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王家主催のお茶会
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続々と城門をくぐる馬車の列を大人しく並んで待つサラの耳は少し赤くなっていた。
掻き出してもらったはずだが不十分で 注がれた精液が少しずつ漏れていたからだ。
「サラ。そんな顔をしていたらまた注ぎたくなっちゃうよ」
「リオ、もうこんなことは、」
「無駄に愛想を振り撒いたら駄目だからね。
また たかる虫を払うか、その身体で罰を受けるか選ばせなくちゃならなくなる」
「……」
「ずっと俺の側にいること。トイレに行きたければ付き添うから」
「リオ」
「“はい”は?」
「……はい」
会場に入るとエレノアが手を振っていた。
「エレノア」
「ここ座って。侯爵、ごきげんよう」
「サルヴィア公爵令嬢、いつも姉がお世話になっております」
「エレノアって呼んでください」
「では、私にも姉に話す様にお願いします」
「分かったわ」
「サラ嬢、リオの友人でエレノアの弟のジェニーです。姉がお世話になっております」
「公子、私の方がお世話になっておりますわ」
「ジェニーと呼んでください。
やっとサラ嬢とお話できました。
お話ししたくてリオに頼んでも無視されるし、屋敷に遊びに行きたいと言うと庭の肥料にするとか言うので近寄れませんでした。
近くで見るとさらに可愛い、うわっ!リオ!目潰ししようとするなよ!」
「ん? サラ、熱でもあるの?」
「え?」
「ああ、姉には馬車の中が少し暑かったようです」
「渋滞していたものね」
「冷たい飲み物を用意させようか?」
「大丈夫」
「はぁ~。天使の顔をした優しい弟がいてサラは幸せね。恋人も婚約者も作らないわけだわ。
リオ様がいたら他の令息なんて豆みたいなものでしょう」
「何言ってるの。他の方に失礼じゃないの」
「確かになぁ。リオ 凄いモテるもんなぁ」
「やっぱり?リオ様も婚約者いないものね。
ジェニー。リオ様のモテっぷりを聞かせてよ」
「昨日も令嬢から告白されていたよ。イエスと言ったことないもんな。何度も来る令嬢もいるし、凄いよな。
中には学年で一番可愛い子もいたのに勿体ないよなぁ」
「まさか、伯爵家の!?」
「そう。あそこに座ってて、リオを見てるよ。
リオ、手ぐらい振ってやれよ」
「嫌だよ。魅力を感じないし」
「ほらな。これだよ。
ん?まさかリオが好きなの俺!?」
「そうかもな」
「じゃあ、サラ嬢は義姉になるんだ!
サラ嬢、次の休みに遊びに行っても、イテッ!
足踏むなよ!」
「もう、ジェニー。静かにしてよ。恥ずかしいじゃないの。いつまで経っても子供なんだから」
「姉様、眩しいんじゃない?場所変わる?
ジェニーの隣にするのは嫌だけど」
「大丈夫よ。たまには陽の光を浴びないと」
「いいわぁ~。私もリオ様の姉になりたい!」
「俺だって可愛い弟だろう」
「まるで違うわよ」
エレノアったら、弟の文句を言っていたけど、
「ふふっ。仲いいじゃない」
「サラ様って呼んでいいよね。笑顔がめちゃくちゃ可愛い。
サラ様が側に居たらリオも麻痺するよな。どんな令嬢も落とせなくても仕方ない」
「それはそうよ。サラはユリス殿下が惚れたレディだからね」
「ちょっと、エレノア」
「誰も聞いてないわよ」
「でもユリス殿下の婚約者って別の令嬢だよね…
もしかして、王子の求婚を断ったとか?」
「……」
「そっかー。王子が駄目なら俺も駄目だよなぁ」
「何言ってるの。ジェニーには婚約者がいるじゃない」
そんなことを話しているうちに王妃殿下とユリス殿下が会場入りなさった。
王妃様とユリス殿下が順にテーブルをまわる。最初はこの席だった。
「王妃殿下、ユリス殿下、お招きいただきありがとうございます」
4人で挨拶をした。
「まあ。サルヴィア公爵家とガードナー侯爵家は親しいのかしら」
「それぞれが学友なのです。王妃殿下」
「エレノア嬢もサラ嬢もユリスをよろしくお願いしますね」
「はい。こちらこそよろしくお願いします」
そのまま去ってくれたらいいのに……
「サラ、具合が悪いのか? 少し顔が赤い」
「気のせいです。血色が良く見えるだけですわ」
「何かがおかしい。宮廷医を呼ぼう」
「本当に大丈夫ですから」
「サラ…心配なだけなんだ」
「本当に大丈夫ですから、大事にしないでください」
「少しでもおかしいと思ったら教えてくれ」
ユリス殿下は自身の護衛騎士のひとりを 私達のテーブルの側に立たせた。
「薄緑のドレスのご令嬢はサラ・ガードナー。
彼女が合図を送ったり、ふらついたりしたら、医師を手配するか、直ぐに私に知らせてくれ。
彼女は私の大事な友人なんだ。頼んだよ」
「お任せください」
「(うわっ。溺愛じゃないの)」
「(止めてよ、お友達よ)」
「(いやいや、普通じゃないな)」
「(そうよ。こんなの見たことないわ)」
「(父が早く亡くなってるからよ。娘も病弱かもしれないと思っただけよ)」
私は立ち上がり、騎士に挨拶をした。
「サラ・ガードナーと申します。
大切な任務の最中にご迷惑をお掛けいたします。
具合は悪くありませんので、ご安心ください」
「ケイン・サットンと申します。殿下の専属護衛騎士を務めております。
殿下の憂を晴らすために側にいさせてください」
「サットン家の…ペーズリー様はお元気でしょうか。よろしくお伝えください」
「妹の友人でしたか。引き続きよろしくお願いいたします。ガードナー侯爵令嬢」
「ありがとうございます、サットン卿」
椅子を引いて座らせてくれた。
「(あ~、こうやってファンを作るのよ)」
「(わかる。守りたくなるよな)」
「姉様、花びらが」
「ありがとう、リオ」
「「……」」
掻き出してもらったはずだが不十分で 注がれた精液が少しずつ漏れていたからだ。
「サラ。そんな顔をしていたらまた注ぎたくなっちゃうよ」
「リオ、もうこんなことは、」
「無駄に愛想を振り撒いたら駄目だからね。
また たかる虫を払うか、その身体で罰を受けるか選ばせなくちゃならなくなる」
「……」
「ずっと俺の側にいること。トイレに行きたければ付き添うから」
「リオ」
「“はい”は?」
「……はい」
会場に入るとエレノアが手を振っていた。
「エレノア」
「ここ座って。侯爵、ごきげんよう」
「サルヴィア公爵令嬢、いつも姉がお世話になっております」
「エレノアって呼んでください」
「では、私にも姉に話す様にお願いします」
「分かったわ」
「サラ嬢、リオの友人でエレノアの弟のジェニーです。姉がお世話になっております」
「公子、私の方がお世話になっておりますわ」
「ジェニーと呼んでください。
やっとサラ嬢とお話できました。
お話ししたくてリオに頼んでも無視されるし、屋敷に遊びに行きたいと言うと庭の肥料にするとか言うので近寄れませんでした。
近くで見るとさらに可愛い、うわっ!リオ!目潰ししようとするなよ!」
「ん? サラ、熱でもあるの?」
「え?」
「ああ、姉には馬車の中が少し暑かったようです」
「渋滞していたものね」
「冷たい飲み物を用意させようか?」
「大丈夫」
「はぁ~。天使の顔をした優しい弟がいてサラは幸せね。恋人も婚約者も作らないわけだわ。
リオ様がいたら他の令息なんて豆みたいなものでしょう」
「何言ってるの。他の方に失礼じゃないの」
「確かになぁ。リオ 凄いモテるもんなぁ」
「やっぱり?リオ様も婚約者いないものね。
ジェニー。リオ様のモテっぷりを聞かせてよ」
「昨日も令嬢から告白されていたよ。イエスと言ったことないもんな。何度も来る令嬢もいるし、凄いよな。
中には学年で一番可愛い子もいたのに勿体ないよなぁ」
「まさか、伯爵家の!?」
「そう。あそこに座ってて、リオを見てるよ。
リオ、手ぐらい振ってやれよ」
「嫌だよ。魅力を感じないし」
「ほらな。これだよ。
ん?まさかリオが好きなの俺!?」
「そうかもな」
「じゃあ、サラ嬢は義姉になるんだ!
サラ嬢、次の休みに遊びに行っても、イテッ!
足踏むなよ!」
「もう、ジェニー。静かにしてよ。恥ずかしいじゃないの。いつまで経っても子供なんだから」
「姉様、眩しいんじゃない?場所変わる?
ジェニーの隣にするのは嫌だけど」
「大丈夫よ。たまには陽の光を浴びないと」
「いいわぁ~。私もリオ様の姉になりたい!」
「俺だって可愛い弟だろう」
「まるで違うわよ」
エレノアったら、弟の文句を言っていたけど、
「ふふっ。仲いいじゃない」
「サラ様って呼んでいいよね。笑顔がめちゃくちゃ可愛い。
サラ様が側に居たらリオも麻痺するよな。どんな令嬢も落とせなくても仕方ない」
「それはそうよ。サラはユリス殿下が惚れたレディだからね」
「ちょっと、エレノア」
「誰も聞いてないわよ」
「でもユリス殿下の婚約者って別の令嬢だよね…
もしかして、王子の求婚を断ったとか?」
「……」
「そっかー。王子が駄目なら俺も駄目だよなぁ」
「何言ってるの。ジェニーには婚約者がいるじゃない」
そんなことを話しているうちに王妃殿下とユリス殿下が会場入りなさった。
王妃様とユリス殿下が順にテーブルをまわる。最初はこの席だった。
「王妃殿下、ユリス殿下、お招きいただきありがとうございます」
4人で挨拶をした。
「まあ。サルヴィア公爵家とガードナー侯爵家は親しいのかしら」
「それぞれが学友なのです。王妃殿下」
「エレノア嬢もサラ嬢もユリスをよろしくお願いしますね」
「はい。こちらこそよろしくお願いします」
そのまま去ってくれたらいいのに……
「サラ、具合が悪いのか? 少し顔が赤い」
「気のせいです。血色が良く見えるだけですわ」
「何かがおかしい。宮廷医を呼ぼう」
「本当に大丈夫ですから」
「サラ…心配なだけなんだ」
「本当に大丈夫ですから、大事にしないでください」
「少しでもおかしいと思ったら教えてくれ」
ユリス殿下は自身の護衛騎士のひとりを 私達のテーブルの側に立たせた。
「薄緑のドレスのご令嬢はサラ・ガードナー。
彼女が合図を送ったり、ふらついたりしたら、医師を手配するか、直ぐに私に知らせてくれ。
彼女は私の大事な友人なんだ。頼んだよ」
「お任せください」
「(うわっ。溺愛じゃないの)」
「(止めてよ、お友達よ)」
「(いやいや、普通じゃないな)」
「(そうよ。こんなの見たことないわ)」
「(父が早く亡くなってるからよ。娘も病弱かもしれないと思っただけよ)」
私は立ち上がり、騎士に挨拶をした。
「サラ・ガードナーと申します。
大切な任務の最中にご迷惑をお掛けいたします。
具合は悪くありませんので、ご安心ください」
「ケイン・サットンと申します。殿下の専属護衛騎士を務めております。
殿下の憂を晴らすために側にいさせてください」
「サットン家の…ペーズリー様はお元気でしょうか。よろしくお伝えください」
「妹の友人でしたか。引き続きよろしくお願いいたします。ガードナー侯爵令嬢」
「ありがとうございます、サットン卿」
椅子を引いて座らせてくれた。
「(あ~、こうやってファンを作るのよ)」
「(わかる。守りたくなるよな)」
「姉様、花びらが」
「ありがとう、リオ」
「「……」」
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