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それが法律だから

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「婚約おめでとう」

「婚約…ですか」

「そうだ伯爵。其方の娘は真実の愛を選んだのだから婚姻は付きものだろう。今日付けで許可するので詳細は任せる」

「パトナム殿は確か次男…うちは長男が跡継ぎですのでカーラが嫁に入れる相手でないと、」

「そんなことは、当人達も承知の上だ。
2人とも外に出せばいいだろう」

「平民になれと言うことですか」

「さあ、そこまでは口出しはしない。
どちらか、もしくは両家で養うという手もある。

しかし、しでかしたことを鑑みればとても社交には出せまい。
今後、この2人に招待状は送らない。

好きにせよ」

ここでカーラが手を挙げた。

「何だ」

陛下がカーラへ指を刺すと、早口で抗議した。

「どうして私が!

そもそも娼婦と寝ていたエミリアンが悪いのに私とパトナム様が慰謝料を払うなんておかしいわ!」

「カーラ!!」

ボヴァン伯爵は慌てて止めようとしたが、陛下がその問いは王太子殿下が答えると言った。

「では、説明は私が。

貴族法では婚姻前の性交渉に関しては不貞とは定めていない。
婚姻前に不貞を問えるのは、寝た相手が既婚者の場合、子ができた場合のみ。
そして気持ちを動かしたとき。

貴女は1ヶ月前から他の男と愛を育み婚約継続を拒否して他の男を選んだ。これは不貞だ。

そして男側も、婚姻契約の邪魔をして損害を与えた。

だから不貞をしたのはボヴァン嬢で、パトナム殿は契約を駄目にした共犯となる。

娼婦を買うのは不貞とは言わない。
だからエミリアン殿は潔白となる」

「そんな!」

「理解できなくても構わない。法律を守らなければ罰せられるのは変わらない。帰って両親に聞くといい。

エミリアン殿。不運だったな」

「仕方のないことでございます。
それよりも、王太子殿下がお生まれになった大事なお祝いに、このようなこととなり心よりお詫び申し上げます」

「君は被害者なのだから気にしなくていい。
今度はまともな伴侶が見つかるといいな」

「ありがとうございます」

「プリュム子爵。妻が喜んでいましたよ。
子爵家から素晴らしい贈り物が届いたとはしゃいでいました」

「お肌にあったようで安心いたしました」

「王妃も喜んでいた。

国外からも大量に注文が入るおかげで、今では納税順位がボヴァン伯爵家よりも上だからな。

その様な良い商品を使えて王妃が羨ましい」

「陛下。なにも女性だけが使用する品ではございません。男性でも肌や髪の調子が良ければ気分が良いものです」

「そうか。では使ってみよう」

ボヴァンうちよりも上!?」

カーラは理解できないような顔をした。

 








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