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エロイズの企み
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【 エロイズの視点 】
嫁に行かなくてもいいとサットン伯爵家一同から許可をもらっているペーズリーでさえ邪魔で始末したかったのに、何で他人まで!?
ここはサットン伯爵家よ!私のものなのよ!
将「サラ。嫁になど行かなくてもいいからな。
いつまでもここにいていいぞ。儂とペーズリーと楽しく過ごそうな」
サ「お祖父様」
ちょっと!余計なことを言わないで!
メ「お義父様もペーズリーも サラが居てくれて楽しそうだわ。ありがとう」
ピ「女の子が楽しそうに話す声が屋敷を明るくするな」
私だっているじゃない!
王都の屋敷に住んで、素敵なドレスを着てお茶会や夜会に出席したり劇を観に行ったりしたいのに領地に閉じ込められているのよ!
シ「妹が二人かぁ。なんかいいなぁ。
ケイン。ちゃんと面倒みているか?」
ケ「見ているつもりだよ」
ぺ「ケイン兄様は観光や食事や買い物に連れて行ってくれるの」
シ「へえ。ケインがねぇ」
ぺ「見て。お揃いの髪飾り。ケイン兄様が買ってくれたの」
私は義弟と出かけたことも贈り物をもらったこともない!誕生日は家族一同で一つだけ!
マ「あら素敵ね。
ケイン? 珍しいわね。ピアスなんて」
ぺ「これは髪飾りのお返しにサラがお兄様にプレゼントしたのよ」
シ「いいなぁ」
何がいいのよ!
マ「そうだわ。サラに似合いそうな宝飾品があるわ。
ねえ、赤い宝石箱を持ってきてちょうだい」
は!?
メイドがお義母様の宝石箱を持ってきた。
マ「私が結婚前に使っていた宝石なの。2人で分けなさい」
お義母様はサラに箱を渡した。
何でよ!次期伯爵夫人は私なのよ!?私が受け継ぐのが筋じゃないの!
サ「そんな。私はいただけませんわ」
当たり前よ!
マ「いいの。これは結婚前に実家で買ってもらったものなの。若い令嬢が身に付けるものばかりだから未婚の貴女達に使ってもらえたら嬉しいわ」
サ「ですが」
ピ「もらっておきなさい。
ペーズリー、選んであげなさい」
ぺ「じゃあ、明後日、ドレスと合わせながら選びましょう?」
サ「はい。サットン夫人。感謝いたします」
マ「堅苦しいわ。メリーナかお義母様と呼んでちょうだい」
サ「では、メリーナ様と呼ばせていただきます」
私でさえ名前で呼んでないのに!
ピ「ケイン。そういえば明日の大会はどういうスケジュールなんだ?」
ケ「午前中に女子の部、午後に男子の部の準決勝、決勝があります」
ピ「そうか。あれ?お祖父様は?」
マ「さっき席を立たれましたわ」
どうやって目の前からこの2人を排除できるのか悩んでいた。
そこにお義祖父様が戻ってきた。
将「これは儂の姉の遺品だ。
サラ。儂の姉は里帰り中に産気付き、そのまま腹の子と一緒に亡くなってしまった。これは姉が部屋に残していた若い頃の宝飾品だ。2人で分けなさい」
ピンクとゴールドの宝石箱をサラに渡した。
サ「無理です、駄目です、お祖父様っ」
将「気に入らんか」
サ「違います!形見のお品ではありませんか。
その様な大切な物はいただけませんわ」
当然よ!
将「サラとペーズリーにもらって貰いたかったのに……ならば埋めるか」
ちょっと!私がいるでしょう!
ぺ「サラ、いただきましょう。お祖父様、ありがとうございます」
サ「ありがとうございます」
何で嫁に来た私じゃなくて居候の女にあげるのよ!
ああ、そのダイヤのネックレス…エメラルドのセット…サファイアのブレスレット…お義母様の箱もお祖父様の箱もすごい詰まってるじゃないの!
その夜は腹が立って眠れなくて、治療室で薬品を漁った。
翌日、午前中から商人を呼んで 皆でアレコレあの小娘に品を選んでいた。
しかもドレスまでオーダーしていた。
正気じゃないわ!
ぺ「サラ、もっと選んで。これなんかいいわ」
ペーズリーが選んだのはケイン様の瞳の色のリボンだった。
ぺ「同じ色でコレとコレと…コレも作ってもらえる?サラのサイズで」
商「かしこまりました」
ペーズリーはドレスのデザイン画集から選んで注文していた。
本当は、婚約が整い、家族の顔合わせの時にケイン様を見て一目惚れをしてしまった。
だけどケイン様は跡継ぎではないからケイン様を選ぶと伯爵夫人はなれない。だからそのままシメオン様と結婚した。
年月が経つ毎に、ケイン様は背が伸び、筋肉が付き、逞しくなった。その胸に抱き寄せられその腕で閉じ込めてもらえたらと何度も想像したことか。
王宮騎士になり、更には王族専属の護衛騎士となり、抱かれたいという目線をおくる女達を目の当たりにしたこともあった。
そして誰にも靡かなかったケイン様が小娘の頭を撫でて微笑む。
私には触れもしてくれないし微笑んでもくれなかったじゃない!
ぺ「お兄様にはこれね」
何で小娘の瞳の色の品をケイン様に選ぶのよ!
ケ「良い色だな」
っ!!
そして昼食を持って観戦に行くことになったが、こっそり二つ薬を仕込んだ。
嫁に行かなくてもいいとサットン伯爵家一同から許可をもらっているペーズリーでさえ邪魔で始末したかったのに、何で他人まで!?
ここはサットン伯爵家よ!私のものなのよ!
将「サラ。嫁になど行かなくてもいいからな。
いつまでもここにいていいぞ。儂とペーズリーと楽しく過ごそうな」
サ「お祖父様」
ちょっと!余計なことを言わないで!
メ「お義父様もペーズリーも サラが居てくれて楽しそうだわ。ありがとう」
ピ「女の子が楽しそうに話す声が屋敷を明るくするな」
私だっているじゃない!
王都の屋敷に住んで、素敵なドレスを着てお茶会や夜会に出席したり劇を観に行ったりしたいのに領地に閉じ込められているのよ!
シ「妹が二人かぁ。なんかいいなぁ。
ケイン。ちゃんと面倒みているか?」
ケ「見ているつもりだよ」
ぺ「ケイン兄様は観光や食事や買い物に連れて行ってくれるの」
シ「へえ。ケインがねぇ」
ぺ「見て。お揃いの髪飾り。ケイン兄様が買ってくれたの」
私は義弟と出かけたことも贈り物をもらったこともない!誕生日は家族一同で一つだけ!
マ「あら素敵ね。
ケイン? 珍しいわね。ピアスなんて」
ぺ「これは髪飾りのお返しにサラがお兄様にプレゼントしたのよ」
シ「いいなぁ」
何がいいのよ!
マ「そうだわ。サラに似合いそうな宝飾品があるわ。
ねえ、赤い宝石箱を持ってきてちょうだい」
は!?
メイドがお義母様の宝石箱を持ってきた。
マ「私が結婚前に使っていた宝石なの。2人で分けなさい」
お義母様はサラに箱を渡した。
何でよ!次期伯爵夫人は私なのよ!?私が受け継ぐのが筋じゃないの!
サ「そんな。私はいただけませんわ」
当たり前よ!
マ「いいの。これは結婚前に実家で買ってもらったものなの。若い令嬢が身に付けるものばかりだから未婚の貴女達に使ってもらえたら嬉しいわ」
サ「ですが」
ピ「もらっておきなさい。
ペーズリー、選んであげなさい」
ぺ「じゃあ、明後日、ドレスと合わせながら選びましょう?」
サ「はい。サットン夫人。感謝いたします」
マ「堅苦しいわ。メリーナかお義母様と呼んでちょうだい」
サ「では、メリーナ様と呼ばせていただきます」
私でさえ名前で呼んでないのに!
ピ「ケイン。そういえば明日の大会はどういうスケジュールなんだ?」
ケ「午前中に女子の部、午後に男子の部の準決勝、決勝があります」
ピ「そうか。あれ?お祖父様は?」
マ「さっき席を立たれましたわ」
どうやって目の前からこの2人を排除できるのか悩んでいた。
そこにお義祖父様が戻ってきた。
将「これは儂の姉の遺品だ。
サラ。儂の姉は里帰り中に産気付き、そのまま腹の子と一緒に亡くなってしまった。これは姉が部屋に残していた若い頃の宝飾品だ。2人で分けなさい」
ピンクとゴールドの宝石箱をサラに渡した。
サ「無理です、駄目です、お祖父様っ」
将「気に入らんか」
サ「違います!形見のお品ではありませんか。
その様な大切な物はいただけませんわ」
当然よ!
将「サラとペーズリーにもらって貰いたかったのに……ならば埋めるか」
ちょっと!私がいるでしょう!
ぺ「サラ、いただきましょう。お祖父様、ありがとうございます」
サ「ありがとうございます」
何で嫁に来た私じゃなくて居候の女にあげるのよ!
ああ、そのダイヤのネックレス…エメラルドのセット…サファイアのブレスレット…お義母様の箱もお祖父様の箱もすごい詰まってるじゃないの!
その夜は腹が立って眠れなくて、治療室で薬品を漁った。
翌日、午前中から商人を呼んで 皆でアレコレあの小娘に品を選んでいた。
しかもドレスまでオーダーしていた。
正気じゃないわ!
ぺ「サラ、もっと選んで。これなんかいいわ」
ペーズリーが選んだのはケイン様の瞳の色のリボンだった。
ぺ「同じ色でコレとコレと…コレも作ってもらえる?サラのサイズで」
商「かしこまりました」
ペーズリーはドレスのデザイン画集から選んで注文していた。
本当は、婚約が整い、家族の顔合わせの時にケイン様を見て一目惚れをしてしまった。
だけどケイン様は跡継ぎではないからケイン様を選ぶと伯爵夫人はなれない。だからそのままシメオン様と結婚した。
年月が経つ毎に、ケイン様は背が伸び、筋肉が付き、逞しくなった。その胸に抱き寄せられその腕で閉じ込めてもらえたらと何度も想像したことか。
王宮騎士になり、更には王族専属の護衛騎士となり、抱かれたいという目線をおくる女達を目の当たりにしたこともあった。
そして誰にも靡かなかったケイン様が小娘の頭を撫でて微笑む。
私には触れもしてくれないし微笑んでもくれなかったじゃない!
ぺ「お兄様にはこれね」
何で小娘の瞳の色の品をケイン様に選ぶのよ!
ケ「良い色だな」
っ!!
そして昼食を持って観戦に行くことになったが、こっそり二つ薬を仕込んだ。
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