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最終章 黒髪黒眼の魔導士 VS 死の伝導士
7ー6【カミシロ・ロロ VS 暗殺者(下)】
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男はそう言うとナイフを真上に投げた。
それから魔法元素が可視化できるほどの魔力を粘土のように両手でこねくり回し、変形させ、形を整え、奇妙な姿をした魔法生命体を創生した。
見た目は大きなトカゲのようだった。
肩に収まる程度の大きさに、一定間隔で局部の色彩が変化している。
魔法生命体の瞳が色相の自然序列に従うように、黄色から青紫までを気味悪いくらいにローテーションする。いままで見たこともない類の魔法だった。
男は言った。
「オジサンと子供の、圧倒的な違いを教えてやろうか?」
興味はないが答えてやる。
「一部の税金を免除される、貴族特権の旨味を知っているか、とか?」
「バカか。……経験だよ、戦闘経験。てめえのデタラメな強さはいわば”点”だ。だが戦闘経験てのは、『点』ではなく『線』で現れるんだよ」
男は気分を直すように、乱れた紺色の髪を強くかき上げた。
「にしても、どんだけ夢のねえガキだ。オジサンてめえの将来が心配だ。まあだが――」
さきほど男が上方に投げたナイフが、回転しながら落下してくる。
緋色の瞳孔を細くして、男がそれを掴みとった!
「――今から死ぬから関係ねえか!」
「どっちがだろうな!」
相手の疾走と同時に、俺は氷殺類魔法――
――『氷弾裂波の奇環砲』を発動。
蒼に凍てつく六芒星が魔力によって俺の後方真上に描かれる。
そこから、先端を研磨されたように尖る無数の氷弾が連続射出されていく。幾条もの銀閃が六芒星により紡ぎだされ、相手に向かい斜めに降りそそぐ。
「こざかしい!」
男はジグザグに飛び跳ねながら何度か回転。
ナイフで氷弾の軌道を反らしながら、最低限の魔法障壁を張り、なお俺に向かい猛進してくる。
俺の狙いは本体ではない。
これは牽制のための魔法。
七色に目を光らせながら、それ以外は半透明に具象化されたあの特殊魔法。
あれの『能力』にさえ対処できれば俺の勝ちだ。
特殊魔法といえど、ある程度の分類はできる。
魔道士が独自属性を創りだす場合――例えば呪術属性を創った場合は、呪術系統に分類される魔法を複数持っている可能性が高い。
だが敵の肩にいる『ナニカ』は独自の属性に準ずる魔法とは思えない。
あの魔法生命体それ自体が特殊魔法だ。
相手と俺の距離が詰まり、迫りくるナイフが眼前で弧を描く。
「おっと!」
定石通りに攻めるのならば、相手から一定の距離をとりつづけ、こちらに分がある魔法で応戦する。じっくりと慎重に相手の特殊魔法を見極めるべきだ。
だが事態は切迫している。
そんな時はお手軽かつ簡単に、相手の特殊魔法の効果を理解できる方法がある。
それは、――魔法を一発もらえばいい。
ある程度賭けになるがしかたない。
俺は近距離戦で相手に挑むことを決意し、死の間合いへと再び踏み込む。
「どうした刃物使い! 動きが遅くなってるぞ! それを発動させているからか!?」
細かく上半身を振り動かせ、俺の片目に向かってくるナイフを回避。
左に体重を傾けながら、右腕を捻って相手の頬を裏拳で叩く。次いで右足の上段回し蹴りを流れるように同じ箇所にぶち込む。
そのまま、俺は相手に背を向けて体を倒し、後ろ足を大鎌のごとく動かせ相手の両足を刈り取った。カウンターから体重移動に伴う三連撃!
「ぬううっ!」
男は重心を見失い、体を床に横たえる。
即座に俺は回転を加えた踵落としを相手の顔面めがけて振り下ろす。しかし相手は巨躯に似合わぬ俊敏さでもって体を転がし、俺の足刀を回避した。
「オジサンの顔を潰す気か!」
男は口から血を流し、怒声を上げて後ろに飛翔。
すぐに体勢を整えて炎芸類魔法魔導級――『猛る火炎の大津波』を創生してきた。
生み出されるは横一線に広がる線上の炎。
そこから盛り上がる火炎の長壁がカーテンのように揺らめき、海原の波濤のごとくこちらに押し寄せる。教会内の物品を焼きつくし、炎に飲まれた装飾品はアメ細工のように溶けてゆく。
後方にクラリスがいるから回避は選択外だ。
「建てよ水柱!」
俺は単純な水芸類魔法により巨大な水柱を整列させるように六本創生。
渦を巻く水柱が怒涛のいきおいで建ち並んだ一瞬後、水は蒸気を吹き散らし、教会の四隅へ雪崩れ込む。
瞬間。
おびただしい蒸気のなかから、炎を纏った回転する二本のナイフが出現。身を低く構えてそれらを躱したあとに、一筋の影。隆々たる筋骨の輪郭。悪の権化ともいえる殺気。追撃にきた殺し屋は、両拳を合わせてハンマーの要領で下斜めから俺の顔面を殴打した!
「ガ――ッ!」
滲んだ視界に教会の天井が映る。
すると。
男の肩に乗っている魔法生命体が、ベロンと俺の魔力を舐めとった。生々しい感触。ねばつくような熱感。中身を抜かれたような、形容しがたい脱力感が体を掠めていく。
「くっ、気持ちわりい!」
風圧魔法――【風爆陣】により、俺の周りを中心に爆風を創生。吠えるような颶風に圧されて相手が床に転がる。
ひとまず相手と一定の距離をとる俺。
…………なんだ?
俺の魔力を舐めたってことは吸収系か?
それにしては魔力の減少を感じない。体の具合も変化なし。魔力導出に乱れもないから、封印魔法の類でもないな。つまり、こちらに変化はない。
俺は相手の出方を伺いながら、可及的速やかに体の状態を確認していく。
「おい、俺に何をした? 魔力でも吸収したのか?」
「く、くく。……くくく」
男は不敵に笑いながら、折っていた膝を直立に伸ばし始める。ゆっくりと。
「ずいぶん簡単に舐めさしてくれたなぁ。オジサン感激」
「そりゃ良かった。それがあんたの今日唯一の幸運だ。今のうちに噛み締めとけよ」
皮肉を混じえて、質問をつづける。
「体に違和感はないし、あんたの魔力も上昇してるわけじゃない。……何をしたんだ?」
見ると、男の肩に乗っている魔法生命体が紫色に変化している。
トカゲのようなそれは、飛び出しそうな瞳を音もなくギョロギョロと動かすと、男の口に入り込んで、腹底に落ちていった。
男の喉がゴキュッ鳴る。
「ん、あ、……ああぁ~」男は野太い声を吐きながら腹をなでる。「くく……、俺の特殊魔法は、『虹色の盗賊』。どんな魔法だろうがひとつだけ模倣することができる。模倣魔術だ」
ありえない……。
そう思いつつ、訊ねる。
「……まさか、……特殊魔法も、模倣できるのか?」
「くく、そうだ。ちょうど数日前、ルビナロスの秘薬を強奪する際、てめえん所の生徒会長に出くわした。その時、あいつの特殊魔法も頂いたってわけだ。魔力を0にできる魔術! 渡りに船だったぜぇ……」
俺から特殊魔法を奪うことに成功して気が緩んだのか、相手の口から有益な情報が紡がれる。
俺はこいつがジーニャの姿をしている時を思い出した。
「それで、あんたから魔力を全く感じなかったのか……。会長もあんたを探せないわけだ」
「ノア・カアリープスか。あいつの特殊魔法は凄まじいぞぉ。使い方によっては魔力をほぼ無限に使えるんだからなぁ。くく、だがまあ、オジサンにとってはもはや無用だ」
「なるほどな。バリバリの強化系魔道士にかかわらず、あんたから魔力がなくならないのはそういうことか。そしてお次は、俺の特殊魔法を模倣したってわけだ」
「ああ。使う切り札が同じなら、経験の差でオジサンの勝ちだ。このコピーマジックの最大の利点はな、相手の能力を使用することじゃあないんだよ。それは予測不能といわれる、相手の特殊魔法を余さず理解できるところにある。もはや貴様の特殊魔法が、形成逆転に使えることはないと思え! ……ずいぶんボコボコにしてくれやがってこのデタラメ坊主が」
短い沈黙が辺りを包む。
「……ふ、ははっ」
俺は抑えきれず、焼けただれた床の上で、引きつった笑いを零した。
憤怒の色を宿した相手の緋色の双眸が、俺の謎めいた微笑によって斜めに歪む。
「何が、……おかしい?」
「いやいや。やはり、あんたの幸運が続かないことにね」
特殊魔法はこれだから厄介だ。先に切り札を見せたら負けと思えと、師匠からやかましく教えられた日々を思い出す。相手の特殊魔法を知らずして模倣することなど蒙昧の極み!
口元を右腕でぬぐい、血だらけのツバをぺっと吐き出す。
それから魔力を漲らせ、火炎に煌めく拳を相手に向けた。
「悪いな殺し屋。――俺の勝ちだ」
それから魔法元素が可視化できるほどの魔力を粘土のように両手でこねくり回し、変形させ、形を整え、奇妙な姿をした魔法生命体を創生した。
見た目は大きなトカゲのようだった。
肩に収まる程度の大きさに、一定間隔で局部の色彩が変化している。
魔法生命体の瞳が色相の自然序列に従うように、黄色から青紫までを気味悪いくらいにローテーションする。いままで見たこともない類の魔法だった。
男は言った。
「オジサンと子供の、圧倒的な違いを教えてやろうか?」
興味はないが答えてやる。
「一部の税金を免除される、貴族特権の旨味を知っているか、とか?」
「バカか。……経験だよ、戦闘経験。てめえのデタラメな強さはいわば”点”だ。だが戦闘経験てのは、『点』ではなく『線』で現れるんだよ」
男は気分を直すように、乱れた紺色の髪を強くかき上げた。
「にしても、どんだけ夢のねえガキだ。オジサンてめえの将来が心配だ。まあだが――」
さきほど男が上方に投げたナイフが、回転しながら落下してくる。
緋色の瞳孔を細くして、男がそれを掴みとった!
「――今から死ぬから関係ねえか!」
「どっちがだろうな!」
相手の疾走と同時に、俺は氷殺類魔法――
――『氷弾裂波の奇環砲』を発動。
蒼に凍てつく六芒星が魔力によって俺の後方真上に描かれる。
そこから、先端を研磨されたように尖る無数の氷弾が連続射出されていく。幾条もの銀閃が六芒星により紡ぎだされ、相手に向かい斜めに降りそそぐ。
「こざかしい!」
男はジグザグに飛び跳ねながら何度か回転。
ナイフで氷弾の軌道を反らしながら、最低限の魔法障壁を張り、なお俺に向かい猛進してくる。
俺の狙いは本体ではない。
これは牽制のための魔法。
七色に目を光らせながら、それ以外は半透明に具象化されたあの特殊魔法。
あれの『能力』にさえ対処できれば俺の勝ちだ。
特殊魔法といえど、ある程度の分類はできる。
魔道士が独自属性を創りだす場合――例えば呪術属性を創った場合は、呪術系統に分類される魔法を複数持っている可能性が高い。
だが敵の肩にいる『ナニカ』は独自の属性に準ずる魔法とは思えない。
あの魔法生命体それ自体が特殊魔法だ。
相手と俺の距離が詰まり、迫りくるナイフが眼前で弧を描く。
「おっと!」
定石通りに攻めるのならば、相手から一定の距離をとりつづけ、こちらに分がある魔法で応戦する。じっくりと慎重に相手の特殊魔法を見極めるべきだ。
だが事態は切迫している。
そんな時はお手軽かつ簡単に、相手の特殊魔法の効果を理解できる方法がある。
それは、――魔法を一発もらえばいい。
ある程度賭けになるがしかたない。
俺は近距離戦で相手に挑むことを決意し、死の間合いへと再び踏み込む。
「どうした刃物使い! 動きが遅くなってるぞ! それを発動させているからか!?」
細かく上半身を振り動かせ、俺の片目に向かってくるナイフを回避。
左に体重を傾けながら、右腕を捻って相手の頬を裏拳で叩く。次いで右足の上段回し蹴りを流れるように同じ箇所にぶち込む。
そのまま、俺は相手に背を向けて体を倒し、後ろ足を大鎌のごとく動かせ相手の両足を刈り取った。カウンターから体重移動に伴う三連撃!
「ぬううっ!」
男は重心を見失い、体を床に横たえる。
即座に俺は回転を加えた踵落としを相手の顔面めがけて振り下ろす。しかし相手は巨躯に似合わぬ俊敏さでもって体を転がし、俺の足刀を回避した。
「オジサンの顔を潰す気か!」
男は口から血を流し、怒声を上げて後ろに飛翔。
すぐに体勢を整えて炎芸類魔法魔導級――『猛る火炎の大津波』を創生してきた。
生み出されるは横一線に広がる線上の炎。
そこから盛り上がる火炎の長壁がカーテンのように揺らめき、海原の波濤のごとくこちらに押し寄せる。教会内の物品を焼きつくし、炎に飲まれた装飾品はアメ細工のように溶けてゆく。
後方にクラリスがいるから回避は選択外だ。
「建てよ水柱!」
俺は単純な水芸類魔法により巨大な水柱を整列させるように六本創生。
渦を巻く水柱が怒涛のいきおいで建ち並んだ一瞬後、水は蒸気を吹き散らし、教会の四隅へ雪崩れ込む。
瞬間。
おびただしい蒸気のなかから、炎を纏った回転する二本のナイフが出現。身を低く構えてそれらを躱したあとに、一筋の影。隆々たる筋骨の輪郭。悪の権化ともいえる殺気。追撃にきた殺し屋は、両拳を合わせてハンマーの要領で下斜めから俺の顔面を殴打した!
「ガ――ッ!」
滲んだ視界に教会の天井が映る。
すると。
男の肩に乗っている魔法生命体が、ベロンと俺の魔力を舐めとった。生々しい感触。ねばつくような熱感。中身を抜かれたような、形容しがたい脱力感が体を掠めていく。
「くっ、気持ちわりい!」
風圧魔法――【風爆陣】により、俺の周りを中心に爆風を創生。吠えるような颶風に圧されて相手が床に転がる。
ひとまず相手と一定の距離をとる俺。
…………なんだ?
俺の魔力を舐めたってことは吸収系か?
それにしては魔力の減少を感じない。体の具合も変化なし。魔力導出に乱れもないから、封印魔法の類でもないな。つまり、こちらに変化はない。
俺は相手の出方を伺いながら、可及的速やかに体の状態を確認していく。
「おい、俺に何をした? 魔力でも吸収したのか?」
「く、くく。……くくく」
男は不敵に笑いながら、折っていた膝を直立に伸ばし始める。ゆっくりと。
「ずいぶん簡単に舐めさしてくれたなぁ。オジサン感激」
「そりゃ良かった。それがあんたの今日唯一の幸運だ。今のうちに噛み締めとけよ」
皮肉を混じえて、質問をつづける。
「体に違和感はないし、あんたの魔力も上昇してるわけじゃない。……何をしたんだ?」
見ると、男の肩に乗っている魔法生命体が紫色に変化している。
トカゲのようなそれは、飛び出しそうな瞳を音もなくギョロギョロと動かすと、男の口に入り込んで、腹底に落ちていった。
男の喉がゴキュッ鳴る。
「ん、あ、……ああぁ~」男は野太い声を吐きながら腹をなでる。「くく……、俺の特殊魔法は、『虹色の盗賊』。どんな魔法だろうがひとつだけ模倣することができる。模倣魔術だ」
ありえない……。
そう思いつつ、訊ねる。
「……まさか、……特殊魔法も、模倣できるのか?」
「くく、そうだ。ちょうど数日前、ルビナロスの秘薬を強奪する際、てめえん所の生徒会長に出くわした。その時、あいつの特殊魔法も頂いたってわけだ。魔力を0にできる魔術! 渡りに船だったぜぇ……」
俺から特殊魔法を奪うことに成功して気が緩んだのか、相手の口から有益な情報が紡がれる。
俺はこいつがジーニャの姿をしている時を思い出した。
「それで、あんたから魔力を全く感じなかったのか……。会長もあんたを探せないわけだ」
「ノア・カアリープスか。あいつの特殊魔法は凄まじいぞぉ。使い方によっては魔力をほぼ無限に使えるんだからなぁ。くく、だがまあ、オジサンにとってはもはや無用だ」
「なるほどな。バリバリの強化系魔道士にかかわらず、あんたから魔力がなくならないのはそういうことか。そしてお次は、俺の特殊魔法を模倣したってわけだ」
「ああ。使う切り札が同じなら、経験の差でオジサンの勝ちだ。このコピーマジックの最大の利点はな、相手の能力を使用することじゃあないんだよ。それは予測不能といわれる、相手の特殊魔法を余さず理解できるところにある。もはや貴様の特殊魔法が、形成逆転に使えることはないと思え! ……ずいぶんボコボコにしてくれやがってこのデタラメ坊主が」
短い沈黙が辺りを包む。
「……ふ、ははっ」
俺は抑えきれず、焼けただれた床の上で、引きつった笑いを零した。
憤怒の色を宿した相手の緋色の双眸が、俺の謎めいた微笑によって斜めに歪む。
「何が、……おかしい?」
「いやいや。やはり、あんたの幸運が続かないことにね」
特殊魔法はこれだから厄介だ。先に切り札を見せたら負けと思えと、師匠からやかましく教えられた日々を思い出す。相手の特殊魔法を知らずして模倣することなど蒙昧の極み!
口元を右腕でぬぐい、血だらけのツバをぺっと吐き出す。
それから魔力を漲らせ、火炎に煌めく拳を相手に向けた。
「悪いな殺し屋。――俺の勝ちだ」
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