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いつの間にか…
しおりを挟む「エリーズ… エリーズ…」
「クリス…様…」
いつの間にか意識を飛ばしていたようで、脚の間にずっといたクリス様が覆い被さっていた。
膣口辺りに何か当たっているのは分かるけど、もう攻められ続けて少し麻痺していた。
「起きて」
「もう、無理です」
「そうか?」
覆い被さって右腕を私の背中の下に通し 唇を重ねて舌を絡め、顔を横に向けさせると耳を舐め出した。
「ひゃっ!それダメっ!!ダメっ!!」
耳を責め立てられてグッタリした頃、クリス様は私の顔を正面に向けるとじっと見つめた。
「エリーズ、愛してる」
「ダメ…」
「エリーズ」
「無理…」
「エリーズ」
「……」
「分かるだろう?」
私の下腹部を撫でながら耳元で囁いた。
「!!」
「入ってるよ」
「うそ…」
「痛くなかったみたいだな」
耳への強い刺激を受けている間にクリス様のアレが挿入されていた。
「っ!」
圧迫感と、ナカでビクビクと動くアレで確かに奥まで入っていることを感じる。
「もう怖くないな?」
クリス様が腰を引こうとしたので止めた。
「まだっ、まだ待って」
「…待ってる間に出ちゃったらごめん」
「はい?」
「…久しぶりだから…その…」
男の人って相手がいなくても自分で処理するものなんじゃないの?
「動かないのに?」
「前の時もお預けだったし、今朝もずっとこの身体からの誘惑を耐えていたんだ。
よく解されてドロドロになったエリーズのナカにやっと入れたんだ。人生で一番興奮してる。
君の初めてを私が奪った。誰も踏み入れたことのない狭いココに…」
「あっ!」
「優しく捩じ込んだ」
「んんっ」
「温かくて…キツく締め付けてきて…ヌルヌルしていて…奥が吸い付く」
「んあっ!」
「気持ちいいか?」
「待つって…」
「動いても痛くないだろう?」
「あっ!」
「これからは君を悦ばせることができる」
「んあっ!」
押し退けようと彼の胸を押すがビクともしないので身を捩り逃げようとした。
「あんまり抵抗すると縛るぞ」
「優しくしてっ」
「優しくしてる…はぁ、もう出る」
クリス様は 手に取った枕を二つ折りにして私の腰の下に敷いた。腰だけ高くなり、何をするのか不安で彼を見つめた。
「あっ!」
高くなった腰を左手で掴み 右手の親指でクリトリスを捏ね擦り刺激しながらゆっくり大きく抽送を始めた。
快楽を教え込まれた身体は直ぐに反応して登り詰めた。
「あーっ!」
「グッ…エリーズ……絞って…」
絶頂を迎えナカが収縮し、クリス様のアレを強く締め上げているのが分かる。それでも更に奥へ押し込まれ突き当たりを押し上げていた。
ドクン
「っ!!」
ドクン ドクン ドクン ドクン … … …
締め上げている膣壁にクリス様の脈動を大きく感じた。同時に奥が圧迫され それは増していく。
クリス様は少し紅潮し苦しそうな顔をしながら、痛いくらいに私の腰をガッチリと掴んで腰を押し付けていた。
ギシッ
1分近く経つと枕を引っ張って腰の位置を戻し、ゆっくりアレを引き抜いた。
優しく拭いて 新しい布に取り替えると私の隣に横になった。
「私達は相性がいい、そう思わないか?
今までとは全然違うよ」
「相当ご経験がおありのようで」
「エ、エリーズ?」
「二度と私の前で他の女性と寝た話をしないでください」
「ごめん」
呼び鈴を鳴らしてメイドを呼ぶとビーチバスの支度をお願いした。
「エリーズ…」
「朝食の支度をさせますね」
ガウンのまま朝食を食べてクリス様をブラージェル邸に帰した。
捨て犬のような顔をしていたけど腹が立つから無視した。
ビーチへ降りてバスタブに入り湯に浸かる。
「ふぅ」
脚は震えていてメイドが支えてくれた。
高齢のお婆ちゃんになった気分だ。
「エリーズ様、避妊薬をお待ちしました」
「ありがとう」
ありがちな便利アイテム避妊薬。
やっぱり何かの小説の世界かもしれない。
【 クリストファーの視点 】
ブラージェル邸へ帰りながら猛省していた。
私に婚歴があることを彼女は知っているし、37歳ならそれなりの経験があってもおかしくない。
そしてどう考えても 私に対するエリーズの気持ちは小さいから 過去の女達の話を気にするとは思っていなかった。
失敗した。
言葉選びを間違えてしまった。初めての閨事に水を差すなんて馬鹿だ。
嫉妬してくれるのは嬉しいが、激怒させることになるとは…。
ほぼ無言で食事を終えると追い出されてしまった。
これから頻繁に身体を繋げて関係を深めようと思ったのに後退したかもしれない。
閨事を機にブラージェル邸に移り住んで欲しかった。週に2~3度エリーズの屋敷に訪れて別荘感覚で過ごせばいいなどと考えていたのに、同居なんて話を口に出すどころか、次に会う話なんてできる雰囲気ではなかった。
「おかえりなさいませ」
「ただいま。ジスランは?」
「だいぶ拗ねておられました」
私だけ泊まってしまったからな。
「ノクタル子爵家からの手紙は全部オレリオが読んでくれ。謝罪だのといった内容なら無視していい」
「かしこまりました」
「仮眠をとる」
「お食事はいかがいたしましょう」
「食べてきたから要らない」
寝室に行き服を脱ぎ ベッドに横になった。
早くエリーズの機嫌が良くなってくれるといいのだが。
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