【完結】王命婚により月に一度閨事を受け入れる妻になっていました

ユユ

文字の大きさ
上 下
17 / 18

レアーヌ王女の歓迎会前

しおりを挟む
全く慣れない屋敷で支度をしている。マリーがいることとローランドがソファに座っているから落ち着けるなんて…。

「今日の昼の歓迎会はごく一部の者しか招待されていないらしい。要職に就く者とノアの友人代表として俺達だけだ。プラジール侯爵は国王裁判室の裁判長だから夫人を伴って出席する。だからリーナは心配しなくていい」

ここはプラジール邸のアンジェリーナの部屋。
王女様の歓迎会の身支度をしている。

支度を始める前にパパからヴァイオレット・バリヤスについて聞かされた。
バリヤス伯爵は王命婚姻だと知っていながら娘と交際させ続けた。ヴァイオレットの嘘ではあったが、ローランドと婚約したと聞いた時点で陛下に報告すべきだった。
ヴァイオレットは偽りの妊娠で王命婚姻を壊そうとした。
ヴァイオレットの尋問を進めていくと、最初の関係は偽りで睡眠薬を使ったことを自供した。

調査を経て 王室裁判室が裁決した。男爵に降格させ、ヴァイオレットは女性犯罪者の収容所で10年間の労働を課した。
収監されるのではなく、収容所の牢番の仕事をさせるらしい。騒ぐ者もいれば排泄の匂いもする。中には怪我の悪化などで異臭のする者いる。なかなかの労働環境だ。
そして不規則な長時間労働。点呼見回りなどしかさせないため、それ以外は椅子に座っているだけ。
だがそれが堪えるらしい。

日差しの届かない空気の澱んだ空間に本も書類も話し相手も無く座り続け、定時点呼と見回りを欠かさない。もし居眠りなどして役目を果たしていなかったときに問題が起きれば 全てヴァイオレットの責任になってしまう。

病気で発熱したり発作を起こしたりして助けを求めているのに放置して 重篤になったり死ぬこともある。自殺を試みる者もいるし、脱走しようとする者もいる。それを阻止したり発見を早める役割を担っている責任ある仕事だ。

呑気にローランドとのことだけを考えて過ごしてきた彼女に務まるのだろうか。

“簡単に務まる仕事を与えては罰ではなくなってしまう”とパパは言った。


髪結が終わり飾りをつけてもらう。

「結婚以来 王太子殿下とあまり会っていないんでしょう?もっと仲の良い親友はいないのかな」

「そうたな。他の友人を選べばいいのにな」


しかも疲れた。

最近はローランドが離れない。仕事をしに執務室には行くけど、私の様子を見にきたりするし、食事も一緒に食べたがるし、散歩と馬の様子を見に誘うし、夜は抱きに現れ そのまま朝まで私の部屋に居る。
昨夜は遅い時間から執拗に愛撫され、日付けを超えてようやく挿入したけど、少しナカを擦っては止まり、数分休むと奥を撫で回してまた止まる。その間に頂や愛芽を執拗に捏ね、首筋や耳を舐め 焦らされ、ついには少し萎えたアレがナカで力を取り戻し膨らんだ刺激だけで達してしまった。

そんなことを繰り返して2時間が経とうとしたとき、ローランドに終わらせるよう懇願した。
だけど彼は私を強く抱きしめて、そのまま眠った。私が逃げ出そうとすると抽送を始め、膨らんだところで止めて寝ようとする。諦めて挿れられたまま眠ることにしたが、動かさなくともローランドのアレは時々勝手に膨らみ圧迫するので起こされてしまう。すっかり寝不足のまま朝を迎えた。

ローランドは目を開けると腰を大きく動かし始めた。一晩かけて溶けきったナカは敏感過ぎて簡単にイカされてしまった。
彼も気持ち良さそうな声や息をもらしながら、ナカで強く擦り付け、奥を押し上げた。
とうに行き止まりに到達しているのに、さらに押し上げる。ついには大きく膨らんだアレはナカで次から次へと種を送り出した。
彼は射精中、力強く私を抱きしめ下腹部を押さえた。まるで逃がさないといってあるかのように。

私は何度も達したけど、ローランドは7時間越しの吐精だった。

『はぁ…いっぱい出た……気持ち良かった』

そう言いつつ、少し萎え始めたアレを小さく動かした。それがまた気持ちいい。

『んっ』 

『リーナも気持ちいい?』

『……』

私から腰を押し付けてローランドの萎えかけたアレを全部収めた。

『ちょっと待ってくれ、直ぐに勃たせるから』

ローランドは探りながら腰を動かし、気に入った角度を見つけたのだろう。そのまま擦り付け、ムクムクと膨らませ 芯をもたせたアレを奥まで挿入させた。急に両方の頂を強く摘まれ、また達してしまった。

注いだばかりの大量の精液が漏れ、ぐちゃぐちゃに濡れていた。

と言った感じで朝は本格的に始まってしまい、初めてスケートジュースを履いてリンクに出た人みたいな足腰になってしまった。

実家で身支度をしに来たけど、ローランドがお姫様抱っこで運んでくれた。ママの不思議そうな顔が目に焼き付いてしまった。

「はぁ」

「大丈夫ですか?アンジェリーナ様」

「大丈夫よ。疲労困憊しているだけ」

「それは大丈夫ではなく“駄目”というのです」

「ククッ」

ローランドが私とマリーの会話を聞いて笑った。

良い度胸ね、ローランド。

「療養が必要よね。しばらく実家に滞在しようかな」

ガタっ

「いっ!」

立ち上がろうとしたらしく、ローテーブルに脚をぶつけたようだ。

「ふん」



馬車は別だけどプラジール侯爵夫妻パパ ママと一緒に王城へ向かった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

わたしにはもうこの子がいるので、いまさら愛してもらわなくても結構です。

ふまさ
恋愛
 伯爵令嬢のリネットは、婚約者のハワードを、盲目的に愛していた。友人に、他の令嬢と親しげに歩いていたと言われても信じず、暴言を吐かれても、彼は子どものように純粋無垢だから仕方ないと自分を納得させていた。  けれど。 「──なんか、こうして改めて見ると猿みたいだし、不細工だなあ。本当に、ぼくときみの子?」  他でもない。二人の子ども──ルシアンへの暴言をきっかけに、ハワードへの絶対的な愛が、リネットの中で確かに崩れていく音がした。

記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話

甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。 王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。 その時、王子の元に一通の手紙が届いた。 そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。 王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

【片思いの5年間】婚約破棄した元婚約者の王子様は愛人を囲っていました。しかもその人は王子様がずっと愛していた幼馴染でした。

五月ふう
恋愛
「君を愛するつもりも婚約者として扱うつもりもないーー。」 婚約者であるアレックス王子が婚約初日に私にいった言葉だ。 愛されず、婚約者として扱われない。つまり自由ってことですかーー? それって最高じゃないですか。 ずっとそう思っていた私が、王子様に溺愛されるまでの物語。 この作品は 「婚約破棄した元婚約者の王子様は愛人を囲っていました。しかもその人は王子様がずっと愛していた幼馴染でした。」のスピンオフ作品となっています。 どちらの作品から読んでも楽しめるようになっています。気になる方は是非上記の作品も手にとってみてください。

婚約者から婚約破棄をされて喜んだのに、どうも様子がおかしい

恋愛
婚約者には初恋の人がいる。 王太子リエトの婚約者ベルティーナ=アンナローロ公爵令嬢は、呼び出された先で婚約破棄を告げられた。婚約者の隣には、家族や婚約者が常に可愛いと口にする従妹がいて。次の婚約者は従妹になると。 待ちに待った婚約破棄を喜んでいると思われる訳にもいかず、冷静に、でも笑顔は忘れずに二人の幸せを願ってあっさりと従者と部屋を出た。 婚約破棄をされた件で父に勘当されるか、何処かの貴族の後妻にされるか待っていても一向に婚約破棄の話をされない。また、婚約破棄をしたのに何故か王太子から呼び出しの声が掛かる。 従者を連れてさっさと家を出たいべルティーナと従者のせいで拗らせまくったリエトの話。 ※なろうさんにも公開しています。 ※短編→長編に変更しました(2023.7.19)

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。

にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。 父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。 恋に浮かれて、剣を捨た。 コールと結婚をして初夜を迎えた。 リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。 ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。 結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。 混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。 もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと…… お読みいただき、ありがとうございます。 エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。 それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?

雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。 最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。 ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。 もう限界です。 探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。

〖完結〗幼馴染みの王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。

藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。 何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。 同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。 もうやめる。 カイン様との婚約は解消する。 でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。 愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません! 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。

処理中です...