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ありがたいお言葉
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「ボヴァン伯爵とブレット子爵とプリュム子爵を急いで呼んで来てくれ」
陛下が命じている間に到着した王太子殿下が冷ややかな目をしていた。
俺は頭を下げ礼をしたが顔を上げろと合図をくださった。
3人の両親が揃うと、陛下が先に説明をした。
「ボヴァン嬢が婚約解消を申し出てな。驚いた。突然直訴だしな」
ボヴァン伯爵夫妻の顔色は一瞬にして蒼白になった。
「ボヴァン嬢はパトナムと1ヶ月前から恋仲で、真実の愛を育てていると物語のようなことを言う」
ブレット子爵夫人がめまいを起こした。
「エミリアンの娼館の利用が気に食わないから解消すると言っていて支援金の返金と慰謝料の請求をしたぞ。
態々息子の誕生を祝うパーティで声を高々に宣言していた。なかなか勇気のある子を育てたものだ」
ボヴァン伯爵夫人は床に倒れ込んだ。
「さて、通常の不貞と婚約解消の手続きをとってもいいかな?ボヴァン嬢」
「はい!不貞はしっかり償わないとなりませんわ」
「不敬もな」
「え?」
「たった今、ボヴァン伯爵家のカーラとプリュム子爵家のエミリアンの婚約を解消した。
申立人はボヴァン嬢だが、此度の破綻の原因はボヴァン嬢にある」
「は!?」
「ボヴァン嬢。次、陛下のお言葉を遮ったら罰を与えるぞ」
注意をしたのは黒地に銀の刺繍の騎士服を着た近衛騎士だった。
「ボヴァン嬢の不貞による婚約解消の違約金と慰謝料で3億の支払いを命じる。
またブレット子爵家は婚約者を奪ったことにより、プリュム子爵家に1億5千万の支払いを命じる。
普通ならボヴァン家に1億、その半額をブレット家に支払命令をだすのだが、其方達は貴族達の集まったパーティでぶちまけた。
エミリアンに恥をかかせた悪質さで1億増額、そして国王に対して敬意を忘れた罪で1億の増額をした。ボヴァン家なら払えるだろう。
ブレット家も同じように3倍にした。
再来週の第一日目迄にプリュム家に納めるように。遅れた場合、1日毎に2パーセントの遅延金を加算する。
1ヶ月以内に支払いができなければ資産の差押えも行うので気を付けるように。
ボヴァン伯爵、ブレット子爵。分かったな?」
「はい、申し訳ございませんでした」
「陛下、1億5千万を用立てる事ができません」
「ならば婚約相手のボヴァン家が立て替えるので、分割でボヴァン家に返すように」
陛下のお言葉に感謝しかない。
陛下が命じている間に到着した王太子殿下が冷ややかな目をしていた。
俺は頭を下げ礼をしたが顔を上げろと合図をくださった。
3人の両親が揃うと、陛下が先に説明をした。
「ボヴァン嬢が婚約解消を申し出てな。驚いた。突然直訴だしな」
ボヴァン伯爵夫妻の顔色は一瞬にして蒼白になった。
「ボヴァン嬢はパトナムと1ヶ月前から恋仲で、真実の愛を育てていると物語のようなことを言う」
ブレット子爵夫人がめまいを起こした。
「エミリアンの娼館の利用が気に食わないから解消すると言っていて支援金の返金と慰謝料の請求をしたぞ。
態々息子の誕生を祝うパーティで声を高々に宣言していた。なかなか勇気のある子を育てたものだ」
ボヴァン伯爵夫人は床に倒れ込んだ。
「さて、通常の不貞と婚約解消の手続きをとってもいいかな?ボヴァン嬢」
「はい!不貞はしっかり償わないとなりませんわ」
「不敬もな」
「え?」
「たった今、ボヴァン伯爵家のカーラとプリュム子爵家のエミリアンの婚約を解消した。
申立人はボヴァン嬢だが、此度の破綻の原因はボヴァン嬢にある」
「は!?」
「ボヴァン嬢。次、陛下のお言葉を遮ったら罰を与えるぞ」
注意をしたのは黒地に銀の刺繍の騎士服を着た近衛騎士だった。
「ボヴァン嬢の不貞による婚約解消の違約金と慰謝料で3億の支払いを命じる。
またブレット子爵家は婚約者を奪ったことにより、プリュム子爵家に1億5千万の支払いを命じる。
普通ならボヴァン家に1億、その半額をブレット家に支払命令をだすのだが、其方達は貴族達の集まったパーティでぶちまけた。
エミリアンに恥をかかせた悪質さで1億増額、そして国王に対して敬意を忘れた罪で1億の増額をした。ボヴァン家なら払えるだろう。
ブレット家も同じように3倍にした。
再来週の第一日目迄にプリュム家に納めるように。遅れた場合、1日毎に2パーセントの遅延金を加算する。
1ヶ月以内に支払いができなければ資産の差押えも行うので気を付けるように。
ボヴァン伯爵、ブレット子爵。分かったな?」
「はい、申し訳ございませんでした」
「陛下、1億5千万を用立てる事ができません」
「ならば婚約相手のボヴァン家が立て替えるので、分割でボヴァン家に返すように」
陛下のお言葉に感謝しかない。
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