【完結】見えてますよ!

ユユ

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講師

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「淑女教育のパメラ・ベンナでございます」

「数学担当のファヴィアン・ノースバードです」

「国内外の歴史担当フィリップ・カトラーです」

「外国語担当のテオドール・スピンネルです」

「令嬢担当のフランシスです」


「リリアーナ・クロノスと申します。よろしくお願いいたします」

「リリアーナは無気力で自信のない子なの。一人前のレディに仕上げていただきたいのです。
詳しくは先日お話しした通りです。
契約をしていただけますか」

全員の承諾を得て契約書に署名した。スケジュールは先生方が組んでくださる。

どうしてもの社交以外は基本断る予定だ。
これが療養8日目のこと。

講師陣が帰って行き、マリエッタ様と2人になった。

「マクセル様には了承を得ているから大丈夫よ」

「ありがとうございます。
あの、令嬢担当って何を教えてくださるのですか」

「オシャレからダンスまではば広くよ。
ここだけの話だけど、フランシスは私の友達で、女性の心を持ち合わせているの」

「?」

「男性も女性も恋愛対象で、女性が好む物に興味を惹かれるのよ。ドレスとか宝石とかお菓子とか。
身につけるわけじゃないんだけどね。
恋愛も男性との方が多いみたい」

「そうなのですね」

「嫌?」

「全くそういうのはありません。初めてお会いするタイプの方ではありますが」

「綺麗な男よね。髪も艶々!だけど強いのよ!ケンカ。あの容姿だから小さい頃からよく絡まれたみたいで」

「私とは違う意味で苦労なさったのですね」

「独自の世界を生きているわ。
他の講師は既婚者で、優秀よ」

「何と言って引き受けていただいたのですか」

「ずっと妬まれて虐められて自信を無くして無気力になった女の子を救って欲しいって言ったの」

「…頑張らないといけませんね」

「月曜日は完休。金曜日の放課後と日曜の午後の前半は私とフランシスで課外授業よ!他は屋敷で授業だからね。これ、時間割表」

学校が休みの日もビッシリ授業で埋まっていた。



療養最終日に公爵家にも手紙を出した。

看病や診察のお礼を1枚目に。
2枚目は学生のうちは勉学に励むことにしたので王族主催のもの以外の社交は控えること。
従って他のご令嬢をパートナーに誘って欲しいと書いた。





「リリアーナ」

「お兄様」

「本気か」

「そうでなければ5人も雇いませんわ」

「…体調管理は気をつけなさい」

「はい」

「先日、公爵様から話を聞いた。
公爵邸でリリアーナを突き落としたのはオヌール家の縁戚のトリシア・ケンドール侯爵令嬢だった。
修道院へ送られたそうだ」

「理由は何だったのでしょう」

「次期オヌール公爵夫人の座だ」

「そうですか。ありがとうございました」

「マリエッタとは一段と仲良くなったのだな」

「はい。よくしてくださいます」

「そうか」

「そろそろ失礼いたします」

「明日から登校だな」

「はい」

「おやすみ」

「おやすみなさい」



久しぶりに会話した気がするわ。
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