【完結】欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします

ユユ

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お望み通り白い結婚で

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待つこと15分。
やっと王太子がやってきた。

私「イレーヌと申します」

ウ「ウィリアムだ」

宰「それでは、婚姻に関する条件を定めます。イレーヌ王女殿下、どうぞ」

私「まず、私は当然ですが、連れて参りました侍女兼メイドのリタに、不敬な輩を罰する権限を与えてください」

王「よかろう」

私「次に、不遇を受けた場合、報告書を直接国王陛下に提出いたします。改善と、対象者に処罰をお願いします」

王「分かった」

私「住まいは別棟か、王太子殿下の部屋からできる限り離してください。そして私が入室していいと言うまで入室を禁じてください」

王「分かった。
入室の件をあえていうのはまさか?」

私「はい。
先程、私が寝所に伏しているときに、リタが止めたにも関わらず勝手に入室なさいました」

王「……ウィリアム」

私「“私の城だ。お前達などに許可をとる必要はない”と仰いましたわ。ウィリアム王太子殿下のお城だとしても、女性が伏している客間にズカズカと入るなど問題ですわね。ガラの悪い平民の様ですわ」

ウ「っ!」

王「徹底させよう」

私「勝手に入室した者は王太子殿下が相手でも身をもって分からせます。
夫であったとしても権利や尊厳を踏み躙るような行動に対しても正当防衛の行使をお許しください」

王「ウィリアム、王女の許可なく入室を禁じる。
王女専用の応接間等もだ。
破れば殴られても蹴られても お前は受け入れるしかない」

ウ「私を殴る!?」

私「王太子殿下との公務はいたしません」

王「……分かった」

私「最後に白い結婚にします」

王「子をもうけないと?」

私「第二妃が王子2人を産んでおられるので構わないはずです」

王「だが、それでは、」

私「会って名乗り合う前に、伏している私に、容姿について侮辱し、気遣う必要などないと仰いました。
私は 国王陛下が血迷って迎え入れた売れ残りだそうです。
それに、私では欲情しないと仰いました。
仕方ありませんよね?ご本人が拒絶なさったのですから。

倒れてベッドに伏した私を引っ叩いてでも起こして話し合いの場に連れて来いと仰る 血も涙もない殿方の子を産むなど耐えられませんわ」

ウ「っ!!」

私「どうしても子が必要であれば、第四妃でも妾でも愛人でもお迎えくださいませ。
もし、無理に事を成そうとすれば、お命をちょうだいいたしますわ」

王「ウィリアム…本当か」

ウ「少し誤解が…」

私「一緒に部屋に来た近衛に確認を取ってください」

王「ウィリアムの護衛騎士を入室させろ」


護衛騎士が入室して陛下が確認をとった。
王太子が目で威圧する中、彼らは嘘を述べた。

「脚色なさっておいでかと」

「受け取り方の違いでは」

「誤解があるようです」

私は3人の護衛騎士に告げた。

私「貴方達は近衛騎士よね。国王陛下に忠誠を誓って任命されているのに、まだ王太子でしかない彼のために主君を裏切るの?
騎士の誓いってこの程度だったのね。ガッカリだわ。王太子の愚行を嗜めるわけでもなく、顔色をうかがって偽証するなんて。
ご家族はさぞかし貴方達を恥に思うでしょうね」

ウ「この者達は嘘などついていない!」

私「ならば自白剤でも飲ませようかしら。
その時に嘘が分かれば取り返しはつかないわよ。
不敬罪になるもの」

「…申し訳ございません。王女殿下の仰る通りでございます」

「お許しください、王女殿下」

「愚かでございました」

王「何てことだ!!近衛騎士団長を呼べ!!」

宰「呼ばせます」

王「イレーヌ王女、申し訳なかった。其方の望み通りに書面にして愚息に署名をさせる」

ウ「っ!!」

私「よく言い聞かせてください。私は本当に身をもってわからせますので」

王「承知した」

私「では、客間に戻りますわ。住まいが決まったら侍女長に案内させてください」

王「イレーヌ王女。他の者達も紹介したい。
夕食を一緒にとってくれるか」

私「かしこまりました」
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