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ウィリアムのその後
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【 ウィリアムの視点 】
やっと消えた。
子供の頃、一度優しくしてやったら大人になっても付き纏う女に辟易していた。
サラ・イリザス伯爵令嬢。
金持ちだと言うだけで平凡な顔の令嬢だった。
あの女が付き纏うきっかけとなった王女殿下のお茶会では、点数稼ぎだった。
何故あの女が王女の話し相手に選ばれたのは分からないが、王女の手前、優しくし続けるしかなかった。
解放されたのは学園が始まったからだ。
ホッとしたが、手紙が頻繁に届く。代筆で断っても誘ってくる。お前と過ごして何か楽しいというのか。会話は幼いし知識も乏しい。
返事を疎かにしていっても察しない。学園で寄ってきたときも、王女が学園内にいるので耳に入るといけないと優しく諭した。
卒業して、可愛い令嬢や色気のある令嬢と遊び始めた。両親には婚約者を決めろと言われたが、まだ遊びたかった。婚約者のいない次期侯爵という肩書きは より良い令嬢を引き寄せるから楽しくて仕方なかった。
なのに成人したサラ・イリザスがまた現れた。
は?婚約して欲しい?冗談だろう!?
もっとハッキリ諭したと思ったのに、何を勘違いしたのか貢物をしてきた。本当に馬鹿なんだな。
だが、品はいい。私が買えと言ったわけじゃないし、断る必要もない。だから受け取った。
その後も度々贈り物をしてきた。高級品だからお礼に行きなさいと母が言うので、仕方なくイリザス邸に出向いて茶だけ飲んで帰る。
母にお返しをしなさいと言われたので、たまにサラの誘いに乗って、店に一緒に行ってやった。そのときは私がサラに買ってやるつもりで連れてきたのに、サラは“好きな物を選んで”と言うので遠慮なく選んだ。
サラと別れた後に女物の髪飾りなどを買い、サラ以外の令嬢達に贈った。店からの請求書は纏めた金額にさせて、サラへのお返しの分だと父に説明した。
そんな生活を続けていると、サラがみんなの前で贈り物の件を口にして妻にしろと迫ってきた。
もう耐えられなかった。
お前は無価値で貴族としては欠陥品だといった内容の言葉を並べて追い返した。
せいせいした。
だがそれは大きな噂となってしまった。
令嬢達の半分以上離れていき、王女殿下からは嫌味を言われた。
「歳下の伯爵令嬢であるサラに貢がせるなんて」
「イリザス嬢は昔から付き纏って、勝手に勘違いをして贈り物をし始めたんです」
「贈り物は要らないと断れば済む話じゃないかしら」
「あの子は自分の主張ばかりで察する事を知らないのです」
「サラはハッキリ簡潔に伝えれば分かる子じゃない。
遠回しな表現が苦手な子を相手に何故そうしないの?
私はサラのそういうところが好きなの。貴族令嬢としては難ありな部分があるけど、裏表がなくて素直な子だわ。人を虐めたり陥れたりしないし、思ってもいないお世辞で媚びたりしない。
それにサラは慈善活動にも熱心よ。お金持ちならお金で済まそうとしがちだけど、一生懸命手作りの物を寄付してるわ。その仕上がりはプロ並みよ」
あの女が?
「だとしても、私に非は無いはずです」
「そう? じゃあ、己を貫くといいわ」
王家のパーティで会った王女に文句を言われ苛立っていた。翌日、あの女からの貢物を全部売り払った。名前が彫ってあり 中古品のため、材料費としての金額を提示されたが、それでも大金だった。
令嬢達と、時には夫人と豪遊したりドレスや宝石を買ってやった。
全部使い切ってスッキリした頃に、領地で大規模な天災が起きた。
「え?土石竜!?」
「土石流よ!」
「どういうことですか」
「領地で大雨が何日も降って、地面が緩んだんだ。山が崩れて水を含んだ土砂を巻き込み町を飲み込んだ。
屋敷から近い領地最大の町がほぼ土砂で埋まった。
土砂に埋まっていない畑も収穫を断念するしかないかもしれないし、備蓄倉庫もどこまで無事か分からない。
周囲の領地は小規模な土砂崩れだったそうだ。だが畑に降った大雨の影響で食糧支援は望めないだろう。
街の再建に莫大な金がかかる上に、今年と来年の食糧を何とかするのが当面の課題だ。
土砂を取り除く人員も 犠牲者の弔いも必要だし、使用人達の半数近くの家族や友人が埋まった町に住んでいた。捜索や掘り起こしに行っている」
「ウィリアム。イリザス嬢からの贈り物を手放してちょうだい。フルノーは大きな負債を抱えることになるの」
「いや、イリザス嬢との婚姻で支援金を伯爵家からもらおう」
「は?冗談ですよね?サラなんて嫌ですよ」
「他に方法があるなら構わないぞ」
「……」
「縁談の打診をしよう」
だが、直ぐに結果が分かった。
「お前はイリザス嬢に何をした」
「……」
「イリザス嬢は既にアシル・サルファール前公爵と婚約しているそうだ」
「サルファール公爵家?」
「伯爵夫妻はかなりのご立腹だった。
“今現在婚約していなかったとしても、自殺未遂にまで追い込んだご子息と婚姻させるなど、天地がひっくり返っても有り得ない”と言われたぞ!」
「あの女がですか?どうせちょっと睡眠薬を飲んでみた程度で気を引きたかったのでしょう」
「飲んだのは致死量で、昏睡した数日後に奇跡的に意識を取り戻し、リハビリも必要だったそうだ。
普通なら縁談が無理でも、王女の話し相手仲間として少しは支援を頼めたはずなんだ」
「サラが…」
「イリザス嬢の贈り物を持ってきて。買い取らせるから」
「……ありません」
「ウィリアム?」
「既に売って、その金は使い果たしました」
「お前って奴は!!」
「あなた。ウィリアムに構っている暇はないわ」
「そうだな。お前は部屋から出るな!」
それ以来、部屋で監禁されていた。
食事は質素で湯浴みも3日に一度にされ、それは2週間後には桶に入ったお湯と布を渡されて拭けと言われた。
母上を呼びに行かせると、疲労困憊で顔色の悪い母上が部屋に来た。
「母上、大丈夫ですか」
「大丈夫なわけがないじゃない。用件を言いなさい」
「流石に桶のお湯で体を拭けというのはやり過ぎではありませんか」
「使用人が3人しかいないの。御者と、一番安いメイドと家令よ。だから仕方ないの」
「3人!?」
「支出を抑えないと。
それよりウィリアム。1週間後にタウンハウスを明け渡すわ。屋敷と調度品など売れる物は全て売るから、質素な服を3着と下着類は全部と、薬関係と手紙は鞄に詰めて持って行っていいわ」
「それだけですか!?」
「売れる物は売って小銅貨でも手に入れないと。
それに華美な物を持って行っても向こうで売ることになるだけだし、馬車は一台、荷馬車一台だけなの。侯爵家の書類は残せないから積まなくてはならないし、積みきれないのよ。
いい歳して湯浴みの心配なんかしていないで、現実を受け入れてちょうだい。
領地の現状は説明したでしょう」
1週間、タウンハウスと別れを告げた。
奇跡が起こらない限り、王都で暮らすことはないと言われた。
御者と両親と私だけで領地へ着くと、土砂に埋まった町が見えた。掘り起こし、遺体を運んでいるところだった。この目で見てやっと状況がのめた。
屋敷のほとんどを領民に解放していた。
領地の屋敷も使用人は減らされて、その代わり避難している平民が掃除洗濯などをしていた。
あの広範囲に埋まった土砂を取り除くだけでどれだけの日数がかかるのだろうか。
“乾いた土とは違って重いから一年経っても難しいだろうな。人員次第だ”
父が外を眺めながら答えた。
その後、国から土砂を取り除くための人員が派遣された。食糧支援も最低限受けることができた。
だが復興に何年かかるか分からないし、同じ町には戻せない。この女を妻に迎えても。
「ウィリアム。婚約者が決まったわ。
子爵家のご令嬢よ。再婚だけど支援してくださるわ。浮気をすると離縁と慰謝料と支援金全額返済を求められるから、妻以外は駄目よ」
「土砂を取り除いた後、5分の1くらい建物を建てられそうだ。令嬢と仲良くするように」
絵姿と釣書を見ると、29歳で平凡以下の容姿だった。
「分かりました」
サラとはどうしても合わなかった。
時が巻き戻ったとしたら、早めに伯爵を交えて断り、諦めて欲しいと申しいれるくらいしかできない。自殺未遂までするほど私を好きだったと聞いても気持ちは変わらない。
「しかし、今回は国の動きが鈍い」
「鈍い?」
「こんな大規模な災害があれば直ぐに何かしらの支援があるものだが何度と訴えて漸くだ。王族か誰かに目を付けられたのかもしれない」
王女……
やっと消えた。
子供の頃、一度優しくしてやったら大人になっても付き纏う女に辟易していた。
サラ・イリザス伯爵令嬢。
金持ちだと言うだけで平凡な顔の令嬢だった。
あの女が付き纏うきっかけとなった王女殿下のお茶会では、点数稼ぎだった。
何故あの女が王女の話し相手に選ばれたのは分からないが、王女の手前、優しくし続けるしかなかった。
解放されたのは学園が始まったからだ。
ホッとしたが、手紙が頻繁に届く。代筆で断っても誘ってくる。お前と過ごして何か楽しいというのか。会話は幼いし知識も乏しい。
返事を疎かにしていっても察しない。学園で寄ってきたときも、王女が学園内にいるので耳に入るといけないと優しく諭した。
卒業して、可愛い令嬢や色気のある令嬢と遊び始めた。両親には婚約者を決めろと言われたが、まだ遊びたかった。婚約者のいない次期侯爵という肩書きは より良い令嬢を引き寄せるから楽しくて仕方なかった。
なのに成人したサラ・イリザスがまた現れた。
は?婚約して欲しい?冗談だろう!?
もっとハッキリ諭したと思ったのに、何を勘違いしたのか貢物をしてきた。本当に馬鹿なんだな。
だが、品はいい。私が買えと言ったわけじゃないし、断る必要もない。だから受け取った。
その後も度々贈り物をしてきた。高級品だからお礼に行きなさいと母が言うので、仕方なくイリザス邸に出向いて茶だけ飲んで帰る。
母にお返しをしなさいと言われたので、たまにサラの誘いに乗って、店に一緒に行ってやった。そのときは私がサラに買ってやるつもりで連れてきたのに、サラは“好きな物を選んで”と言うので遠慮なく選んだ。
サラと別れた後に女物の髪飾りなどを買い、サラ以外の令嬢達に贈った。店からの請求書は纏めた金額にさせて、サラへのお返しの分だと父に説明した。
そんな生活を続けていると、サラがみんなの前で贈り物の件を口にして妻にしろと迫ってきた。
もう耐えられなかった。
お前は無価値で貴族としては欠陥品だといった内容の言葉を並べて追い返した。
せいせいした。
だがそれは大きな噂となってしまった。
令嬢達の半分以上離れていき、王女殿下からは嫌味を言われた。
「歳下の伯爵令嬢であるサラに貢がせるなんて」
「イリザス嬢は昔から付き纏って、勝手に勘違いをして贈り物をし始めたんです」
「贈り物は要らないと断れば済む話じゃないかしら」
「あの子は自分の主張ばかりで察する事を知らないのです」
「サラはハッキリ簡潔に伝えれば分かる子じゃない。
遠回しな表現が苦手な子を相手に何故そうしないの?
私はサラのそういうところが好きなの。貴族令嬢としては難ありな部分があるけど、裏表がなくて素直な子だわ。人を虐めたり陥れたりしないし、思ってもいないお世辞で媚びたりしない。
それにサラは慈善活動にも熱心よ。お金持ちならお金で済まそうとしがちだけど、一生懸命手作りの物を寄付してるわ。その仕上がりはプロ並みよ」
あの女が?
「だとしても、私に非は無いはずです」
「そう? じゃあ、己を貫くといいわ」
王家のパーティで会った王女に文句を言われ苛立っていた。翌日、あの女からの貢物を全部売り払った。名前が彫ってあり 中古品のため、材料費としての金額を提示されたが、それでも大金だった。
令嬢達と、時には夫人と豪遊したりドレスや宝石を買ってやった。
全部使い切ってスッキリした頃に、領地で大規模な天災が起きた。
「え?土石竜!?」
「土石流よ!」
「どういうことですか」
「領地で大雨が何日も降って、地面が緩んだんだ。山が崩れて水を含んだ土砂を巻き込み町を飲み込んだ。
屋敷から近い領地最大の町がほぼ土砂で埋まった。
土砂に埋まっていない畑も収穫を断念するしかないかもしれないし、備蓄倉庫もどこまで無事か分からない。
周囲の領地は小規模な土砂崩れだったそうだ。だが畑に降った大雨の影響で食糧支援は望めないだろう。
街の再建に莫大な金がかかる上に、今年と来年の食糧を何とかするのが当面の課題だ。
土砂を取り除く人員も 犠牲者の弔いも必要だし、使用人達の半数近くの家族や友人が埋まった町に住んでいた。捜索や掘り起こしに行っている」
「ウィリアム。イリザス嬢からの贈り物を手放してちょうだい。フルノーは大きな負債を抱えることになるの」
「いや、イリザス嬢との婚姻で支援金を伯爵家からもらおう」
「は?冗談ですよね?サラなんて嫌ですよ」
「他に方法があるなら構わないぞ」
「……」
「縁談の打診をしよう」
だが、直ぐに結果が分かった。
「お前はイリザス嬢に何をした」
「……」
「イリザス嬢は既にアシル・サルファール前公爵と婚約しているそうだ」
「サルファール公爵家?」
「伯爵夫妻はかなりのご立腹だった。
“今現在婚約していなかったとしても、自殺未遂にまで追い込んだご子息と婚姻させるなど、天地がひっくり返っても有り得ない”と言われたぞ!」
「あの女がですか?どうせちょっと睡眠薬を飲んでみた程度で気を引きたかったのでしょう」
「飲んだのは致死量で、昏睡した数日後に奇跡的に意識を取り戻し、リハビリも必要だったそうだ。
普通なら縁談が無理でも、王女の話し相手仲間として少しは支援を頼めたはずなんだ」
「サラが…」
「イリザス嬢の贈り物を持ってきて。買い取らせるから」
「……ありません」
「ウィリアム?」
「既に売って、その金は使い果たしました」
「お前って奴は!!」
「あなた。ウィリアムに構っている暇はないわ」
「そうだな。お前は部屋から出るな!」
それ以来、部屋で監禁されていた。
食事は質素で湯浴みも3日に一度にされ、それは2週間後には桶に入ったお湯と布を渡されて拭けと言われた。
母上を呼びに行かせると、疲労困憊で顔色の悪い母上が部屋に来た。
「母上、大丈夫ですか」
「大丈夫なわけがないじゃない。用件を言いなさい」
「流石に桶のお湯で体を拭けというのはやり過ぎではありませんか」
「使用人が3人しかいないの。御者と、一番安いメイドと家令よ。だから仕方ないの」
「3人!?」
「支出を抑えないと。
それよりウィリアム。1週間後にタウンハウスを明け渡すわ。屋敷と調度品など売れる物は全て売るから、質素な服を3着と下着類は全部と、薬関係と手紙は鞄に詰めて持って行っていいわ」
「それだけですか!?」
「売れる物は売って小銅貨でも手に入れないと。
それに華美な物を持って行っても向こうで売ることになるだけだし、馬車は一台、荷馬車一台だけなの。侯爵家の書類は残せないから積まなくてはならないし、積みきれないのよ。
いい歳して湯浴みの心配なんかしていないで、現実を受け入れてちょうだい。
領地の現状は説明したでしょう」
1週間、タウンハウスと別れを告げた。
奇跡が起こらない限り、王都で暮らすことはないと言われた。
御者と両親と私だけで領地へ着くと、土砂に埋まった町が見えた。掘り起こし、遺体を運んでいるところだった。この目で見てやっと状況がのめた。
屋敷のほとんどを領民に解放していた。
領地の屋敷も使用人は減らされて、その代わり避難している平民が掃除洗濯などをしていた。
あの広範囲に埋まった土砂を取り除くだけでどれだけの日数がかかるのだろうか。
“乾いた土とは違って重いから一年経っても難しいだろうな。人員次第だ”
父が外を眺めながら答えた。
その後、国から土砂を取り除くための人員が派遣された。食糧支援も最低限受けることができた。
だが復興に何年かかるか分からないし、同じ町には戻せない。この女を妻に迎えても。
「ウィリアム。婚約者が決まったわ。
子爵家のご令嬢よ。再婚だけど支援してくださるわ。浮気をすると離縁と慰謝料と支援金全額返済を求められるから、妻以外は駄目よ」
「土砂を取り除いた後、5分の1くらい建物を建てられそうだ。令嬢と仲良くするように」
絵姿と釣書を見ると、29歳で平凡以下の容姿だった。
「分かりました」
サラとはどうしても合わなかった。
時が巻き戻ったとしたら、早めに伯爵を交えて断り、諦めて欲しいと申しいれるくらいしかできない。自殺未遂までするほど私を好きだったと聞いても気持ちは変わらない。
「しかし、今回は国の動きが鈍い」
「鈍い?」
「こんな大規模な災害があれば直ぐに何かしらの支援があるものだが何度と訴えて漸くだ。王族か誰かに目を付けられたのかもしれない」
王女……
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