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ライアン達の子
私が探します
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【 リリアンの視点 】
仕方なく挨拶をした。
「シャルール伯爵。お久しぶりです」
「もうセドリックとは呼んでもらえないのか」
「シャルール伯爵の妹君の友人というだけですので」
「リリアン、聞いてくれ。あれは本心ではなかったんだ。友人達が君に興味を示してしまって…それを削ぐために思ってもいないことを、」
「その手を離せ」
「殿下。これは私とリリアンの問題です」
「だとしても、リリアンは私の大事なレディだ。
リリアンを傷付けた伯爵と二人で話をさせたくない。
伯爵は、歳の近い大人の女性を相手にしているのだろう? 何でリリアンに付き纏う」
「彼女達とは過去のことです。
リリアンを傷付けたのは間違いありませんが、誤解を与えてしまったことを釈明したいのです」
「ねえ。この場は私の歓迎の場ではなくて?」
「王女殿下…失礼いたしました」
「リリアン、行くわよ」
「はい、ヘイゼル様」
三人でテラスへ出た。そこで伯爵とのことを説明した。
「というわけです。ヘイゼル様。お見苦しいところをお見せして申し訳ございません」
「リリアンが謝らなくていい。
乙女心を傷付けられたのね
まあ、婚約する前に分かっただけマシだと思いなさい」
「そうですね」
「ヘイゼル王女殿下、本当にバトラーズ邸へ行かれるのですか?」
「もちろんですわ。私、リリアンが気に入りましたの」
「……」
「リリアン、私の瞳の色のドレス…嬉しい。よく似合ってる。アメジストもいい石を選んでいて綺麗だ。
屋敷に行ったら買い物をしよう」
「これは偶然母が、」
「偶然か運命か、どっちだろうね」
それじゃ口説いているみたいじゃないですか!
バレますよ!
「ヘイゼル様、私、学生ですから授業がありますよ」
「休めないんだ…」
「そうですね」
「まあ、いいや。学園以外は全部私の時間だから」
「え?」
「ちゃんと送り迎えの馬車に乗るよ」
「いえいえ、結構です」
「王都の街並みをデートしよう」
「何を仰って、」
「君の護衛がいれば大丈夫」
「何かあったら困ります」
「ちゃんと、何があっても公爵家に責を問わないって念書を書くから」
「父と相談してください」
「公爵と本当に仲がいいね。ハグしてたでしょ」
「愛されていますから」
「私もハグしてあげる」
「結構です」
「つれないな」
何仰っているるんですか!!
「眉間にシワが寄ってるよ」
「お陰様で」
「可愛い顔が台無しだ」
「はいはい」
「雑な扱いになってきたなぁ」
「もう拝んであげませんよ」
「頼んでないから。
それで、どういう意味で拝んでいたのかな?」
「忘れました」
「よし、思い出させてあげよう」
「ひゃっ、止めてください!くすぐったいです!」
「思い出したか?」
「もう!」
止めたと思ったら、ヘイゼル様が頬に口付けた。
「!?」
「ついちゃった」
そう言って頬に付いた口紅を拭いてくださった。
「王女殿下とリリアンがこんなに仲良くなったとは」
「ウフフ、可愛いリリアンを私のものにしたいですわ」
「困ります。彼女は私のレディですから」
「ふ~ん。そうなの?リリアン」
「え? あ、兄の友人です」
「リリアンと私は特別な仲です」
「ん? 恋人でも、婚約者でもないのですよね?
だとしたら他の殿方が求婚しても文句など言えませんわね」
「ストーップ!
ヘイゼル様、お止めください。
ゼイン殿下もです。
結婚相手は自分で探します。いなければ妥協などせず父の脛をかじります。
さあ、歓迎会なのですから余計なことで言い争うのは止めましょう」
戻ってきたお父様にしがみついて避難した。
仕方なく挨拶をした。
「シャルール伯爵。お久しぶりです」
「もうセドリックとは呼んでもらえないのか」
「シャルール伯爵の妹君の友人というだけですので」
「リリアン、聞いてくれ。あれは本心ではなかったんだ。友人達が君に興味を示してしまって…それを削ぐために思ってもいないことを、」
「その手を離せ」
「殿下。これは私とリリアンの問題です」
「だとしても、リリアンは私の大事なレディだ。
リリアンを傷付けた伯爵と二人で話をさせたくない。
伯爵は、歳の近い大人の女性を相手にしているのだろう? 何でリリアンに付き纏う」
「彼女達とは過去のことです。
リリアンを傷付けたのは間違いありませんが、誤解を与えてしまったことを釈明したいのです」
「ねえ。この場は私の歓迎の場ではなくて?」
「王女殿下…失礼いたしました」
「リリアン、行くわよ」
「はい、ヘイゼル様」
三人でテラスへ出た。そこで伯爵とのことを説明した。
「というわけです。ヘイゼル様。お見苦しいところをお見せして申し訳ございません」
「リリアンが謝らなくていい。
乙女心を傷付けられたのね
まあ、婚約する前に分かっただけマシだと思いなさい」
「そうですね」
「ヘイゼル王女殿下、本当にバトラーズ邸へ行かれるのですか?」
「もちろんですわ。私、リリアンが気に入りましたの」
「……」
「リリアン、私の瞳の色のドレス…嬉しい。よく似合ってる。アメジストもいい石を選んでいて綺麗だ。
屋敷に行ったら買い物をしよう」
「これは偶然母が、」
「偶然か運命か、どっちだろうね」
それじゃ口説いているみたいじゃないですか!
バレますよ!
「ヘイゼル様、私、学生ですから授業がありますよ」
「休めないんだ…」
「そうですね」
「まあ、いいや。学園以外は全部私の時間だから」
「え?」
「ちゃんと送り迎えの馬車に乗るよ」
「いえいえ、結構です」
「王都の街並みをデートしよう」
「何を仰って、」
「君の護衛がいれば大丈夫」
「何かあったら困ります」
「ちゃんと、何があっても公爵家に責を問わないって念書を書くから」
「父と相談してください」
「公爵と本当に仲がいいね。ハグしてたでしょ」
「愛されていますから」
「私もハグしてあげる」
「結構です」
「つれないな」
何仰っているるんですか!!
「眉間にシワが寄ってるよ」
「お陰様で」
「可愛い顔が台無しだ」
「はいはい」
「雑な扱いになってきたなぁ」
「もう拝んであげませんよ」
「頼んでないから。
それで、どういう意味で拝んでいたのかな?」
「忘れました」
「よし、思い出させてあげよう」
「ひゃっ、止めてください!くすぐったいです!」
「思い出したか?」
「もう!」
止めたと思ったら、ヘイゼル様が頬に口付けた。
「!?」
「ついちゃった」
そう言って頬に付いた口紅を拭いてくださった。
「王女殿下とリリアンがこんなに仲良くなったとは」
「ウフフ、可愛いリリアンを私のものにしたいですわ」
「困ります。彼女は私のレディですから」
「ふ~ん。そうなの?リリアン」
「え? あ、兄の友人です」
「リリアンと私は特別な仲です」
「ん? 恋人でも、婚約者でもないのですよね?
だとしたら他の殿方が求婚しても文句など言えませんわね」
「ストーップ!
ヘイゼル様、お止めください。
ゼイン殿下もです。
結婚相手は自分で探します。いなければ妥協などせず父の脛をかじります。
さあ、歓迎会なのですから余計なことで言い争うのは止めましょう」
戻ってきたお父様にしがみついて避難した。
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