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【 国王視点 】
次男のエリアスが茶会に来ていた伯爵令嬢と人払いをして3時間以上出てこないと聞いた。
相手はクロノス伯爵令嬢。オヌール公爵令息の婚約者だと言うではないか。
エリアスの侍従のアーノルドを呼ぶと、遅いので伯爵家に使いを出し泊めさせる判断をしたようだ。
無理にでも入って様子を見てこいと言うと数十分後、アーノルドが報告に来た。
膝枕で寝ていたと。今は令嬢が号泣していて手が付けられないらしい。
何が何だかわからない。
泣いたままエリアスの給餌を膝の上で受けている?
オヌール家の婚約者だぞ!?
晩餐で王妃と長男夫妻に話したら、寵妃を迎えるつもりなのだろうという話になった。
食後の茶を飲みながらエリアスを待つとやっと来た。
事情を聞くと、学園で昼休みを一緒に過ごして勉強を、教えているようだ。
だが、それにしても。
オヌール公爵令息とクロノス伯爵令嬢は上手くいっていないようだ。エリアスは、さっきの号泣は多分、長年我慢して飲み込んでいた不満や悲しみが一気に噴出したのだと言った。
何かある。だが、口を割らない。
翌朝、令嬢が登場するとエリアスは嬉しそうに側に居させようとする。
令嬢が“リュカ様”と呼んでいた。
エリアスは世話を焼こうとずっと令嬢を見守り、“リリ”と愛称で呼んでいた。
これは間違いない。
だが、2人とも婚約者が…。
エリアスが6人を調べて欲しいと言い出した。
目的の範囲が不明で、2人とも放課後に執務室へ来るように告げた。
2人が学園から戻るとエリアスは不機嫌だった。
喧嘩でもしたのか。
黙秘!? 契約書!?
エリアスは死んでも秘密を守ると宣言した。
ちょっと待て!何故リリアーナが昨年のマナとの情事を知っているのだ!日付けまで!
王家の秘密を喋った!?
そんな事をしたら娶るか暗殺かどちらかしか…
成程。もうリリアーナを娶らざるを得ない状況にしたのだな。だがオヌール公爵は…。
その後のリリアーナの境遇は酷いものだった。オヌール公爵家はリリアーナを守らなかったのだな。
痣は絶えず、2度も命の危機にあって、しかも死を受け入れているではないか。
だがこんな話の中でも、何故かエリアスの機嫌がなおって笑顔になっている。まさか、令息に興味がないとか辞退を告げたとかいう話に喜んているのか?
ギフト!? 閨の相手と日付けが見える!?
そういうことか。これはどの道放ってはおけない。
結局私の秘密を打ち明け、考えたいと退室させた。
王太子を呼び、ギフトの部分以外を話した。
「サンドル侯爵令嬢とエリアスの婚約、オヌール公爵令息とクロノス伯爵令嬢の婚約、どちらも破断にさせてエリアスとくっつけたいと?」
「そうだ。今朝言っていたジョアンナの不貞相手は6人。これがそのリストだ。不貞した順に並んでいる」
「最後、近衛騎士!?2人同じ日!?」
「3人で楽しんだのであろう。エリアスと領地へ行った日だ」
「…最初がサンドル侯爵令息」
「一人娘のジョアンナの婚約が決まり遠縁から養子を迎えた。
式前日の検査で引っかかっていたら惨事だった。まだ準備もしていないから破棄と処罰だけで済む。
まず近衛から裏付けをとってくれ。
問題はオヌール公爵令息の方だ。
リリアーナは婚約して以来、公爵令息目当ての令嬢達の餌食になっていて嫌がらせも怪我も絶えなかったようだ。
学園に入ると凍死しかけ、2階から突き落とされたが生還した。
流石にリリアーナは辞退を申し入れた様だが令息が拒否している。
リリアーナは令息に興味はないし、政略でもないようだ。リリアーナの父親が亡くなったので公爵家側しか婚約の経緯を知らない。
令息は婚約を続けるといいつつ不貞をしているようだ」
「少し厄介ですね。身分の高い男の多少の不貞は見逃される傾向にあります。それにオヌール家は王族の血が流れていますから」
「だがあんまりだろう。オヌール家のせいなのにリリアーナを守っていない。その上不貞だ。
しかもエリアスがリリアーナに恋をしてしまった。
片思いのようだが嫌われてはいないと思う」
「まぁ、アレではね。“リュカ”と呼ばせていましたしね」
本当はギフトの持ち主だと言えば王命で解消させてエリアスとの婚姻をさせてやれるが、エリアスが秘密を守ると言うから仕方がない。
「一番良さそうなのはサンドル侯爵令嬢とオヌール公爵令息の不貞ですね」
「仕組めるか」
「エリアスはサンドル侯爵令嬢が不貞をしたから嫌なのでしょうか、それとも」
「最初から好きではないらしい。政略として受け入れたようだ」
「王宮で宿泊込みの晩餐会を開きましょう。親戚交流の名目で招待するのです。
まずは近衛の2人に自白させ、今回は大目に見る代わりに協力させます」
1時間も経たずに騎士2人は自白した。
夜中に警備の交代があり、休もうとしたところ令嬢から誘われたそうだ。令嬢の部屋で騎士3人が楽しんだ。
名前があがっていなかった騎士は口淫だったそうだ。
次男のエリアスが茶会に来ていた伯爵令嬢と人払いをして3時間以上出てこないと聞いた。
相手はクロノス伯爵令嬢。オヌール公爵令息の婚約者だと言うではないか。
エリアスの侍従のアーノルドを呼ぶと、遅いので伯爵家に使いを出し泊めさせる判断をしたようだ。
無理にでも入って様子を見てこいと言うと数十分後、アーノルドが報告に来た。
膝枕で寝ていたと。今は令嬢が号泣していて手が付けられないらしい。
何が何だかわからない。
泣いたままエリアスの給餌を膝の上で受けている?
オヌール家の婚約者だぞ!?
晩餐で王妃と長男夫妻に話したら、寵妃を迎えるつもりなのだろうという話になった。
食後の茶を飲みながらエリアスを待つとやっと来た。
事情を聞くと、学園で昼休みを一緒に過ごして勉強を、教えているようだ。
だが、それにしても。
オヌール公爵令息とクロノス伯爵令嬢は上手くいっていないようだ。エリアスは、さっきの号泣は多分、長年我慢して飲み込んでいた不満や悲しみが一気に噴出したのだと言った。
何かある。だが、口を割らない。
翌朝、令嬢が登場するとエリアスは嬉しそうに側に居させようとする。
令嬢が“リュカ様”と呼んでいた。
エリアスは世話を焼こうとずっと令嬢を見守り、“リリ”と愛称で呼んでいた。
これは間違いない。
だが、2人とも婚約者が…。
エリアスが6人を調べて欲しいと言い出した。
目的の範囲が不明で、2人とも放課後に執務室へ来るように告げた。
2人が学園から戻るとエリアスは不機嫌だった。
喧嘩でもしたのか。
黙秘!? 契約書!?
エリアスは死んでも秘密を守ると宣言した。
ちょっと待て!何故リリアーナが昨年のマナとの情事を知っているのだ!日付けまで!
王家の秘密を喋った!?
そんな事をしたら娶るか暗殺かどちらかしか…
成程。もうリリアーナを娶らざるを得ない状況にしたのだな。だがオヌール公爵は…。
その後のリリアーナの境遇は酷いものだった。オヌール公爵家はリリアーナを守らなかったのだな。
痣は絶えず、2度も命の危機にあって、しかも死を受け入れているではないか。
だがこんな話の中でも、何故かエリアスの機嫌がなおって笑顔になっている。まさか、令息に興味がないとか辞退を告げたとかいう話に喜んているのか?
ギフト!? 閨の相手と日付けが見える!?
そういうことか。これはどの道放ってはおけない。
結局私の秘密を打ち明け、考えたいと退室させた。
王太子を呼び、ギフトの部分以外を話した。
「サンドル侯爵令嬢とエリアスの婚約、オヌール公爵令息とクロノス伯爵令嬢の婚約、どちらも破断にさせてエリアスとくっつけたいと?」
「そうだ。今朝言っていたジョアンナの不貞相手は6人。これがそのリストだ。不貞した順に並んでいる」
「最後、近衛騎士!?2人同じ日!?」
「3人で楽しんだのであろう。エリアスと領地へ行った日だ」
「…最初がサンドル侯爵令息」
「一人娘のジョアンナの婚約が決まり遠縁から養子を迎えた。
式前日の検査で引っかかっていたら惨事だった。まだ準備もしていないから破棄と処罰だけで済む。
まず近衛から裏付けをとってくれ。
問題はオヌール公爵令息の方だ。
リリアーナは婚約して以来、公爵令息目当ての令嬢達の餌食になっていて嫌がらせも怪我も絶えなかったようだ。
学園に入ると凍死しかけ、2階から突き落とされたが生還した。
流石にリリアーナは辞退を申し入れた様だが令息が拒否している。
リリアーナは令息に興味はないし、政略でもないようだ。リリアーナの父親が亡くなったので公爵家側しか婚約の経緯を知らない。
令息は婚約を続けるといいつつ不貞をしているようだ」
「少し厄介ですね。身分の高い男の多少の不貞は見逃される傾向にあります。それにオヌール家は王族の血が流れていますから」
「だがあんまりだろう。オヌール家のせいなのにリリアーナを守っていない。その上不貞だ。
しかもエリアスがリリアーナに恋をしてしまった。
片思いのようだが嫌われてはいないと思う」
「まぁ、アレではね。“リュカ”と呼ばせていましたしね」
本当はギフトの持ち主だと言えば王命で解消させてエリアスとの婚姻をさせてやれるが、エリアスが秘密を守ると言うから仕方がない。
「一番良さそうなのはサンドル侯爵令嬢とオヌール公爵令息の不貞ですね」
「仕組めるか」
「エリアスはサンドル侯爵令嬢が不貞をしたから嫌なのでしょうか、それとも」
「最初から好きではないらしい。政略として受け入れたようだ」
「王宮で宿泊込みの晩餐会を開きましょう。親戚交流の名目で招待するのです。
まずは近衛の2人に自白させ、今回は大目に見る代わりに協力させます」
1時間も経たずに騎士2人は自白した。
夜中に警備の交代があり、休もうとしたところ令嬢から誘われたそうだ。令嬢の部屋で騎士3人が楽しんだ。
名前があがっていなかった騎士は口淫だったそうだ。
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