【完結】王子妃に指名された令嬢は幼馴染に身を委ねる【Ｒ１８】

バルト邸

最後の宿で宿泊代と飲食代と避妊薬の代金を精算して出発した。

レティシアナは疲れてるようだから馬車で寝かせた。
日が暮れる前にバルト家に着くだろう。


やっと着いたと思ったら、バルト家の出迎えに、何でシリウスとパトリックがいるんだよ！

「お帰り～レティシアナ！エストール！」

「お帰りなさいませ、レティシアナ様、エストール様」

俺、ついで感をキャッチしたんだが、気のせいか？

何で子爵夫妻がお帰りのハグをしたからって、その勢いに乗ってシリウスとパトリックもレティシアナにハグをするんだよ！！

「何してるんだよ！」

「ごめんごめん、エストールにも！」

シリウスが俺にハグをし、続いてパトリックもハグをしてきた。
そうじゃない！！と言いたかったが、さらに続いて子爵と夫人もハグをしてきて、最後にレティシアナがハグをしてきたから、もう何も言えなかった。

「まったく、寂しがり屋め！」

「・・・（コクン）」

シリウス！
パトリックも頷いて同意するな！！

あれ？　もしかして、
パトリック！
お前、シリウスに洗脳されてるだろう！！

子爵夫妻は屋敷の中に戻って行った。

「エストール、お迎えありがとう」

「早く会いたくて行ったんだ。楽しかったよ」

「スッキリした顔しちゃって～
絶対何かあったよなぁ～」

「シリウス、何言ってるんだ！」

「そうみたいですね」

パトリックが棒読みのセリフをレティシアナを見ながら言った。

「・・・」

レティシアナ、顔を赤くしてたら肯定になっちゃうだろう。
夫妻が屋敷に戻っててよかった～！

「エストールのケダモノ！！キャッ！」

シリウス、お前なぁ、あれだけレティシアナ、レティシアナって騒いでおいて、よくそんな揶揄い方ができるなぁ。

「お前達、帰るぞ！」

「えぇ～っ！全然レティちゃんと話せてない！」

「お前が愛称で呼ぶな！」

「ふふふっ、皆すっかり仲良しなのね」

「すごいでしょ！エストールは可愛い弟だからね！」

「違う！」
　
「・・・レティシアナ様？何かございましたか？」

「顔をもう少し近くで見たいの」

「レティシアナ！！」

エストールが強くレティシアナを抱きしめて、パトリックから隠した。

怒りと嫉妬の炎が全身を包み込む

「レティシアナ！もう心変わりか！
まだ結婚してなくてもお前は俺のものだ！絶対に許さないぞ！」

「エストール、レティちゃんが恐がってるぞ、止めろ」

「シリウスは口を挟むな！」

「うふふふっ」

「「「 ！？ 」」」

「エストールは私が大好きなのね」

「レティシアナ」

「私が愛してるのはエストールだけよ。
ごめんなさいね、パトリック。
なんだか既視感があって、思い出せなくて」

「・・・あぁ、きっと、弟のことを言っているのですね。三男のライジェルは、貴女と同学年ですかね」

「ライジェル！そう、ライジェルよ！
あ～スッキリした！」

「レティシアナ・・・ライジェル君とはどういう？」

「癒しの天使、ライジェル・グルワール！」