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真・らぶ・TRY・あんぐる 十二・五

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  インタルード


佑を見失った後、彼の親友と自他ともに認める大部正明は、情報局の部室に戻っていた。 そして、局長・服部数三はっとりかずみに取材の報告をしていたのだった。
「――ということなんですが……あの……局長?」
書類に目を落としながら
「何かね?」
と尋ね返す数三。 局長かのじょの端正な横顔はいつ見ても惚れ惚れするなあ……と思う正明である。
「育嶋は、なんか悩んでいるみたいで……それに僕の親友なもので……」
「はっきり言わんか、はっきり!」
もじもじと、先程の佑が伝染ったがごとくにはっきりしない正明に数三は喝を入れた。
「は、はいっ! 発表しないでもよいですか?」
「かまわんぞ」
「え、本当に?」
てっきり『駄目だ』と言下げんかに断られるかと思っていた正明は顔を輝かせた。
本音を言えば、いくらなんでも友達の恋愛を切り売りなどしたくなかったのである。
彼はかなり友達思いなのだ。 弘へのは、一種のポーズであり、照れ隠しであり、冗談だったのである。
「ああ、だいたいこれだけ広まっていてはニュースとしての価値はもうあるまい。 それにだな」
「それに?」
「あたしはゴシップが嫌いだ」
端正な顔にかけた黒縁眼鏡の奥で瞳がキラリと光った。


正明はワープロに原稿を打ち込みながら独りごちた。
(そっかー局長はゴシップが嫌いなのかー。 ……また一つ局長のこと、わかったなー。 ……でも、そうすると……結城のアレもボツか……)
なんとなくほっとした正明は、にこにこしながら仕事を進めるのだった。



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