12 / 30
披露パーティー
しおりを挟む
婚姻から半年以上経ち、兄様は領地に向かった。
かなり寂しい。
「シア、俺がいるだろう」
「兄様がいないの」
「ほら、おいで」
隣に座ったディオンに抱き付いた。
ディオンは私の肩に腕をまわし抱き寄せた。
「兄様の匂いじゃない」
「俺が臭いって?傷付くなぁ」
「そんなこと言ってないわ。ただ兄様の匂いに包まれて育ったんだもの仕方ないでしょう」
「義兄上とシアが兄妹で良かったよ」
「私もそう思うけど、兄妹だから結婚できないの」
「……」
「妹だと嫁いで離れ離れになっちゃうけど、お嫁さんになれたらずっと一緒だもの」
「いや、妹でもべったり一緒だったろう」
「領地に行こうかな、 ひゃあっ」
「俺が膝の上に乗せて可愛がるからここに居ろ」
「なんかしっくりこない」
「もっと長い目で見てくれよ」
「兄様に寂しいってお手紙書こうかな」
「止めろ。あの人は直ぐに戻ってくるぞ。それじゃマノン様が可哀想だろう。何ヶ月も夫だけ王都にいたんだから」
「やっぱり兄妹じゃない方が良かったじゃない」
「そろそろ支度をしてこい。午後はガーデンパーティーだぞ」
「は~い」
今日はウィルソン家のガーデンパーティーだ。
王都にいる親類や領地から参加できる親類を呼び、急遽結婚した私達のお披露目をすることになっている。
「本日はこちらを身に着けてください」
メイドがアクセサリーケースを開けた。
「こんな高そうなものは怖いわ」
「こちらはディオン様がレティシア様のために作らせた物です。着けて頂かないとディオン様が落ち込まれます」
「分かったわ」
ディオンの瞳はオレンジに近い黄色だからそっくりな色を探すのが難しい。なのにこんな大きな石を使ってしまうなんて。
そしてこのカチューシャにもディオンの瞳の色の宝石が散らばめられている。頭に装着するとティアラに見えそうで怖い。幅の細いもので良かった。
支度の整った私を見てディオンが嬉しそうに微笑む。本当はミリアナ様に自分の色の宝石を身に纏って欲しかったのだろう。
「よく似合っている。我が妻レティシア」
「あ、ありがとう」
改めてハンドキスをされるとなんだか照れる。
庭に出ると結構な人数が出席していた。
侯爵夫妻が私達の婚姻を報告して紹介し、一組ずつ顔合わせをしていく。
私にハンドキスをしようと手を取ろうとする令息がいるとサッとディオンが前に出て遮る。
“義兄上に報告しなくてはならないので”
ディオンがそう言うと顔を青くして引き下がる。
そして何人かの令嬢の内、2人はディオン狙いみたい。
「うちの娘はもうすぐ学園を卒業しますのよ」
「アドリーヌ嬢、おめでとうございます。最後まで気を抜かないようにして卒業を迎えてください」
「ディオン様、卒業パーティーでエスコートしてくださいませんか。憧れのディオン様とご一緒できれば一生の思い出となりますわ」
「妻を蔑ろにしろと?」
「いえ、」
「そうではありませんわ。心の広い奥様ならご理解いただけるかと」
娘の代わりに母親が私に振ってきた。
「え?断れは私は心が狭いのですか?夫人」
「そ、そういうわけでは」
「そう仰いましたけど、聞き間違いでしょうか。
残念ですけど、私 心が極狭で、蟻も通れませんのもしかしたら紙一枚も通さないかもしれません」
「シアっ」
「うちの可愛いお嫁さんはね、ディオンの過去の女の影を知ったとき、屋敷中の手頃な物を投げ付けましたのよ。投げ足りないと分かると追加で投げる物を用意させましたの。とても可愛かったわぁ」
「お、お義母様っ」
「ディオンは次の影は作れませんわ。今度は100本くらいナイフを用意しなくてはならなそうですから。その時はアドリーヌ嬢が的になるかもしれませんわよ?ディオンは一つも避けませんでしたから、アドリーヌ嬢も避けることは許されないかもしれませんわね」
「だ、大丈夫です。卒業パーティーは弟と行きます」
「それは良かったですわ。ねえ、ディオン、レティシア」
「はい、母上」
「そちらにいらっしゃるのは弟さん?確かカミーユ様でしたね。学園は慣れましたか?」
「は、はいっ」
「私もカミーユ様のような弟が欲しかったのです。兄に甘やかされてばかりで、私も誰かを甘やかしたいと願っていたのですけど、弟も妹もできなかったのです」
「レ、レティシア様のような姉様がいてくださったら、僕は全力で甘えますっ」
「ふふっ。またお会いしましょうね」
「はいっ!直ぐ参りますっ!」
ディオンがまた間に入った。
そしてまた何組目かの後に。
夫人「まあまあ、お美しいお嬢様で」
デ「レティシア。こちらは領地の一部を管理しているベスコ男爵家の方々です」
夫人「ディオン様もすっかり逞しくおなりになって。ねえダイアナ」
ダ「相変わらず素敵ですわ」
夫人「正妻は迎えたことですし、次は男爵家でもよろしいですわよね。ディオン様を満足させられるよう躾けましたので、どうかお召しください」
え?夫人が私の胸を見て言ったわよね。
令嬢も豊満な胸を突き出しているわ。
デ「私はレティシアを妻にできて満足しております」
夫人「最初はね。その内物足りなくなりますわ。レティシア様も何処かの女狐より、ダイアナが第二夫人になった方が安心ですわよね」
私「質問をしてもいいですか」
夫人「どうぞレティシア様」
私「ダイアナ様の売りって何ですか?」
「「え?」」
私「妾の斡旋なら、わざわざディオンより歳上を選ぶ必要なんて無いですし、夜伽がお役目なら必要なときに高級娼館を使った方がお得ですわ。ダイアナ様を養うにはお金がかなり掛かりそうですもの。それなのにあえて第二夫人にですか… 子を産むことと夜伽以外に何かウィルソン家に役立つダイアナ様の売りってありますか?」
夫人「なっ!」
デ「確かに引き取ったらそれなりの費用が掛かりますね。ウィルソン家にどう有益か教えていただきたい」
ダ「と、殿方は貧相な体より私みたいな体を好むのです!」
デ「俺が妻を体で選ぶとでも?」
ダ「え…そうじゃなくて、」
私「でも、そのご自慢の胸はいずれ垂れて萎んでいきますよ?今23歳ですよね。そろそろ十代よりも下がってきたなと思っていませんか?10年後にはどうなっているのでしょう。旬は過ぎつつあるということです。
だったら娼館でフレッシュな巨乳を指名すればいいだけです」
デ「レティシア、私は別に巨乳好きじゃない」
私「……」
デ「本当だ!」
私「まあ、もしダイアナ様を迎えるという話になったらアレを切り落とす予定です。つまり白い結婚になりますけどよろしくて?」
「「え?」」
デ「は?」
私「だって兄様がそうしなさいって。その後のことは兄様が後片付けするから気にせず切り落とせって」
ディオンは股間を隠した。
私「ディオン。それって私に対する宣戦布告なの?」
デ「ち、違う」
私「隠したということは…まさかもう!?」
デ「違う!私はレティシア以外に触れない!」
私「兄様と相談しようかな」
デ「夫人、ダイアナ嬢。私とレティシアは幼少からの付き合いで今も仲の良い夫婦だ。第二夫人も妾も愛人も要らないし娼館にも通わない。
本家の妻を侮辱するような発言は止めてもらいたい」
ダ「でも、ディオン様っ。私はずっとお慕いしていて」
デ「ベスコ男爵には管理者として大きな価値があるが、ダイアナ嬢個人としては魅力を感じない。一刻も早く縁談の募集をしている家門へ申し込んで嫁いだ方がいい」
男爵「大変失礼いたしました。直ぐに嫁がせます」
夫人「あなた」
ダ「お父様っ」
私「ディオン。疲れちゃったわ。休憩しましょう」
デ「すまないな シア。お詫びに向こうの席に運んであげよう」
ディオンは抱き上げて席に移動すると椅子に座り、その上に私を降ろした。そして飲み物を飲ませてくれた。
「シア。俺はシアのものだ」
「ふん。浮気者っ」
かなり寂しい。
「シア、俺がいるだろう」
「兄様がいないの」
「ほら、おいで」
隣に座ったディオンに抱き付いた。
ディオンは私の肩に腕をまわし抱き寄せた。
「兄様の匂いじゃない」
「俺が臭いって?傷付くなぁ」
「そんなこと言ってないわ。ただ兄様の匂いに包まれて育ったんだもの仕方ないでしょう」
「義兄上とシアが兄妹で良かったよ」
「私もそう思うけど、兄妹だから結婚できないの」
「……」
「妹だと嫁いで離れ離れになっちゃうけど、お嫁さんになれたらずっと一緒だもの」
「いや、妹でもべったり一緒だったろう」
「領地に行こうかな、 ひゃあっ」
「俺が膝の上に乗せて可愛がるからここに居ろ」
「なんかしっくりこない」
「もっと長い目で見てくれよ」
「兄様に寂しいってお手紙書こうかな」
「止めろ。あの人は直ぐに戻ってくるぞ。それじゃマノン様が可哀想だろう。何ヶ月も夫だけ王都にいたんだから」
「やっぱり兄妹じゃない方が良かったじゃない」
「そろそろ支度をしてこい。午後はガーデンパーティーだぞ」
「は~い」
今日はウィルソン家のガーデンパーティーだ。
王都にいる親類や領地から参加できる親類を呼び、急遽結婚した私達のお披露目をすることになっている。
「本日はこちらを身に着けてください」
メイドがアクセサリーケースを開けた。
「こんな高そうなものは怖いわ」
「こちらはディオン様がレティシア様のために作らせた物です。着けて頂かないとディオン様が落ち込まれます」
「分かったわ」
ディオンの瞳はオレンジに近い黄色だからそっくりな色を探すのが難しい。なのにこんな大きな石を使ってしまうなんて。
そしてこのカチューシャにもディオンの瞳の色の宝石が散らばめられている。頭に装着するとティアラに見えそうで怖い。幅の細いもので良かった。
支度の整った私を見てディオンが嬉しそうに微笑む。本当はミリアナ様に自分の色の宝石を身に纏って欲しかったのだろう。
「よく似合っている。我が妻レティシア」
「あ、ありがとう」
改めてハンドキスをされるとなんだか照れる。
庭に出ると結構な人数が出席していた。
侯爵夫妻が私達の婚姻を報告して紹介し、一組ずつ顔合わせをしていく。
私にハンドキスをしようと手を取ろうとする令息がいるとサッとディオンが前に出て遮る。
“義兄上に報告しなくてはならないので”
ディオンがそう言うと顔を青くして引き下がる。
そして何人かの令嬢の内、2人はディオン狙いみたい。
「うちの娘はもうすぐ学園を卒業しますのよ」
「アドリーヌ嬢、おめでとうございます。最後まで気を抜かないようにして卒業を迎えてください」
「ディオン様、卒業パーティーでエスコートしてくださいませんか。憧れのディオン様とご一緒できれば一生の思い出となりますわ」
「妻を蔑ろにしろと?」
「いえ、」
「そうではありませんわ。心の広い奥様ならご理解いただけるかと」
娘の代わりに母親が私に振ってきた。
「え?断れは私は心が狭いのですか?夫人」
「そ、そういうわけでは」
「そう仰いましたけど、聞き間違いでしょうか。
残念ですけど、私 心が極狭で、蟻も通れませんのもしかしたら紙一枚も通さないかもしれません」
「シアっ」
「うちの可愛いお嫁さんはね、ディオンの過去の女の影を知ったとき、屋敷中の手頃な物を投げ付けましたのよ。投げ足りないと分かると追加で投げる物を用意させましたの。とても可愛かったわぁ」
「お、お義母様っ」
「ディオンは次の影は作れませんわ。今度は100本くらいナイフを用意しなくてはならなそうですから。その時はアドリーヌ嬢が的になるかもしれませんわよ?ディオンは一つも避けませんでしたから、アドリーヌ嬢も避けることは許されないかもしれませんわね」
「だ、大丈夫です。卒業パーティーは弟と行きます」
「それは良かったですわ。ねえ、ディオン、レティシア」
「はい、母上」
「そちらにいらっしゃるのは弟さん?確かカミーユ様でしたね。学園は慣れましたか?」
「は、はいっ」
「私もカミーユ様のような弟が欲しかったのです。兄に甘やかされてばかりで、私も誰かを甘やかしたいと願っていたのですけど、弟も妹もできなかったのです」
「レ、レティシア様のような姉様がいてくださったら、僕は全力で甘えますっ」
「ふふっ。またお会いしましょうね」
「はいっ!直ぐ参りますっ!」
ディオンがまた間に入った。
そしてまた何組目かの後に。
夫人「まあまあ、お美しいお嬢様で」
デ「レティシア。こちらは領地の一部を管理しているベスコ男爵家の方々です」
夫人「ディオン様もすっかり逞しくおなりになって。ねえダイアナ」
ダ「相変わらず素敵ですわ」
夫人「正妻は迎えたことですし、次は男爵家でもよろしいですわよね。ディオン様を満足させられるよう躾けましたので、どうかお召しください」
え?夫人が私の胸を見て言ったわよね。
令嬢も豊満な胸を突き出しているわ。
デ「私はレティシアを妻にできて満足しております」
夫人「最初はね。その内物足りなくなりますわ。レティシア様も何処かの女狐より、ダイアナが第二夫人になった方が安心ですわよね」
私「質問をしてもいいですか」
夫人「どうぞレティシア様」
私「ダイアナ様の売りって何ですか?」
「「え?」」
私「妾の斡旋なら、わざわざディオンより歳上を選ぶ必要なんて無いですし、夜伽がお役目なら必要なときに高級娼館を使った方がお得ですわ。ダイアナ様を養うにはお金がかなり掛かりそうですもの。それなのにあえて第二夫人にですか… 子を産むことと夜伽以外に何かウィルソン家に役立つダイアナ様の売りってありますか?」
夫人「なっ!」
デ「確かに引き取ったらそれなりの費用が掛かりますね。ウィルソン家にどう有益か教えていただきたい」
ダ「と、殿方は貧相な体より私みたいな体を好むのです!」
デ「俺が妻を体で選ぶとでも?」
ダ「え…そうじゃなくて、」
私「でも、そのご自慢の胸はいずれ垂れて萎んでいきますよ?今23歳ですよね。そろそろ十代よりも下がってきたなと思っていませんか?10年後にはどうなっているのでしょう。旬は過ぎつつあるということです。
だったら娼館でフレッシュな巨乳を指名すればいいだけです」
デ「レティシア、私は別に巨乳好きじゃない」
私「……」
デ「本当だ!」
私「まあ、もしダイアナ様を迎えるという話になったらアレを切り落とす予定です。つまり白い結婚になりますけどよろしくて?」
「「え?」」
デ「は?」
私「だって兄様がそうしなさいって。その後のことは兄様が後片付けするから気にせず切り落とせって」
ディオンは股間を隠した。
私「ディオン。それって私に対する宣戦布告なの?」
デ「ち、違う」
私「隠したということは…まさかもう!?」
デ「違う!私はレティシア以外に触れない!」
私「兄様と相談しようかな」
デ「夫人、ダイアナ嬢。私とレティシアは幼少からの付き合いで今も仲の良い夫婦だ。第二夫人も妾も愛人も要らないし娼館にも通わない。
本家の妻を侮辱するような発言は止めてもらいたい」
ダ「でも、ディオン様っ。私はずっとお慕いしていて」
デ「ベスコ男爵には管理者として大きな価値があるが、ダイアナ嬢個人としては魅力を感じない。一刻も早く縁談の募集をしている家門へ申し込んで嫁いだ方がいい」
男爵「大変失礼いたしました。直ぐに嫁がせます」
夫人「あなた」
ダ「お父様っ」
私「ディオン。疲れちゃったわ。休憩しましょう」
デ「すまないな シア。お詫びに向こうの席に運んであげよう」
ディオンは抱き上げて席に移動すると椅子に座り、その上に私を降ろした。そして飲み物を飲ませてくれた。
「シア。俺はシアのものだ」
「ふん。浮気者っ」
1,861
お気に入りに追加
2,312
あなたにおすすめの小説
どうして私にこだわるんですか!?
風見ゆうみ
恋愛
「手柄をたてて君に似合う男になって帰ってくる」そう言って旅立って行った婚約者は三年後、伯爵の爵位をいただくのですが、それと同時に旅先で出会った令嬢との結婚が決まったそうです。
それを知った伯爵令嬢である私、リノア・ブルーミングは悲しい気持ちなんて全くわいてきませんでした。だって、そんな事になるだろうなってわかってましたから!
婚約破棄されて捨てられたという噂が広まり、もう結婚は無理かな、と諦めていたら、なんと辺境伯から結婚の申し出が! その方は冷酷、無口で有名な方。おっとりした私なんて、すぐに捨てられてしまう、そう思ったので、うまーくお断りして田舎でゆっくり過ごそうと思ったら、なぜか結婚のお断りを断られてしまう。
え!? そんな事ってあるんですか? しかもなぜか、元婚約者とその彼女が田舎に引っ越した私を追いかけてきて!?
おっとりマイペースなヒロインとヒロインに恋をしている辺境伯とのラブコメです。ざまぁは後半です。
※独自の世界観ですので、設定はゆるめ、ご都合主義です。
【完結】母になります。
たろ
恋愛
母親になった記憶はないのにわたしいつの間にか結婚して子供がいました。
この子、わたしの子供なの?
旦那様によく似ているし、もしかしたら、旦那様の隠し子なんじゃないのかしら?
ふふっ、でも、可愛いわよね?
わたしとお友達にならない?
事故で21歳から5年間の記憶を失くしたわたしは結婚したことも覚えていない。
ぶっきらぼうでムスッとした旦那様に愛情なんて湧かないわ!
だけど何故かこの3歳の男の子はとても可愛いの。
今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
あなたなんて大嫌い
みおな
恋愛
私の婚約者の侯爵子息は、義妹のことばかり優先して、私はいつも我慢ばかり強いられていました。
そんなある日、彼が幼馴染だと言い張る伯爵令嬢を抱きしめて愛を囁いているのを聞いてしまいます。
そうですか。
私の婚約者は、私以外の人ばかりが大切なのですね。
私はあなたのお財布ではありません。
あなたなんて大嫌い。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
大嫌いな幼馴染の皇太子殿下と婚姻させられたので、白い結婚をお願いいたしました
柴野
恋愛
「これは白い結婚ということにいたしましょう」
結婚初夜、そうお願いしたジェシカに、夫となる人は眉を顰めて答えた。
「……ああ、お前の好きにしろ」
婚約者だった隣国の王弟に別れを切り出され嫁ぎ先を失った公爵令嬢ジェシカ・スタンナードは、幼馴染でありながら、たいへん仲の悪かった皇太子ヒューパートと王命で婚姻させられた。
ヒューパート皇太子には陰ながら想っていた令嬢がいたのに、彼女は第二王子の婚約者になってしまったので長年婚約者を作っていなかったという噂がある。それだというのに王命で大嫌いなジェシカを娶ることになったのだ。
いくら政略結婚とはいえ、ヒューパートに抱かれるのは嫌だ。子供ができないという理由があれば離縁できると考えたジェシカは白い結婚を望み、ヒューパートもそれを受け入れた。
そのはず、だったのだが……?
離縁を望みながらも徐々に絆されていく公爵令嬢と、実は彼女のことが大好きで仕方ないツンデレ皇太子によるじれじれラブストーリー。
※こちらの作品は小説家になろうにも重複投稿しています。
妻のち愛人。
ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。
「ねーねー、ロナぁー」
甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。
そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる