踏切 電車 向こう側

【2】僕

(25)何か。

最近夢を見る。


絵を描くのをやめた時

布団に入り目を閉じた時

学校へ行く時

憂鬱な授業を受けている時



その夢はどこか懐かしく、冷たく。
最初は断片的だったのだけれども
徐々にそれを見ていく度にその夢は鮮明になっていく。
ほとんどが目を覚ました時に忘れてしまうけど。
1人の女の子だけはどうしても消えない
夢の中ではその女の子と常に一緒にいるんだ。
最初に見た夢から出てくるその女の子は元気で明るく、金髪の少女。
夢では女の子と常に一緒にいる男の子もいる。
なぜか分からないがその男の子の時折見せる悲しみの感情は夢から目覚めたその後も胸の奥でつっかえている。
2人はよく屋敷裏の庭で日向ぼっこをしながらたわいのない話をしている。
この夢になんの意味があるのか分からないがその夢は心地よく、まるで忘れていた懐かしい記憶を紐解いている気分だ。

次この夢を見るとしたら今度はもう少し見ていたいな。—————