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懸念
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入室した辺境伯が跪いた。
「バロスの恩人 イレーヌ妃殿下とリタ殿にジェラルド・バロスがご挨拶を申し上げます」
「お立ちください。
初めまして、バロス辺境伯。どうぞこちらへ」
「失礼いたします」
辺境伯は促されソファに座った。
「息子テオドールから詳細を伺いました。
渓谷手前のマディスンで水補給が出来なかったときのために水筒の中身を入れ替え、補給したと伺いました。マディスンの井戸をイレーヌ妃殿下とリタ殿が直に確認なさって、崩落ではないから迂回をした方がいいと仰ったこと、そして懸念は当たり賊を倒してくださったこと、何から何までテオドールの判断ミスで妃殿下並びにウィリアム王太子殿下やナディア王太子妃殿下、そしてリタ殿を危険に晒してしまいました。
深くお詫び申し上げます」
「きっと このようなことが無かったから大袈裟だと思われたのですね」
「賊の戦力がかなりあったこと、隣国ゾルディアの者が賊に扮していたということで、遺体を調べさせました。確かにゾルディア特有の刺青が入った者が複数おりました。あれはゾルディアの工作部隊の証です。今朝から軍を国境から広範囲に調査するよう命じました。
申し訳ございません」
「分かりましたわ。私達は視察どころではありませんので、追加の護衛騎士が到着次第 王都へ向かうと思います。あの井戸が無事だといいですね」
「はい、井戸も水質を確認するよう命じております。
リタ殿、他に気になることはありませんか」
「申し上げてもよろしいでしょうか」
「はい、お願いします」
「馬と武器を有したおよそ30名のゾルディア兵をどうやって超えさせたのか。検問所が何かの理由で機能しなかったのか、もしくは観光や商人に扮し 馬と武器は国境を越えてから用意したかもしれません。前者であれば大問題です。
あと、ウィリアム王太子殿下の来訪が漏れていたと疑った方がいいと思います。日時と場所が的確過ぎます。あの場所が日常的に狙われる危険地域ならば討伐の強化でよろしいかと思いますが、そうでない場合とゾルディアの工作部隊を掛け合わせると、バロス城で働く者と兵士全員を対象に、2、3年の間に勤め始めた者や環境が変わった者や性格が変わった者、この1ヶ月以内にいつもと違う動きをしていた者や定休でもないのに休んだ者を調べるとよろしいかと思います」
「内通者ですね」
「内通者になったのか、内通者を雇ったのか。
もしかしたら全ては偶然で、ゾルディアの秘密部隊が引退かクビになって あの渓谷で賊をやっていたのかもしれません。
ですが最悪の事態を想定すると、武器や兵力、指揮官になるような方の似顔絵や名前、通常の道の他に抜け道や警備の手薄な場所、駐在の位置や規模、そしてこのバロス城の見取り図や配置図、秘密の通路、その内の複数が漏れていると私なら考えます。ご子息が王太子殿下を迎えに上がる日時と場所を知ることができる立場にいるのですから」
「分かりました。ご忠告いただきありがとうございます」
辺境伯が退室した後、私達に付いたメイドに負傷した騎士達の元へ案内してもらった。
重症者は1人夜を越せなかったと聞いた。他の重症者は城まで動かせないので、渓谷を抜けた町で処置をして任せるしかなかった。別の町の医者も向かわせたがあれ以上はどうしようもない。
私達が見舞ったのは中程度から軽症の者だ。
「イレーヌ妃殿下、リタ様」
「ありがとうございます」
「護衛騎士が守られるなど あってはならないことでした。申し訳ございません」
負傷した騎士達は様々な思いで2人に気持ちを告げた。
2人は、負傷者ひとりずつ手を握り話を聞いたり水を飲ませたりした。
最後はビス卿の元へ向かった。彼は軽症ではあるが皆と一緒に休むべき者だったのに鍛錬場にいると言われたからだ。
イレーヌとリタを前に敬礼をする皆に向かって挨拶をした後、ビス卿を呼んだ。
「何故休まないの?」
「僕が生き残って、強い先輩達が…」
「皆 生き残れたら良かったわ」
「だから、一日も早く強くなりたいんです」
「でもね。ちゃんと治しましょう」
「こんなの 怪我のうちに入りません!」
「なら私も貴方みたいに足首を捻挫しても同じことを言って剣を握らないといけないのね」
「イ、イレーヌ妃殿下と僕は違いますっ」
「道中で仲良くなれたと思ったのは私達だけだったのね…グスン」
「!!」
「イレーヌ様、仕方ありません。仲良くなったと思っても実は違ったなどということはよくあることです。リタがおりますから泣かないでください」
「強くなれるよう教えてあげようと思っていたのに」
ビス卿は両膝両手を付いて頭を地に着けた。
「休みます!安静にして1秒でも早く治します!ですから、教えてください!お願いします!!」
「そんなことをしたら足首が悪化するじゃない。
リタ、手助けしてあげて」
「かしこまりました。
ビス卿、立ちましょう。医療棟までお連れします」
「ううっ…ごめんなさいっ 弱くてごめんなさいっ」
「泣くと治りが遅くなるのよ?」
「!! な、泣いておりません!」
「そうよね。いっぱい食べていっぱい休んで 早く治しましょうね。帰りも守ってくださるのでしょう?」
「は、はい!もちろんです……?
あの、まだ僕守られる側かもしれませんが」
「誰でもそんな時期があるものよ。さあ、行きましょう」
「はいっ」
その後 数日はウィリアムとナディアとイレーヌはバロス城の敷地内を案内してもらったりして過ごしながら迎えを待った。
行きと比べ、3倍の人員で帰るためだ。
負傷者を運ぶ馬車と、死んだ馬の代わりを連れてきてもらうために使者を送ったから。
だが呼びに出てから到着まで2週間はかかるだろう。
バロス城を探索し終わるとウィリアムはリタに手合わせを申し出た。
「弓は負けた。もう十分差があるのは分かった。
リタ、どこまで私か通用するのか知りたい」
「バロスの恩人 イレーヌ妃殿下とリタ殿にジェラルド・バロスがご挨拶を申し上げます」
「お立ちください。
初めまして、バロス辺境伯。どうぞこちらへ」
「失礼いたします」
辺境伯は促されソファに座った。
「息子テオドールから詳細を伺いました。
渓谷手前のマディスンで水補給が出来なかったときのために水筒の中身を入れ替え、補給したと伺いました。マディスンの井戸をイレーヌ妃殿下とリタ殿が直に確認なさって、崩落ではないから迂回をした方がいいと仰ったこと、そして懸念は当たり賊を倒してくださったこと、何から何までテオドールの判断ミスで妃殿下並びにウィリアム王太子殿下やナディア王太子妃殿下、そしてリタ殿を危険に晒してしまいました。
深くお詫び申し上げます」
「きっと このようなことが無かったから大袈裟だと思われたのですね」
「賊の戦力がかなりあったこと、隣国ゾルディアの者が賊に扮していたということで、遺体を調べさせました。確かにゾルディア特有の刺青が入った者が複数おりました。あれはゾルディアの工作部隊の証です。今朝から軍を国境から広範囲に調査するよう命じました。
申し訳ございません」
「分かりましたわ。私達は視察どころではありませんので、追加の護衛騎士が到着次第 王都へ向かうと思います。あの井戸が無事だといいですね」
「はい、井戸も水質を確認するよう命じております。
リタ殿、他に気になることはありませんか」
「申し上げてもよろしいでしょうか」
「はい、お願いします」
「馬と武器を有したおよそ30名のゾルディア兵をどうやって超えさせたのか。検問所が何かの理由で機能しなかったのか、もしくは観光や商人に扮し 馬と武器は国境を越えてから用意したかもしれません。前者であれば大問題です。
あと、ウィリアム王太子殿下の来訪が漏れていたと疑った方がいいと思います。日時と場所が的確過ぎます。あの場所が日常的に狙われる危険地域ならば討伐の強化でよろしいかと思いますが、そうでない場合とゾルディアの工作部隊を掛け合わせると、バロス城で働く者と兵士全員を対象に、2、3年の間に勤め始めた者や環境が変わった者や性格が変わった者、この1ヶ月以内にいつもと違う動きをしていた者や定休でもないのに休んだ者を調べるとよろしいかと思います」
「内通者ですね」
「内通者になったのか、内通者を雇ったのか。
もしかしたら全ては偶然で、ゾルディアの秘密部隊が引退かクビになって あの渓谷で賊をやっていたのかもしれません。
ですが最悪の事態を想定すると、武器や兵力、指揮官になるような方の似顔絵や名前、通常の道の他に抜け道や警備の手薄な場所、駐在の位置や規模、そしてこのバロス城の見取り図や配置図、秘密の通路、その内の複数が漏れていると私なら考えます。ご子息が王太子殿下を迎えに上がる日時と場所を知ることができる立場にいるのですから」
「分かりました。ご忠告いただきありがとうございます」
辺境伯が退室した後、私達に付いたメイドに負傷した騎士達の元へ案内してもらった。
重症者は1人夜を越せなかったと聞いた。他の重症者は城まで動かせないので、渓谷を抜けた町で処置をして任せるしかなかった。別の町の医者も向かわせたがあれ以上はどうしようもない。
私達が見舞ったのは中程度から軽症の者だ。
「イレーヌ妃殿下、リタ様」
「ありがとうございます」
「護衛騎士が守られるなど あってはならないことでした。申し訳ございません」
負傷した騎士達は様々な思いで2人に気持ちを告げた。
2人は、負傷者ひとりずつ手を握り話を聞いたり水を飲ませたりした。
最後はビス卿の元へ向かった。彼は軽症ではあるが皆と一緒に休むべき者だったのに鍛錬場にいると言われたからだ。
イレーヌとリタを前に敬礼をする皆に向かって挨拶をした後、ビス卿を呼んだ。
「何故休まないの?」
「僕が生き残って、強い先輩達が…」
「皆 生き残れたら良かったわ」
「だから、一日も早く強くなりたいんです」
「でもね。ちゃんと治しましょう」
「こんなの 怪我のうちに入りません!」
「なら私も貴方みたいに足首を捻挫しても同じことを言って剣を握らないといけないのね」
「イ、イレーヌ妃殿下と僕は違いますっ」
「道中で仲良くなれたと思ったのは私達だけだったのね…グスン」
「!!」
「イレーヌ様、仕方ありません。仲良くなったと思っても実は違ったなどということはよくあることです。リタがおりますから泣かないでください」
「強くなれるよう教えてあげようと思っていたのに」
ビス卿は両膝両手を付いて頭を地に着けた。
「休みます!安静にして1秒でも早く治します!ですから、教えてください!お願いします!!」
「そんなことをしたら足首が悪化するじゃない。
リタ、手助けしてあげて」
「かしこまりました。
ビス卿、立ちましょう。医療棟までお連れします」
「ううっ…ごめんなさいっ 弱くてごめんなさいっ」
「泣くと治りが遅くなるのよ?」
「!! な、泣いておりません!」
「そうよね。いっぱい食べていっぱい休んで 早く治しましょうね。帰りも守ってくださるのでしょう?」
「は、はい!もちろんです……?
あの、まだ僕守られる側かもしれませんが」
「誰でもそんな時期があるものよ。さあ、行きましょう」
「はいっ」
その後 数日はウィリアムとナディアとイレーヌはバロス城の敷地内を案内してもらったりして過ごしながら迎えを待った。
行きと比べ、3倍の人員で帰るためだ。
負傷者を運ぶ馬車と、死んだ馬の代わりを連れてきてもらうために使者を送ったから。
だが呼びに出てから到着まで2週間はかかるだろう。
バロス城を探索し終わるとウィリアムはリタに手合わせを申し出た。
「弓は負けた。もう十分差があるのは分かった。
リタ、どこまで私か通用するのか知りたい」
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