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殿下の溺愛キスは毎日やって来る。
キスの度に頭の中と体をとろとろに熱くさせられていた私は騎士としての本分を忘れ、殿下の虜になり、四六時中殿下とのキスのことを考えていたことに気づき、身を正すことにした。
そう、殿下にお呼ばれして、キスをして喜ぶ女など単なる痴女だ!
私は殿下の将来の騎士となるべき人間。痴女ではなく殿下の隣にいるのに恥じない女性にならなければならない。
私は自身を奮い立たせ、懸命に自身の剣術を磨き、学をつけることにした。
日々研鑽を積むことで精神が研ぎ澄まされ、殿下にキスをされたとしても、以前より平常心を保てるようにもなったのだ。
さらに、剣術も勉強も結果が出れば、殿下の騎士としても一目置かれる。
まさに良いことしかない。
一年生の学期末。
私は学年トップを殿下と同点で取ったのだけど。
「アイラ、学年一位おめでとう」
「い、いえ。殿下も私と同点でしたが」
「アイラの方が凄いよ。俺の護衛や世話をしながら、夜な夜な起きて努力しているのを知っていた。よく頑張ったね。そんなアイラのためにも一杯ご褒美をあげないと。そうだ。今日はいつもと違ったキスをしようか」
「ど、どんなキスでしょうか」
「これは昨日、日頃のアイラのことを労うために王城の調理室で作った物なんだ」
殿下がポケットから小包を取り出す。
リボンを外すと、中にはピンク色をした星型のチョコレートが入っていた。
「殿下自らこれを。ありがとう……ございます」
「アイラと一緒に食べようと思って」
「それでは……お先に殿下が……」
「そうじゃないよ。アイラの口と僕の口の中で……だよ?」
殿下は一つ取りだして、自分の舌に乗せて私の口元に近づけてくる。
殿下の舌の熱でチョコレートがじわりと溶け始めていた。
殿下からの頂きものを粗末に扱うことなんてできない。
私は口を開けて、殿下の舌を受け入れた。甘いチョコレートが私たちの舌の体温で溶かされていく。舌をうねらせると、チョコレートが溶け、お互いの舌がチョコレートまみれになった。今度はチョコレートまみれになった舌を絡め合わせ、お互いに残さずチョコレートを一緒に舐め取っていく。殿下が私の舌についたチョコレートを味わうように舐めてくる。
ジュルッ♡……ジュルル♡……クチュッ♡……グチュ♡、チュポン♡
チョコレートのせいでいつもよりキスが極上に甘かった。
しかも、殿下と舌を絡め合っていると体が熱くなってくる。
殿下が私の頬に手を添え指でなぞると、体に電気が走ったかのように背中を反らした。
「んんぅッ♡」
「チョコレートキスはどうだった……と聞くまでもないかな」
「体が……熱いです……何か……入っているのですか?」
「変な物は何も入れてないよ。ただのチョコレート。アイラはただのチョコレートキスでこんなに気持ち良くなっちゃったんだ。最近、アイラが俺とのキスを平気そうにしていたから、やっぱり趣向は変えてみるべきだね」
「あ、あぅ……♡」
それじゃあ、私が殿下のキスを待ち望んでいたエッチな変態さんってことじゃないですか!
だけど、殿下の熱を孕んだ眼差しを向けられるだけで私の秘部は濡れ、殿下に触れられるだけで敏感に体が反応し、頭の中が真っ白になる。
「はぁ、はぅ……はぁあ♡」
殿下にキスをしてもらいたくて、頑張ったわけじゃない。
自分を律し、殿下の隣にいるのに相応しい騎士になるために頑張ったのだ。
だけど、殿下のキスは私の騎士としてのプライドを容易く壊していく。
吐息がかかる位置に殿下の唇がやってきた。
熱を孕んだ吐息がかかり、潤いを帯びた唇が私の唇に触れようとしてくる。
私は殿下のキスをもう拒めないでいた。
「アイラ」
二度目のご褒美キスはいつもより情熱的だった。
私の唇から涎が垂れてしまうほどで、私の口の中を優しく犯し尽くす。
キスがヒートアップしてくると、私たちはお互いに舌を出して、ちろちろと舌先を絡め合わせて、また深く舌を絡め合わせる。
ちゃっぷ♡……ちゅっぷ♡……じゅっぷ♡……ぬっぷっ♡……じゅるっぅ♡……ぬっぷっ♡……ぬっぷっん♡……じゅるるうぅう♡
「っ♡ んふぅ♡」
殿下は私の腰を抱いて、グッと体を引き寄せる。
「アイラをもっとちょうだい」
「んぅ♡」
何度も唇を重ね合わせ、お互いの舌を口で啄み、舐め合う。
止まらない、止められない、止めることなんてできない。
胸の奥から溢れる想いに私は抗えない。
殿下とのキスに息継ぎも忘れて耽ってしまう。
ちゅるん♡っと殿下の唇が離れた後、透明でねっとりとした唾液の糸は中々下に垂れず、まるで私たちのことを繋いでいるようだった。
息を荒げた私は劣情した瞳で殿下を見上げる。
「アイラに俺のずっと好きな人だって証拠をつけても良い? アイラが俺の隣から離れないようにしたくて」
私はもう拒めない。いっそうのこと滅茶苦茶にしてもらいたいくらいなのに。
顎から首筋を舌が這い、しゅるりと学園の制服のリボンを取られブラウスの第二ボタンまで外されると、私の鎖骨が剝き出しになった。殿下がちゅぅっと鎖骨辺りに唇を押し当てて、私の肌を淡く歯で挟み吸う。
「……⁈ んんっぅ……ぁ♡ ん゛ん゛ぅ♡ んぁ……はぁ……っ、あっ♡」
吸った部分を殿下が舐めると、舌先から殿下の唾液がたらりと私の鎖骨に落ちた。
窓ガラスに映った私の鎖骨には殿下のキスマークが付けられていた。
「ずっと愛している、アイラ。絶対に君を離さない」
殿下は私の艶やかな赤髪を手にとって微笑む。
そして、殿下に手首を取られ、窓に背を向けたまま、私はまた殿下と唇を合わせた。
私の騎士としての矜持がガラガラと崩れ落ちる音がした。
もう殿下のキスには抗えない。
だって私がいくら壁を作ろうとしても、殿下はその度に壊し、私を焦がすほど愛して来るのだから。
キスの度に頭の中と体をとろとろに熱くさせられていた私は騎士としての本分を忘れ、殿下の虜になり、四六時中殿下とのキスのことを考えていたことに気づき、身を正すことにした。
そう、殿下にお呼ばれして、キスをして喜ぶ女など単なる痴女だ!
私は殿下の将来の騎士となるべき人間。痴女ではなく殿下の隣にいるのに恥じない女性にならなければならない。
私は自身を奮い立たせ、懸命に自身の剣術を磨き、学をつけることにした。
日々研鑽を積むことで精神が研ぎ澄まされ、殿下にキスをされたとしても、以前より平常心を保てるようにもなったのだ。
さらに、剣術も勉強も結果が出れば、殿下の騎士としても一目置かれる。
まさに良いことしかない。
一年生の学期末。
私は学年トップを殿下と同点で取ったのだけど。
「アイラ、学年一位おめでとう」
「い、いえ。殿下も私と同点でしたが」
「アイラの方が凄いよ。俺の護衛や世話をしながら、夜な夜な起きて努力しているのを知っていた。よく頑張ったね。そんなアイラのためにも一杯ご褒美をあげないと。そうだ。今日はいつもと違ったキスをしようか」
「ど、どんなキスでしょうか」
「これは昨日、日頃のアイラのことを労うために王城の調理室で作った物なんだ」
殿下がポケットから小包を取り出す。
リボンを外すと、中にはピンク色をした星型のチョコレートが入っていた。
「殿下自らこれを。ありがとう……ございます」
「アイラと一緒に食べようと思って」
「それでは……お先に殿下が……」
「そうじゃないよ。アイラの口と僕の口の中で……だよ?」
殿下は一つ取りだして、自分の舌に乗せて私の口元に近づけてくる。
殿下の舌の熱でチョコレートがじわりと溶け始めていた。
殿下からの頂きものを粗末に扱うことなんてできない。
私は口を開けて、殿下の舌を受け入れた。甘いチョコレートが私たちの舌の体温で溶かされていく。舌をうねらせると、チョコレートが溶け、お互いの舌がチョコレートまみれになった。今度はチョコレートまみれになった舌を絡め合わせ、お互いに残さずチョコレートを一緒に舐め取っていく。殿下が私の舌についたチョコレートを味わうように舐めてくる。
ジュルッ♡……ジュルル♡……クチュッ♡……グチュ♡、チュポン♡
チョコレートのせいでいつもよりキスが極上に甘かった。
しかも、殿下と舌を絡め合っていると体が熱くなってくる。
殿下が私の頬に手を添え指でなぞると、体に電気が走ったかのように背中を反らした。
「んんぅッ♡」
「チョコレートキスはどうだった……と聞くまでもないかな」
「体が……熱いです……何か……入っているのですか?」
「変な物は何も入れてないよ。ただのチョコレート。アイラはただのチョコレートキスでこんなに気持ち良くなっちゃったんだ。最近、アイラが俺とのキスを平気そうにしていたから、やっぱり趣向は変えてみるべきだね」
「あ、あぅ……♡」
それじゃあ、私が殿下のキスを待ち望んでいたエッチな変態さんってことじゃないですか!
だけど、殿下の熱を孕んだ眼差しを向けられるだけで私の秘部は濡れ、殿下に触れられるだけで敏感に体が反応し、頭の中が真っ白になる。
「はぁ、はぅ……はぁあ♡」
殿下にキスをしてもらいたくて、頑張ったわけじゃない。
自分を律し、殿下の隣にいるのに相応しい騎士になるために頑張ったのだ。
だけど、殿下のキスは私の騎士としてのプライドを容易く壊していく。
吐息がかかる位置に殿下の唇がやってきた。
熱を孕んだ吐息がかかり、潤いを帯びた唇が私の唇に触れようとしてくる。
私は殿下のキスをもう拒めないでいた。
「アイラ」
二度目のご褒美キスはいつもより情熱的だった。
私の唇から涎が垂れてしまうほどで、私の口の中を優しく犯し尽くす。
キスがヒートアップしてくると、私たちはお互いに舌を出して、ちろちろと舌先を絡め合わせて、また深く舌を絡め合わせる。
ちゃっぷ♡……ちゅっぷ♡……じゅっぷ♡……ぬっぷっ♡……じゅるっぅ♡……ぬっぷっ♡……ぬっぷっん♡……じゅるるうぅう♡
「っ♡ んふぅ♡」
殿下は私の腰を抱いて、グッと体を引き寄せる。
「アイラをもっとちょうだい」
「んぅ♡」
何度も唇を重ね合わせ、お互いの舌を口で啄み、舐め合う。
止まらない、止められない、止めることなんてできない。
胸の奥から溢れる想いに私は抗えない。
殿下とのキスに息継ぎも忘れて耽ってしまう。
ちゅるん♡っと殿下の唇が離れた後、透明でねっとりとした唾液の糸は中々下に垂れず、まるで私たちのことを繋いでいるようだった。
息を荒げた私は劣情した瞳で殿下を見上げる。
「アイラに俺のずっと好きな人だって証拠をつけても良い? アイラが俺の隣から離れないようにしたくて」
私はもう拒めない。いっそうのこと滅茶苦茶にしてもらいたいくらいなのに。
顎から首筋を舌が這い、しゅるりと学園の制服のリボンを取られブラウスの第二ボタンまで外されると、私の鎖骨が剝き出しになった。殿下がちゅぅっと鎖骨辺りに唇を押し当てて、私の肌を淡く歯で挟み吸う。
「……⁈ んんっぅ……ぁ♡ ん゛ん゛ぅ♡ んぁ……はぁ……っ、あっ♡」
吸った部分を殿下が舐めると、舌先から殿下の唾液がたらりと私の鎖骨に落ちた。
窓ガラスに映った私の鎖骨には殿下のキスマークが付けられていた。
「ずっと愛している、アイラ。絶対に君を離さない」
殿下は私の艶やかな赤髪を手にとって微笑む。
そして、殿下に手首を取られ、窓に背を向けたまま、私はまた殿下と唇を合わせた。
私の騎士としての矜持がガラガラと崩れ落ちる音がした。
もう殿下のキスには抗えない。
だって私がいくら壁を作ろうとしても、殿下はその度に壊し、私を焦がすほど愛して来るのだから。
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