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カーラと兄
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【 カーラの視点 】
その内、量産は始まったけど、1日の販売数が限られているので、身分証と同じ文面の誓約書を手に夫人か侍女が並んだ。
列の最後には販売数を超えるお客を断る者を立たせていた。
その体制は変える事なく、外国に輸出もしていた。
外に出す数があるなら1日の販売数を上げろと言いたくなるが、あのプレートがある限り言えなかった。
そのアフロディテがプリュム子爵家の店!?
つまり、私はエミリアンの妻になればアフロディテは私のものということだ。惨めな暮らしでもない。
そして私はエミリアンの顔を見ながら暮らして、子を産んで楽しい人生が待っていたのだわ!
パトナムが長男だと思っていたのに次男だなんて!
パトナムと結婚したら爵位の無い夫を持つことになってしまうし。
そうだわ。無かったことにしましょう!
“エミリアン、結婚して差し上げますわ”
だけど彼は受け入れなかった。
パトナムとは寝ていないと嘘をついても駄目だった。
え? 娼館通いはパトナムと!?彼が誘った!?
彼は豊満な女が好み!?
私は胸が小さい方だ。かなり。
それからパトナムとブレット子爵夫妻にボヴァン邸に来てもらって話し合うことになった。
パトナムが私達に体の関係があったと白状してしまったので、間違いなくこちらの契約違反だとお父様は項垂れた。
ブレット子爵領の片隅に家を建てて半年後に婚姻とともに移り住むことになった。
翌朝、兄様から殴られた。
「4億5千万だと!?
お前にそんな価値があると思っているのか!」
「兄様?」
「あの家は能力もあったし誠実だった。
お前がエミリアンを手に入れたくて半ば父が脅すように婚約を取り付けたのに」
「脅す?」
「彼には既に好きな女がいた。父上はその女を不幸にすると脅した。
脅して婚約したら愛してもらえるはずなどないだろう!」
エミリアンには好きな人がいた!?
お父様はそんなこと、一言も。
「兄様はどうして子爵家の事業の事をご存知なのですか」
「縁戚になるのだから領地まで行って調べてきた。
詳細は掴めなかったが それはしっかり管理されているということだ。
開発に成功し、店を出し、その後も倹約に勤めて、支援した金をまとめて返してきた。
もし解消となっても、あんなことをしなければ、婚姻ではない縁で繋げられたはずだ。
社交でもボヴァン伯爵家はどんな立場に追いやられるか分からない。
ずっと好き勝手に生きてきて、礼儀作法さえ身に付いていなかったとは」
頬がジンジンとして熱を持っていた。
その内、量産は始まったけど、1日の販売数が限られているので、身分証と同じ文面の誓約書を手に夫人か侍女が並んだ。
列の最後には販売数を超えるお客を断る者を立たせていた。
その体制は変える事なく、外国に輸出もしていた。
外に出す数があるなら1日の販売数を上げろと言いたくなるが、あのプレートがある限り言えなかった。
そのアフロディテがプリュム子爵家の店!?
つまり、私はエミリアンの妻になればアフロディテは私のものということだ。惨めな暮らしでもない。
そして私はエミリアンの顔を見ながら暮らして、子を産んで楽しい人生が待っていたのだわ!
パトナムが長男だと思っていたのに次男だなんて!
パトナムと結婚したら爵位の無い夫を持つことになってしまうし。
そうだわ。無かったことにしましょう!
“エミリアン、結婚して差し上げますわ”
だけど彼は受け入れなかった。
パトナムとは寝ていないと嘘をついても駄目だった。
え? 娼館通いはパトナムと!?彼が誘った!?
彼は豊満な女が好み!?
私は胸が小さい方だ。かなり。
それからパトナムとブレット子爵夫妻にボヴァン邸に来てもらって話し合うことになった。
パトナムが私達に体の関係があったと白状してしまったので、間違いなくこちらの契約違反だとお父様は項垂れた。
ブレット子爵領の片隅に家を建てて半年後に婚姻とともに移り住むことになった。
翌朝、兄様から殴られた。
「4億5千万だと!?
お前にそんな価値があると思っているのか!」
「兄様?」
「あの家は能力もあったし誠実だった。
お前がエミリアンを手に入れたくて半ば父が脅すように婚約を取り付けたのに」
「脅す?」
「彼には既に好きな女がいた。父上はその女を不幸にすると脅した。
脅して婚約したら愛してもらえるはずなどないだろう!」
エミリアンには好きな人がいた!?
お父様はそんなこと、一言も。
「兄様はどうして子爵家の事業の事をご存知なのですか」
「縁戚になるのだから領地まで行って調べてきた。
詳細は掴めなかったが それはしっかり管理されているということだ。
開発に成功し、店を出し、その後も倹約に勤めて、支援した金をまとめて返してきた。
もし解消となっても、あんなことをしなければ、婚姻ではない縁で繋げられたはずだ。
社交でもボヴァン伯爵家はどんな立場に追いやられるか分からない。
ずっと好き勝手に生きてきて、礼儀作法さえ身に付いていなかったとは」
頬がジンジンとして熱を持っていた。
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