幼馴染である王太子の専属騎士になる運命だった私は、王太子にねちっこく溺愛されたのち結婚することになりました!

Mのうさぎ

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 三ヶ月後に私と殿下の結婚式が行われ、その日は王国民も仕事を一日お休みすることとなり、王国全体で盛大に祝われた。教会でお父様に手を引かれ、ヴァージンロードを歩く。
 神父様の前で愛を誓い合い、殿下と誓いのキスを交わした。
 私たちの結婚式が終わると、パレードが行われ、王城の庭園で歌や踊り、そして、晩餐会が開かれた。 
 その際に何度も違うドレスへとお色直しをすると、その度に殿下は私のことを褒め称えてくれた。
 そして、殿下と一緒に国民の皆と幸せをかみしめた。
 晩餐会の後、私たちは離宮まで移動した。
 私たちの恋が始まったところだ。
 子供の頃、ここで殿下にプロポーズをされ五年が経ち、今度は夫婦となって戻って来た。
 今日、私は殿下と初めてを迎える。
 離宮の玄関前では王国のメイド長を始め、数名のメイド達が夜の準備をし終えて、私たちを出迎えてくれた。

「王太子妃様はこちらへ」

 いつもとは違う呼ばれ方に、自分は殿下と一歩先の関係を踏み出したのだと思わされる。
 私は殿下と別れ、メイド達に連れられてお風呂に入れられた。
 体の隅々まで綺麗にされて、浴槽の中でしっかりと温まるように言われた。
 メイド長に浴槽に入っている際も髪の手入れをしてもらい、準備は万全といったところだ。
 やばい、緊張してきた。
 殿下とキスはいっぱいしたことはあるけど、お互いの恥ずかしい所を見せあったことは一度もない。もちろん、閨の勉強はしたし、知識としては知っているけど、あんなことや、そんなことを、殿下と……むむむっ。

「緊張なされていますか?」

 メイド長がにこりと私に微笑みかける。

「あ……、そ、そうですね……」
「大丈夫ですよ。きっと上手く行きます。私の見立てですが、殿下とアイラ様はとても相性が良いはずですから。人として……、もちろん、夜の相性も」
「ど、どうしてそう思うのですか……?」
「お互いに想い合えているからです」

 メイド長の笑顔にホッとする。
 そっか、殿下を信じれば良いんだ。
 ただ、私の好きな人のことを信じる。
 簡単なことのように思えてとても難しいことなのかもしれないけれど。
 お風呂を上がると、下が透け、脱がしやすいように肩紐が付いたネグリジェを着せられる。
 そして、体が冷えないように温かい布を肩に被せてもらうと――。

「いってらっしゃいませ」

 そっと背中を押され、殿下の部屋まで向かった。
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