なのに私がロクサーヌを抱けるかどうかを気にしたと思った。
もう少し、時間をくれと言って宥めて、その後妊娠が分かってロクサーヌは一人で産んで一人で育てると言い出して目眩を起こして倒れた。
思い出させては、また家出しようとするから黙ってた。
すまない、ロクサーヌ。解放などしてやれない」
「おぎゃあ」
「ほら、ジョフロワも此処に居たいって」
「貴方に怒ってるかもしれないじゃないの!」
「私の種で出来た子だよ? 喜んでるに決まってるじゃないか」
種とか言うな!
1年後。
我が子を見るとエデンに瓜二つで、何処へ行ってもバレること間違いなし。
迷子になっても届けてもらえそうだ。
「ロクサーヌ、まだ結婚してくれないの?」
「なんかエデンの思惑通りみたいで嫌だ」
「じゃあ、次の子がロクサーヌに似ていたら結婚してよ。私に似てたら諦めるからさ」
「絶対よ!」
今思えば、馬鹿だった。
一人目はたった一夜で出来たのに、二人目はなかなか出来なかった。
子作りを開始して、2年後に妊娠しているのが分かった。
「おぎゃあ!」
そして産まれたのは、どうやら私に似た男の子だった。
まずい。
「約束だよ。署名して」
「まだ産まれたてだから分からないじゃない」
次男ユベールが2歳になって、
「ロクサーヌ。そっくりじゃないか」
「……」
「ここから私に似ることはないよ」
「……」
仕方なく署名した。
私は親類の家門に養女になっていて、嫁としてフォセット侯爵家の籍に入る準備ができていた。
「ロクサーヌ。ありがとう」
父と母はその夜、
「やっとだな」
「やっとね」
「二人も子ができてるのに頑固な子だ」
「しっかり夫婦生活があってアレだもの。
何だったのかしら」
「あの、」
「ポレット、何か知ってるの?」
「多分、婚姻すると未来の侯爵夫人になるので、面倒だったのだと思います。
他のご婦人方との茶会や、ダンスの練習など嫌がっておりましたから。
“女主人って何やるの” と尋ねられましたのでお話したところ、嫌そうな顔をなさっておりました」
「転倒してからは別人ね」
「明日朝一番に婚姻届を出してこよう」
何故なら、産まれた子がそっくりで言い逃れができなかったから。
「似てなかったら知らぬ存ぜぬで やり過ごすつもりだだたのね」
「違うよ」
「何で名乗り出なかったの!」
「ロクサーヌが倒れた理由は、妊娠を知って家出しようとしていたからだ。だから言えなかった」
「どうして家出?」
「その場の勢いで出来た子だから」
は?
「ちゃんと説明して」
「私とロクサーヌは血が繋がっていない。
ロクサーヌは孤児だった。
子供の頃、領地で捨てられていたので引き取った。
それがバレてロクサーヌはかなり興奮して家出をしようとした。
私が愛してるから出て行かないでくれと言うと、
“何の血が流れているのか分からない私など抱けないくせに” とか、“本気じゃない” とか騒いだ。
だから抱いた。
愛してるから抱いた。
それでも、信じてもらえなくて、避妊薬を飲ませなかった。
私から逃げられないように。
ロクサーヌは4人も男が周りにいても身体を許すことはなかった。なのに私がロクサーヌを抱けるかどうかを気にしたと思った。
もう少し、時間をくれと言って宥めて、その後妊娠が分かってロクサーヌは一人で産んで一人で育てると言い出して目眩を起こして倒れた。
思い出させては、また家出しようとするから黙ってた。
すまない、ロクサーヌ。解放などしてやれない」
「おぎゃあ」
「ほら、ジョフロワも此処に居たいって」
「貴方に怒ってるかもしれないじゃないの!」
「私の種で出来た子だよ? 喜んでるに決まってるじゃないか」
種とか言うな!
1年後。
我が子を見るとエデンに瓜二つで、何処へ行ってもバレること間違いなし。
迷子になっても届けてもらえそうだ。
「ロクサーヌ、まだ結婚してくれないの?」
「なんかエデンの思惑通りみたいで嫌だ」
「じゃあ、次の子がロクサーヌに似ていたら結婚してよ。私に似てたら諦めるからさ」
「絶対よ!」
今思えば、馬鹿だった。
一人目はたった一夜で出来たのに、二人目はなかなか出来なかった。
子作りを開始して、2年後に妊娠しているのが分かった。
「おぎゃあ!」
そして産まれたのは、どうやら私に似た男の子だった。
まずい。
「約束だよ。署名して」
「まだ産まれたてだから分からないじゃない」
次男ユベールが2歳になって、
「ロクサーヌ。そっくりじゃないか」
「……」
「ここから私に似ることはないよ」
「……」
仕方なく署名した。
私は親類の家門に養女になっていて、嫁としてフォセット侯爵家の籍に入る準備ができていた。
「ロクサーヌ。ありがとう」
父と母はその夜、
「やっとだな」
「やっとね」
「二人も子ができてるのに頑固な子だ」
「しっかり夫婦生活があってアレだもの。
何だったのかしら」
「あの、」
「ポレット、何か知ってるの?」
「多分、婚姻すると未来の侯爵夫人になるので、面倒だったのだと思います。
他のご婦人方との茶会や、ダンスの練習など嫌がっておりましたから。
“女主人って何やるの” と尋ねられましたのでお話したところ、嫌そうな顔をなさっておりました」
「転倒してからは別人ね」
「明日朝一番に婚姻届を出してこよう」
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