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玩具
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猛勉強、学園、リュカ様と昼食と変わらぬ日々を過ごしています…とは言えない。日曜の夜か月曜の放課後に城に連れてこられている。
勉強で分からないことがあればリュカ様が教えてくれて、特になければ陛下の玩具だ。
今日は彼奴の情報を書いてくれと言ってメモを見て楽しんでいる。
時には書ききれないほどの経験の持ち主もいて、多分50人以上、100人?わかりませんが、短時間では書ききれませんでした、というと性病検査を命じたようだ。
相手が同性の場合も、近親の場合もあった。
止めに入るのはリュカ様だ。
陛下から玩具を取り上げ、散歩に連れて行ってくれたりお菓子を用意してくれる。
兄様には、王家の秘密を知ってしまったついでに任務を与えていると言って黙認させた。
マリエッタ様にだけはギフトの件を陛下とリュカ様が知っていて協力していると教えた。
「随分勉強が進んだな」
「はい。リュカ様にも感謝しています。
王族でなければ教師になったらいいのではと思うくらい教え方が上手です」
「俺が教えるのはリリだけでいい」
「最近、雇った先生方が厳しくなったような気がします」
「そうなのか?見込みがあるからだろう」
「今週はフランシス先生と観劇です」
「リリの義姉上は?」
「兄様と予定があるので」
「俺も行く」
「駄目ですよ」
結局劇場で待ち伏せされて3人で観ることになった。私達の隣の席のご夫婦のチケットと、リュカ様の特別席を交換していた。
変装をしたリュカ様はちょっと不機嫌だった。
嫌なら来なきゃいいのに。
その後、フランシス先生からは“マリエッタが一緒にいけない日は中止にしよう”と言われた。
苦笑いしていた。
「ねえ、リュカ様。フランシス先生が義姉様のいない時は中止にしようって言うの。心当たりある?」
「さぁ、その日は俺が連れて行こう」
「駄目よ」
「2人とも変装すればいい。変装に長けたメイドがいるから任せれば別人だぞ」
「私は平凡だから気にも止められないけど、リュカ様は目立つわ」
「よし試そう」
「え~」
とは言っても、そんな日はなかなか来ないわけで。
リュカ様は頻繁に中止の日はないか聞いてくる。
城の人達にもすっかり馴染み、特にオデット侍女長が世話を焼いてくれる。
食事の好みも全て把握してしまっている。
侍女長の誕生日を聞いていて、誕生日前日の本日、家の先生にはお休みを予め告げて王宮に来ている。
「いつも居心地良く過ごせるのはオデット侍女長のお陰です。ありがとうございます。
明日お誕生日だと伺いました。おめでとうございます。お気に召してくださるといいのですが」
「私にですか?」
「はい」
包装を開けた。
「まぁ!!」
「オデット侍女長の瞳の色にあわせました。デザインも控えめにしたつもりです」
「こんなに素敵な髪飾りをいただけるなんて!ありがとうございます!
ですが、こんなに高価な物をいただいては…」
「お気になさらないでください。
私を凍死させようとした令嬢達から巻き上げたお金が沢山ありますから。結果的に令嬢達に感謝していますわ。自由に使える個人資産になりましたもの。
今度、お食事にいきませんか」
「なんでオデットばっかりなんだよ。俺と行けばいいだろう」
「私はオデット侍女長が好きなの!」
「……」
「今日はリリアーナ様がお好きそうな茶葉をお持ちしました」
「楽しみだわ!」
「食後にご用意いたします」
「ありがとうございます」
「……」
勉強で分からないことがあればリュカ様が教えてくれて、特になければ陛下の玩具だ。
今日は彼奴の情報を書いてくれと言ってメモを見て楽しんでいる。
時には書ききれないほどの経験の持ち主もいて、多分50人以上、100人?わかりませんが、短時間では書ききれませんでした、というと性病検査を命じたようだ。
相手が同性の場合も、近親の場合もあった。
止めに入るのはリュカ様だ。
陛下から玩具を取り上げ、散歩に連れて行ってくれたりお菓子を用意してくれる。
兄様には、王家の秘密を知ってしまったついでに任務を与えていると言って黙認させた。
マリエッタ様にだけはギフトの件を陛下とリュカ様が知っていて協力していると教えた。
「随分勉強が進んだな」
「はい。リュカ様にも感謝しています。
王族でなければ教師になったらいいのではと思うくらい教え方が上手です」
「俺が教えるのはリリだけでいい」
「最近、雇った先生方が厳しくなったような気がします」
「そうなのか?見込みがあるからだろう」
「今週はフランシス先生と観劇です」
「リリの義姉上は?」
「兄様と予定があるので」
「俺も行く」
「駄目ですよ」
結局劇場で待ち伏せされて3人で観ることになった。私達の隣の席のご夫婦のチケットと、リュカ様の特別席を交換していた。
変装をしたリュカ様はちょっと不機嫌だった。
嫌なら来なきゃいいのに。
その後、フランシス先生からは“マリエッタが一緒にいけない日は中止にしよう”と言われた。
苦笑いしていた。
「ねえ、リュカ様。フランシス先生が義姉様のいない時は中止にしようって言うの。心当たりある?」
「さぁ、その日は俺が連れて行こう」
「駄目よ」
「2人とも変装すればいい。変装に長けたメイドがいるから任せれば別人だぞ」
「私は平凡だから気にも止められないけど、リュカ様は目立つわ」
「よし試そう」
「え~」
とは言っても、そんな日はなかなか来ないわけで。
リュカ様は頻繁に中止の日はないか聞いてくる。
城の人達にもすっかり馴染み、特にオデット侍女長が世話を焼いてくれる。
食事の好みも全て把握してしまっている。
侍女長の誕生日を聞いていて、誕生日前日の本日、家の先生にはお休みを予め告げて王宮に来ている。
「いつも居心地良く過ごせるのはオデット侍女長のお陰です。ありがとうございます。
明日お誕生日だと伺いました。おめでとうございます。お気に召してくださるといいのですが」
「私にですか?」
「はい」
包装を開けた。
「まぁ!!」
「オデット侍女長の瞳の色にあわせました。デザインも控えめにしたつもりです」
「こんなに素敵な髪飾りをいただけるなんて!ありがとうございます!
ですが、こんなに高価な物をいただいては…」
「お気になさらないでください。
私を凍死させようとした令嬢達から巻き上げたお金が沢山ありますから。結果的に令嬢達に感謝していますわ。自由に使える個人資産になりましたもの。
今度、お食事にいきませんか」
「なんでオデットばっかりなんだよ。俺と行けばいいだろう」
「私はオデット侍女長が好きなの!」
「……」
「今日はリリアーナ様がお好きそうな茶葉をお持ちしました」
「楽しみだわ!」
「食後にご用意いたします」
「ありがとうございます」
「……」
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