【完結】初恋の彼に 身代わりの妻に選ばれました

ユユ

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再婚

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 屋敷に戻ると お母様がどうだったかと聞いてきた。

「ユベール様はとても人気でしたわ。何故私などにと思いましたが、別れた前妻と色が同じで遠目には似た感じのようです」

「つまり身代わりってことなの!?酷いわ」

「子さえ生まれたら満足なさいますわ」

「本当にそうか?」

「どのみち断るなんてことできませんよね。
周囲は私が侯爵夫人になることを快く思っておりません。いっそのこと妾として娶ってくださればいいのにとは思いますが、名ばかりとはいえ元王子妃を妾にはできないのでしょう」

「断ろう」

「断って仕事を無くしたらスタンダル家は生活できません。お父様 仕方がないと諦めましょう。
子を産んだら離縁を申し出ますわ。ユベール様もその時はガルザック侯爵家にふさわしい方をお迎えになるでしょう」




 翌日、ユベール様がお見舞いに来てくださった。

「リゼット、具合はよくなった?」

「少し」

「こうして話すのはすごく久しぶりだね」

「はい」

「父から、リゼットが不安がっていると聞いたけど 何も心配は要らないよ」

「……」

「ユベール様。私は力など無い子爵家の娘で 容姿も平凡です。学園も一年生までしか終えておりません。侯爵夫人としての務めは果たせないと思います。社交も難しいかと」

「まだまだ両親は健在だ。侯爵家は父や母に任せればいい。リゼットはゆっくり馴染んでくれたらいいよ。無理に社交をしなくていい」

だとしたら、やっぱり子を産めばいいってことなのね。

「かしこまりました」

「受けてくれるってこと?」

「はい」

「良かった!」

嬉しそう。前妻みたいに綺麗じゃなくてもこの色がお好きなのですね。

ユベール様が帰った後、承諾したとお父様に告げた。




家族だけの式を挙げてガルザック邸に移り住んだ。

初夜は身も心も痛かった。
ラザール様に娶られる前の私は密かにユベール様を慕っていた。身分も容姿も全て釣り合わない私は、心にしまっていた。

ラザール様と出来なかった閨事を、ユベール様としてしまった。髪と瞳の色が似てるというだけで。 
身代わりの妻となった瞬間だった。

孕ますだけなのだから一度だけだと思ったのに、一度の吐精では終わらなかった。
男の人はいろいろなタイプがいると聞いた。そして久しぶりの女の体だったからかもしれない。

部屋は別々だと思っていたが夫婦の間を使い、事が済んでも一緒に寝た。

一人になりたかったのに。


翌朝、ユベール様が湯浴みをしている間に、続き部屋になっている妻用の部屋に移り横になった。
下腹部が重く痛む。

「リゼット様、痛みを和らげる薬湯です」

「ありがとう」

効き目が現れた頃に私も湯浴みをした。






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