【完結】王子妃に指名された令嬢は幼馴染に身を委ねる【R18】

ユユ

文字の大きさ
上 下
55 / 55

思ってもいなかった未来 微R15& ※(ヴェルトとメイリン)

しおりを挟む


その後、出産経験のあるメイドが派遣された。
ヴェルトは頻繁にやって来る。
申し訳なくなってきて、メイリンがヴェルトの屋敷に移り住んだ。

産まれたのは女の子だった。
メイリンはほっとした。現辺境伯と揉めたくなかったからだ。

しかしメイリンは苦笑いの日々だ。
ヴェルトの溺愛がすごい。

娘のアンジェが何かするとすぐ“すごい”と褒め称える。
ずっと抱っこしてるから抱き癖はつくし
オムツ交換や湯浴み、夜泣きにも我先にと対応する。

「娘は嫁にやらん」と毎日言いながら寝かしつけている。
アンジェが一番先に覚える言葉が“嫁にやらん”になりそうだ。

しかも、現辺境伯一家がよくアンジェの顔を見に来る。
なぜかフォルナード家で女児は生まれない。だから女の子にはメロメロなのだ。
現辺境伯夫人はアンジェがもう少し大きくなるのを心待ちにしている。
ドレスの着せ替えをやって楽しみたいようだ。

「私ね、男兄弟5人の中に1人紛れていたの。貧しい男爵家でね、ドレスなんて滅多に買ってもらえず兄達のお下がりよ?
だから周囲からは6男兄弟だと思われていたわ。

最初に男の子は生まれにくいと聞いて嫁いだから、覚悟はしていたけど、我が子は男の子2人。可愛いけどやっぱり違うのよねぇ。

ヒラヒラした可愛いドレスを着るのが夢だったわぁ。今、ヒラヒラのドレスやピンクのドレスなんて着たら指刺されるわ。

メイリン様の娘なのは分かっているけど息子達とは血縁よ?娘みたいなものなの。可愛いドレスをたくさん作りたいの!お願い!アンジェちゃん連れてもっと遊びに来て!ドレスを着せてお披露目して頂戴!
そう言って縋り付かれると頷くしかない。

現辺境伯様からは
「妻が活き活きと目を輝かせているのはメイリン様のおかげです。
父も普通の人間にしてくださいました。
感謝しきれません」

と後半はよくわからない事を言われたメイリンだったが、元娼婦にこれだけ温かく迎えてくれる伯爵家に感謝をした。


ヴェルトの弟家族も時々やってきた。
アンジェが危ないことをすると、アンジェの身を守るためとアンジェにダメだと強めに言うのだが、アンジェが泣き出すと困り果て、終いには膝を付き『頼むからやらないでくれ』と拝み倒している。
そんなヴェルトを見てエストールはいつも爆笑している。

よくわからないシリウス様という方もたまに付いてくる。美しい容姿をしていた。
辺境伯の居候とエストールから聞いたがやたら王都の流行を把握した手土産をくれる。メイリンは不思議に思う。領地は森ですよね?


ヴェルトはエストールとレティシアナの結婚式の日にまさかこんな未来があるとは想像もできなかった。
メイリン以外の女を抱かなくなるなんてことも。

メイリンも妹と脚を失い、客に虐待されてた時にこんな未来があるとは想像もつかなかった。

ちなみに、娼館は名前を控えていた。
ヴェルトは面接の時に身体検査をした。
全部脱がせたのは客のしでかした仕打ちを確認するためだった。

ヴェルトはオーナーにメイリンを買った男がわかる名簿を貸してほしいと頼んだ。

届いたのは来店名簿だった。娼婦を傷つける行為をした時は記号が記されている。次に来た時、売れっ子なら断るが客の付きにくい娼婦には本人に聞いて判断させる。メイリンは受け入れていた。


メイリンを虐待した客は2人いて、
1人は棒や鞭で虐待することで興奮を覚える客だった。
ヴェルトは男を攫って滅多打ちにした後、森へ捨てた。生きて森を出られたかは知らない。

もう1人は後穴が好きな客だ。メイリンは後穴は拒否の娼婦だったし、そっちの経験はなかった。

身体に欠損がある娼婦で脱がせれば傷だらけだったから何してもいいだろうと考えた客は、メイリンを縛って潤滑液を後穴に大量に注ぎ込み、解さず一気に突っ込んだ。初物の後穴から得る刺激に興奮した男は腰が振れなくなるまで犯し続けた。

男は子爵家の四男だった男で商家の娘の家に婿入りしたが仕事も閨も役に立たず離婚された平民だ。背は低めで細い体だった。
ヴェルトは男を攫って裸にして縛り、過酷な肉体労働を科せられた犯罪者達を詰め込んだ荒屋に『ご褒美だ。好きに使っていい。壊れたら埋めておけ』と言って放り込んだ。

借りていた当時の来店名簿を返却したヴェルトに、オーナーは『これを使ってどうなさったのですか』と聞いた。
ヴェルトは『同じことをしてやった』と答えた。
この時からオーナーは恐怖を覚えるどころか、ヴェルトを崇拝した。



ヴェルトは娘を寝かしつけた後、毎日ではないがメイリンを大事に抱く。

フォルナード領内にいるので子爵家の近くで問題が起きれば剣を持ち、共に戦う。
そんな時は帰って来るとメイリンを激しく抱く。

1度目は膣内に注ぎ、2度目はメイリンを満足させ、射精せずに浴室へ行こうと立ち上がった。

「ヴェルト様、どうなさいましたか」

「気にするな。激しくしたから疲れただろう。寝ていなさい」

そういうヴェルトを引き留め、ヴェルトの前に跪いた。

「ヴェルト様」

メイリンは口を開けて待つ。

ヴェルトはメイリンが仕事を辞めて以来、勃たせるための口淫以外は求めなかった。

「もうしなくていいんだ」

それでもメイリンは口を開けて待つ。
ヴェルトは誘惑に負けて、勃ったままの陰茎を下に向けてメイリンの舌の上に亀頭部分をのせた。

メイリンは、進んでは先端に戻る往復を繰り返しながら、少しずつ根元に向かって咥えていった。

全部咥え込むと喉を締め、じっと待った。少しして、息をするために口から出す。
陰茎はビクン ビクンと動いておねだりしているように見えた。

メイリンは亀頭を舐め回し、裏筋を舐め上げ、カリを刺激しながら頭を動かした。
また口を離し、呼吸を整える。
陰茎はもう腫れ上がっていた。

またメイリンは口を開けて待った。
ヴェルトは何とも言えない表情で陰茎の先をメイリンの舌の上にのせた。
亀頭をパクっと咥えると、メイリンはヴェルトを見上げ、彼の両手を取り、自分の頭に挟むように添えさせた。

ヴェルトは興奮しながらも躊躇していたが、ヴェルトが動くまでじっと先端を咥え見つめて待っていた。

「メイリン、辛かったら俺を叩け。止めるから」

そう言うと、メイリンの頭を添えるように掴んでいた手に力を込め、腰を動かした。

何度か根元まで差し込むとそのまま射精した。
久しぶりの感覚にヴェルトは脱力してベッドに座り込んだ。

落ち着いたらメイリンをベッドに座らせた。今度はヴェルトが跪き、メイリンの脚を開いて愛芽に吸い付いた。両手で頂を摘んだりしながら、舌を器用に動かしてメイリンを攻め立てる。

メイリンが達しそうになると脚をがっちり抱き込み、強めに舌を押し付け舐め上げた。
メイリンは痺れるように痙攣して快楽を味わった。

2人は寄り添って眠りにつく。

「メイリン、ありがとう。俺は幸せだ」

「ヴェルト様、愛してくれてありがとう」

「やっと信じてくれたか」

「うふふっ」
 


仲睦まじい夫婦となっていた。



娘も成人し独立していった。
アンジェは辺境伯家で執務の補佐をしている。


メイリン一筋の元処刑人ヴェルト。
それはメイリンが死ぬまで変わらなかった。
心臓が止まったのだろう。朝起きるとメイリンは息をしていなかった。

若いメイリンの方が先に逝くなんて想像もしなかった。
何の前触れも感じなかったヴェルトは突然の別れに酷く落ち込んだ。
半年も経たずに後を追うように衰弱死した。




現辺境伯は2人を特注の1つの棺に埋葬し直した。
現辺境伯夫人は2人にペアのネックレスを作り、装着させた。
アンジェは己の髪の毛を切り落とし、棺に納めた。









最後まで読んでくださった皆様に感謝いたします。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた

菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…? ※他サイトでも掲載中しております。

【完結】溺愛婚約者の裏の顔 ~そろそろ婚約破棄してくれませんか~

瀬里
恋愛
(なろうの異世界恋愛ジャンルで日刊7位頂きました)  ニナには、幼い頃からの婚約者がいる。  3歳年下のティーノ様だ。  本人に「お前が行き遅れになった頃に終わりだ」と宣言されるような、典型的な「婚約破棄前提の格差婚約」だ。  行き遅れになる前に何とか婚約破棄できないかと頑張ってはみるが、うまくいかず、最近ではもうそれもいいか、と半ばあきらめている。  なぜなら、現在16歳のティーノ様は、匂いたつような色香と初々しさとを併せ持つ、美青年へと成長してしまったのだ。おまけに人前では、誰もがうらやむような溺愛ぶりだ。それが偽物だったとしても、こんな風に夢を見させてもらえる体験なんて、そうそうできやしない。  もちろん人前でだけで、裏ではひどいものだけど。  そんな中、第三王女殿下が、ティーノ様をお気に召したらしいという噂が飛び込んできて、あきらめかけていた婚約破棄がかなうかもしれないと、ニナは行動を起こすことにするのだが――。  全7話の短編です 完結確約です。

命を狙われたお飾り妃の最後の願い

幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】 重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。 イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。 短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。 『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

五月ふう
恋愛
 リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。 「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」  今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。 「そう……。」  マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。    明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。  リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。 「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」  ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。 「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」 「ちっ……」  ポールは顔をしかめて舌打ちをした。   「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」  ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。 だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。 二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。 「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

とまどいの花嫁は、夫から逃げられない

椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ 初夜、夫は愛人の家へと行った。 戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。 「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」 と言い置いて。 やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に 彼女は強い違和感を感じる。 夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り 突然彼女を溺愛し始めたからだ ______________________ ✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定) ✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです ✴︎なろうさんにも投稿しています 私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました

Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。 順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。 特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。 そんなアメリアに対し、オスカーは… とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。

処理中です...